【立正大学法学部】主体的に学ぶ法学教育で育まれる、社会を担う即戦力

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2014年に品川キャンパス(東京都品川区)へ移転した立正大学法学部。熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市)で長年培った伝統の少人数教育や面倒見の良さに加えて、経済・経営・法の3学部が都心の1キャンパスに揃ったことで、社会科学系学部間の相互履修も可能となったほか、共同研究や学生のキャリア形成など多様な面でシナジー効果が生まれている。10年前に比べて入試難易度が5ポイント近く上昇するなど、着実に注目度が高まっている背景にはどんな取り組みがあるのだろうか。法学部の位田央学部長にお話を伺った


きめ細かな少人数教育で主体性や思考力を育む

―入試難易度が5ポイント近く上昇するなど立正大学法学部が注目されているようですが、その理由をどう考えますか。

位田 本学部の教育の特長である2年生から入れる専門ゼミへの学生の所属率が、この10年で90%まで上昇しました。多くの準備をして議論を行い、時には批判を受けることもあるゼミは、普通の授業に比べて労力を要します。それでも学生がひきつけられるのは、すべての教員が熱意をもってゼミの運営に取りくんでいるからでしょう。

これまでも、立正大学法学部は積極的なゼミ活動を展開してきました。特に、学生が協力して研究発表を行うゼミ大会は、法学部の恒例行事です。ゼミごとに、レジュメやスライド、映像資料などを作成して、日々の研究成果を他の学生やOB、教員等の前で発表するイベントです。この研究発表のために、合宿を行うゼミも少なくありません。これらの活動に加えて、キャンパス移転後は「品川」の立地を活用し、裁判所や証券取引所など学外のさまざまな機関を訪れたり、他大学のゼミと連携して活動したりするなど多様な活動が行われるようになっています。こうしたゼミを中心とする本学部の魅力が徐々に伝わりつつあることが、高校生や保護者から注目されている要因だと考えています。

―2年生から専門ゼミを開講しているのはなぜですか。

位田 専門性の基礎となる部分を勉強しつつ、社会との接点を早いうちから増やすという狙いがあります。法学は社会科学ですから、社会との接点をもつ必要があります。そのためにも社会のさまざまな課題を探して、自分たちで解決策を導き出すアクティブ・ラーニングが大切で、専門ゼミはその典型例といえるものです。自主的に課題を設定し、調査し、発表する中で主体性が身につく上に、ディスカッションを通して課題発見能力、コミュニケーション能力、プレゼン能力を磨くことができます。

また、本学ではゼミとは別に3、4年生が受講できる応用演習を設けていて、教員が争点や論点を提示した上で法解釈学を中心とした専門的な議論を深めていきます。

学生の主体性を伸ばすために2年生から始める「ゼミ」と、各分野の専門的知識を培う「応用演習」はいわば縦糸と横糸のようなものといえます。両方を組み合わせることで学生主体の深い学びが可能になるのです。―2年生で専門ゼミを選ぶのは難しくないのですか。位田 確かに2年生の段階では選択したい科目が定まっていないことが多いのですが、本学では小クラスの授業が増えて教員が身近になったためか、教員への関心からゼミを選ぶ学生が増えているように感じます。解釈法学を勉強するという意味では、法律系のゼミで行う内容にゼミごとの大きな違いはありません。前述したとおり、専門性は応用演習で伸ばせるので、それならば「この先生ならば話や相談がしやすい」という基準でゼミを選ぶのも教育的に良い面があると考えています。

―立正大学は教員と学生の距離の近さでも有名です。

位田 法学部は一学年340名であり、高校と同規模です。特にゼミは、教員1名に対して約10名の学生で構成されていますので、教員と学生の距離が非常に近く、ゼミ担当教員は所属学生の個性を十分に把握し、指導にあたることができます。また、教員間の情報交換も活発です。そのため、各学生の個性は、教員全体で共有されており、きめ細かな指導が可能になっています。

さらに1年生全員が履習する法学基礎演習は、若手の教員を中心とした1クラス20〜30名のクラス担任制をとっており、学生は疑問や悩みを気軽に教員に相談できます。また、すべての学生が事前の予約なく教員に質問・相談することができる時間としてオフィスアワーも設定されています。成績不良の学生に対しては、教員および職員が面談を実施し、安易な退学や留年を未然に防ぐ取り組みを続けています。このように学生が周囲とつながるための環境を整え、すべての学生に教員の目が行き届くようにしていることから、教員と学生の距離が近いように受け止められていると思います。

10名程度で構成される専門ゼミ

課題を解決できる法学を学び社会の即戦力になる

―実社会とのつながりから学ぶことを重視していますね。

位田 数年前から明治大学農学部と交流があり、六次産業や農業に関する法律などのテーマに対して、異分野の学生がそれぞれの視点から意見を交換する共同研究を進めています。「農業の現実を理解した上で関連法令を検討する」という重要性を改めて認識するよいきっかけとなっています。 その他にも、銚子市議会での議論の見学や、市職員との座談会、国会議員の秘書会でのインターンシップ、品川区の小学生に向けた法学教育への参加など、実社会とのつながりを意識しながら多くのことに取り組んでいます。社会に出ていくための勉強になりますし、普段とは異なる新しい視点も得られます。 法学を学ぶ上で、現実に起きている問題を解決するための視点をもつことは大切です。社会に出た時に即戦力になれる力をつけるつもりで、勉強だけでなくさまざまな経験を積んでほしいと思っています。たとえば、部活動などの課外活動にも積極的に参加することで、勉強以外のスキルや社会との関わり方を身につけてほしいですね。

―最後に法学部をめざす生徒にメッセージをお願いします。

位田 何事にも関心をもって取り組むことが大切です。そのためにも、法律や政治に限定せず、さまざまな本を読んで関心を深めてください。法学では判例などの文章を読みながら、頭の中で実際の出来事を想像する力が求められます。法学を学ぶ基礎として文書の把握力を鍛えておけば将来必ず役立つと思います。

公務員試験や資格試験対策の課外講座が充実

学生の目標達成を支援するため、公務員試験対策講座や行政書士課外講座、宅建課外講座など、法学部独自で各種受験対策の多様な課外講座を開講している。大手予備校の講師による授業や模試が、キャンパス内で格安の費用で受講できる。正課の授業で実際の仕事について理解を深め、課外講座の活用で試験対策を行うことで、これまでにも司法書士、行政書士、社会保険労務士などを輩出するとともに、難関とされる公務員試験においても、例年、着実に結果を残している。