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聞き手 井沢 秀(大学通信)
幅広い教養があってこそ優れた英語力が生かされる
昭和女子大学
坂東眞理子総長
本学は、グローバル社会で活躍できる女性の人材育成に力を注いでいます。TUJと連携したグローバルキャンパスや昭和ボストンの存在など、本学ならではのメリットに期待して入学してくれる学生も増えてきました。英語を単に美しい発音で、流暢に話せればいいわけではありません。何をどう話すかが大事なのです。英語は伝達のツールですから、自分の意見を伝える際の“中身”こそが重要なのです。そのためには、人としての土台や裾野を広げる“教養”を培う必要があります。大学での学びはもちろんのこと、圧倒的な読書量によって人文・社会科学系から自然科学系まで幅広い知識や考え方を身につけることが大切なのです。そうやって多角的な知識を修得した上で、さまざまな課題に問題意識を持ち、自分なりの見方、意見を表現できる人こそが“教養のある人”であるといえるでしょう。
本学のDDP(ダブル・ディグリー・プログラム)にしても、留学先での語学力強化が目的ではなく、現地の大学で正課授業を履修し、試験に合格して学位を取得することが目的です。海外の大学は「入学は易し、卒業は難し」といわれ、現地の学生でも進級が難しいわけですが、本学の学生たちは見事に学位を取得して卒業しています。これは、英語力が高いだけでは決して成し得ないことです。
また、学生の努力に加えて、本学の教員が研究者としてだけではなく、“教育者”として熱意を持って指導に臨んでいる成果でもあります。学生一人ひとりの適性、才能を把握できる少人数教育だからこそ教員の熱意が伝わり、学生自身もとことん真剣に学ぶことで、自分の新たな可能性が広がることを認識してくれているのです。
さらに、本学では英語系学科以外の学生も昭和ボストンへの留学が可能です。例えば、管理栄養学科の学生が海外を経験することで、日本食に向けられた世界のニーズや国際的な競争力の高さを肌で感じるチャンスとなり、日本についての理解も深まります。その経験が帰国後の学習意欲を高める好循環を生み、向上心が実を結ぶことで自信と自己肯定感を高めるのです。
グローバル社会には女性が活躍するチャンスが豊富
学生が卒業後に歩みを進める先にあるのは、ジェンダー平等の重要性が叫ばれつつも、いまだ男性優位である日本社会の現実であるといえます。そんな現代社会において、何らかの業務に従事する男性と女性の人数を均等にし、表面的に機会均等が達成されたところで、世の中は変わりません。企業が必要とするのは、従来の画一的な価値観にとらわれず、経験に裏付けられた新しい発想や感性であり、とりわけグローバルマインドを持った女性人材には活躍のチャンスが広がっているのです。
ただし、女性自身が「どうせ私は女性だから」といったアンコンシャスバイアスに縛られている場合もありますから、その呪縛から自らを解き放たねばなりません。社会が解決すべき課題は、男性が持つアンコンシャスバイアスだけではないのです。
失われた30年を経験した日本では、マイノリティーである異質で天才肌の人材を待望する気運も高まりました。しかしながら、社会をよりよい方向に導いていけるのは、真面目に真剣に物事に取り組み、周囲と協力できる多数の人々です。たとえ天才肌ではないとしても、一つずつ自分を高める努力を積み重ねていけば、社会に貢献できる力を養えるのです。ぜひそのような心構えを持って、本学で学業に励んでくれることを願っています。