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埼玉県の私立本庄東高等学校は、2022年に学園創立75周年を迎える男女共学校。2021年の東大入試では2名が合格し、2012年から10年連続での東大合格を達成した。埼玉県、群馬県での10年連続合格は、県立浦和・川越・浦和一女・大宮・前橋・高崎・太田など全342校中10校で、埼玉県の私立高では3校のみ、群馬県には存在しない。今回は、安定的に東大合格者を輩出し続ける同校の「東大プロジェクト」について紹介する。
旧七帝大対策などをベースに東大プロジェクトが始動
本庄東高校から初めて東大合格者が出たのは2009年。そこから遡ること3年、同校では2006年に附属中学校を開設した。高校での生徒募集も継続させながら中高一貫体制がスタートし、中学1年生として入学した新入生には目標を高く持つよう指導。早期から具体的に東大合格を意識させたことが、後の「東大プロジェクト」の原点となった。
その後、2008年には「特進選抜コース」「特進コース」「進学コース」の3コース体制がスタート。中高一貫の1期生が高校1年生となった2010年の入試では、当時の高校3年生2名が東大に挑戦しており、この2名をサポートすべく課外授業を充実させ、教員のスキルアップの場も設置された。結果的に2010年入試では合格には至らなかったものの、教員の士気高揚も相まって、東大入試問題の研究を行う教科別の教員研修や、補習を中心とする実際の生徒向けのサポート体制が拡充されていった。
なお、2012年、2013年と連続で東大合格者が出たことは、東北大学や北海道大学をはじめ、旧七帝大向けの対策が以前から進められており、毎年のように合格者を出していた延長線上にあったと同校では分析する。これに3コース体制での実績やノウハウも加わり、本格的に生徒への補習システムとしての「東大プロジェクト」として運用が始まったのは、2014年ごろからとなる。
生徒の意識を変え保護者の意識をも変えていく
同校からの東大合格者は、全員が「東大プロジェクト」の参加者だ。東大プロジェクトは、「特進選抜コース」「特進コース」「進学コース」のどのコースの生徒でも参加でき、5教科の補習が行われるもの。コース別の区別がないだけではなく、学年を越えたクラス編成もあり、高校2・3年生合同コース、さらには高校1~3年生が一緒に学ぶ機会もあり、下級生は上級生の優れた解答内容を知ることが大きな刺激になるのだという。また、1年生の段階で東大の過去問を解き、現在の知識で解ける問題や、レベルアップが必要な部分などの現状把握につなげている。さらに、例えば世界史ではグループワークを通じて理解を深めるなど、独自の取り組みが進められている。東大プロジェクトでは、「東大合格」という同じ目標を持つ生徒が一緒に勉強すること自体が生徒の励みになり、相乗効果を生み出している。上級生の存在が大きな心の支えになっているのだ。
もっとも、最難関の東大を目指すとなれば、それ相応の覚悟が不可欠だ。その点、同校の特徴として興味深いのは、これまでの東大合格者の多くが、必ずしも最初から東大志望だったわけではないということだ。10年連続で東大合格者を出しているとはいえ、後に東大合格を果たす生徒であっても、最初は「自分にとっては夢物語」という意識であり、自分が東大を目指すことになるとは考えずに入学してくるのだという。
それでも、東大合格者を出している学校であることは多くの生徒が認識しており、心のどこかでは可能性を感じ、選択肢の一つになり得ることも確かだ。そう考えれば、同校の教員は、生徒のやる気を引き出し、本気にさせる手腕に長けているのだろう。10年連続を達成した背景には、ときに鼓舞しながら生徒のモチベーションを維持・向上させる指導ノウハウの蓄積があることは言うまでもない。生徒自身が本来持っている能力を最大限引き出すことができている好例なのだ。
そして、教員の思いは保護者の意識をも変えていく。「無難に合格できる大学」や「推薦で行ける大学」など、安定志向で現実的な目標を持たせるのではなく、大きな目標を持たせる大切さを保護者向けの学級報告会などで周知させるという。東大合格が決して夢物語ではないことを実証してきた同校教員の言葉には説得力があるのだろう。保護者にも子どもの希望や挑戦意欲を尊重し、後押しする意識が根づいていくのだという。
既存教員のスキルアップが新任教員の意識を高める好循環
東大プロジェクトについて特筆すべき点は、カリキュラムの柔軟性にもある。毎年同じ内容で生徒に指導するのではなく、1年ごとに生徒の弱点の傾向などを分析して対応する。マニュアル化された内容で進めるのではなく、臨機応変のフレキシブルな指導が展開されている。かつては東大の過去問すら解いたことのない教員がほとんどだったというが、教員にとっても勉強とスキルアップの10年だったという。そして、東大合格が継続することで、新任教員も“東大合格者を出す学校に着任する”という意識が強くなり、自然と“教え子を東大に”という明確な目標を設定する好循環が生まれているのだという。
これらの結果、教科別の指導法のみならず、生徒の感情の起伏を察知する観察眼や、生徒の性格に応じた接し方が磨かれ、生活態度や学習状況と成績とがどう連動するかについて、ある程度推測できるようになっているとのこと。その上で、一人ひとりに沿った柔軟な指導が行われるとなれば、生徒も保護者も心強いはずだ。
上級生から下級生へと受け継がれるチャレンジ精神
同校の進学実績として忘れてならないのが、東京大学以外の旧七帝大や東京工業大学、一橋大学にもコンスタントに合格者を出していること。学校全体としてまずは国公立大学への現役合格を目指す方針のもと、部活動にも本格的に取り組む生徒が多い「進学コース」からも、筑波大学や群馬大学、埼玉大学など、毎年国立大学に合格している。コースの違いや、東大プロジェクトへの参加の有無を問わず、生徒が一体感をもって受験に挑む校風があり、東大プロジェクトを経て結果的に他大学に進学することになっても、仲間とともに最後まで挑戦し続けるマインドが醸成されている。
また、上級生の受験体験を下級生に伝えるプログラムが恒例の校内行事となっていることもポイントだ。東大合格のカギから部活動との両立方法まで、身近な先輩の生の声は大きな励みになり、「頑張れば自分も」という気持ちになれるのだ。
冒頭で東大合格者10年連続の話題に触れたが(下表参照)、ここに出てくる高校名と一致するかのように、本庄東高校は埼玉県北部では単願校として、群馬県からは私立単願校と高崎・前橋・太田など上位県立高校の併願先として人気が高くなっている。また東京大学をはじめとする最難関大学への合格実績ばかりでなく、生徒の力を引き出し、生徒がとことん挑戦できる学校としての魅力に注目が高まっている。
本庄東高等学校
住所:〒367-0022 埼玉県本庄市日の出1-4-5
電話:0495-22-6351(代)
FAX:0495-22-6333
HP:https://www.honjo-higashi.ed.jp/senior/
●JR高崎線本庄駅下⾞、徒歩約15分。埼玉県・群馬県内の複数駅からスクールバスも運行。