海外キャンパス「昭和ボストン」の付加価値向上と「ダブル・ディグリー・プログラム」の拡充を推進
グローバル教育の新機軸を創造するー昭和女子大学

海外キャンパス「昭和ボストン」の付加価値向上と「ダブル・ディグリー・プログラム」の拡充を推進<br>グローバル教育の新機軸を創造するー昭和女子大学

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昭和女子大学は、1988年に日本の大学で初めて海外キャンパス「昭和ボストン」を設置して以来、グローバル教育における先進的な改革を推進してきた。2021年秋にはコロナ禍で制約がある中、昭和ボストンをはじめ世界各国への留学を再開。さらにオーストラリア・クイーンズランド大学とのダブル・ディグリー・プログラムなど、新たなプログラムもスタートさせている。本稿では、昭和女子大学の積極果敢な取り組みと今後の展望について、国際学部長の川畑由美教授と、国際交流センター長の山崎真伸氏に話を伺った。

海外キャンパスを持つ強みを存分に発揮

昭和女子大学の海外キャンパス「昭和ボストン」

―海外留学を再開させた経緯からお聞かせください。

川畑 本学は、国際学部国際学科・英語コミュニケーション学科、グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科の3学科で、留学を卒業要件に課しています。コロナ禍で一時オンラインでの留学となりましたが、2021年秋にアメリカ・マサチューセッツ州にある「昭和ボストン」への留学を再開し、英語コミュニケーション学科の学生を中心に131名の学生が渡航しました。前半は国内で実施するオンラインプログラムとし、後半のプログラムを現地留学で実施する、これまでとは一部変更した内容となりました。現地のヘルスルームには看護師が常駐し、学生が少しでも違和感を覚えたら迅速に対応できる体制も整えました。

山崎 昭和ボストンは本学の施設だからこそ、現地スタッフも日本の感覚を理解し、細かい要望にもすべて応えてくれました。ただ、リスクもありましたので、学生には後半のプログラムもオンラインで実施する選択肢も用意しました。なお、現地には学生が宿泊する寮が8棟あり、うち2棟は陽性者や濃厚接触者が出た場合の隔離用としました。陽性者が出た際の対応策は、ミーティングやシミュレーションを繰り返し行い、入念に準備しました。

川畑 コロナ禍であっても、現地留学でしかできない経験を重視し、感染防止策を徹底させた上で、「ボランティアプログラム」や現地住民と学生が交流する「フレンドシップサークル」の活動なども行いました。学生からは「コロナ禍での留学経験自体が貴重。一般的な学生生活では決してできない経験ができた」といった声も聞かれました。
―海外での実体験を重視する揺るぎない信念を感じます。

川畑 全国的に日本人学生の留学者数は増えてきたものの、1カ月未満の短期留学が主流です。その点、本学は1セメスター以上の中長期で行うプログラムが非常に多く、近年は2セメスター以上での留学が増えています。留学期間が長ければ、自ずと異文化体験のみならず、英語や現地語で専門科目を学ぶ授業履修の機会も増えます。その第一段階として昭和ボストンでスキルアップすることで、ヨーロッパをはじめとする世界各国の協定校に留学する2カ国留学にもその力を生かすことができます。特に協定校の留学の場合、語学力の基準が設定され、制度があっても実際には参加できないケースもありますが、本学では昭和ボストンで確実に語学力を向上させることで、協定校の留学での授業履修にも対応できる力が養われるのです。

山崎 昭和ボストンでの経験は海外環境への適応力を高め、次の留学での学習効果も高まりやすいと言えます。海外渡航への心理的なハードルも低くなりますし、早く環境になじみ、現地の友人もできやすくなる利点もあります。それは協定校の方からも高く評価していただいているポイントです。

川畑 たとえば、国際学部国際学科の学生は「英語プラス1」が必須です。中でも「英語+フランス語」あるいは「英語+ドイツ語」を選択した学生は、昭和ボストンへの留学に加え、フランス、ドイツの協定校に留学することができます。このような場合、昭和ボストンを経験していれば余裕が生まれますし、各自が訪れる海外協定校でも自分の居場所を見つける力が身につくのです。

2021年秋、昭和ボストンへの渡航再開

世界基準の資質と評価を獲得するダブル・ディグリー・プログラム

―2カ国留学のほか、2大学の学位を取得できるダブル・ディグリー・プログラムも強みです。

川畑 ダブル・ディグリー・プログラムは、2013年度に中国・上海交通大学との間で始まり、韓国の淑明女子大学校、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)へと拡大した後、新たにオーストラリア・クイーンズランド大学とのプログラムが始まりました。

山崎 上海交通大学は2018年に最初の修了生が出て、2022年3月の卒業生を含めて52名がダブル・ディグリーを修了しています。TUJは2022年5月に最初の学位取得者が出ており、9月には本学の学位を取得する見込みです。ダブル・ディグリー・プログラムの標準的な在学期間は通算で4年半から5年となりますが、挑戦したほとんどの学生が2つの大学の学位を取得しており、高い修了率をキープしています。

川畑 ダブル・ディグリーを目指して本学に入学する学生も増えていますし、学生サポートのノウハウも蓄積されてきています。たとえばほとんどの学生が、中国語の知識がゼロの状態で入学し、上海交通大学の学位を取得しています。

―2大学の学位を取得するメリットや、語学力以外で必要なことがあれば教えてください。

川畑 流動的な時代にあっては、生活拠点やビジネス拠点がずっと日本国内にあるとは限りません。そんなとき、海外大学の学位は個人を客観的に評価する際の指標のひとつとして有効です。もちろん、肝心なのは肩書ではなく中身ですが、卒業生の中には新卒で入社してすぐに海外赴任を任されたり、新卒で国内企業に就職した後、セカンドステップとして海外企業に転職したりと、実際に個人の力が評価されて世界で活躍するケースもあるのです。そういった卒業生に共通しているのは、語学力だけではなく、思考力や分析力、そして自分の専門分野に関して周囲に語れるだけのコンテンツがあるということです。昭和女子大学の一般教養科目や専門科目で優れた成績を収め、確かな知識と教養を日本語で蓄えた学生が、留学先で専門分野を外国語で学ぶことで、相乗効果が生まれます。だからこそ、留学を希望する学生に対しても、本学における学びの成果であるGPAを重視しますし、履修指導も行います。語学力と専門性の両方を向上させて社会に送り出すことが私たちの使命であり、ノウハウが蓄積されている点でもあります。また、たとえば上海交通大学とのダブル・ディグリーを目指す学生なら、中国の歴史や文化、経済状況なども事前に学習し、異文化理解を深めることが大切です。留学先ではグループワークも多いため、相互理解に基づくチームワークは不可欠であり、学習効果の最大化にも寄与するのです。さらに忘れてならないのは、強いメンタルです。他国の学生に圧倒されることなく、きちんと自分の考えを発信できる力も肝心です。

3年間で大学を卒業しTUJの修士課程に進む「3+1プログラム」

―今年度からはTUJとの新たな取り組みも始まります。

山崎 既存のダブル・ディグリー・プログラムとは別に、3年間での早期卒業制度を利用してTUJの修士プログラムに進む「TUJ 3+1 MiM(Master in Mangement)」を開始します。履修のハードルは高く、取得単位数のほか、GPAや語学力の基準を満たす必要があります。このTUJ 3+1プログラム、TUJそしてクイーンズランド大学とのダブル・ディグリー・プログラムという英語系の3つの学位取得型プログラムには、現2年生のうち20名以上がチャレンジする意向を示しています。

川畑 修士プログラムでは英語で経営系の学びを進めていきますが、学部で経済や経営を学んでこなかった学生向けにカリキュラムが設計されている点が特徴です。とはいえ、会計や組織論、マーケティングなどの基礎的な内容について、まずは日本語で理解しておく必要がありますので、来年度から科目を新設することになりました。

もはやオンライン授業は“代替措置”ではない

―コロナ禍で注力されたCOIL型授業についてもお聞かせください。

山崎 COIL型授業とは、オンラインを活用して海外の大学と協働で取り組む学習スタイルです。たとえば、夏期休暇中に1週間ずつ、日本、韓国、中国の3カ国をまわり、寝食をともにしながら協働学習に挑む「日中韓プログラム」も2年間はオンラインで実施しました。コロナ禍における代替プログラムという位置づけでスタートし、2022年度もオンラインで継続する予定です。また、各国の協定校から留学生を選抜してもらい、本学の学生と3週間、一緒に本学で学習する「SSIP(昭和サマーインターナショナルプログラム)」は、日本での活動の事前プログラムをオンライン化する方向で検討中です。日本でのグループワークに向けて、オンラインで学生同士が顔見知りになれるメリットもあると考えています。もはや「オンライン=代替措置」ではなく、有効活用できるのなら将来にわたって利用するというスタンスです。昭和女子大学では、こうしたオンラインでのプログラムをはじめ、海外に渡航しなくてもグローバル体験ができるプログラムも充実させる方針のため、学生の選択肢がさらに広がっている状況です。

川畑 この2年間、国際学科では、コロナ禍で欧米・アジアでの現地留学はできませんでしたが、オンライン化のメリットも生まれました。従来は留学先の大学で英語の授業を設けていましたが、必ずしも日本人学生向けの的確な指導がなされているとは言えませんでした。しかし、コロナ禍で日本人学生向けに特化した英語教育ができる昭和ボストンからオンラインで授業を行ったところ、確実な英語力向上につなげられたため、今後もこのスタイルを継続していく予定です。

自分の可能性を広い視野で想像し、挑戦してほしい

―最後に受験生へのメッセージをお願いします。

川畑 本学では、近年ダブル・ディグリー・プログラムを実施している協定校に合わせてカリキュラムを改編し、語学を中心に各科目の到達目標も格段に高度化させてきました。その効果は、ダブル・ディグリーを目指さない学生のレベルアップにもつながり、特に語学力の向上は各種検定試験でも実証されています。こうして多くの在学生や卒業生が成長し、喜んでくれている手応えを感じられることは、教職員のモチベーションにもつながっています。ダブル・ディグリー・プログラムを拡充していく過程でも、学生のために新たな方向性を模索しようと、教職員が一丸となってチャレンジを続けてきました。

山崎 文部科学省のグローバル人材育成推進事業に採択された2012年を契機に、学内の雰囲気が大きく変わり、全学的にグローバルを重視する空気が醸成されてきました。グローバル社会での活躍を志向する学生が増え、それに応えるプログラムも年々充実し、体系化も進んでいます。「昭和女子大学は留学しやすい大学。情報も多く、サポートもあるので挑戦しやすい」とは、実際の学生の言葉です。専門性とグローバル力を兼ね備えた人材へと成長するための入り口を、本学は豊富に用意できているという自負があります。

川畑 大学受験では、偏差値だけでなく、先入観や人から聞いた話だけでもなく、自分の可能性を想像し、ときには視点を変えて新たな可能性を模索するのもいいでしょう。どうか自分の可能性を広げて志望校を選んでほしいと思います。本学なら留学はもちろんのこと、さまざまな挑戦ができますので、ぜひ検討してほしいですね。

在学生インタビュー

「好き」という気持ちが何よりの原動力。
とことん挑戦すれば、とことん成長できる

カリキュラム留学(淑明女子大学校ダブル・ディグリー・プログラム)

国際学部国際学科3年
桐田真菜さん

私は現在、韓国・ソウルにある淑明女子大学校とのダブル・ディグリー・プログラムの1期生として、同大の韓国語文学部に所属しています。韓国語学や韓国文学などを学びながら、卒業論文は外国人のための韓国語教育をテーマに書き進めています。

訪韓前には、韓国人の学生に日本語を教える「Language Tutoring Program」に参加しました。日韓での表現の違いなど、韓国語を学ぶ際に気をつけたポイントを思い出しながら、少しずつ上手に教えられるようになりました。

留学して最初の1年間は対面授業がなかったので、なかなか友達ができず、1期生でもあるため相談できる先輩もいませんでした。ただ、その分、何事も一人で切り拓いていく勇気や行動力が高まった自負があります。また、留学後最初のテストで驚いたのは、日本では考えられないほどの試験範囲の広さ。努力する以上に、自分のできる範囲を把握した上で冷静に対策を進める大切さを知り、計画性が身につきました。2022年4月からは対面授業も始まり、現地の学生と活発に交流しながら留学生活を楽しんでいます。

私は韓国が大好きだからこそ、コロナ禍で大変でも一人で留学しようと思えましたし、何事も自分で考え、積極的に取り組むことで自信がつきました。入学前までは、自分を過小評価している自覚がありましたが、好きな分野があればとことん努力できますし、今では成長できたという実感があります。受験生の皆さんには、まず自分が何に興味があるのか、何が得意なのかを見つめ直してみることをおすすめしたいです。

英語力も積極性も、留学するからこそ
得ることのできた多様な成果

カリキュラム留学(昭和ボストン)+交換認定留学(ワルシャワ大学)

国際学部英語コミュニケーション学科3年
本田美月さん

私が入学時に掲げた目標は、徹底的に英語力を伸ばすことでした。昭和ボストンでは、少人数で発言しやすいディスカッションの機会が多く、英語力に加え、失敗を恐れずに発言する積極性が高まりました。また、認定留学*を目指す学生が多いOutboundゼミでIELTS対策に取り組み、現在は念願の交換認定留学でポーランドのワルシャワ大学に在籍しています。日本人学生が少なく、ルームメイトはブルガリア人、ヨルダン人、プラジル人と、さまざまな国の留学生と交流できる環境で、日々多様な文化や価値観に触れています。

同大の授業で印象深いのは「ウクライナの国際関係」です。戦禍を逃れて国外に避難するウクライナ国民の苦悩について、ウクライナ人の先生が歴史的背景なども交えながら説明してくれました。ニュースでは感じられないほどの臨場感があり、危機が迫る過酷な状況が痛いほどにわかりました。その後、私はウクライナからの避難民を支援するボランティア活動にも参加。スタッフの献身的な姿や、誰にも壁をつくらない社交的な振る舞いに胸を打たれました。痛感したのは、4技能や語彙といった語学力を超越したコミュニケーションスキルの重要性。相手の文化的背景などを理解し、尊重しながら対話を深めていこうとする姿勢の大切さです。頭では理解しているつもりでも、実際の行動に移せていなかったことなのですが、反省をもとにすぐに改善策を実践できる点も留学のメリット。どんな相手にも臆することなく積極的に話しかける意識が強まったことは、留学に挑戦したからこその成果だと感じています。

*認定留学:留学期間の在籍を休学とせず、最長1年間を限度として修業年限に算入する留学のこと。卒業を延期せず4年間で卒業できる。

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