【立正大学法学部】職業への動機づけと丁寧な指導で難関突破に導く

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10人前後の専門ゼミを2年生から開講するなど、少人数教育や面倒見の良さで知られる立正大学法学部。キャリア形成の場面でも、働くことに対する動機づけをしっかり行っており、丁寧な指導が光る。充実した課外講座を活用しながら、公務員試験や難関資格試験に多数の合格者を輩出している。


卒業生のおよそ 15 %が公務員となる立正大学法学部。行政書士、社会保険労務士、司法書士 などの難関資格を取得して「士業」に就く学生もいる。多数の学生が難関試験を突破できるのはなぜなのか。法学部長の位(いんでん)田央(ひろし)教授は、授業における学生の動機づけに力を入れることが大事だと強調する。

「学生にはまず、自分がその職業に就いて何をやりたいのかを考えてほしいと思っています。それはどんな職業を目指す場合でも変わりません。 法律を使って仕事をする具体的なイメージが湧けば、その職業を目指そうという気持ちが強くなります。モチベーションが生まれることで、公務員試験や資格試験といった難しい勉強を持続できる力になるのです」

法学部の授業では、公務員や士業の実務に触れられる機会を豊富に用意している。例えば行政学の授業では、地方自治に携わってきた経歴を持つ教員が、実際の行政の動きをモデルにしながら授業を行っている。警察官志望者に向けては、警察行政法という科目で警察官職務執行法の判例などを取り上げる。

他大学ではあまり見られない特徴的な授業を通して、仕事のイメージを膨らませることができる。 学部主催の業界セミナーでは、 都庁・県庁の職員や警察官として働くOB・OGなどから具体的な仕事内容を聞くこともできる。また、3年生から受講できる実務演習では、東京都行政書士会と包括的な連携協定を結び、現役の行政書士がリレー形式で演習を担当する。位田教授は「行政書士は業務が5、6千種類あるといわれていて、非常に幅が広い仕事です。行政書士試験は実務との乖離が大きいので、最先端の実務の話を聞けるのは学生にとっても大きな刺激になります」と話す。

公務員や行政書士、社会保険労務士といった士業は女性が輝く分野でもある。位田教授はこう説明する。 「官公庁は産休・育休制度が充実していますし、士業では、若いうちに法人事務所で働いた後に出産・育児を経験し、復帰、もしくは独立して再び働くのは普通のことです。開業すれば自分のペースで仕事ができるので、 子どもを育てながら働くこともできます」 長いキャリアを考えて大学選びをするのであれば、法学部を経て、そうした職場での活躍を目指すのは、女子生徒にとって魅力的な選択肢の一つとなる。

充実した課外講座には費用面でのサポートも

立正大学法学部は2014年に、熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市)から品川キャンパス(東京都品川区)に移転した。 現在の学生は首都圏出身者が多いが、以前は北関東や甲信越出身者が一定数を占め、公務員としてUターン就職を目指す学生も多かった。そうした背景が、充実した公務員対策の伝統を作り上げた。正課の授業に加え、学外の資格取得予備校と提携した各種の課外講座を揃えることで、長年のノウハウをもとに学生の希望の実現を後押ししている。

公務員講座は2年生の12 月から入門講座、3年生の5月からは本講座が始まる。講座は学生の志望職種に合わせて、入門講座は2種類、本講座は3種類の内容を用意している。公務員講 座以外にも、学生は行政書士講 座や法学検定講座などを希望に合わせて受講できる。課外講座は学内で開講されるため通学の手間がなく、時間を有効に使えるのもメリットだ。 さらに、国家一般職や地方上級職といった難関公務員や、司法書士、社会保険労務士といった難関資格の取得、法科大学院への進学などを目指す学生は、 課外ゼミに所属できる。課外ゼミは勉強に力を入れる学生のための自主ゼミで、課外ゼミ室を利用しながら教員のアドバイス を受けられるほか、年2回の合宿では小論文対策や面接対応の指導も行われる。 費用面に対してのサポートも大きい。課外講座は予備校に通学するのに比べ、8割以上安い金額で受講できるものがほとんどだ。多くの学生が本番の前に受講する模擬試験も、学内で実施することで受験料を補助している。費用を気にせずに勉強に集中できるので、学生にとっては心強い制度だろう。 学内で模試を行う理由は費用面だけではない。位田教授はその狙いをこう話す。

「教員が試験監督をするので、 学生の受験態度がよく分かります。推薦で入学してきた学生はマークシート式試験の上手な解き方が身についていないことも多く、それではせっかくの実力が発揮できません。学内受験を活用して、このような学生に対する指導にもつなげています」

民間への就職にも役立つ法律知識と社会人基礎力

もちろん民間企業への就職にも力を入れる。就職先としては、不動産・建築、銀行・証券、生保・ 損保、流通、情報・通信といった業界が多い。近くに民間企業が集中する立地を生かし、自分に合った活躍できる企業を選択するための就職支援を行っていると位田教授は説明する。

「民間企業においても、法律の基礎知識や法的なものの見方は重要です。例えば、目的を満たすような契約書を作成したり、ルールにのっとって相手を説得したりするには、法的思考力が 求められます。本学部の教育目標は、このような思考力を獲得することでもあります。 また、宅地建物取引士や社会保険労務士といった資格試験や、ビジネス実務法務検定に合格できる知識の習得にも力を入れています。これらの資格は、法的思考力を測る具体的な指標であるとともに、民間企業でも必要とされる資格、知識でもあります。主体性や発信力、コミュニケ ーション能力などといった社会人基礎力は、2年次からの専門ゼミや部活動などを通して、学生生活全体で底上げを図っています。 また、本学部では3年次にゼミ大会を開催し、研究発表して います。発表するテーマの設定から当日配布する資料の作成、大会後のゼミ論文集の発行に至 るまで、各ゼミ一丸となって取 り組んでいます。このような経験は、社会人として必要な能力 の向上に大いに役立ちます」

こうした指導の裏には、学生と親密な関係を築こうとする教員の意識がある。位田教授は次のように言う。

「ゼミ大会では、学生の自主性を保ちつつ、発表直前まで親身になってサポートしています。 また、ゼミ合宿では、夜まで学生に付き合って相談を聞くなど、 全ての教員が対話をしながら学生と心を通わせることを大切にしています。そうすると学生からも話をするようになるので、 適切なタイミングでアドバイスができるのです」

これまで見てきたように、立正大学法学部には就職支援のための多様な制度が整う。ただ、それらが上手く活用されて実績 に結び付いているのは、教員と学生の信頼関係によるところが 大きいのかもしれない。