10年で就職偏差値が上がり有名企業に入りやすくなった大学

10年で就職偏差値が上がり有名企業に入りやすくなった大学

主要企業に対する大学の就職力を可視化する数値として、「大学の就職偏差値」を算出した。この数値を2011年と21年で比較することで、10年間の就職偏差値の変化を算出した。この間、就職偏差値が上がり、就職力が高まった大学はどこなのか、検証してみた。

大学の就職偏差値は、主要企業の就職者数の規模などを勘案して、主要企業就職者が200人以上、100人以上200人未満、30人以上100人未満の3つのグループに分けてランキングした。

ランキング上位を難関大が占める

主要企業の就職者が200人以上のグループは、ランキング上位を難関大が占め、1位は0.8ポイントアップした東大だった。就職者が多い企業を見ると、11年は、日立製作所、三菱商事(各41人)、楽天グループ(36人)、三菱UFJ銀行(33人)、三菱重工業(31人)。21年は、アクセンチュア、ソニーグループ(各44人)、日立製作所(33人)、楽天グループ、野村総合研究所(各32人)となっている。

2位の慶應義塾大の21年に就職者が多かった企業は、東京海上日動火災保険(82人)、三菱UFJ銀行(76人)、アクセンチュア、みずほFG、三井住友銀行(各70人)など。金融業に囲まれて、アクセンチュアが11年より36人増えて3番目になっている。私立最難関大として双璧をなす早稲田大(6位)の就職者が多い企業は慶應義塾大と異なり、21年の就職者が多い企業は、富士通(85人)、NTTデータ(81人)、楽天グループ(78人)、アクセンチュア(64人)、東京海上日動火災保険(63人)と金融業が少ない。3位の京大は、関西電力(37人)、三井住友銀行(34人)、楽天グループ(29人)、アクセンチュア(28人)、パナソニック(27人)と非製造業が多い。

私立の理工系最難関の東京理科大が4位。主要企業の就職者が292人増え、増加比は1.38。21年の就職者数トップ3を11年と比較すると、日立製作所(33人)2人増、NTTデータ(29人)10人増、ソニーグループ(23人)19人増と、いずれも就職者数が増えている。5位の一橋大の就職者が多い企業は、楽天グループ(37人)、みずほFG、三井住友銀行(各15人)など。

1位はリベラルアーツ教育を展開する国際基督教大

次に、主要企業の就職者が100人以上200人未満の大学を見てみよう。1位は国際基督教大で就職偏差値は1.1ポイントアップ。日英バイリンガルでリベラルアーツを学び、留学や海外でボランティア活動を行うサービスラーニングなど、海外に出る学生が多い。就職者が多い企業には、日本IBM(8人)、楽天グループ(7人)、PwCコンサルティング(6人)、アクセンチュア(5人)など、グローバル企業が名を連ねる。

2位は創価大。就職者が多い企業はアクセンチュア、日本IBM、富士通(各7人)、みずほFG(5人)などで、60前後と、入社難易度が高い企業が並んでいる。

3位は21年の一般選抜の志願者が10万人を超えた千葉工業大。21年の就職者が多い企業は、メイテック(14人)、JR東海、富士ソフト、富士電機(各6人)などで、主要企業の就職者数は2.02倍に増えた。同大以外に2倍を超えているのは、5位の大阪工業大と8位の名城大だ。

キャンパスの利便性が向上した実践女子大がトップ

最後に、主要企業の就職者30人以上100人未満の大学を見てみよう。

1位の実践女子大は、14年に文学部、人間社会学部、短期大学部が日野キャンパス(東京都日野市)から渋谷キャンパス(同渋谷区)に移転し、就活の利便性が向上した。就職偏差値が1.8ポイントアップしており、就職者が多い企業は、明治安田生命(11人)、日本生命保険(4人)、住友生命保険(3人)など。

2位は、医学部、スポーツ科学部、医療看護部、保健看護学部、国際教養学部からなる順天堂大。21年に複数の就職者があったのは、サイバーエージェントと第一生命保険(各2人)。就職者1人の企業には、JR東日本、SUBARU、野村証券、みずほFGなどがある。3位の神奈川工科大の就職者が多い企業は、アルファシステムズ(4人)、シャープ、凸版印刷、日本コムシス(3人)などとなっている。

2011年比「就職偏差値が上がった大学」ランキング

大学就職偏差値の算出方法
◆2021年と2011年の就職偏差値を比較し、数値が変動した大学を2021年主要企業就職人数から3つのグループに分けて掲載した。
◆就職偏差値は、駿台予備学校の大学入試難易度と主要企業への就職者数から企業入社難易度を求め、その企業入社難易度をもとに算出した。
◆企業入社難易度の算出は、大学の平均難易度×その大学からの就職者数を企業ごとに合計し、その企業の就職者数の合計で割り算した。同様に、企業入社難易度と大学からの就職者数を加重平均し各大学の就職偏差値とした。同じ値で順位が異なるのは、小数点第2位以下の違いによる。
◆ただし、以下の条件の大学は掲載していない。2021年または2011年に主要企業への就職者判明数が9人以下の大学。2011年の回答に大学院修了者を含まず、2021年に含んだ人数で回答した大学。2021年の主要企業への就職者数が2011年に比べ1割以上減っている大学。
◆就職者数は、各大学へのアンケート調査と企業からのデータを使用した。未回答の大学は掲載していない。また、一部の大学は大学院修了者の人数を含んでいる。主要企業(2021年は424社、2011年は402社)は、日経平均株価指数の採用銘柄に加え、会社規模や知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に大学通信が選定した。
◆入試難易度は、駿台予備学校・共通テスト模試(2011年は全国マーク模試)、合格可能性80%を使用した。全データから、2部・夜間主コース、医学部医学科、歯学部歯学科、私立大共通テスト利用入試を除いた難易度の平均を学部平均難易度とし、その平均値を各大学の平均難易度とした。ただし、共通テスト利用入試のみの私立大は共通テスト利用入試のデータを使用した。
◆入試難易度の変動により、2021年の入試難易度が2011年に比べて全体に下がった結果、主要企業の入社難易度の平均が2021年は2011年より0.7ポイント下がったため、企業入社難易度の変動分を考慮し、0.7ポイントを加えて修正値とした。
◆大学名の※は国立、◎は私立、無印は公立を示す。

主要企業就職者数200人以上

主要企業就職者100人以上200人未満

主要企業就職者30人以上100人未満

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