受験人口減少の時代でも「選ばれる大学」へ 関西学院大学の入試改革

受験人口減少の時代でも「選ばれる大学」へ 関西学院大学の入試改革

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受験をめぐる環境が大きく様変わりしている。大学入学共通テスト(※1)の初年度となった2021年度入試では、コロナ禍の影響もあって全国の私立大学志願者数が激減。一般選抜は前年度から12%減と、戦後最大の減少幅となった(※2)。そのような環境下において、志願者数を増加させたのが関西学院大学だ。学部の新設やカリキュラムの再編など次の時代を見据えた改革を推し進める同学に迫る、シリーズ「躍動する関西学院大学」。第2回の今回は、志願者増を支えた“受験生目線の入試改革”について、入学センターの岡田隆次長と山田高幹課長補佐に話をうかがった。

※1 以下、「共通テスト」 ※2 大学通信調べ。志願者数は一般選抜が対象

(右)入学センター 岡田 隆氏  (左)入学センター 山田高幹氏

―2021年度入試では、私大全体では志願者数減の大学が目立ちました。そのなかで関西学院大学は志願者数が増加しました。どのような要因があると分析されていますか?

岡田 おかげさまで一般選抜の志願者数は前年度比101.2%となりました。この要因としてまず挙げられるのが、理系4学部の新設です。本学の理系学部は理工学部の1学部のみでした。そこでは理学、工学や生命環境分野などの学びや研究が従来から行われてきました。ただ、それらが「理工学部」という1つの“看板”でまとめられているため、受験生からすると「何が学べるのか」「どんな研究をしているのか」がわかりにくかったかもしれません。そこで、学びや研究の内容に応じて学部を独立させ、カリキュラムも再編。受験生が学部選びをする際に選びやすい体制にしました。

山田 理系4学部を志願した受験生は、国公立を志望している人も多かったです。国公立の理系学部の多くは、理学部や工学部など、学部が細分化されています。本学の理系4学部も同様に、学びや研究内容に応じて細分化して学部設定されています。その結果、「国公立で工学部を目指すから、併願として私立でも工学部を」と考えた受験生にとって、本学が選びやすかったと考えられます。

岡田 理系4学部において、「1入試2出願」の制度を導入したことも大きな要因になりました。この制度では、数学・理科・英語の3科目を均等配点する「総合型」と、数学と理科の配点を大きくする「数学・理科重視型」の2つの受験方式を併願できます。1回の受験で2回の合否判定が受けられる、得意科目を活かしやすい、そして2出願目は入学検定料が減額されるというメリットがあります。理系志願者のおよそ半数が利用しました。

志願者数の増加に伴って、合格者数も増加しました。前年度と比べると、文系理系あわせて約2800人の増加となりました。長丁場の受験勉強において、一般選抜の受験者とは、いわば「最後まで粘り強く頑張る力」を備えた人たちです。本学では、その力を高く評価しています。諦めずに頑張る力、最後までやりきる力を備えた人に入学してもらいたいという思いが、一般選抜の合格者増という形になって現れていると言えます。

―2022年度入試では、どのような新たな取り組みを行いますか?

岡田 一般選抜では、共通テスト利用型の入試に、7科目型を新設します(※3)。これは主に、国公立大学を志望している受験生にも受験機会拡大を目指した取り組みです。先ほどもお話ししましたが、2〜3月に行われる私立大学の一般選抜や国公立大学の2次試験を受験する人は、「最後まで粘り強く頑張る力」を備えた人です。本学は多様性を重視しています。スポーツに打ち込んだ経験や国際経験を持つ学生が本学の多様性の一角を担うのと同じように、「勉強に打ち込んだ」「最後まで頑張った」という経験もまた、本学の多様性をより豊かにすると考えています。だからこそ、国公立大学を志望する人にも本学をより多く知っていただき受験してもらいたいのです。

※3 1月出願の文系10学部が対象。理系4学部は従来から7科目型を実施済み。3月出願は文系・理系ともに対象外

この他に、一般選抜では2月1日と2日の試験日程を改革し、募集人員を増やして「全学部日程」を導入します。これにより2日間連続で全ての学部が受験できるようになりました。他学部や他大学との併願も容易になります。

総合型選抜では、従来の「スーパーグローバルハイスクール対象入学試験」「スーパーサイエンスハイスクール対象入学試験」「探究(課題研究)評価型入学試験」を統合し、「探究評価型入学試験」に1本化します。従来の3つの試験は、受験生が高校時代に取り組んだ内容こそ違えど、興味あることに打ち込んで物事を探究した姿勢を評価しようという狙いは同じでした。また、SGHやSSHに指定されていない高校でも、探究的姿勢を持って頑張っている高校生はたくさんいます。これらのことから、「探究を頑張っている高校生を評価します」という本学の姿勢をよりわかりやすくするために、今回の変更を行いました。名称や制度は変わりますが本質は変わりませんので、ぜひチャレンジしてもらいたいです。

理系4学部の新設にも話が通じるのですが、入試制度の改革の根底には「受験生にとってわかりやすくしよう」という思いがあります。高校時代の頑張り、大学での学びや研究、そしてその間にある入試。これらがわかりやすくつながることで、進路選択が有意義なものになると私たちは考えています。また、併願制度や全学部日程の導入のように、受験機会や受験の選択肢を可能な限り提供したいという思いもあります。受験生の立場になって、受験生目線で考えているのが、本学の入試改革と言えます。

―2021年度入試に対して、高校からの反応はいかがでしたか?

岡田 概ね好評をいただいています。理系4学部で導入した2つの受験方式の併願制度を約半数の受験生に利用いただいたことは、高校の先生方や受験生から評価いただけた結果だと考えています。

評価の声としてたくさん寄せられたのが、入学申込金の納入締め切りを後ろ倒ししたことです。この変更によって、受験生は他大学の結果を見ながら本学への納入を検討することができます。また、本学では2017年度より入学申込金を従来の30万円から20万円に引き下げています。これらの経済面での負担軽減につながる一連の改革には、歓迎の声をいただいています。

山田 合格者が増えたことにも評価の声をいただいています。本学ではここ数年、合格者が1万人を切っていました。それが2021年度入試では1万2000人を上回りました。「しっかりと合格者を出せる大学だ」ということは、ぜひ先生方や受験生にお伝えしたいです。

―今年の関西学院大学の入試の、セールスポイントをお教えください。

岡田 私たちはここ数年の入試改革を、受験生目線に立って進めてきました。ただ、「言うは易し」ではありませんが、いざ受験生目線で物事を行おうとすると、とても勇気がいることだと痛感しています。そこでより一層の覚悟を持って挑むために、私たち自身の部署の名称を「高大接続センター」から「入学センター」に改めました。理系4学部の新設や入試制度がそうであるように、「わかりやすさ」を追求したのです。名は体を表すと言います。些細なことかもしれませんが、受験生目線にこだわる私たちの姿を、この名称変更からも感じていただければと思います。

山田 本学が取り組んでいる数々の改革は、「社会のニーズに応えられる場所になる」という目標が共通しています。そこで、入試改革から少し視野を広げて、学部が取り組んでいる改革、特に文系学部の改革を紹介させてください。

ポイントは「AI活用人材育成プログラム」です。2019年度から始まった同プログラムは、基本的には全学部の学生が受講できます。しかし商学部ではさらに踏み込み、基幹科目として位置付けました。一般的にデータサイエンスは理系学部での学びと考えられがちですが、本学では、商学部という文系学部にいながらにして最先端のデータサイエンスを学ぶことができるのです。

総合政策学部も特徴的な取り組みを進めています。政策系学部を考える際には2つの視点があります。1つは「法律・政治中心」のもの、もう1つは「統計分析重視」のものです。本学は「統計分析重視」の総合政策学部です。効果測定を大切にしています。その効果測定においてはデータが欠かせません。そして、より多くのデータを集め、解析するにはAIが必要不可欠な時代です。そのAI分野のPython等プログラミング言語も学べるようになっています。これが文系でありながらも「データサイエンス」「IT」重視になっていく総合政策学部の新しさです。

このほかにも法学部では、ロースクールを含む、最短5年間で司法試験合格も目指せる新制度を導入しました。

教育学部では、グローバル化や教育改革にこたえるべく中・高一種免許(英語)が取得可能、また4年間で小・中2つの免許が取得可能です。「選ばれる大学」になるべく、さまざまな分野でさまざまな改革を行っています。ぜひご注目ください。

―高校の先生方や、その先にいる受験生のみなさんにメッセージをお願いします。

岡田 理系4学部の新設や各種試験の探究評価型入試がそうであるように、私たちは、既存のものを見直し、より良いものに変えていこうと常に考えています。そのときのフィルターが「受験生目線」だと言えます。決して、ブームに乗っただけであったり、小手先の改革ではありません。そのことは、入試改革と並行してカリキュラムの改編など多様な改革が行われており、それらのすべてが学生のみなさんが過ごす4年間、ひいては卒業後の社会を見つめていることからも感じてもらえると思います。私はこれを、本学らしい誠実さの現れだと自負しています。

進路選びにあたっては、可能な限り「リアル」を大切にしてもらいたいです。コロナ禍で例年とはまったく違った状況の2021年度入試では、オープンキャンパスや説明会などをやむを得ずオンラインに移行しました。そんななか、感染対策に工夫を凝らして開催した8月のキャンパスツアー参加者は、非常に多く本学を志願してくれました。キャンパスに実際に足を運び、自分自身の目で見て感じることが受験校選びに大きな役割を持っていると、図らずも証明されたのです。もちろん今年度も感染拡大の先行きは不透明で、オンラインの活用は不可欠です。しかし私たちとしては、可能な限りリアルで本学を体感いただける機会の提供に努めていきます。すでに入試説明会も、定員を抑えながら全国各地で開催しています。受験生のみなさんにはそういった場を利用いただき、少しでも多く「リアル」を感じてもらいたいです。

本学は14学部で2万人以上の学生が学ぶ大規模な大学です。学部単独でも1つの学校と言えるほどの規模ですが、その規模感とは裏腹に、学部同士の垣根が非常に低いことが特色です。他学部の授業を受けることもできますし、「ダブルチャレンジ制度」という仕組みを利用すれば、複数の学部で正規の単位を取得して卒業することもできます。もちろん、サークルや部活動など、他学部の学生とともに活動できる機会も豊富です。多様な専門性を備えた人がいて、その人たちと交流し、刺激を受けて成長できる機会に溢れていることが、本学の魅力だと言えます。全国24都市に一般入学試験の試験会場を設けているのには、受験生の利便性を高めたいという思いに加えて、全国各地から多様な経験を持った人に集まってもらいたいという思いもあります。今後も学部を超えた交流や学びを加速させるための環境整備に努めていきますので、ぜひ、全国のさまざまな地域から本学に学びにきてください。

山田 2021年度入試では、学校推薦型選抜などを使って年内に進路を決める受験生が多かったです。今年度もよく似た傾向になると予想されています。これは、2〜3月まで頑張った受験生のチャンスが大きくなっているとも言えるのです。周囲が早々に進路を決めていくなかで受験勉強を続けることは、辛かったり苦しかったりするかもしれません。でも、頑張り続ける力は大きな財産になります。頑張ることを諦めないでください。私たちは、みなさんの頑張りに応えられる環境の整備を進めていきます。本学でともに学べる日を楽しみにしています。

WEB上でも受験生目線の情報公開を

高校生向け情報サイト「関学のコト知るサイト」も、同学が取り組む受験生目線からの改革の一環と言える。ここでは、受験生にとっての“身近な先輩”である在学生が多数登場し、自身の成長や関西学院大学の魅力を語りかけている。また、理系4学部の新設やAI活用人材育成プログラムなど、近年の新たな取り組みについてもわかりやすく解説されている。今後も同学では、本サイトを含めたさまざまな媒体を通じて、「受験生が本当に必要とする情報」の発信に努めていく予定だ。
https://whatfor.kwansei.ac.jp/

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