地域の“知の拠点”を目指す、新札幌キャンパス誕生

地域の“知の拠点”を目指す、新札幌キャンパス誕生

大規模再開発で注目 副都心・新札幌駅に新キャンパス開設

北海道で最大の都市・札幌市の玄関口であり、道内鉄道網の拠点となる札幌駅からJR快速線でわずか8分の新札幌駅。その周辺は、住宅建設大手の大和ハウス工業を中心とした共同事業体によって現在大規模な再開発が進行中だ。ショッピングモール・ホテル・医療施設などからなる駅東側のI街区、教育機関で構成される駅南西側のG街区を併せて、開発総面積は49000㎡にも及ぶ。

そのG街区に校地を取得し、新たに「新札幌キャンパス」の開設を発表したのが札幌学院大学だ。同大学は5学部8学科を有する文系総合大学で、現在はJR函館本線・大麻駅近くにある江別市文京台キャンパスを拠点としている。5学部のうち経営学部・経済学部を再編した学部を新設し、大学院地域社会マネジメント研究科とともに2021年4月より新キャンパスに移転予定だ。また、2018年に新設した心理学部、および大学院臨床心理学研究科、心理臨床センターは2022年4月からの移転となる。この移転により新札幌キャンパスの定員は合計で1600人が見込まれている。これは江別市文京台キャンパスの定員1200人を上回る比率となり、今後同大学の主要拠点としての機能を果たしていくことになりそうだ。

副都心エリアにおける"開かれた教育"の場を創設する

新札幌駅周辺地域は、札幌市の一点集中型の都市構造を多核心型へと誘導する「副都心」として位置づけられており、この再開発を機により一層の都市機能の集積が見込まれている。そのため札幌学院大学は、新キャンパスを「多様なこと・ひと・もの(diversity)」との「協働(collaboration)」を図るための都市型・開放型キャンパスにして、その開設にあたって大学・自治体などの組織の枠を超えて協力する「オープンイノベーション」で新たな地域社会の創造とまちづくりを目指している。延べ床面積約1万2600㎡に及ぶ新キャンパスは、鉄筋コンクリート造6階建てで3〜6階が教室や研究室となる。1階にはカフェやレストランのほか、産学連携センター(仮称)やコミュニティカレッジが入り、2階には図書館と多目的ホールが備わる計画だ。これら1階、2階の施設は一般市民も広く利用できるように開放していく。キャンパス内に「オープンエデュケーション=開かれた教育の場」を設けることで、同大学は副都心エリアにおける〝地域の知の拠点〟としての役割を担っていく意向だ。

また同じG街区内には、学校法人滋慶学園が運営する札幌看護医療専門学校(仮称)が新たに開校する。札幌学院大学とは、学術交流に関する連携協定に調印済みだ。これによって互いの学校で公開講座を行ったり、研究会などを通じた教職員の交流が今後活発化することが予想されている。

大学・地域・企業が一体となって進めるまちづくりプロジェクト

こうした同大学の新キャンパス開設にあたって期待されているのが、1600人を超える学生の流入によるさまざまな地域プロジェクトの活性化だ。「札幌市まちづくり戦略ビジョン」に基づく今回の大規模再開発を受けて、同エリアでは自治体や市民、企業による数々の副都心振興プロジェクトが進行している。「新札幌キャンパス」の学生がインターンシップ、ボランティア、アルバイトなどを通じてこれらのプロジェクトに関わっていくことで新たな〝化学反応〟が期待されるだけでなく、学生自身もリアルなまちづくりの現場に携わって大きな刺激を受けながら生きた学びを深めることができるのだ。

札幌学院大学も学生ぐるみで地域のまちづくりに参画するとともに、札幌市内や移転先地域に進出を予定している企業との連携も視野に入れている。

手厚い学生支援と75年の伝統が築いた"サツガク"ブランドの信頼

札幌学院大学の歴史は、第二次世界大戦終戦翌年の1946年に建学された、札幌文科専門学院に遡る。新しい日本の社会復興を担う人材の育成を目指して開校された同学は、北海道で最初の私学文系の高等教育機関として歩み始める。その後札幌短期大学、札幌商科大学の開設・統合を経て現在に至っている。戦後の混乱期における創立から現在に至るまで、同大学が一貫して注力してきたのが経済支援・修学支援・就職支援という3つの学生支援だ。

第1の経済支援は充実した奨学金・奨励金制度だ。成績優秀者や公認クラブにおけるスポーツ・文化活動の奨励者を対象に、授業料の半額〜全額を免除する制度のほかに、資格取得や海外留学の支援、さらには道外企業の採用試験時における受験旅費支援に至るまで、その幅は広い。いずれも給付型や免除型という返還不要のシステムであるため、学生もアルバイトに明け暮れたり将来の返済に追われることもないため、安心して学業に専念することができるのだ。

第2の修学支援では、学生の学びをより充実したものにするために、大学がハードとソフト面の両面からサポート。先輩が後輩に大学での学び方を個別指導する「サポートセンター」、多様な学修ニーズに対応し、誰もが利用可能なスタディスペースの「コラボレーションセンター」、図書館をアクティブラーニングの場へと発展させたラーニングコモンズ「リーフシー」などを設置し、学生が主体的に学ぶ環境を整えている。また、正課教育のなかで資格取得をより確実にするカリキュラム編成も、5学部8学科全てで実施している。

第3の就職支援では、1年次からキャリア教育科目を設けて就職への意識付けを早くから実践している。また4年間を通して個人の適性に合った進路指導を行うため、インターンシップや内定済み学生による後輩へのアドバイス活動など、様々な支援プログラムが用意されている。こうした支援の後押しもあり、同大学は学科によって90〜100%の高い就職率を誇り、学内企業説明会には約300社もの企業が参加している。

こうした創立以来の学生支援と積み重ねてきた実績で、同大学は「サツガク」として北海道内で高いブランド力を築き上げてきた。創立75周年の節目で札幌副都心にアクセス良好な新キャンパスを得て、同大学はさらなる地域の信頼を獲得し、新たな伝統を育んでいくことだろう。

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