1、就職不安は後退?「人からの評価が高い」大学が人気化!
まず、グラフ①を見てほしい。高校進路指導教諭が考える「生徒に人気のある大学」のデータだ。これによるとトップは「自分のしたい勉強ができる大学」で72・4%、以下、「社会的評価・イメージが良い大学」「知名度が高い大学」「就職に有利な大学」「資格が取得できる大学」と続く。リーマンショック直後の09年同アンケートでは「就職に有利な大学」がトップだったことを考えると、志望校選びに景気がかなり影響しているということがわかるだろう。
そして今年は「資格が取得できる大学」が4年連続の2位から5位にランクダウン。代わりにランクアップしたのが「社会的評価・イメージが良い大学」「知名度が高い大学」なのだからわかりやすい。もう受験生は就職の可否などあまり心配しておらず、将来の選択肢の幅や周囲の評価等に目を向けているのだ。実就職率はリーマンショック前の水準まで回復している。両親の懐も多少なりとも暖かくなっている事だろう。
こういう好景気の状況だからこそ、実利よりも自身のやりたいことや望む姿を前面に出して、多少わがままに志望校を選んでいくのも良いかもしれない。
2、国際系学科の躍進!今後人気の出る学部・学科はなんだ?
グラフ②は「来年人気になりそうな学部・学科系統」である。5年連続トップであった看護が2位にランクダウンし、国際系がトップになった。これはグローバル人材の育成、文科省のスーパーグローバル大学など社会的な動きと、それにこたえようとする学生の心が反映された結果だろう。また、国際系以外にもグローバル教育を行っている事から、特に経済、商、経営等の社会科学系学科も志願者を伸ばしている事にも注目だ。どちらにせよグローバル教育に力を入れている学部学科の人気は続きそうだ。
※参照記事⇒国際教養大、上智大・・・スーパーグローバル大学に注目!グローバル教育で考える大学選び
ランキングは以下、医療技術系、工学系、経済系、外国語、経営系、医と続く。ここでも好景気の影響か、就職に有利とされていた理系学部が減り、文系学部の人気回復が目立つ。
景気状況から考えるにこの「文高理低」の状況は来年も変わらないだろう。
こういったデータから来年度の動きを予測し、自分が大学で学びたいことや、将来やりたいことを改めて見つめなおし、あえて学部学科に固執せずに、自分のやりたいことに繋がりそうな他学部学科は無いか幅を広げてアプローチしてみるのも一つの戦略だろう。