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わが国初の私立農学校として、明治期の国際人であり化学者、政治家でもあった榎本武揚(❶)により1891(明治24)年に設立された東京農業大学。国内最大の農学系総合大学として、東京世田谷、神奈川厚木、北海道オホーツクの3キャンパスに6学部23学科、6研究科を擁しています。初代学長・横井時敬(❷)が唱えた建学の精神「人物を畑に還す」を継承し、理論と実践を重視する「実学主義」による教育・研究を展開。農林水産資源、食料、生命、環境、健康、地域、経済、流通、グローバルなど人類の生存に関わる幅広い領域に取り組むことで、地球を取り巻くさまざまな課題解決を担っています。「総合農学」の視点から社会に新たなものを導き出すことができる〝即戦力〟の人材育成にも力を入れています。国内外で活躍できる優秀な人材を輩出し続けることで、人類社会への貢献に尽力しています。
幅広い領域を有する農学で地球環境の問題解決に挑戦
東京農業大学は農林水産資源、食料、生命、環境、健康、地域、経済、流通、グローバルなど、人が生きるための幅広い領域を対象に「実学主義」を重視した教育・研究を推進しています。
一方で農学という言葉から連想されるのは、作物生産や畜産といった部分に留まっているのが現状です。東京農業大学の江口文陽学長は、農学への真の理解が進んでいないとし次のように説明します。
「農学とは、衣食住すべての生産に関わる『生活と最も密着した総合科学』です。農林水産の領域に加え、食物生産に関わる環境についての研究や、生産物に付加価値を付け、どう販売、流通させるか、生産物から得たお金を使っていかに新たな産業を生み出していくかなど、すべてが一体となっているのが東京農業大学が扱う『総合農学』です。農学は幅広い網羅的な学問体系を有しています。酸素や水の問題など、地球環境の課題解決を牽引していく学問でもあることを知ってほしいですね」
環境問題の一つである地球温暖化への有効な対策として考えられているのが、植物によってCOを固定、吸収していくことです。食物を地産地消、国産国消することや、住宅建材に木材を利用しながら新たな木を植えて循環型の森林保全を行うなど、農学領域の研究を生かしていくことで持続可能な環境づくりが可能になります。幅広い学問分野を包含する農学の視点は、課題解決に向けた貴重な気づきをもたらしてくれるはずです。
農学領域の知見を集めコロナとの共存を目指す
世界的な流行が続く新型コロナウイルス感染症に対しても、農学ができることはたくさんあります。作物や農産物を病気から守るためのウイルス制御や病理学など、生命科学の分野は農学の一領域ですし、木材の繊維や化合物を使ってマスクやアルコールをつくる研究も進んでいます。コロナの時代だからこそ、健康な体作りのための食べ物の研究や、メンタルヘルスの観点から快適に過ごせる環境づくりを行う研究も重要になります。
こうした農学の専門領域からウイルスを科学的に捉えることで、「エビデンスに基づいた〝感染しないため〟の情報発信に力を入れていきたい」と江口学長は話します。新型コロナを制御し、ウイルスと共存しながらいかに元の生活を取り戻していくか。新たな展開となるウィズコロナの時代に向けて、突破口を見つけるための取り組みが農学の研究領域では続けられています。
学内の新型コロナ対策も万全です。検温や消毒の徹底、大学構内への入構管理などに加え、ベンチャー企業と連携して大学内に農大PCRセンターを作ることで、移動や実地での活動が必要になることが多い農学研究に学生が安心して取り組める環境が整備されています。
フィールド科学の要諦は身近な環境を観察すること
東京農業大学が実践する「実学主義」の伝統の中ではフィールド科学が重視されてきました。都市に位置する世田谷キャンパス、田園地帯の厚木キャンパス、大自然のオホーツクキャンパスに加え、富士山直下の富士農場や東京西部の奥多摩演習林など日本全国の幅広い場所に実習施設を有しています。北は北海道の網走寒冷地農場から南は沖縄県の宮古亜熱帯農場まで、全国各地の研究拠点を活用して学生はさまざまな研究活動に取り組むことができます。
昨今は農学研究においても、建物や試験管の中だけで完結する最先端の研究が増えてきています。ただ、自然というものはそれだけですべてを語れるわけではありません。
「フィールド科学は非常に幅が広いものです。何を専門とし、どんな角度からその環境を捉えるかで、見出せるものは大きく異なってきます。分からないことも多いと思いますが、その時はまず自分で調べてみる。そして人に聞いてみる。それでも分からなければ実験をして自分で試してみる。自分が生活している環境に対し、日々問題解決意識を持って観察することで新たに得られる発見や研究があり、それこそがフィールド科学の重要性なのです」(江口学長)
フィールド研究に加えて実学主義の一つの側面として、活発な産学連携の取り組みにも注目です。航空会社のピーチ・アビエーションとは包括連携協定を結んでおり、機内での乾燥や肌荒れの問題への解決策として農林資源を用いた化粧品を開発するなど、学生とCA(キャビンアテンダント)のコラボレーションが進んでいます。農学の手法を用いて土手の法面を緑化することで、赤土が流れることによる魚介類への被害を抑制しながら、国土の強靭化に寄与していくことを目指す産学連携研究も計画されています。
地域の農産物を学生が一般消費者に紹介する「東京農業大学マルシェ」も特徴的な取り組みです。今後は、さまざまな分野を融合させて地域の「食」を演出する「東京農業大学ガストロノミー」についても推進していく予定です。
高い就職率を実現する三位一体での就職支援
「就職に強い大学」として知られる東京農業大学。2021年3月卒学生の1人当たりの求人倍率は5.48倍で、全国平均の約3.6倍に及びます。就活生に人気の食品業界(上場企業27社)への実就職率では全国の私立大でトップです(大学通信調べ)。
東京農業大学では全学生が研究室に所属しており、担当教員が各学生のキャリア形成をサポートしています。キャリアセンター、学科、研究室が三位一体で就職指導を行っていることや、企業や公的機関などで活躍する卒業生とのネットワークの充実が、高い就職実績につながっています。
教育研究の成果を社会へ還元するために、アントレプレナー(起業家)教育にも力を入れています。東京農業大学が目指すのは、自分の活動が会社や社会にどんな形で貢献できるのかについて、自分ごととして「経営者になったつもり」で考えられる人材の育成です。総合的に学びながら社会への順応を進めることで、企業の歯車となるのではなく〝即戦力〟として活躍できる学生を育てています。
さまざまなフィールドで五感を研ぎ澄まして学ぶ
東京農業大学の大きな魅力は、多様な学び方を選択できるところです。江口学長の専門である「きのこ研究」を見てみても、森での活動を重視したフィールド科学として取り組むこともできますし、研究室の中で完結する実験に邁進することもできます。興味に合わせて両方の研究手法が取れるのは面白いところです。
江口学長は受験生に向けて、自分が将来やりたいことや追求したいことを実現できる大学を探すことが重要だとメッセージを送ります。
「自分で調べ、人に聞き、実験ができる環境に身を置くことで、問題解決能力や壁を突破する力を養い、将来の可能性を広げていってください。東京農業大学はその部分について全面的に協力します。若いうちはたくさんの失敗から気づきや発見を得て、自分を磨いていくことも大切です。机上の理論だけでなく、人間本来の五感を研ぎ澄まして学ぶことを忘れないでほしいと思います」
❶榎本武揚
1836年-1908年。江戸幕府の命により4年間オランダへ留学し、国際情勢と欧州の最新科学を学ぶ。帰国後箱館戦争を経て明治政府において逓信、文部、外務、農商務大臣を歴任し日本の発展に貢献。初代駐露公使、千島樺太交換条約の締結、帰路日本人として初めてシベリアを横断。農大精神である未知なるものにひるまず、困難に立ち向かう姿勢を「冒険は最良の師である」との言葉に残し、セオリー(理論)、プラクティス(実践)の重要性を唱え、農大の教育研究の理念を「実学主義」とした。
❷横井時敬
1860年-1927年。駒場農学校農学本科卒業、帝国大学農科大学教授。優良な稲もみを選別する「塩水選種法」を考案し、稲作収穫増に大きく貢献した。1895年、榎本武揚の招へいで東京農学校の評議員に就任。1911年、東京農業大学初代学長に就任。16年間にわたり大学を導き、実学主義に根ざした教育の基礎を築いた。