2025年春に国際学部がリニューアル(計画中※)世界基準の人材育成に挑み進化し続けるグローバル教育―昭和女子大学

2025年春に国際学部がリニューアル(計画中※)世界基準の人材育成に挑み進化し続けるグローバル教育―昭和女子大学

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昭和女子大学は、1988年に海外キャンパスである「昭和ボストン」を開設。その後もグローバル系学部の設置や、海外大学とのダブル・ディグリー・プログラム(DDP)など、時代のニーズを先読みした数々の改革を推進し、グローバル教育を拡充してきた。そして、2025年春にリニューアルするのが、世界基準の人材育成を掲げる「国際学部」だ。3学科体制となる“新”国際学部の特徴を中心に、グローバル人材に求められる資質や同大の強みについて、学部長の川畑由美教授に聞いた。

聞き手 雫 純平(大学通信)

多様化する学生のニーズに応える“新”国際学部へ

―国際学部の改組を決められた背景について教えてください。

国際学部長 川畑由美教授

今回、国際学部を3学科に改組する最大の理由は、多様化する学生のニーズに応えるためです。歴史を遡れば、かつての英米文学科が英語コミュニケーション学科となり、昭和ボストンや海外協定校への留学、DDPなど、時代の要請に応じてグローバル教育プログラムを拡充してきました。そして、この動きと並行して顕著になっていったのが学生のニーズの多様化です。海外留学で英語力を高め、国内外の大学院進学を目指す学生や、日本の魅力を発信する力を磨いてインバウンド産業でのキャリア形成を目標にする学生、英語以外の外国語も身につけたいと努力する学生など、海外を経験した学生は十人十色の目標を持つようになりました。加えて日本の文化や歴史に関する認識不足を痛感する学生も増え、可能な限りカリキュラム改定で対応してきましたが、今回、学部としての方向性を統一した上で、幅広い興味・関心に対応可能な3学科体制とし、各学科で育成すべき人材像を明確にしました。

また、本学には昭和ボストンでの留学プログラムがあり、留学前から留学中・留学後に至るまで、体系的な学びを設計できる強みがあります。ボストンでの経験を協定校での認定留学への挑戦につなげられることも特長です。そこで、今回の改組同様、多様化する学生のニーズに応えるべく、昭和ボストンのカリキュラムについても再編を行います。

昭和ボストン周辺には大学が多く、各大学では日本に関する研究も盛んです。日本語を学ぶ学生も多い“地の利”を生かして、すでに昭和ボストンでは地域住民向けに日本語の授業を開講し、本学の学生が日本語の指導を行うプログラムも実施しています。カリキュラム再編においては、現地の学生のほか、日本を研究テーマとする近隣大学の教員との交流も活発化させるなど、新たなプログラムを構築する方針です。

―新設される2学科の学びの特徴についてお聞かせください。

まず「国際教養学科」は、「英語圏社会」「表象文化」「言語と教育」の3つの専門領域を設け、米国型のリベラルアーツ教育によって得られる、自分を多様な世界へ解き放つ教養と高度な専門知識の修得を目指します。英語教育では、これまで英語コミュニケーション学科で行ってきた授業スタイルを受け継ぎながら、1クラス10人以下の「超少人数制」のもと、1年次から集中的かつ効果的な英語教育を行います。

2年次前期には、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)のライティング科目や教養科目をベースとする「アカデミック・イングリッシュ・プログラム(AEP)」に参加します。いきなり海外となるとハードルの高さを感じる学生もいるため、同じキャンパス内での“国内留学”からスタートする設計です。

TUJでの授業風景

2年次後期には昭和ボストンへ留学します。海外とはいえ自前のキャンパスのため費用は割安ですし、奨学金制度も充実しています。また、選抜制ではありますが、認定留学に備えた「American College Readiness(ACR)」というプログラムに挑戦することもできます。このプログラムでは、日米関係における対立・協調・相互依存などの変遷を学ぶ「History of Japan-U.S. Relations」という科目をはじめ、ボストンの他大学の授業に参加できます。

その後、3年次以降は海外協定校での最長1年間の認定留学に参加することも可能です。これまでは上位層の学生だけが挑戦するプログラムと認識されがちでしたが、今後はより多くの学生が認定留学に挑戦してくれることを期待しています。

日本の強みを世界に発信する力を磨き上げる

―「国際日本学科」はどのような特徴がありますか。

国際日本学科で学べる専門領域は「ジャパンスタディーズ」「異文化理解」「観光地域創生」の3つです。国際的な視点で日本の社会や文化への理解を深め、発信力を高めるとともにインターンシップなどで実践力を磨き、職業人として自立する力を養います。また、「メディア制作演習」や「リサーチ方法論」といったICT演習科目を充実させ、国内外でのインターンシップ先の新規開拓も進めていきます。

国際日本学科は、2年次前期に昭和ボストンに留学し、19週間の「国際日本プログラム」に参加します。最初の4週間はジャンプスタート期間と位置づけ、現地での生活に慣れながら語学を中心に学び、海外の授業や学習スタイルに必要なスタディースキルを身につけます。その後、専門性の高い授業に移行し、例えば「Japan Cultural Society」では、日本の歴史や伝統文化、大衆文化についての調査や議論、プレゼンテーションに挑戦します。また、「Teaching Japanese」は地域の人々に日本語を教え、交流を深める実習型の授業です。ほかにも、現地の観光・サービス業を調査してヒアリングやディスカッションを行いながら、日本との企業文化の違いを分析する授業なども設置します。教室で学ぶだけでなく、地域社会に溶け込みながら多様な学びを深めていくことが特徴です。

国際日本学科には、情報文化産業から観光流通産業、ものづくり産業まで、海外から注目される日本の魅力を世界に発信したい方や、地域創生の視点で企業活動や社会のシステムを学習し、将来につなげたい方に入学してほしいと考えています。

―「国際学科」の学びについてもお聞かせください。

国際学科では、「英語+1言語」の修得を大きなテーマとした上で、日本の文化をアジアやヨーロッパに向けて発信する力を磨きます。専門領域は「国際社会・多文化共生」「国際貢献・地域貢献」「地域研究」「日本研究」の4つです。中国語や韓国語、ベトナム語など、アジア圏の言語に興味のある方や、ドイツ語、フランス語、スペイン語といったヨーロッパ圏の言語への関心が高く、実践的な運用能力の獲得を目指す方の入学を想定しています。長期留学も可能ですし、昭和ボストンを含めた2カ国留学や、中国・韓国・米国・オーストラリアの5大学でのDDPに挑む学生も増加傾向にあります。

一方、海外でのインターンシップにも力を入れ、ベトナム・ハノイの企業では、投資に関するコンサルティング業務を実体験できます。また、現地の企業と連携して日本企業への就職を目指すハノイ工科大学の学生向けに、本学の学生が日本の就職活動の特徴をレクチャーする取り組みも進めています。スペインでは、現地で暮らす外国人の家庭の子どもたちをサポートするプログラムが学生から好評を得ています。

新たな取り組みとしては、「英語+1言語」として、留学生向けに「日本語」を設けます。アジア出身者を中心に外国人留学生を積極的に受け入れて、学科の多様性を促進します。たとえば「中国社会研究」や「韓国社会研究」といった授業に外国人留学生が加わることで、日本人学生の意識や視野が広がり、複眼的な思考につながると考えています。

グローバルキャンパスで大学4年間が異文化体験に

―あらためてグローバル教育の意義をお聞かせください。

本学は、同じキャンパス内にTUJやBST(ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和)があり、グローバルな環境を普段から経験できる”半分海外”のような空間です。TUJとBSTとの共修科目もありますし、国際学部以外の学生も意欲があれば履修できます。”留学=海外”と考えると敷居が高く感じられますが、本学なら日々の授業に出席しながら、海外大学の学びを体感できるのです。

いうまでもなく世界には多様な社会があり、多様な言語や文化、価値観があります。世界基準のグローバル人材として活躍するためには、文化的背景や価値観が異なる人々に対する理解が不可欠ですし、偏見にとらわれず、さまざまな違いを乗り越えて協働し、課題に対してリーダーシップを発揮しながら主体的に取り組める力が必要です。これまでグローバル人材というと、実用的な外国語運用能力ばかりが注目されがちでしたが、それだけでは不十分なのです。

そこで意識してほしいのが、「寛容」や「忍耐」の意味を持つ”Tolerance”という言葉です。多様性を尊重して違いを受け入れる「寛容さ」が大切ですし、特にDDPではネイティブの学生でも卒業が容易でない環境で学位取得を目指しますので、「忍耐」の連続になるかもしれません。しかし、それを乗り越えてこそ新たな世界を切り拓けるのです。

―現地の学生でも学位取得が難しいとなると、海外大学では何が重視されるのでしょうか。

海外で重視されるのは、論理的思考力です。情報を鵜呑みにせず、論理的に情報を切り分ける力をつけ、ChatGPTをはじめAIが生成した内容の真偽や価値を見極める力も必要です。その上で、高度な語学力を駆使して、自分の考えを発信することが求められます。

その点、国際学部の各学科ではゼミ形式の演習科目が週に2回あり、論理的思考力を鍛えます。また、海外大学ではディスカッションが中心となるため、学生はその準備として大量の本を読みます。さまざまな本を読むことで新たな疑問が生まれ、教員への質問をきっかけに周囲を巻き込んだ深い議論へと発展するのです。そのため国際学部では読書量を重視しています。

なお、国際学部には海外で学位を取得した教員も多く、実情を把握しているからこそときに厳しく、ただし的確な指導を行っています。また、大学としても海外協定校をはじめ、世界で実践されている授業スタイルを参考にしたり、海外を経験した学生からの提案を参考にしたりしながら、より効果的な学びの環境づくりを続けています。決して“マンモス大学”ではない本学だからこそ、現場の教員や学生の声が通りやすく、多彩なアイデアを出し合いながら、数々の改革を迅速かつ円滑に進めることができているのです。

ベトナムミニシンポジウム

教職員や先輩が一丸となり学生の背中を押してくれる

―最後に受験生へのメッセージをお願いします。

近年は“全員留学”を掲げる大学が増えていますが、留学は観光旅行ではありません。大学選びでは、自分が望む道に進むために留学先で何を学び、語学力以外にも何が身につくのかをチェックしてみてください。また、大学と協定校との連携や、留学中のサポート、留学後のフォロー体制も重要なポイントです。

また、本学は国内にいるときもクラスアドバイザー制度で親身にサポートし、ゼミの担当教員も進路やキャリア形成に向けたアドバイスを惜しみません。少人数制だからこそ、伸び悩む学生に気づいてサポートできる利点もあります。ただし、かといって“手取り足取り”というわけではなく、学生の背中を押して可能性を広げる方向へ導くことを大切にしています。

もちろん、モチベーションの浮き沈みはあるものです。それでもワンキャンパスだからこそ身近に経験豊富な先輩も多く、アドバイスを受けて奮起する学生も少なくありません。入学当初は大変さに戸惑うこともあるかもしれませんが、教職員が一丸となったサポートを受けながら挑戦を楽しみ、自信を高めていけるのが本学の魅力です。卒業時には「大変だったような気もするけど楽しかった。昭和女子大学に来てよかった」と話す学生がほとんどですので、ぜひ多くの受験生にチャレンジしてほしいですね。

大学選びエキスパートの声

進路づくりの講師、高大共創コーディネーター
倉部 史記氏

様々な改革によって教育関係者の注目を集めてきた昭和女子大学が国際学部の改組を発表した。新体制の3学科はそれぞれ魅力的な専門領域をカバーし、多様な学生のニーズに対応できる構成となっている。

世界中で事業展開するグローバル企業、日本あるいは海外を舞台にした観光産業、日本から海外へコンテンツを発信する文化産業、アジアを始めとする海外諸国に注力する日本企業など、卒業生達の活躍の場が明確にイメージできるカリキュラムである点も素晴らしい。以前から産業界からの評価が高い大学だが、昭和女子大学の学生を求める業界や企業は今後さらに増えていくはずだ。入学希望者は「将来こうありたい」というビジョンから学科を選ぶのも良いだろう。

長い歴史を持つ昭和ボストンや、隣接するテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)など、学生を大きく伸ばす環境も昭和女子大学の特長だ。国際学部でもこれらが上手く学びに組み込まれている。大学全体の国際化が進むことで、他学部の学生もさらに刺激を受けるのではないだろうか。

以前からその教育水準が際立っていたダブル・ディグリー・プログラムも、TUJをはじめ協定校が拡充され、参加者が順調に増えているとのこと。令和の今でも「女子は地元で」など、旧いジェンダー観に挑戦を阻まれている高校生達は少なからずいる。だが昭和女子大学には、果敢に世界に打って出る先輩や同級生達が大勢いる。多くの学生達がその姿に背中を押されているはずだ。困難な挑戦を応援してくれるこの環境を、日本中の多くの女性達に勧めたい。

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