【春日部共栄中学校】生徒の向学心を高める2コースを2022年度に新設 “春共”の学びは新たなステージへ

【春日部共栄中学校】生徒の向学心を高める2コースを2022年度に新設 “春共”の学びは新たなステージへ
模擬国連参加

2003年に開校し、2023年には創立20周年を迎える春日部共栄中学校。画期的で独自性の強い取り組みを進め、2010年には中高一貫生から初の東京大学合格者を輩出するなど、進学校として着々と実績を積み重ねてきた。そんな同校が、2022年度から新たに2つのコースを設置する。今回は、同校が築いてきたその教育の魅力と、新コース開設から広がる新たな可能性を探った。

今回お話をうかがった牟田先生

計画的・段階的に学びを深める
2年区切りの「ステージ制」を採用

春日部共栄中学校が重視するのは、「行動力」「思考力」「判断力」「表現力」「自己肯定力」という5つの力を育み、未来社会を創造できる人材へと成長させること。そのために、中高一貫の6年間を2年ずつに区切り、それぞれの目標にアプローチする「ステージ制」を採用している点が特徴だ。

1・2年は学習習慣・人間形成・研究基礎を固める「人間形成と学習・研究アプローチステージ」、3・4年は研究活動を進めて校内発表を行い、校外発表の準備を行う「研究活動完成ステージ」、そして5・6年は研究成果を外部コンテストなどに応募する一方、大学入試への準備をする「大学アプローチステージ」と設定されている。この間、中学2年次までに中学校の学習範囲を終わらせ、以降1年前倒しで学習範囲を終了させる。つまり、高校2年次までに高校の学習範囲をカバーし、高校3年次には大学入試対策に集中させるのだ。

また、同校は外部講師による年6回の講演会や「バンクーバー語学研修」をはじめ、通常の授業以外でも魅力的なプログラムが豊富。本の紹介を通してプレゼンテーション能力を高める「ビブリオバトル」や、新聞の切り抜きを用いて時事問題の要約・考察・発信をする「The World View」、地理巡検や理科巡検といったいわゆるフィールドワークなども毎年行われている。さらには「理化学研究所見学会」など企業や大学といった外部機関との連携に基づく探究活動も数多く用意。生徒はこれらの機会を通して自らの興味を広げ、大学で学びたい分野を絞っていくわけだが、その絞り込みに向けて2022年度から2つのコースが設置される。

ビブリオバトル

創立20周年事業の総仕上げ。
未来を見据えた2コースを新設

同校は2023年の創立20周年に向け、これまで数々の刷新を行ってきた。その一つが、中間試験の廃止。一部に見られた試験前の詰め込み学習をなくし、日々の継続的な学習習慣を定着させることが目的だ。そのために、家庭学習の計画と時間をチェックする「ハイブリッド学習表」や、リクルート社の「スタディサプリ」を活用。一方で、コロナ禍においてはいち早くオンライン授業をスタートさせた。保護者面談もオンラインと対面のハイブリッドで行うなど、柔軟な対応が好評だという。2021年度からは、中学1年生全員に1台ずつChromebookを貸与し、存分にICTが活用されている。

そして、満を持して発表されたのが、2022年度からスタートする2つのコース、「プログレッシブ政経コース」と「IT医学サイエンスコース」だ。中学1年次から火・水・木曜の週3回、午後の授業が終わって部活動が始まるまでの時間帯に、コース別の学びの時間が新たに設けられる。これに伴い、中学・高校ともに授業時間を従来の50分から45分に短縮することも決まっており、同校の力の入れようが伝わってくる。この2コースでの学びは、同校のステージ制における3・4年次まで継続され、ステージが上がるタイミングでのコース変更も可能だという。

ITを使いこなす活動・Chromebook貸与

国際政治・国際経済に有用な専門性を高める
「プログレッシブ政経コース」

「プログレッシブ政経コース」の目的は、日本では金融や国際政治に関する教育が十分とはいえないとされるなか、海外大への進学も視野に入れた「圧倒的な英語力」の習得と併せて、将来のビジネスシーンで役立つ政治的・経済的なセンスと実践的なスキルを高めることにある。ただし、高校の科目である「政治経済」を先取りするということではなく、単にレポートをまとめればいいというわけでもない。

このコースでは、政治・経済分野で今まさに起きている事柄について、調べ方や資料の集め方、大学1年次で学ぶような論文の書き方まで学ぶという。具体的には、証券取引所や大手金融機関から講師を招き、有価証券報告書や損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表などの見方を学んだうえで、「模擬トレード」などのオリジナルプログラムに取り組む。さらに、各国の大使館を訪問してその国や世界で起きている問題を学んだあと、模擬国連や外部でのディベートなどに参加することも想定している。こうした体験を通して、グローバルビジネスや国際政治の分野でリーダーシップを発揮できる人材に求められる知識や発信力を身につけることがこのコースのねらいだ。

ネイティブ講師との日常

研究者・開発者・医師の卵を育てる
「IT医学サイエンスコース」

「IT医学サイエンスコース」は、文字通り「IT」「医学」「サイエンス」を軸に、「圧倒的な数学力」を養い、各分野の研究者や開発者としてリーダーシップを発揮できる理系人材を育てることを目的とする。同校は医学系ヘの進学実績も豊富だが、決して医学部受験専門のコースではなく、例えば火曜日はIT、水曜日は医学、木曜日はサイエンスとして医歯薬看護理工系のトピックを幅広く取り上げ、総合的に学んでいく。

具体的にこのコースの学びを見ていこう。まず「IT」は、2020年度から小学校でスタートしたプログラミング教育を一気に発展させるもの。IT企業と提携して、情報処理系の資格取得や、オリジナルのアプリ、ゲームの制作などにつなげていく考えだ。「医学」は、地域の医療機関とのつながりを生かし、現場の最前線で活躍する医師から直接話を聞く機会を創出する。「サイエンス」は、同校が保有する遠心分離機を用いたDNAの抽出や、遺伝に関係する観察研究、地学、天文学に関わる分野まで、多様な理科実験を中心に進められる。「IT」「医学」「サイエンス」のいずれにおいても、3・4年次にはより本格的な内容に移行し、外部の研究機関と連携した実験や独自の研究なども想定されている。

DNAの抽出実験・先進的な実験研究

課外活動の成果として
推薦入試にも役立つ可能性

「プログレッシブ政経コース」と「IT医学サイエンスコース」は、中高一貫で学ぶからこそ、自分の興味を自覚し、より突き詰めて学びたい分野を見つけるきっかけになる。また、研究や実験の成果は校内で発表するほか、企業や公的機関、大使館、外部コンテストなど校外での発表にも挑戦。外部からフィードバックを受けることで新たな気づきを得て、専門性のさらなる向上につながることは明白だ。

そして、この2コースでの学びや経験は、いずれ大学入試における総合型選抜でアピールできる材料にもなるだろう。中高で自らの興味に従って研究を進めることで、大学で専門的に学びたい分野を明確にできると同時に、その過程にある学びや経験を大学入試に生かすことができるのだ。

大学に合格するための具体的な指導は、高校2・3年次に当たる同校の5・6年次に行われるが、2022年度から始まるこの2コースは、そもそも大学進学後に本気で取り組みたい分野を明確にするための仕掛けを充実させたものだといえる。有名大学への合格を目的とする「大学までの人」ではなく、大学で何を学びたいかを生徒に意識させる「大学からの人」の育成を重視する同校のポリシーを体現するのが、この「プログレッシブ政経コース」と「IT医学サイエンスコース」であり、数年後の成果に期待が高まるばかりだ。

春⽇部共栄中学校
住所:〒344-0037 埼⽟県春⽇部市上⼤増新⽥213
電話:048-737-7611 FAX:048-737-8093
HP:https://www.k-kyoei.ed.jp
●東武スカイツリーライン・アーバンパークライン春⽇部駅下⾞、スクールバス約10分

校舎内から桜が見えます

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