<PR>
「就職に力を入れている大学」15年連続全国1位
明治大学は、高校の進路指導教諭を対象に大学通信が行った2024年の調査で、「就職に力を入れている大学」の項目で15年連続全国1位を達成した。同大のキャリアサポート担当職員は、低学年の1・2年生支援チーム、本格的な就活年次となる3年生支援チーム、4年生支援チームに分かれつつも、緊密に連携しながらバリエーションに富んだプログラムを運営している。多くの学生を満足度の高い就職先の決定へと導く、明治大学の取り組みを紹介する。
取材・文 鈴木秀一郎
社会を知り、企業を知り、自分を見つめ直す低学年次
明治大学では、年間で約300のキャリアサポートプログラムが実施されている。その中で近年注力を高めているのが、1・2年生を対象に「Career Design Program」「Meiji Job Trial」「Meiji Challenge Program」の3本柱で進められる低学年支援プログラムだ。それぞれ異なる意図や学生に与える負荷が設定されており、まずは気軽に参加できるプログラムが「Career Design Program」。社会との接点を持ち、多様なキャリアや価値観に触れることで、視野が広がりその後の学生生活での成長を促したい思いがある。企業見学のほか、有名企業の社員が来学する機会もあり、多くの学生にとっては初めて社会人の生の声を聞く貴重な経験になるという。
また、「Meiji Job Trial」は、主に夏季休業中に行われるプログラム。3年次以降は学生が主体的にインターンシップ先にエントリーして参加するようになるが、その前段階の就業体験プログラムとして、「自己理解」と「社会理解」を目的に実施している。大学が体験先のとりまとめを行い、学生は最低でも3日間以上の就業体験に参加する。
そして、より高負荷で5日間以上にわたって行われるのが「Meiji Challenge Program」だ。PBL(Project Based Learning/課題解決型学習)型のプログラムで、企業が直面するリアルな経営課題の解決に挑みながら、学生視点を超えたビジネス視点を養うことが目的だ。学生が見出した課題解決策は、企業に向けてプレゼンテーションを実施。企業側から時に厳しい指摘を受けつつも、多くの気づきが得られるという。また、他大学の1・2年生とともに、「京都で働く魅力を全国に発信する」といった京都府が提示した課題に挑むプログラムや「働く醍醐味を発見、整理、発信」をテーマに企業や行政機関を訪問するプログラムなども用意されている。
就活にも就職後にも有効な対面での質問力を磨く
低学年支援プログラムに参加した学生から多く聞かれるのは、「新発見の連続だった」「視野の広がりを感じる」といった声だというが、こうした成果を生み出す仕掛けとして特徴的なのが、学生から社会人への積極的な質問を強く推奨している点だ。その理由について、就職キャリア支援センターの金野知旦氏は次のように説明する。
「1・2年次のうちは“きっかけづくり”として、“とりあえず参加してみること”も大切なのですが、近年はある程度の事前準備を行った上で参加するよう指導しています。企業も事前情報を提示した上でプログラムを進める流れが主流になってきていますし、学生は事前準備をするからこそ一歩踏み込んだ質問ができるようになり、企業理解や業界理解が深まるのです。さらに、社会人に質問をするという“場数”を踏むことで心の余裕が生まれ、さらなる積極性を生む好循環につながるほか、就職活動での面接にも緊張せずに臨めるようになるといった効果が見られます」(金野氏)
一方で、こうした経験が不十分なまま3年次を迎えてしまった学生を対象に、「質問力講座」も開講されている。「面接やOB・OG訪問で何を聞いていいかわからない」「どんなことを聞いたら就活に活かせるだろう」という学生の声に応える講座であり、ほかにも基本的な対人コミュニケーションに自信が持てない学生向けの講座も開かれている。「コロナ禍を経て、フルリモートでの勤務形態を基本とする企業も増えていますが、あらためて対面でのコミュニケーションスキルが重視されてきています」と金野氏も指摘しており、学生の多様なニーズに柔軟に対応しようとする明治大学の姿勢がよくわかる取り組みといえるだろう。
幅広い情報に触れることで幅広い可能性を認識できる
低学年のうちからキャリア形成に向けた準備を進めるきっかけとして、全学的なポータルサイトであり、学習支援システムとして機能する「Oh-o! Meiji」での情報発信やメール配信がある。加えて、就職キャリア支援センターが運営するポータルサイト「M-Career」には、就職活動に関するあらゆる情報が集約されており、低学年からの登録・閲覧も増加傾向にあるという。「M-Career」では、明治大学に寄せられた求人票の閲覧から、個別相談の予約や各種プログラムの参加予約、就職活動向け動画コンテンツの閲覧、さらには先輩たちが作成した「就職活動報告書」の閲覧などが可能だ。この報告書は、エントリーした企業の試験内容や面接の質問内容、雰囲気などが学生目線で書かれており、多くの学生が活用しているという。
こうした豊富なリソースを参考にしながら、学生は志望する業界や職種を絞り込んでいくが、そもそも自分の“好き”を仕事にしたいと考える学生もいれば、自分の特性や強みを生かせる仕事を重視する学生もいる。“好き”ではなくても適性を発揮できる業界や職種もあるため、まずは視野を広げてほしいと金野氏は強調する。
「低学年次から就職相談に訪れる学生は、就職難易度が高いとされる企業を強く志望しながらも、視野を広げる大切さも認識できるようになっていきます。志望する企業で実現させたい自分の目標が、実は他社や他業種でも達成可能であることに気づき、選択肢を広げられるのです。そのためにも、学生の意欲を阻害することなく、新たな可能性に気づけるように導くこと、学生が新たな一歩を踏み出してアクションを起こしやすいような土台を整えることが大学の役割だと考えています」(金野氏)
学年別、そして学生別にきめ細かな支援を徹底
低学年次から着々と準備を進めてきた学生から、“出遅れた”という自覚や危機感を持つ学生まで、学生の意識や進捗状況に適したサポートを行っている明治大学。日々のサポートについて、就職キャリア支援センターの相田愛理氏と金野氏は次のように総括する。
「大切にしているのは、個別相談で学生の悩みをとことん聞くことです。それに対する解決策を提示したり、解決策につながる情報提供を行ったりしながら、学生に新たな気づきを与えるようなサポートを徹底しています。本学には真面目な学生が多いからか、アドバイスの内容を咀嚼して自分の就活ノウハウとして定着させ、自走していけるようになる学生が多いと感じています」(相田氏)
「自走できる学生には背中を押しながら見守り、サポートの必要性を感じる学生には補助輪のようにサポートを行い、ある程度の段階までは手厚く伴走することでボトムアップを図っています。学生一人ひとりに何が必要なのかを見極めた上でのサポートが、結果的に『就職に力を入れている大学』としての評価につながっているのだと思います」(金野氏)