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横浜駅から電車で5分のみなとみらいが見渡せる高台に位置する関東学院中学校高等学校は、その自由な校風で知られています。都会にありながら校内をリスが歩きまわるほど緑の多いキャンパスで、生徒たちはのびのびと毎日を過ごしているようです。
今回お話をお伺いしたのは、高校3年生の担任を務める鬼嶋友里先生。今の高3が中学1年の頃から、6年間持ち上がりで生徒たちの成長を見守ってきました。さらに、鬼嶋先生は関東学院で中高時代を過ごした卒業生でもあります。高校時代に少林寺拳法部で全国大会に出場した経験を生かし、現在は部活の顧問もしていらっしゃいます。
そんな鬼嶋先生に、関東学院の教育に関することをはじめ、卒業生だからこそ分かる関東学院の校風や今と昔との違いについてたっぷりと話していただきました。
取材:松平 信恭(大学通信)
一緒に遊んでくれる温かい先生に囲まれて自由に過ごせるのが関東学院の魅力
――鬼嶋先生は生徒として、教員として、多くの時間を関東学院で過ごされていらっしゃいました。率直に言ってどのような学校だとお感じですか。
キーワードとしてまず、「自由」という言葉が挙げられると思います。のんびり、のびのびと学校生活を過ごしている、素直な生徒が多い印象です。それは自分が在学していた時とあまり変わらない部分ですね。
――そうした学校のあり方を形作っているのは何なのか、思い浮かぶことはありますか。
先生の雰囲気や、子どもたちとの接し方が大きいのではないでしょうか。生徒がチャレンジする際には、温かい目で見守ってくれます。また、先生と生徒の距離がとても近い学校で一人ひとりを良く見ているので、ちょっとした変化にも気づいて、些細なことでもできたら褒めてくれます。
私自身のことを振り返ってみても、先生に対する「安心感」や「信頼感」がありました。こちらから積極的に先生に話かけに行くタイプではなかったのですが、割と何でも相談していましたし、先生の方からもたびたび話に来てくれました。進学先の大学についても、担任の先生だけでなく、隣のクラスの先生に悩みを相談する中で、決めていきました。
――担任の先生だけでなく、教員全体で生徒を見守っているのですね。一人ひとりをよく見ているのは昔から変わらないと。
そうですね。先生からのそうした接し方に助けられた部分はすごくありますし、教員という仕事に憧れを持つきっかけにもなりました。
だからこそ、自分が中高の時にやってもらってよかったことは今の生徒にもしていきたいという思いがあって、一人ひとりをよく見ることは意識しています。「1対集団」というよりも「1対1」で見てあげたい。私のクラスには43人の生徒がいるのですが、自分から43本の糸が出ていて、1本1本の糸がきちんと結ばれているようなイメージです。普段からコミュニケーションを欠かさずに取るようにしています。
――関東学院で過ごした6年間を振り返ってみていかがですか。
のんびりとして自由な風土の中で育ててもらい、自分の可能性を広げられたと思います。入学当初は少林寺拳法のことをまったく知らなかったので、始めた当初は全国大会に行くとは想像もしていませんでしたが、頑張ればそういう世界が広がっていることを知りましたし、部活を通して精神面、肉体面共に成長できたと思います。勉強以外のことにも打ち込める環境があったのは有難かったなと感じています。
高校の卒業式の日に漠然と、何らかの形で母校に戻ってきて、恩返しがしたいと思ったのです。それだけ学校生活が充実していたからだと思います。ですから、大学時代に教員になろうと決めた時は、絶対に母校で教師になりたいという気持ちがありましたし、自分も先生にしてもらったように子どもたちを育てていきたいと思うようになりました。
教員を目指す中で中高時代を振り返る機会が多かったのですが、その時も改めて「関東学院ってこんなに温かい学校だったのだな」と感じました。友人と話をした時も「いい学校で羨ましい」「いろんなことに挑戦できる自由さがあっていいね」とよく言われました。
――いろんなことに挑戦できる環境は今の関東学院にも脈々と受け継がれています。
先生から挑戦を咎められることはありませんでした。むしろ、一緒に遊んでくれるような先生が多かったので「何でもチャレンジしていいんだ」と思いましたし、そういうところから大人への「安心感」や「信頼感」を感じました。関東学院で教育実習を行った時には、指導して頂いた先生から「いつまでも生徒と遊べる先生になってください」という言葉をかけられました。その時は想像がつかなかったのですが、今では生徒と遊ぶことの大切さを強く感じます。
遊んでいる中でも子供達の細かい変化は見ることができますし、何かがあった時に「この人にだったらちょっと話してもいいかな」という存在でありたいと思います。なによりも自分が一番楽しんでしまっているところもあるんですけどね。
自由な校風のもとで育まれる他者のために奉仕する心
――生徒たちからの教員への関わり方はいかがですか。
人懐っこい生徒が多いですね。教員室に顔を出して教員と話をしている生徒がたくさんいます。先生が時間をかけて丁寧に対応している姿もよく見かけます。
男の子はのんびり、おっとりとしていて優しい子が多く、女の子はしっかりした子が多い。男女比では男の子の割合が高いのですが、そのあたりはいいバランスになっていると感じます。
――関東学院はプロテスタントの学校です。それが学校の雰囲気に与えている影響はあるのでしょうか。
キリスト教の学校なので週に2回は礼拝から朝の時間が始まりますし、特にクリスマスシーズンはツリーの点灯やクリスマス礼拝など、キリスト教ならではの行事がたくさんあります。
一方で、キリスト教色を生徒に押しつけるような学校ではありません。関東学院は何事もそうなのですが、何かを強制することはほとんどありません。選択肢として与えつつも、最終的にそれを選ぶのは自分自身に委ねられているところがあります。
ただ、礼拝で聞くお話などを通して、子どもたちの心の中に育っていくものはあると思いますね。私もいまだに朝の礼拝で聞いたエピソードをいくつか覚えていて、大人になってから改めて心に響いてくる言葉もあります。
――学校生活全体を通してどのように成長してほしい、どんな子を育てたいとお考えでしょうか。
関東学院の校訓は、「人になれ 奉仕せよ」です。自分の持っている力を自分だけのために使うのではなく、誰か他者のために使えるような人に育ってほしいと考えています。校訓については、礼拝や聖書の授業だけでなく、HRや聖書以外の授業の中で伝えることもあります。
たとえば、最近授業で扱っているSDGs(国連が掲げる国際目標である「持続可能な開発目標」)についても、言葉の理解や知識を得るだけに留めずに自分の身近な課題として捉えることで、実際に自分に出来ることは何かというところまでつなげていってほしい。社会のためにどのように奉仕できるかを考え、行動していくことが大切だよと伝えています。