実践的なカリキュラムで智と技を磨く!企業も注目する職業能力開発総合大学校のものづくりを牽引する人材育成

実践的なカリキュラムで智と技を磨く!企業も注目する職業能力開発総合大学校のものづくりを牽引する人材育成

<PR>

厚生労働省所管の職業能力開発総合大学校は、60年にわたって日本のものづくりに関わる知識と技能を研究し、その道のプロフェッショナルを育成してきた。贅沢とも言えるほどの教育環境を整え、智と技の両面を磨く濃密なカリキュラムは、内容もボリュームも一般大学とは一線を画す。近年ではさまざまな企業から注目され、6年連続実就職率*100%という実績も誇る。その独自の教育と人材育成への思いについて、令和3年4月に就任した新野秀憲校長に話を伺った。
*実就職率(%)=就職者数÷(卒業生数−大学院進学者数)×100で算出。

実践的なカリキュラムで智と技を磨く

職業能力開発総合大学校
新野秀憲校長

―まず、職業能力開発総合大学校の概要についてお聞かせください。

職業能力開発総合大学校(以下、職業大)は、厚生労働省所管の省庁大学校として1961年に設立し、今年で創立60周年を迎えました。省庁大学校とは、文部科学省が所管する一般大学とは異なり、国としてのミッションが与えられている高等教育訓練機関を指します。よく知られている防衛大学校や看護大学校、気象大学校などもそれにあたります。では、職業大の最大のミッションは何か。それは、日本のものづくりを支える“人”を育成するための人材を育てることです。

つまり、職業大で学んだ学生が「ものづくりのプロ」になるだけでなく、ものづくりの経験のない人たちに技能や技術を伝達して教育する「人づくりのプロ」になることを目指しているのです。そのため、機械、電気、電子情報、建築の4つの専攻を設け、それぞれの分野に特化した実践的で密度の高い教育を行っています。

職業大では、4年間の総合課程を終えると日本で唯一の学士号「生産技術」を取得することができます。これは、専門的な知識に加え、生産現場で求められる実践的な能力を身につけているという証です。

―工学系は一般大学でも学ぶことができますが、どのような違いがあるのでしょうか。

一つは「技能」に着目している点だと思います。職業大では、技能をサイエンティフィックなアプローチで解明し、デジタル化することを60年間一貫して研究し続け、技術の進化にも注目しながら教育に生かしてきました。「科学・技術・技能」の3つの側面からキャリア重視の教育を行っていることも、一般大学とは異なる特徴だと思います。

もう一つは、「職業訓練指導員(以下、テクノインストラクター)」の養成をめざしている点です。この職業は一般的に聞きなれていないため、特に10代の方には馴染みがないかもしれませんが、求職者や在職者、学卒者(高校卒業者)、障害者などを対象に、ものづくりに関するさまざまな技能・技術・知識を教えたり、就職支援を行ったりする、大変重要な役割を担っています。この職に就くには国家資格が必要となりますが、職業大の学生は卒業と同時に資格を取得することができ、毎年、約半数の学生がテクノインストラクターの道へ進みます。もちろん、どんな道へ進むかは学生次第です。しかし、卒業と同時に国家資格を得ることができるのは、進路を考える上で非常に心強いことではないかと思います。

―カリキュラムの特徴についてはいかがでしょうか。

職業大のカリキュラムは、専門知識を学び、それを実践することを大切にしています。実際に自分の手で作業をしてみると、たくさんの気づきがあります。知識を増やすことだけでなく、その知識を生かす経験をすることで初めて、実践的な力が身につくのです。そのため一般大学と同等の教育に加え、実験や実習の時間は一般大学の約3倍の時間数を費やしています。実に授業全体の60%が実験や実習の時間に充てられており、朝から夕方までみっちり実習という日も珍しくありません。ですから職業大の学生の4年間は、とても濃密です。それでも一人ひとりがしっかりと目標を持ち、くじけることなく学んでいけるのは、手厚い教育体制があるからかもしれません。

というのも、職業大は定員が1専攻あたり20名で1学年80名、全校でも320名という少人数制なのですが、教員は100名以上在籍しています。すなわち、学生1名あたりに対する担当の教員の人数が非常に多いのです。専門分野の第一線で活躍している教員はもとより、テクノインストラクターの国家資格を持つ教員も半数以上おります。知識や技能に裏付けされた教員たちが、教育指導、研究指導、就職支援を行う手厚いサポート体制ができていますから、学生たちも安心して学ぶことができるのです。

智と技の両方を磨くことで、技能は人から人へ伝わり、日本のものづくりが育まれる

―専門的な知識と実践的な技能を双方から学べることが、職業大の最大の特徴かと思います。座学だけでなく実習にもたっぷりと時間を割いているからこそ力がつくのですね。

ここまで徹底して実習を行うことは、一般大学にはなかなかできることではないと思います。一人ひとりに機器等が与えられるのも、職業大ならではかもしれません。マニュアル操作のものから最新の機械まで、実際に現場で使われるものと同じ機器を使うことができますから、実習での学びは即戦力として確実に身についていきます。私もこの贅沢とも言える教育環境には正直驚きました。

技能は人に宿っています。熟練した技能者がいなくなってしまったら、その技能は残っていきません。ものづくりの技能・技術を後世に残していくには、智のバンク、技のバンクというものが必要です。それが教育プログラムの中できちんと蓄積され、体系化されているのが、職業大ではないかと思います。

智と技の両方から教育することは、理論に裏付けされた人を育てることであり、同時に日本のものづくりを絶やさないための種まきでもあります。それは将来的に、国際競争力、産業競争力の強化にも貢献することができると考えています。また、技術は日々進化していきますから、エンジニアの再戦力化、最新技術への最適化という側面でも、重要な役割を担っていくと言えるでしょう。職業大の卒業生によって技能・技術が伝承されていくことは、日本のものづくりの未来を明るく照らすことにつながると私は考えています。

―さまざまな分野でのAI(人工知能)化も進む昨今ですが、そのような時代に職業大で学ぶ生産技術の知識は、今後どのように生かされていくのでしょうか。

昨今の著しいAIの進化によって、今まで人がアナログに行ってきた解析などは、一見無駄に感じるかもしれません。しかし、図面を見て、どの機械を使ってどのように生産を進めていくべきかを考えるプロセスプランニングの仕事は、AIだけで完結するのは難しいと思います。なぜなら、このような作業は企業の技術や環境を深く理解してはじめて、ベストな提案をすることができるからです。

とはいえ、AIは今後ますます普及していくでしょうし、生産技術の世界では必要不可欠なものになるでしょう。教育訓練プログラムには、AIに関する内容も取り入れていますし、すでに全国で活躍するベテランのテクノインストラクターに対しても、最新技術を新たに習得する仕組みができています。現代では、ITと現場の橋渡しができる人材が非常に求められています。こうした人材がいなければ、ITは孤立してしまい、ものづくりとして成長していくことができませんからね。

身につけたマネジメント力やリーダーシップは、活躍の場を無限に広げる

―職業大は実就職率も非常に高く、一般企業へ就職する学生さんも多いですね。

おかげさまで多くの企業から評価いただき、実就職率は6年連続100%です。先ほどもお話ししたように、半数近くの学生はテクノインストラクターになりますが、一般企業の生産技術の分野で活躍する学生もいます。この分野の仕事には、リーダーシップやマネジメント力も求められます。職業大のカリキュラムにはマネジメントについて学ぶ授業もありますし、チームで行う実習では自然とリーダーシップも身についていきますから、就職後に即戦力として活躍できるのだと思います。

ちなみに、私が長年、工学系の学生を見てきて感じているのは、生産技術の分野に進む学生は、後々に経営者として出世する確率が高いということです。これは、幅広い知識と技術に加えて、リーダーシップとマネジメント力が早い段階で身についていることが大きいのではないかと考えています。さらに、コスト管理のスキルまで習得できてしまうことにも関係があるかもしれません。「生産技術」は、一見特殊な分野に感じるかもしれませんが、将来を考えれば無限の可能性を秘めていると確信しています。

―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

職業大をめざす皆さんには、入学後にはぜひプライドをもって、ものづくりを引っ張っていくための知識や技能を学んでほしいと思います。プライドというのは成功体験によって養われていくものです。そのためには自分の強みや弱みを認識することも大切です。学生時代に気づいた弱みは、何事にもチャレンジしてくことによって強みに変えていくことができます。しっかりしたサポート体制のある職業大で、安心してたくさんの失敗を経験してほしいですね。そして、4年間で自分の中に最低限三つの柱を見つけることができたら理想的です。ここで言う柱というのは、興味のあることや好きなこと、得意なことなど。自分の中で「これだ」という何かを見つけられたらいいですね。それが一つだけでは可能性が狭まり、リスクも高まりますが、三つあればそのうちの一つくらいは、やり続けていく中で芽が出ると思うのです。

私は学生たちに「ナンバーワンではなくオンリーワンをめざしなさい」と話します。

それは、オンリーワンを突き詰めていけば、自ずとナンバーワンになれるからです。職業大での幅広く濃厚な学びの中には、オンリーワンの種が散りばめられています。その中で何を拾い、育てていくかは学生の自由な感性次第です。授業時間も多く、決して楽ではありませんが、卒業するときにはしっかりと実力がつき、自分なりのオンリーワンを見つけることでナンバーワンを手にすることができるに違いありません。

実践的なカリキュラムと課外活動によって ものづくりを立体的に理解することができた

在校生 岡本紗奈さん
総合課程 建築専攻4年
私立藤枝明誠高等学校卒業

職業大をめざしたきっかけは、進学について考える中で職業大の卒業生である父に勧められたことです。もともと勉強はそんなに得意な方とは言えませんでしたが、自分の手でいろいろなものを作ることが好きだったため、ものづくりを実践的に学べるカリキュラムに心惹かれました。職業大を調べていくうちに職業訓練指導員(以下、テクノインストラクター)という職業を知り、その国家資格が取得できることにも興味を持ちました。

手を動かすことで、学びへの理解がより深くリアルに

特に印象的な授業は、木造建築の土台や柱などの軸組を実際に組み立てる実習です。頭の中だけで構造を理解するだけではなく、実際に手を動かして木材を扱うことで、サイズ感もリアルに理解できました。そのときに感じた、自分の身体や感覚に図面の内容が馴染んでいく感覚は、CADに図面を落とし込む際にも役立っています。

実習中は、神経を集中させているので非常に体力を消耗します。そのため作業するときは緊張感を持って取り組み、休むときはしっかり疲れを癒すという、メリハリの大切さも学びました。実習以外でも、勉強するときはする、休むときは好きなことをしてリフレッシュするというように、自分をマネジメントすることを心がけています。

テクノインストラクターとして成長しながら、さらに深く学び続けたい

課外活動として、毎年、ウインターイルミネーションを校内に作るプロジェクトに参加し、3年次は総合監督も務めました。チームで一つのものを作り上げる作業の中で、段取りやスケジューリングのスキルが身につきました。実作業を理解できているかどうかが、プロジェクトの進行管理をスムーズに行えるかを左右します。専攻の違う他の学生たちと、一つのものを完成させ、地元住民の皆さんに喜んでいただけたことは、大きな成功体験になりました。

卒業後は、テクノインストラクターとして独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に就職します。そして、働きながら職業大の職業能力開発研究学域(修士相当課程)で学ぶことを選びました。働きながら「修士」を取得できる制度を知ったときはとても驚きましたが、そうした学びの機会をいただけるのなら、研究テーマをもっと掘り下げたいと思い、学び続ける道を選びました。学びも経験も大切に積み重ね、人に頼りにされたり、気軽に相談したりしてもらえるようなテクノインストラクターをめざしたいと思います。

4年間で身についた経験と即戦力が仕事との向き合い方に生き続けている

卒業生 青木弓子さん
東芝三菱電機産業システム株式会社勤務
総合課程 電気専攻 2019年3月卒業

私は海外企業と仕事がしてみたいという思いから、国外取引も多い東芝三菱電機産業システムに就職しました。この企業とのご縁は、学内合同説明会にいらしていたOBリクルーターとの出会いによるものです。就職活動では就職支援室に何度も足を運び、エントリーシートの添削や面接指導などをしていただきました。職員の方々のサポートがなければ、最後まで前向きに活動を続けることはできなかったかもしれません。

実習での経験が生きる、現場に求められる設計づくり

現在はインバータ装置の機械設計業務に関わっています。安全・保護構造・機能性等を配慮しながら、盤や導体の材質・寸法、用品配置、配線を立案したり、3Dモデリングや冷却設計を行っています。職業大では実習を数多くこなしたので、作っているプロセスをリアルに想像することができます。私は手を動かして作るということが本当に好きなので、毎日のように現場へ赴いては作りにくいところはないかなどヒアリングをして、次の設計に生かすようにしています。

こうした仕事のやり方は、職業大での学びによって導かれたものです。入学当初は自分の作りたいものを作るという考えでしたが、実習を重ねていくうちに、皆の考えているものを形にする、作りやすいものや使いやすいものを作るという考えに変わっていきました。それが、今の仕事にも影響していると思います。

恵まれた環境で当たり前のように育まれた力に支えられて

職業大では、当たり前のようにCADや測定器などを使ってものづくりを経験します。それが実践的なスキルとして身につき、就職後もすぐに力を発揮できたので、先輩方にも大変驚かれました。一つひとつの授業に真剣に取り組むうちに、即戦力が養われていたということなのでしょう。また、授業を通していくつもの資格を取得できたことも、非常にありがたいことでした。仲間と切磋琢磨しながら学ぶことでモチベーションもキープできましたし、就職活動でのアピールポイントにもなりました。

卒業してあらためて思うのは、職業大がいかに恵まれた環境だったのかということです。授業はもちろん、課外活動でも聞きたいことがあればいつでも研究室を訪ねて、先生方に気軽に相談することができました。積極的に学びを深め、即戦力を身につけることができた4年間は、今の自分に大いに生かされています。

ユニヴプレスMAGカテゴリの最新記事

ユニヴプレス