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広大な森の中に12棟の国指定重要文化財が点在し、それでいて大阪・神戸から最寄り駅まで電車で約20分という唯一無二の環境を誇る神戸女学院大学。好立地を生かした実験やフィールドワークなどの探究型の学び、リベラルアーツ、そして活発な課外活動は企業からも受験生からも高い評価を集めている。近年では時代のニーズに応えるべく教育改革を積極的に推進。2024年には国際学部と心理学部を新設した。創立150周年を迎える2025年には、生命環境学部を開設する。同学部の髙橋大輔教授と高岡素子教授に話を伺った。
聞 き手 井沢 秀(大学通信)
文 松本守永(ウィルベリーズ)
―新たに誕生する「生命環境学部」はどのような学部になるのでしょうか。
髙橋 ベースとなるのは現行の人間科学部環境・バイオサイエンス学科です。同学科では環境、バイオ、情報・科学教育という学びを展開しています。生命環境学部では、これらの学びを社会のニーズにマッチする形に再編成しました。
特色の1つは、「環境科学」「生命科学」「情報科学」「サイエンスコミュニケーション」という4つの専門領域を設けていることです。これらは入学時に選択するのではなく、1・2年次で興味に応じて横断的に学ぶことができます。そのうえで3年次に「研究室(ゼミ)配属」という形で自身の軸足を置く領域を選択します。選択後も他領域の授業を履修することは可能になっており、学びのフレキシブルさが特徴です。
もう1つの大きな特色は、データサイエンスの確かな力を身につけることです。これまでも各研究室ではデータサイエンスを活用しており、それにともなって学生もデータサイエンスを学んでいました。これをさらに前進させ、データサイエンスを学部での学びの基盤と位置づけます。基礎、応用、発展を体系的に学ぶことができるカリキュラムを整えることで、「電卓のようにデータサイエンスを使いこなす人」を育成します。
高岡 サイエンスコミュニケーションはユニークかつ社会からの期待が大きい専門領域です。科学技術の高度化にともなって、「サイエンスは難しい」と感じ取る人が増えています。その結果、間違った知識が広まってしまうような状況が生まれています。そこで求められているのが、科学の専門家と一般の人を橋渡しする存在です。「難しい」と思っている人に対して理解を促したり、「おもしろいな。理解したいな」という気持ちを「引き出す」人です。そういった人物を育成するのがサイエンスコミュニケーションです。具体的な学びとしては、「サイエンスライティング」という文章による情報発信の授業や、毎日放送(MBS)アナウンサーの西靖氏を特別客員教授に迎えて情報発信の役割や方法を学ぶ授業があります。
―カリキュラムの特色をお教えください。
髙橋 本学部は文系出身者も学ぶことができ、入試は数学を選択せずに受験することも可能です。そういった背景もあって、1年次には理系の基礎分野から学び直しや基礎の固め直しができるカリキュラムを編成しています。そのうえで2年次には応用、3年次以降は研究室で専門的な研究および卒業論文へと発展していきます。
高岡 1年次から必修で実験を行うことも大きな特色です。3年次以降に専門的な研究を行うには、実験器具の扱い方や研究に対する考え方など、基礎が欠かせません。1年次の実験が基礎固めになるのです。
―ゼミではどのような研究が行われているのでしょうか。
高岡 私のゼミのテーマは食、健康、美容です。美容に関しては、さまざまな成分の効果や働きなどを実験で証明するという取り組みを行っています。実際に行う「人介入実験」はヒトのバックグラウンドが異なるため、綿密な実験計画が必要になります。そういった高いハードルにもチャレンジしています。
髙橋 私のゼミでは環境保全をテーマにして研究を行っています。生物多様性の維持と人間の健康で文化的な暮らしというどちらも重要な課題に対して、ベストな折り合いをつけるにはどうすればいいかを考えています。高岡先生の研究も私の研究も、自分自身や身の回りのものを対象にしていることが、本学ならではの共通点です。
また、研究の自由度が高いことも特色です。例えば、私の専門は魚や水生昆虫です。ところが私のゼミには、哺乳類や鳥を研究している学生がいます。学生の興味を大切にし、「やりたいことをやっていいよ。先生も一緒に勉強しながらサポートするね」というのが本学の考え方です。
―重要文化財に指定された建築物が現役の校舎として使用されているなど、他にはない環境で学べることも特徴ですね。
髙橋 長い年月にわたって実際に使用されてきた本学の建築物は、現代が求める「持続可能性」を考えるためのヒントに満ちた存在です。環境や現代社会にマッチする建築を考える環境科学の学びのなかでは、校舎を「生きた教材」として活用します。
また、キャンパス内に広がる広大な森林は、動植物について学ぶ格好のフィールドです。講義で学んだ内容をフィールドで実際に確かめたり、フィールドで感じた疑問や興味を講義で深堀りしたりという行き来をすることは非常に重要な学びです。それを実習林などに出向くことなく行えるメリットは大きいです。
―専門分野での学びに加えて、分野を越えた多彩な学びが用意されています。
高岡 私のゼミに所属する英語好きの学生は、通訳・翻訳プログラムの授業を履修しています。バイオリンが好きで、音楽学部の授業を履修して実技指導を受けている学生もいます。専門分野の興味はもちろん探究しますが、だからといってその他の分野の興味をあきらめなくてもいいのが本学の魅力です。しかも“第二の興味”も非常に高いレベルで追究できます。
―有名企業400社への実就職率では、4年連続で西日本私立女子大学1位となりました(※)。進路の状況や高い実績を誇る背景をお教えください。
※2020年〜2023年。大学通信調べ
髙橋 進路として伝統的に多いのは、食品、製薬、化粧品、医療機器関連企業です。近年はIT企業への就職も増加しており、その流れは今後も加速すると考えています。大学院への進学率も高いです。大学院を志望する学生については教職員が個別に相談に乗り、面接や論文などの対策を行っています。
高岡 企業の方からは、本学の卒業生はコミュニケーション能力が高いことと「後ろ支え」することが得意な人が多いという評価をいただいています。
髙橋 「後ろ支え」というのは、本学の創立者が持っていた「自分ではなく他者のために行動できる人を育てたい」という願いが実を結んだものだと思います。まさに本学の標語である「愛神愛隣」の精神の現れです。
―どのような人に生命環境学部で学んでもらいたいとお考えでしょうか。
髙橋 やりたいことがはっきりしている人にはぴったりだと思います。それを実現する学びや環境があるからです。また、今は文系を選択しているけど、実は理系の学びにも興味があってチャレンジしたいという人も、ぜひ本学を検討してみてください。
高岡 理系という大きなくくりでは興味の方向性が定まっていても、その先の具体的な学びや進路はまだ絞り込めていないという人に本学部をおすすめしたいです。4つの分野について1・2年次で自由に学び、そのうえで専門を考えることができるからです。
―高校の先生方や受験生にメッセージをお願いします。
髙橋 本学は、人としての成長に欠かすことができない「知識」と「体験」の両方をしっかりと得られる大学です。この素晴らしい環境で、ぜひ一緒に学びましょう。
高岡 私たちは、「女性だから理系はあきらめる」ということが起こらない環境づくりに全力で取り組んでいます。理系の学びを通して得た論理的思考などはどんな仕事にでも役立つものです。何よりも、実験をするときのワクワクドキドキ感は理系ならではの楽しさです。ぜひ本学で一緒にワクワクドキドキしましょう。
卒業生インタビュー
木元麻衣さん
奈良先端科学技術大学院大学 2年
大手衛生用品メーカー内定
「女性に貢献したい」という生涯にわたる自分の軸と出合う
現在、大学院でタンパク質の構造や機能解析の研究をしています。振り返ってみると、大学院生としても1人の人間としても、神戸女学院大学での経験が大きな土台になっているように思います。
1年次から始まる実験の授業では、効率的な実験の進め方やレポートの書き方をたっぷりと学ぶことができました。実験結果を読み解くためには、統計や数学の授業で学んだ知識を活用。解析結果をもとにしてクラスメートや先生と議論を重ね、考える力を養うことができました。研究室に配属された3年次には、さまざまな文献を集めては整理し、発表するという経験をしました。このとき養われたプレゼン力は、大学院の入学試験でも活きました。「女性に貢献したい」という研究や自分の生き方の方向性と出合えたのもこのときです。
大学時代に磨かれた大きな力の1つが、主体性です。研究のテーマや実験方法などは、私の意思を尊重したうえで、先生がアドバイスをしてくれました。ちなみに、神戸女学院大学のように主体的に研究に取り組むことができる環境は珍しいです。たいていの大学や大学院では、先生から与えられたテーマに沿って研究を進めます。当時は当たり前と思っていたことの素晴らしさに、今改めて感謝しています。
神戸女学院大学は、性別や出身などにとらわれず、1人の人間として自分や相手と向き合うことができる場所です。自分の生き方や信じるものを自分の力で決めることができる、素晴らしい環境だと誇らしく思っています。
在学生インタビュー
幡田衣美さん
環境・バイオサイエンス学科 3年
実験が好き!で文系から進学。“欲張り”な人にはぴったりな大学
高校時代は文系クラス。でも、小さい頃から好きだった科学の実験の面白さが忘れられず、文系でも進学できる理系の学部を探していました。そんなときに出合ったのが神戸女学院大学。1年次から実験の授業があるうえ、英語も専門的に学ぶことができると知り、進学を決めました。
入学後は期待通り、週に2回も実験の授業があり、基本的な器具の扱い方から、実験への考え方や進め方、レポートのまとめ方などを学びました。食品など身近なテーマに対して科学的にアプローチし、理解を深められることが楽しいです。理系科目は、苦労することもありましたが、仲間との学び合いや先生のサポートのおかげで、しっかりと授業についていくことができました。
2年次から、通訳・翻訳プログラムの授業を履修しています。映画の字幕を作ったり、街にある標識を英訳するなど、実践的な訓練を重ねています。この授業のおかげで、英語の文献を読む力がずいぶんと磨かれました。
ほかにも、部活動やオープンキャンパススタッフ、ビジネスコンテストへの参加など、さまざまなことに挑戦しています。学内の友人も忙しくしている人が多く、日々刺激を受けています。チャレンジしたいと思ったときに、後押ししてくれるのが神戸女学院大学の魅力です。やりたいことがたくさんある“欲張り”な人にはぴったりな大学ですよ。