【新増設特集】言語の壁を超えた異文化コミュニケーション。実践的英語力を備えた人材を育む

【新増設特集】言語の壁を超えた異文化コミュニケーション。実践的英語力を備えた人材を育む

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教員養成で知られる文教大学文学部に、来春、新しく外国語学科が開設します。グローバル化により異文化への共感力が必要とされる中で、どのような教育を行っていくのでしょうか。
学科長に就任予定のリチャード A.ローガン教授にお話を伺いました。


―2017年4月に文学部外国語学科を新設します。

日本社会の国際化が進むにつれ、異なる背景を持つ人への共感を支えとし、言語の壁を打ち破ってコミュニケーションを取れる人が求められています。文教大学文学部では、文学や語学などを通じた「多文化理解」を一つの柱としてきましたが、新設の外国語学科では、これまで培ってきた特徴を活かしながら新たな方向性を打ち出し、現代の社会的ニーズに応えられる教
育を行っていきます。グローバル化によって身近な地域や社会が変わることで、自分や周りの人々がどのような影響を受けるのか、自分で考え、行動を選択できる人材の育成を目指してい
ます。

―多文化社会となる日本を支えていく人材を育成していくのですね。具体的にはどのような教育を行うのですか。

外国語学科では、柔軟で高度な言語コミュニケーション能力を養成します。言語を介したコミュニケーションに興味があり、それを基盤として社会に関わりたいと思う人にはぴったりの学科です。具体的には、CEFRでB2、英検準一級レベル以上の英語スキル修得が目標です。入学後の早い段階で英語合宿を行い、英語漬けで勉強する体験をします。1年次は約3割、
2年次は約5割の授業をオールイングリッシュで行いますが、入学直後の英語力が高くない状態では内容が理解しきれないことも多く、学生はもどかしい気持ちを味わうはずです。それが英語学習へのモチベーションを高めるのですが、逆にストレスからの拒否反応や諦めに繋がらないよう、最初は日本語の説明を加えるなど英語と日本語を混在させて、段階的に英語の占める割合を上げていくようにします。



―着実なスキルアップが望めますね。他にも実践的な力が身につく仕掛けがあるようですね。

日本の学生は英語で発言することが苦手です。外国の学生に比べ、間違えることに対する心理的な抵抗が大きいようです。外国語学科では、そうした心理的なハードルを超えるトレーニングを日本にいながらにして行える工夫をしました。授業の目的に合わせて、10名程度の少人数クラスを設けるなど、学生がコミュニケーションを取らざるを得ない環境を作ります。その
上で、「寛容なコミュニケーション空間」を教員がサポートして形成することで、学生の積極性を引き出す指導を行います。
さらに、本学科のカリキュラムの一番の特徴として、2年次春学期の留学を必修としていること(ベーシックプログラムは学費内で可能)が挙げられます。学科の全学生が約3ヶ月間、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、マレーシアなどの大学付属の語学学校で、習熟度別のクラスに分かれて学ぶことで、心理的な抵抗を完全に克服することができるでしょう。滞在中はホームステイや学生寮での生活を通し、どのように自分の考えや意見を伝えればいいかを実践的に学ぶことができます。

―英語以外の言語をあわせて学ぶことができるのも特徴です。

どの学生も、ドイツ語、フランス語、中国語、コリア語から一つ選び、英語プラス1の言語を1年次より学び始めますが、2年次秋学期からは、よりハイレベルな英語を身につけることを目指す「英語キャリアコース」と、プラス1の言語のコミュニケーション能力をさらに高めていく「グローバルスタディーズコース」に分かれて学習します。言語スキルを身につけると同時に、言語の背景にある地域文化について考えるコースです。

―コース分け後は、学生の将来を見据えた取り組みが用意されています。

3年次以降には、長期協定校留学や海外インターンシップなど、7つのプロジェクトのうち最低1つへの参加が求められます。海外や実社会に一歩踏み出す経験を与え続けることで、留学で培った力を日本に戻っても落とすことなく、さらに伸ばしていくことにつながります。学生は在学中、日常とは違う負荷のかかる環境で異文化に適応する経験を数多く積みます。
結果として、レジリエンスという言葉が表すような、困難を跳ね返す力が育まれます。そうした力は卒業後のキャリアにも活かすことができるでしょう。

―卒業後の進路はどのような分野を想定していますか。

高い言語コミュニケーション能力を活かして、観光業、商社など海外と接する機会の多い一般企業や、通訳として働くことなどが考えられます。また、公務員も選択肢の一つです。地域活性化に熱心な自治体はグローバルな展開を見すえており、異文化の摩擦にきめ細やかに対処できる人材が広く必要とされています。外国語話者が地域に溶けこむことをサポートするよう
な役割が期待されます。
また、文学部には日本語教員養成の伝統があり、外国語学科でも「日本語教員養成コース」を履修することができます。高い英語力が身につく外国語学科の卒業生は、英米文化圏で日本語教員として働くことも可能です。

―最後に、文学部外国語学科ではどのような受験生を求めているのか教えてください。

これからは実践的な言語コミュニケーション能力が大切になりますが、CEFRでB2レベルの言語能力は必ず誰でも身につけることができます。「光らない石はない」のです。全ての教員が、未来に向けて輝いていく、今は原石である学生の伸びしろを信じ、全力でサポートします。入学時には英語力が高くなかったとしても、英語を学ぶことが好きで、学び続ける意志
を持っている、異なる背景を持つ人と積極的に関わっていきたい、そんな人を待っています。
You can do it!

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