<PR>
在籍する学生の半分を世界94カ国・地域からの留学生が占める立命館アジア太平洋大学。国内出身の学生は残りの半分しかおらず、教育は日本語と英語の二言語で展開される。多国籍・多文化環境のキャンパスは海外大学へ留学しているような雰囲気だ。なかでも、国際認証を取得した特徴的なカリキュラムを持つのが国際経営学部(APM)。世界で活躍できる人材育成を目指すAPMの魅力に迫った。
国際認証を取得した特徴的なカリキュラムを持つ国際経営学部(APM)
立命館アジア太平洋大学(APU)の国際経営学部(APM)では、全学的に力を入れている「リベラルアーツ教育」と「言語教育」に、「国際認証AACSB(※)」を取得した「世界基準のビジネス教育」を組み合わせる。多文化環境で学びながら、世界で競争できる力を身につけることができるのがAPMの魅力だ。国際経営学部長のアルカンタラ ライラーニ ライネサ教授は、APMと他大学の経営系学部との違いを次のように説明する。
「APMのカリキュラムは言語教育とリベラルアーツにフォーカスしています。これは他のビジネススクールにはないデザインであり、APMの学生は物事の関連性を理解する力が自然と養われていきます。APMで学ぶことで幅広い視野や深い考えを身につけることができるのです」
ビジネスや経営は一義的には利益を上げるための社会活動であるが、「持続可能性」や「社会的責任」について考えることも欠かせないとアルカンタラ教授は言う。
「ビジネスは社会や政治など、周囲のさまざまな要素に作用されて存在しています。パンデミックの時代にあって、多くの人がそのことを実感していると思います。ビジネスを行うのに、ビジネスだけを考えるのでは足りません。現代の市場にはたくさんの選択肢があり、モノだけで人を動かすのは難しいからです。良いビジネスは人の心も動かせなければいけないのです」
現代は社会的責任を持ったリーダーが求められており、APMのカリキュラムはそれに応えるためのデザインが成されている。「ビジネスを通じて、より良い社会・経済をつくっていく」というAPMのミッションからもただ単に利益を追求するのではなく、ビジネスを通じていかに社会における課題を解決していけるかを重視していることが伺える。
企業が抱える課題解決へ多文化のチームで挑む
APMには、「会計・ファイナンス」「マーケティング」「経営戦略と組織」「イノベーション・経済学」という4つの学修分野があり、これらを網羅的に学ぶことができる積み上げ式のカリキュラムが用意される。ビジネスに必要な力を総合的に高めていける仕組みだ。
APMの学びの集大成となるのが4年生で必修科目となっている「キャップストーン」科目。日本人学生と留学生を混ぜ合わせたチームで、実際の企業が抱える課題への解決方法を提案するビジネスケース型の授業だ。4年間で学んだ知識、スキル、価値観を振り返りつつ、それらを応用して実際の課題解決に取り組む。日立製作所、東芝、ヤンマー、コーセーなど多くの有名企業の参加実績があり、今後は大分県など地元自治体の参加も予定されている。
授業は30以上のチームに分かれて進む。チーム間の競争の要素も組み込まれており、最も良い提案をしたチームは企業の経営層に提案内容を直接発表できる。一方で結果と同じかそれ以上に「提案に至るまでのプロセス」を経験することが重視される。さまざまな背景を持つ人が集まる多国籍のチームで、上手くコミュニケーションを取り、互いに良いアイデアを引き出すにはどうすれば良いか。今後の国際社会で必要とされる力を学部生のうちに養うことができるのだ。
「同じ文化、国籍、言語の人との方が人間働きやすいものですが、イノベーションは個人個人の力を引き出し、多様性の中から生まれます。ダイバーシティのある環境では自分のアイデアを伝えながら、さまざまな人と一緒に協力して仕事をしなければなりません。APMのカリキュラムは学生同士を『混ぜる』ことを意識しており、多様性の中でプロジェクトを体験する機会が数多く用意されています。学生が自然と鍛えられる環境になっていて、様々な困難にぶつかるかと思いますが、それらを乗り越える力を身につけてほしいのです」(アルカンタラ教授)
断続的な教育改革により世界を変える人材を育成
APMのカリキュラムは国際認証AACSBを取得しており、厳しい審査基準を満たした「世界で戦える」質の高い教育を提供する。同様にAACSB認証を持つ世界中の大学とのネットワークの中で、人的なネットワークを築けることも大きなメリットだ。
AACSB認証校の重点課題の一つが「学びの質保証」で、認証取得後も既存のカリキュラムに対して評価と改善を繰り返すことで、絶えず教育の質を高めていくことが求められる。
APUには「APUで学んだ人が世界を変える」というビジョンに魅力を感じて入学してくる学生が多い。それに応えるためにAPMでは、起業家精神やイノベーションを起こすためのカリキュラム改革を準備中だ。将来、社会起業家を目指す学生だけでなく、NGOや行政機関の一員として活躍を目指す学生にとっても魅力的なカリキュラムとなることだろう。
起業家精神を鍛える上では、別府という町で学ぶことも役立っているとアルカンタラ教授は言う。
「同じ人と同じことをやっていても新しいアイデアは生まれてきません。別府は新しいものをつくり、将来をより良いものにしたいという人が集まるダイバーシティのある環境です。さまざまな人との出会いや発見を通して、起業家にとって最も大切となる自分の価値観を形作っていけるのです」
充実した環境を生かし世界を変える力を養う
数学や英語など学業面のサポート体制もAPMは充実している。キャンパス内にあるAMC(Analytics and Math Center)では、数学の授業で分からなかった部分を学生チューターに一対一で質問できる。そもそも必修科目になっているのは基礎的な内容のみで、分析力や論理的スキルを鍛えるためにも役立つ内容だ。より高度な数学は自らの専門に合わせて履修していく形となる。
APUの公用語となっている英語についても、英語でのレポートの書き方を指導してもらえるライティングセンターや、スピーキングの練習ができるSALC(言語自主学習センター)など、気軽に立ち寄れる場所が揃う。
多文化・多言語環境で世界基準の経営学を学び、さまざまな経験を積めるAPMは、日本及び世界中で活躍できる力を身につけたい意欲ある人にとって最適な環境だ。アルカンタラ教授は高校生に向けて次のようにメッセージを送る。
「世界における課題をビジネスで解決したいというように、社会的責任を持った上で活躍したいと考える人を歓迎します。ビジネスと経営を通じて、自分の人生だけでなく、他の人の人生や環境をより良いものに変えていきましょう。高校時代はさまざまなことに興味を持って、知りたい、理解したいという気持ちを高めてください。常に好奇心旺盛であってほしいと思います」
APMの充実した環境を積極的に生かすことで、必ずや大きく成長することができるだろう。
(※)AACSB:The Association to Advance Collegiate Schools of Business。1916年設立の米国の非営利組織AACSB Internationalによる、マネジメント教育に関する国際認証。経営学に関連する認証の中で最も権威があると言われており、認証取得には21項目の基準を満たす必要がある。日本で認証を受けているのは慶應義塾大学大学院や早稲田大学大学院など、APUを含めて5大学のみ(2021年7月現在)
2023年度に観光と地域開発について学べる新学部を開設予定
APUでは、観光と地域開発に特化した内容を学ぶ新学部を2023年度に開設すべく準備を進めている。SDGsにおける「11.住み続けられるまちづくりを」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」といった課題の解決に向け、行政の観光課やまちづくり課で、観光政策立案やまちづくりのプロデュースを行いながら「地域を盛り上げる」人材を育成する。
卒業生インタビュー
株式会社Unscene 共同創業者・CEO
ビジャヤン スワティナトさん
2016年国際経営学部卒。大学卒業後、インターネット広告代理店に入社。広告配信システムのソフトウェア開発に従事した後、スタートアップ企業に移り事業拡大プロセスに関わる。2019年12月にScene株式会社を創業。インド出身で、高校時代に奨学生として来日。オイスカ高等学校出身。
―現在の事業内容について教えて下さい。
誰でも簡単に作成できる3Dドキュメントツール、「Scene」の開発を行っています。
3Dはモノや場所について話す時に便利なツールです。たとえば建設現場の朝礼で作業の注意点を説明する時、一般的な2次元の図面だと建物の下のパイプや水道管の状況が分かりにくいものですが、3Dなら一目で理解できます。
まずは製造業向けにサービスの提供を始め、建築、医療、教育といった分野へ順次展開していく予定です。その後は「3Dドキュメントツール」だけでなく、ARグラス※を使って現実世界の上に観光案内を表示するなど、場所に関するコンテンツの作成もできるツールを提供していきたいと考えています。
―起業したきっかけを教えて下さい。
新しいものを作ることにワクワクするので、大学時代から起業に興味がありました。社会人になって数年後にARグラスを体験する機会があり、「これが普及すると世界は大きく変わる」と感じたのがきっかけです。
最初はARグラスで観光ツアーを作ろうと考えたのですが、ARグラスが一般に普及するにはまだ時間がかかります。そこで現在でもユーザーに価値を提供できるものは何かを考え、製作に専門的な知識が必要な3Dコンテンツを誰でも簡単に作れるようにするソフトを製作することからスタートしました。
―APUで学んだことで、役立っていることは。
ビジネスケース大会ではさまざまな業界のビジネスモデルの実例に触れられましたし、ゼミの卒業論文の執筆では「仮説を立て、それを検証する」という企業活動と同じプロセスを経験できました。
APUで学んだことで、ダイバーシティのある環境下で活動することが当たり前になったことも大きいですね。卒業後に東京の会社で働いてみて初めて、それが世間の普通ではないことに気づきました。
私たちの会社の資料はすべて英語です。世界のどこからでも新しい人に来てもらって、日本語ができなくても一緒に働ける会社を作りたい。APUでの「当たり前」があったからこそ、そんな考え方になっていったのだと思います。
―APMで学びたい人に向けてメッセージを。
多様な学生がいる一方で、日本人学生と留学生の間には、それぞれの「島」ができがちなのも事実です。せっかくの環境ですから積極的に世界中の人と関わり、一緒に活動してほしいです。ビジネスケース大会や夏休みを使ったインターンシップなどを活用して、教室で学んだことを実際に試してみるのも大切です。勉強したことと実際の仕事には大きなギャップがありますから。
※ARグラス:拡張現実を体験するためのメガネ型デバイス。現実の映像の上にデジタルコンテンツを表示することができる。
赤尾 紀明さん
2017年国際経営学部卒。大学卒業後、双日株式会社に入社。自動車部門で中東やロシア向けの営業や新規事業を担当した後、退社してNPO運営の道へ。ビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力し、若い世代が社会課題に関わっていくムーブメント作りに取り組む。現在はスタートアップ企業の支援を行いながら、自らのサービスを構想中。広尾学園高等学校出身。
―現在の活動について教えてください。
スタートアップ企業の支援を行いながら、自分でサービスを作るための準備をしています。
―赤尾さんが解決したい課題や、大切にしていることについて教えてください。
大学時代にアフリカで、若い人がどんな夢を持っているのかをヒアリングしたことがあります。いろんな人に話を聞いてみたのですが、夢が3、4種類しか出てこないのです。深く話を聞いてみると、「今の生活が苦しくて明日どうなるかも分からない状況なのに、夢なんて持っても仕方ない」という話をされました。悲しい話だと思いますが、こうした状況はアフリカだけでなく日本にもあると思います。もっと暮らしやすい世の中や、夢や希望が持てる社会を作りたいという使命感を持って活動しています。
一貫しているのは、自らのやりたい気持ちは大事にしつつ、どういうサービスがあればもっと世の中が良くなるかを考えることですね。常に利他的な考え方でいるように意識しています。
―APMで学んだことはどう生かされていますか。
NPO、ベンチャー、大企業など、どんな組織で働くにしても、マネジメントや経営学の要素は必要だと思います。組織でリーダーなどの役割を持って仕事を回していく時に、一貫したマネジメントができるのはすごく役立っていると思います。
―APUで学ぶ魅力とは。
APUには90カ国以上から多種多様な学生が集まっており、さまざまな背景の人と意見交換ができます。日本ではすぐに忘れ去られてしまうようなニュースもその国の友達がいることにより、自分の中で「解像度」を高く保てますし、話の中から解決すべき世界の課題が見えてくるのは素晴らしいところだと思います。
私は東京出身で地元意識がほとんどないのですが、別府で4年間暮らし、地域の人と温泉で話をする中で、そういうものを持つようになりました。別府の公衆温泉は地域の生活に根付いたインフラです。住民が支えているのですが、担い手の高齢化が問題となっています。身体に鞭打って温泉を守るおじいさんもいて、そんな状況を伝えたいと友人と一緒にドキュメンタリーを作ったこともあります。こうした課題は地方にいるからこそ見えるもので、グローバルに世界課題を認識しつつ、地方の視点も持てたのは勉強になりました。
―APMで学びたい人に向けてメッセージを。
自分に制限をかけることなく大学選択をしてほしいです。数学や英語が得意じゃないとAPMで学べないと考えている人もいると思いますが、自分が必要だと感じれば自ずと勉強すると思いますし、力は後からついてきます。自分が何をやってみたいかを大切にしてほしいと思います。