武士の如く自己”剣”鑽を積んでいく ~学習院大学居合道愛好会~

武士の如く自己”剣”鑽を積んでいく ~学習院大学居合道愛好会~

<PR>

居合道愛好会は2012年設立。「篤志会」という社会人団体に所属して日々の稽古や合宿で技を磨き、大会や昇段審査に挑んでいます。ただ、「居合道」は日本刀(模造刀)を使う歴史ある武道ではあるものの、認知度が高くないことも確か。そこで、入学後に居合道に魅せられた3名の部員に、普段の活動内容や魅力をお聞きしました。

左:水谷 晴さん(2023年度主将)文学部哲学科2年 東京都・私立東京高等学校出身
中央:齋藤 謙成さん(2023年度主務)法学部政治学科2年 東京都・私立学習院高等科出身
右:髙橋 伽子さん 文学部史学科2年 静岡県・私立加藤学園暁秀高等学校出身

我ら無双直伝英信流!

みなさんが居合道を始めたきっかけから教えてください。

齋藤:私は高校時代にはボート部に所属していましたが、大学では日本文化のひとつである武道を純粋に「知りたい」「体験してみたい」という気持ちが強かったことが最大の理由です。と同時に、私は世間で「若い連中は礼儀がなっていない」といわれることがとてもイヤなんです。その点、”師範”のもとで厳しい修練を積んできた武道経験があるとなれば、それだけでも違った目で見られるはずだという思いや、居合道を通じて身につけた礼儀作法は社会人になってからも役立つだろうという思いもありました。

水谷:私は中学生の頃に観た『刀使ノ巫女(とじのみこ)』というアニメが好きで、主人公のように刀を操る姿にずっと憧れがありました。高校時代は陸上部でしたが、大学入学直後の新歓期間に、偶然か運命か居合道愛好会のビラを見つけたんです。見学に行くと、同じ学科の先輩が親身になって相談に乗ってくれたこともあり、迷うことなく入部を決めました。地方大会に参加した際には、居合道の祖である林崎甚介が祀られている居合神社を訪れる機会もあって、アニメではありませんが”聖地巡礼”もできました。

髙橋:アニメもそうですし、『るろうに剣心』がきっかけで居合道を始める人も多いですよね。私は幼い頃から空手道を続けてきて二段まで取ったので、大学でも続けようかとも思いましたが、経験してきた流派と異なるため、まったくのゼロから何か新しいことにチャレンジしようと考えました。ピアノやクラシックバレエなどの経験もあったのでいろいろと迷いましたが、何か”道具”を使うことを始めようと思ったことと、空手道と同様に「〇〇道」に惹かれるものがあって居合道に挑戦しました。現在、女性のメンバーは私だけですが、1年次のときは女性の先輩もいましたし、四谷で稽古をつけてくださる「篤志会」という社会人団体の師範は、「無双直伝英信流」という流派の女性です。段位は最高位の八段。居合道に性別や体格は関係ないといわれていて、それを体現するような先生は私の憧れです。

刀が体の一部になっていく

普段の稽古は四谷で行っているんですね。

齋藤:「四谷ひろば」という公共施設の体育館を稽古場にしていて、早稲田大学や法政大学の学生とも一緒に活動しています。また、これらの大学で行われる稽古に参加させてもらうこともありますが、できれば週に1回でも学内の剣道場を使いたいとは思っています。

水谷:そうですね。ただ、居合道は基本的に一人で地道にコツコツと技術を磨いていくものです。先生から型などの指導を受けた上で、後は黙々とひたすらに刀を振り続けます。刀は1kg弱あって、経験が浅いと”刀に振られる”ような感覚で、下半身が安定せずにバランスを崩してしまうこともあります。もちろん上級者ともなれば、ドタバタすることなくどっしりと安定していて、動きが洗練されています。無駄なリキみも感じられませんし、刀が体の一部になっているようなイメージです。その点、篤志会に所属していることで、経験豊富な社会人や他大学の学生を見て学べるメリットはありますね。

髙橋:篤志会には60歳での定年退職後に居合道を始めて現在88歳の方もいて、年齢を感じさせないパワフルな動きをしています。四谷では基本的に月曜日は自主稽古のような形式で黙々と刀を振ることが多いのですが、水曜日の昼間は学生中心で、先生から直接指導も受けられます。大会での演武を見てくださって、後日褒めてくれることもありますし、ふとした一言が励みになっています。

齋藤:先生は指導を始めてから20周年を迎えられて、2023年には約100人の”居合人”が一堂に会する記念大会も開催されました。国内トップレベルの方も参加されたので、ハイレベルな居合を間近で見ることができました。ただ、先生は「大会で誰かに勝つためではなく、自分が追い求める理想に一歩でも近づくために稽古を重ね、結果的に大会での勝ちにつながるような過程を踏んでほしい」と日頃から話されています。私自身も、技の熟練度を自覚するためのひとつの指標、上達に向けたひとつの手段として大会を利用しています。

以心伝心の心地よさ

具体的にどのような練習をしているのでしょうか。

水谷:練習方法は人それぞれで、私は1日何百回と刀を振ることで、全身の微妙な力の入れ具合を体で覚えていきます。集中して振れば振るほど”ゾーン”に入っていくような感覚になることもありますね。単に強く速く振ればいいというわけでもなく、大切なのは、ゆっくりでも刀が真っすぐの軌道を描くこと。少しずつその感覚がわかってきたところです。少し軽いですが普段から木刀を振る練習も大切ですし、鏡の前で刀の軌道をチェックすることでも上達につながると思います。

髙橋:日々の練習に加えて、私は2023年に山梨での春合宿にも参加しました。朝から晩まで体育館で走り回ったり、刀を振ったりと過酷でしたが収穫は多く、体力面も精神面も鍛えられました。総勢約80人が体育館で円になって刀を振る光景は壮観だったと同時に、「自分は武士なのか⁉」とさえ思いました。

齋藤:大人数での練習では順番に入れ替わって振るときもあって、「どうぞ」の意思をアイコンタクトで伝える瞬間は、言わば”あうんの呼吸”、”以心伝心”です。それを年齢差のある社会人の方とできたときには自分の成長を感じましたね。また、私は目標にしている先輩がいて、その方に多少なりとも近づけたかなと思える瞬間もありました。「これは違う」「これも違う」と感じながらも刀を振り続けていくと、「これだ!」と思える一振りができることがあるので、その感覚を忘れないようにさらに振り込む。その繰り返しです。

水谷:ちなみに、2023年の合宿は春が2泊3日、夏は静岡で3泊4日でした。合宿は先生からじっくりと直接指導を受けられるチャンスでもありますし、型もひととおり練習します。過酷さもありますが、居合道が好きで楽しいからこそ乗り越えられますし、やり切った!とう達成感も大きくなります。なお、居合道には「全日本剣道連盟居合」、通称「制定居合」として定められた型が12種類あり、全流派共通で段位取得のための審査が行われています。これに加えて流派ごとにも型があり、私たちが四谷で稽古を重ねている「無双直伝英信流」には11種類の型があります。

“自分だけの刀”を持てる幸福感

オリジナルの刀を持てると聞きました。

水谷:居合道では、刀を自分好みにカスタマイズできることも楽しみのひとつです。私の”こだわりポイント”は、刀を握る部分の束(つか)が”波に千鳥”と呼ばれる模様になっていること。これも『刀使ノ巫女』というアニメの影響です。振っているときはもちろんのこと、自分好みの刀を持っていること自体に幸せを感じます。

齋藤:束の部分は木綿や絹といった素材を選ぶこともできて、刀をしまう鞘(さや)の表面も艶アリや艶消しを選べます。また、束と刃の間にある鍔(つば)も自分仕様にアレンジできますし、刃の長さは身長に応じた適切な長さがあって、単位は”寸”。私の刀は204寸です。まずは篤志会の”貸出刀”を使いますが、自分専用のオリジナルの刀が届くとうれしいものですし、たいていは「ほらほら」「どれどれ」と見せ合いますね。

髙橋:刃には、”背”に近い位置に溝があって、その溝も直線や波線を選べて、波線でも波の大きさにいくつかのパターンがあります。ちなみに束に関しては、皮革素材のほか、木綿や絹でも紫のような高貴な色は上級者になってからとされています。また、必ず専用のケースや袋に入れて持ち運びまずが、稀に職質されたという話も聞きますので、常に証明書も一緒に持ち歩いた方がいいですね。

齋藤:「刃引き」という処理がされていて、ものを切ることはできない安全な”模造刀”なのですが、製造番号などが記載された証明書があるんです。なお、上級者になると真剣を使いますので、ガチで危ないです。

水谷:私たちが使っている刀は真剣ではないものの、最初は刀を鞘に収めるときに、指を挟んでしまう人は少なくないですね。また、鞘に収める際に、時代劇などでは「カチャッ」と音を立てるシーンがありますが、あれはあくまでも演出です。居合道の”初心者あるある”で、どうしてもカッコいいと思って「カチャッ」としがちなのですが、鞘が広がって刀が落下する原因になるため、扱い方としては望ましくないと指導されます。

私たちの演武を見て魅力を感じてほしい

最後に今後の目標と新入生へのメッセージをお願いします。

齋藤:学生同士で話をしていると、居合道と合気道を混同している人もいますので、認知度を上げて、私なりに日本で居合道を広めていきたいと思っています。そのためにまずは部員を増やしたいですし、私自身も長く続けていきたいですね。また、私たち全員が1年次に初段になれて、2024年には二段への昇段試験があるので段位を上げたいですし、大会でも納得いく結果を残していきたいと思っています。

髙橋:これまでは体の大きさがひとつの課題だったため、筋トレメニューの設定や食事の管理などにも力を入れていて、2023年度は例年よりもフィジカル面が向上しています。そうやって当たり負けしない体になり、自信を持ってプレーできている選手が増えましたね。その後、順調に行けば4年次に三段への昇段試験があります。私も心技体に磨きをかけた成果として段位は欠かせないと思っていますし、それが自信にもつながるはず。昇段試験があるからこそ燃えるものもありますので、これから居合道を始める人にも、ぜひ段位の取得にチャレンジしてほしいですね。

水谷:居合道は、特に激しい動きはないので気軽に始められますし、研ぎ澄まされた感覚やら集中力も高まります。学園祭や新歓期間での演武は、多くの学生に居合道の魅力を知ってもらう大きなチャンスですので、そこでいい演武をするためにも稽古に励もうと思っています。その演武を見て興味を持ってもらって、まずは見学だけでも構いませんし、とにかく体験していただいても構いません。入学直後に入部してくれればもちろんうれしいですし、例えば1年次の後半からでも、2年次・3年次になってからの入部でも大歓迎です。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

大学のことカテゴリの最新記事

ユニヴプレス