<PR>
ロンドン大学の学位が取得できる経済学部のパラレル・ディグリー・プログラムをはじめ、人文学部、社会学部でも2017年度からグローバルコースを展開している武蔵大学。グローバル市民育成に向けて教学環境の整備に取り組む同大の狙いと展望を山㟢哲哉学長に伺うとともに「グローバル・データサイエンスコース」の概要と魅力を社会学部メディア社会学科の庄司昌彦教授に伺った。
取材・文・玉木栄一(大学通信)
世界標準のカリキュラムで大学が大きく変わる
グローバル化をはじめ、ソサエティ5.0(超スマート社会)に象徴される高度先端技術がビジネスの世界を大きく変えつつある。こうした中、全学生が1年次から4年間を通し専門ゼミで学び「21世紀の課題を担う国際人を育てる」独自の取り組みを受けて注目を集めているのが武蔵大学だ。
その起源は、近代日本を代表する実業家・政治家である根津嘉一郎(初代)が1922年に創立した、わが国初の私立七年制高等学校である旧制武蔵高等学校に遡る。「本学の教育は『自ら調べ自ら考える』力をもち、『心を開いて対話』し、『世界に思いをめぐらし、身近な場所で実践』できるグローバル市民の育成を目標としています。この目標を達成する場として何より有効だと考えているのが、旧制高等学校以来の伝統である『ゼミ』です」
山㟢哲哉学長がそう説明するように、武蔵大学では毎年、400以上の個性的で幅広い分野からなるゼミを開講。なかでも産学連携のもと、経済・人文・社会学部の学生がチームとなり、企業から与えられる課題に取り組む「三学部横断型ゼミナール・プロジェクト」では、異なる専門性や価値観に触れ、実社会で必要となる多様な視点を身につける。
ゼミの舞台は教室の中にとどまらない。国内外でのフィールドワークや他大学との合同ゼミなど、学外で課題と向き合う機会もある。
日本初、ロンドン大学の学位が取れる「PDP」
こうした中、グローバル化・ボーダレス化により激動する社会を見据え設置されたのが、国内初の「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」だ。
これは経済学部の入学生のうち、語学や数学の成績などで選考した30名程度を対象とする国際的プログラム。1年次の4~7月に授業や海外英語研修で英語力を鍛え、IELTSでスコア5.5以上を取得できた学生は、9月からロンドン大学のIFP(基礎教育プログラム)を4科目履修する。この期末試験に合格すると、2年次の9月からBSc(専門教育プログラム)の履修が可能となり、3年間で12科目を学び、毎年の試験に合格すればロンドン大学の経済経営学士号が取得できる。
「本学が導入しているPDPでは、国内にいながら世界標準の教育をすべて英語で学ぶことができます。ロンドン大学のBScプログラムは現在180カ国以上、5万4000人が学ぶ世界共通のプログラムです。国内で受講できるので、コストも海外留学に比べてはるかに安い。『ゼミの武蔵』で知られるように、小規模で丁寧な教育を旨とする本学に適した教育システムであると判断しました」
ロンドン大学はノーベル賞受賞者を多数輩出し、欧米のトップエリートが学ぶ名門校なので、高度な英語力が求められる。そのため、入学直後の4~5月に集中的な英語の授業を行い、6月から7月にフィリピンのセブ島で6週間にわたる海外英語研修を受講する。
「PDPは大学全体にも大きな相乗効果をもたらしています。ロンドン大学のプログラムを実施することによる英語カリキュラムの蓄積が、日本語カリキュラムも世界標準に変わる契機となります。
また、授業がすべて英語で行われ、予習や復習の時間が大幅に増加し、学生たちも『授業時間以外にも勉強する場所がほしい』との声が上がるほど意欲的に取り組んでいます。グループ学習の習慣も根づいており、こうした変化が学内全体に良い影響を与えています」(山㟢学長)
今年は一期生が卒業し、5月にロンドン大学の卒業試験を受験。8月には同大学の学位取得の結果が分かる。「ロンドン大学の卒業試験に合格するのは並大抵のことではないでしょう。しかし、それは一つの目標であって、すべてではありません。学生生活を通じて仲間たちと切磋琢磨したことで、PDPの学生たちは自らの描く目標やテーマを見出しています」と山㟢学長はその成果を語っている。
人文学部、社会学部のグローバルに特化したコース
さらに、経済学部のPDPに続き、2017年度からは人文学部に「グローバル・スタディーズコース(GSC)」、社会学部に「グローバル・データサイエンスコース(GDS)」を設置。グローバル市民育成に向けた先導的な取り組みを全学部で展開している。
人文学部のGSCには、どの学科からでも所属できる英語プログラムに加え、ドイツ語、フランス語、中国語/韓国・朝鮮語の特別プログラムがあり、いずれも半年または1年間の留学を推奨している。 英語プログラムは「国際関係」「グローバル文学」「グローバル日本文化」の3分野に分かれ、英語による授業の修得単位は全体の約7割が必須。1年次の第2クォーターには全員参加の「海外集中英語研修」を実施している。
なお、希望すればすべての授業を英語で受講することも可能。「1年間でTOEICスコアを100点以上アップする学生もおり、一期生の半数近くは700点越えを果たしているほか、800点を超える学生も少なくありません」と山㟢学長。 さらに、正課外の個人指導「コーチング」や、4年次に履修する卒業研究のためのゼミCapstone Project も整備されており、充実した4年間が学生を飛躍的に成長させている。
グローバルに特化したプログラムの履修やコースへの所属を確約する一般入試を展開
次の条件を満たした方は「PDP」「GSC」「GDS」に所属する許可が得られます。
■︎経済学部PDPは、【1】全学部統一グローバル型[数学受験]で合格かつ数学の得点が良好な方、【2】センター方式(前期日程)で経済学科、経営学科に合格された方のうち、国語、英語、数学(「数学Ⅰ・数学A」もしくは「数学Ⅱ・数学B」)の得点が総合的に良好な方、【3】特別選抜入試(PDPパスポート型)で合格された方、のいずれか。
■人文学部GSCは、【1】全学部統一グローバル型で合格された方、【2】センター方式(前期日程)[英語以外の外国語受験]で合格された方で、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語のいずれかを受験し、一定の得点以上で合格された方、【3】AO入試(GSC英語4技能判定方式)で合格された方、【4】帰国生徒対象入試で出願条件を満たし、英語プログラム所属を出願時に希望して合格された方、のいずれか。
■社会学部GDSは、【1】全学部統一グローバル型で合格された方、【2】個別学部併願3科目型[数学受験]で合格かつ数学と英語の得点が一定以上の方、【3】AO入試(将来計画書方式〈GDS〉)で合格された方、のいずれか。詳細は大学が発行する入試要項またはnyushi.musashi.ac.jp(受験生入試情報サイト)を参照のこと。
社会学部グローバル・データサイエンスコース
ビジネスや行政の現場で「ビッグデータ革命」が進展する中、新しい時代の世界共通語である「データ」と「英語」を習得できる社会学部「グローバル・データサイエンスコース」(GDS)。その刺激的な学びの魅力を、メディア社会学科の庄司昌彦教授に伺いました。
庄司昌彦教授
武蔵大学 メディア社会学科教授
情報社会学者。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主幹研究員、内閣官房オープンデータ伝道師など、電子行政分野で政府や行政機関の委員等も歴任。主な著書に『地域SNS 最前線Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』(共著)など。
――GDSには「グローバル」「データサイエンス」「社会学部」の3つの要素が盛り込まれています。
近年ではデータをまとめたり、蓄積し分析する技術が飛躍的に進化しています。私の専門である都市や地域政策の分野も、またそこに関わる企業や文化芸術の活動なども、データをきっかけに大きな変化が起こっています。GDSではそうしたデータに基づき、多様な事象を理解し実践に繋げていく「データサイエンス」のスキルを4年間で徹底的に磨いていきます。
一方で、デジタルでできたこうしたデータが社会を変える現象は世界で同時に起こっており、データを扱う人の活躍の場も必然的に世界に広がっています。GDSで学んだ学生は、多様な文化圏の人々とコミュニケーションをとり活躍してほしい。それが「グローバル」の意味するところです。
また、GDSは社会学部に置かれたコースです。異文化を理解し、自ら問題提起をして、さまざまな人を巻き込みながら社会をよりよく変えていくことのできる人材を育てたいと考えています。
――1年次は全員が6月から7月に海外英語研修に参加します。
GDSでは入学直後、集中的に英語の授業を受けた後、今年はオーストラリアのケアンズで6週間英語漬けの海外英語研修を履修します。現地ではホームステイをし、英語圏の生活や文化を体験します。IELTSのスコアで5.5をクリアすることが目標ですが、皆たくましくなって帰ってきますね。
――庄司先生のゼミではどのような授業を行っていますか。
「情報社会におけるデータ活用」がテーマで、国内外の社会やビジネスの課題設定から調査企画、施策立案までデータ活用プロセス全体のスキルを磨きます。授業では「シビックパワーバトル」というフォーマットに則り、キャンパス周辺の練馬区、豊島区、中野区のチームに分かれ、対抗戦形式でデータ分析に取り組みます。そのプレゼンは、3つの区役所や企業の担当者に評価していただきました。
――2・3年次には留学やインターンシップなど学生自らテーマを設定し学ぶ「GDS実践」もあります。
ある学生は英語もほとんど通じないポーランドの特別支援学校で、障害を持った人のケアを現地スタッフと一緒に行い、最後に日本文化を紹介するセッションをしてきました。協定留学でオハイオ大学に2学期間学び、GDS実践に認定された学生もいます。こうした体験は彼らがグローバルに活躍する際の基礎となるでしょう。
――学術協定を結ぶ広告代理店、ADKマーケティング・ソリューションズ(ADK MS)との提携授業やインターンもあります。
授業では変数の数・ケース数ともに大規模な「生活者総合調査」のデータを分析します。これは約1万5000人を対象に、価値観や消費・生活行動、メディア接触など1000以上の項目を調査したもの。インターンではこのデータを元に消費者を4分類し特徴に応じて、どんなアプローチをすればマーケティングとして効果的であるかを企業に提案したり、学会でポスター発表したりしました。学部3年生としては相当なレベルに達したと自負しています。
――GDSでは学び自体がとても実践的で刺激的ですね。
現代社会はとても揺れ動いており、民主主義が疑われたり、仮想通貨が現実のものとなるなど、予測もつかない時代を私たちは生きています。学生たちには、社会学のさまざまな知識や手法を背景としたデータサイエンスを武器として、そんな時代に切り込んでほしいですね。
――将来予想される進路は。
グローバルという意味では欧米だけでなく、さまざまな国や地域から人やモノ、情報が流れ込んでいます。また、データ活用は、あらゆる分野で要請されています。したがって国際的な仕事やデータを活用した仕事としてイメージされやすい観光業や国際機関、IT企業だけでなく、世界中の企業や現場がGDS 卒業生の活躍の場となるでしょう。社会派の学生も多いので、NPOやNGOなどでも活躍も期待しています。
――ありがとうございました。
武蔵大学
経済学部:経済学科/経営学科/金融学科
人文学部:英語英米文化学科/ヨーロッパ文化学科/日本・東アジア文化学科
社会学部:社会学科/メディア社会学科
武蔵大学は、東武鉄道や南海鉄道など多くの鉄道事業に携わり、政財界で活躍した根津嘉一郎(初代)が1922(大正11)年に創立した、わが国初の私立七年制高等学校である旧制武蔵高等学校がルーツ。その後の学制改革にともない、1949(昭和24)年に武蔵大学となり、創立から100年近くを経た現在は、3学部8学科の文系総合大学へと発展しました。激しく揺れ動く社会環境の中にあって、創立時に掲げられた「建学の三理想」は、いまなお褪せない価値をもち続けています。 「ゼミの武蔵」に代表される伝統の少人数教育を一層強化し、主体的に学ぶ環境を生かし「グローバル社会で活躍する人材」を育成しています。
武蔵大学 入試課
〒176-8534 東京都練馬区豊玉上1-26-1 TEL.03-5984-3715