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学習院大学の女子バスケットボール部「輔仁会籠球部女子」は、関東大学女子バスケットボール連盟3部に所属し、選手8人とマネージャー2人の合計10人の部員で活動しています。“敏腕ヘッドコーチ”のもと、彼女たちがどんな思いでどんな日々を送っているのかについて、2024年度主将の武藤さんと、マネージャーの岩手さんにお聞きしました。
[2024年度主将]武藤 茜 さん
法学部法学科 4年 東京都・私立桐朋女子高等学校出身
[2024年度マネージャー]岩手 里衣子 さん
学習院女子大学国際文化交流学部英語コミュニケーション学科 4年
三重県・私立セントヨゼフ女子学園高等学校出身
OGに支えられて今がある
――まずは部の概要から教えてください
武藤:現在の部員は10名で、毎週水・金・土・日曜日に活動しています。水・金は授業後の17時半から練習で、土日は練習試合をしたり、時期によっては大会が入ります。大会は、関東大学女子バスケットボール連盟のトーナメント戦が4月にあり、秋にリーグ戦があります。リーグは1部から4部まであって、私たちが所属している3部は24チームあります。ただ、同じ3部内での各校の実力には大きな差があると感じています。上位の大学にはスポーツ推薦があって、全国大会経験者がいる大学もありますし、2部の下位チームとの入れ替え戦では僅差の“いい試合”をしています。ただ、その他は学習院のようにスポーツ推薦がない学校ばかりのため、3部の中で開きがあるんです。体格面では、1部や2部には身長180cm超の選手もいますが、3部になると大きくても175cmくらいの印象です。また、4月のトーナメント戦は1部から4部までが一緒に行う大会なのですが、2023年は4部のチームに勝った後に1部のチームと対戦しました。普段は対戦しない格上の学校に挑戦するいい機会になりましたし、敗戦の悔しさを感じつつも楽しかったですね。
岩手:かつては学習院にも全国レベルの高校の出身者が毎年1人くらいはいたのですが、ここ数年は途切れてしまっています。ただ、その分垣根は低くなっていて、どんなレベルでも入りやすいチームだと思います。高校ではバスケから離れていたものの、大学でまたやりたいと思って入部してくれた学生もいますし、大学からバスケを始めた学生もいます。
――公式戦以外ではどんな活動がありますか?
武藤:例年は春と夏に埼玉県深谷市で合宿があります。集まるチームは20チーム前後、練習試合のみの試合合宿です。ほとんどが関東の大学ですが、2部のチームが来たり、関西の大学も来たりしますし、埼玉の強豪高校も参加しています。また、9・10月に秋のリーグ戦があって、その後オフに入るのが12月なのですが、この間は「学生練」という期間にしています。ヘッドコーチが考えてくれる練習メニューをこなすのではなく、この期間はクリアしたい課題や、次のシーズンまでに高めたい技術などを学生自身が設定して、学生だけで練習に励むんです。2023年のリーグ戦が終わって4年生が引退してからは、プレーヤーは未経験入部の1年生1人と私だけになってしまったため、ひたすらその1年生のレベルアップを目指しました。彼女は本当によくがんばったことで、今ではチームに欠かせない存在になっています。
――今のお話に出たヘッドコーチとは、どんな方ですか。
武藤:ヘッドコーチ兼部長の北村麻衣先生です。学習院大学のスポーツ・健康科学センターに所属されている准教授の先生で、ほぼ毎回指導してくれています。バリバリのバスケ経験者で、筑波大学在学中にはインカレでの優勝経験もある方です。“上のレベル”を知っている方ではありますが、初心者の育成にも熱心で、育成を楽しんでいるようにも見えます。また、監督とアシスタントコーチはOGで、アシスタントコーチは私たちの2学年上です。大学職員の方なので、練習には毎回来てくれますし、ほかにもOGには本当にお世話になっています。部員が少ないと紅白戦もできず、試合形式の練習も十分にできませんが、土日を中心に平日の練習にも仕事終わりにOGが来てくださることもあるんです。そうやってOGに支えられて今があるチームなんです。
岩手:ちなみに、今年も管理栄養士のトレーナーが入ってくれています。練習中の水分補給からリーグ戦期間の食事まで、どんなものをどのタイミングで摂取するといいのかなど、体を整える方法を教わる機会もあります。リーグ戦の時期になると1週間のうち土日が試合という日々が2カ月続きますので、教わったことをしっかりと実践していけるように、マネージャーとしても気をつかっています。
先輩の背中を追って学習院に
――では、そもそもお二人が大学でもバスケを続けようと思った理由を教えてください。
武藤:まず、私が高校3年のときはコロナ禍で大会が中止になって不完全燃焼に終わったため、大学でもバスケを続けることは心に決めていました。そして、大学選びでの決め手は、中高のバスケ部の先輩が学習院のバスケ部に所属していたことです。その先輩は、私が中学1年生のときに出会った2学年上の方で、毎日朝練と昼連を欠かさないんです。私がどんなに朝早く登校して体育館に行っても先に練習していて、見かけなかったのは先輩が修学旅行のときくらいだったと思います。私も自主練には力を入れていましたが、比べ物にならないくらいひたむきで練習熱心な先輩でした。そんな先輩とまた一緒にバスケがしたかったんです。
岩手:私も高3のときは悔しさやもどかしさが残りましたし、大学での4年間は、中学校から続けてきた“部活動”ができる最後の期間なので、どうせなら今までやってきたバスケをしようと考えて入部しました。ただ、私は大学2年生まではプレーヤーだったのですが、2年次の夏以降はカナダへの留学などもあって、バスケから離れる期間が長くなってしまったんです。そんな事情から3年次の終わりに部に戻ってからは、マネージャーとしてチームの力になろうと考えたんです。部員が少ないので「プレーヤーやろうよ」とも言ってもらいましたが、最終学年で迎える秋のリーグ戦まで半年しか残っていなかったので、もう一度体をつくり直すよりもサポート側にまわる決断をしたんです。
“北村メソッド”を信じて
――どんな点に高校までのバスケ部との違いを感じますか?
武藤:頭を使う練習が多いという点です。北村先生は、とにかくバスケの知識が豊富で、今まで無意識にしていたプレーの理由や意味、効果などをきっちりと言語化してくれるんです。すべての練習において、目的や注意点などを一つひとつロジカルに説明しながら合理的に指導してくれるので、それを消化できるか否かは私たち次第なんだと思います。
岩手:北村先生の指導内容は、マネージャー2人で可能な限りメモを取るのですが、要素が多くて書き切れないこともあります。ただ、練習も動画も撮っているので、それを部員間で共有してレベルアップを目指しています。また、マネージャーとしては、対戦チームの動画を撮ってくることも大切な役割のひとつです。それを北村先生に見てもらうと、選手のクセを分析する“スカウティング”をしてくれるんです。
武藤:北村先生は詳細な“スカウティング動画”をつくってくれるので、部員全員で見て試合に備えます。とはいえ、今はメンバーが限られていて、みんなそこまで経験豊富というわけでもありませんので、基本的には“相手がどうこう”よりも、各々が持ち味を出して、できることを全力でやろうというスタンスです。あとは、部員が少ないのでケガには注意しなければならず、2・3月はしっかりと体をつくる「鍛錬期」という期間を設けて、マシントレーニングにも励んでいます。おかげで体そのものが強化されて、体の使い方も変化してきたと思いますし、40分間全力でプレーし続けられる体力ができてきたと思います。
岩手:体のケアという点では、ウォーミング方法なども北村先生が丁寧にアドバイスしてくれますね。なんとなくストレッチして、なんとなくアップするのではなくて、「どんなプレーをするために、どこをしっかりと伸ばしておくことが大切。なぜなら……」と具体的に教えてくれるんです。
したいことをしているから苦にならない
――大会などでの思い出深いエピソードがあれば教えてください。
武藤:2023年のリーグ戦では思ったような結果を出せず、4部との入れ替え戦に出場することになってしまいました。ただ、そんな降格の危機が迫る中でも、4年生は精神的に追い込まれることもなく冷静で、平常心で試合に臨んで3部の座を守りました。一方で私は「降格してはいけない」という思いが強くなるばかりで、ガチガチに緊張していました。そんなとき、先輩が「大丈夫!大丈夫!大丈夫だから」と何度も声をかけてくださって、私の気持ちも楽になったんです。チームを信じて自分たちの力を出し切ろうとする先輩の姿勢や言葉には感動と感謝を覚えましたし、その気持ちに報いたいと思いました。私はそうやって先輩から“いただいたもの”がとても大きいんです。現在は3年生はマネージャー1名のみ、1・2年生には未経験でバスケを始めた後輩もいますので、後輩たちには気持ちの面でも技術的な面でも、私が先輩方にしてもらった以上のものを残していきたいと思っています。
岩手:そうですね。私としては、プレーヤーの気持ちが誰よりもわかるマネージャーでいたいと思っているので、マネージャーがどうやって動けばプレーヤーがいい環境で練習できるかを常に探っています。ただ、経験年数や技術力に関係なく、みんな本気で取り組んでいるからこそ、思うようなプレーができずに落ち込んでしまう場面もあります。そんなときに、マネージャーだからこそ話せることもあると思いますので、私から声をかけてじっくり話を聞いて、胸の“つかえ”をなくしてもらった上で、背中を押すようにしています。
――ここでバスケ部の活動以外のことも少し教えてください。
武藤:私も岩手さんも教職課程を履修していて、私は先日、教育実習にも行ってきました。卒業後は民間企業に就職しますが、教職課程のほか、部活動から飲食店でのバイトまで、どれも自分がしたくてしたことなので、学業との両立は苦にはなりませんでした。むしろ、やることが多ければ自然と効率的に取り組む方法を考えて実践できるようになると思うので、社会人になってからも役立つ何かが身についたのではないかと思います。
岩手:私は教員志望で塾講師のアルバイトもしていて、卒業後はイギリスの大学院に進学して英語教育法を学ぶ予定です。教員になったら、マネージャーとしてプレーヤーとコミュニケーションを重ねてきた経験を活かしたいですし、将来的に部活動の顧問を任せてもらえたら、そのときは“北村メソッド”を役立てたいですね。
大変さなんて、やりがいが打ち消してくれる
――最後に、後輩のみなさんや、“未来の部員”のみなさんへのメッセージをお願いします。
武藤:2024年の2・3月はプレーヤーが2人だけになって、自分のラストシーズンがどうなるのか全く想像できませんでした。最後までやり切れるか不安だったので、多くの1・2年生が入部してくれたことに心底感謝しています。しかも、みんな一生懸命で、練習時間が終わっても体育館に残って練習しているほど。感謝と同時に、私も刺激をもらっているので、「ありがとう!あと半年よろしく!」という気持ちですね。
岩手:歴史ある籠球部女子を途切れさせたくないですし、私も「入ってくれてありがとう!」という思いが強いですね。みんなが入部してくれて活気が出たと思いますし、これからもみんなで支え合って、励まし合っていってほしいです。個人的には、もっと学習院女子大学からも入部してくれるとうれしいですね。また、新歓期間にはお食事会もありますし、入部後も練習後や昼休みにみんなで一緒にご飯を食べたりしますので、かけがえのない仲間とオフも楽しみながら、バスケも思いっきり楽しんでほしいです。
武藤:大学の女子バスケは競技人口が減ってきていて、私の周りにも「バスケは高校でやり切った」「練習がきついからもうやりたくない」「バイトしたい」「遊びたい」といって大学ではバスケから離れてしまった学生が少なくありません。私にしても、バスケを続けていなかったら感じなかったはずの悔しさや苦しさもありました。ただ、入部していなかったら決して味わえなかったはずの感動的な経験や貴重な経験ができた喜びの方がはるかに大きくて強いんです。就職活動で自分を語る際にも、部活動でのエピソードが真っ先に思い浮かぶくらい濃密な経験ができますので、大学の4年間で勉強以外にも何か一つ頑張りたいという学生には、ぜひ入部を検討してほしいですね。