一味違う高大接続プログラム「KIT入学教育」を語ろう―金沢工業大学

一味違う高大接続プログラム「KIT入学教育」を語ろう―金沢工業大学

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全国2000高校の進路指導教諭が選ぶ「面倒見の良い大学」ランキングのトップクラス常連校として知られ、学生を“伸ばす”ことには定評がある金沢工業大学(KIT)が2021年度に始めたのが「KIT入学教育」だ。受験志望の高校生や入学予定者を対象に、大学生活への橋渡しや学びのモチベーション作りを手助けし、大学での成長を自らイメージできるようにする目的がある。アドミッション・キャリア教育センター所長の青木隆教授が、1年生(23年4月入学)の宮沢友歌さん(工学部)と石野真帆さん(バイオ・化学部)にKIT入学教育を受けた感想を聞いた。

取材・文 堀 和世

右から青木隆教授、宮沢友歌さん、石野真帆さん
(石川県野々市市の金沢工業大学扇が丘キャンパスで)

青木 入学教育では「大学で何をやりたいのか考えてみませんか」ということをお話ししたんですが、宮沢さんは元々やりたいことがあったんですよね。

宮沢 僕は工業高校の電子工業科で電子回路や制御系を勉強していましたが、父が情報系を扱う専門家ということもあり、プログラミングは小学校の頃からやっていました。情報と電子工学という二つの視点から何かいいことができないかな、という将来の夢があります。

青木 石野さんは普通高校出身ですね。こういうことをしようと思い描いて工業大学に入学したのでしょうか。

石野 私は脳神経とか遺伝子に興味があったので、応用バイオ学科を選びました。研究室体験ができるプロジェクト(※)があると聞いていたので、さっそく5月ごろ、脳神経を研究している先生にメールをして体験しに行ってきました。

(※)授業以外の時間に学生が自主的に取り組む課外活動。ものづくりを中心とした「夢考房プロジェクト」と、専門科目の延長線上にある「学科プロジェクト」に分けられる。1、2年生から研究の最前線を見られる「研究室体験活動」もプロジェクトの一つだ。

青木 入学教育の中では、そういういろんなプロジェクトがあるから参加しようよ、ということも話しました。

宮沢 僕は「フォーミュラカー」プロジェクトに入っています。周りは機械系の人ばかりで、情報系は僕一人なんですよ。情報の世界はハードウェアと呼ばれる物理媒体がないと成り立たない分野でもあるので、物理の世界を知ることができるのが面白いです。あと単純に車が好きなので。

青木 「ステークホルダー交流会」などで先輩学生の話を聞く機会があったと思いますが、どうでしたか。

宮沢 将来のビジョンがつかめている人が多く、すごいなあと思いました。僕が一番感激したというか、関心を持ったのはそこですね。「大学は人生の夏休み」だと聞いたことがあり(笑)、遊んでいる人が多いのかなと思っていました。

青木 先輩が自分の成長の歩みについて話していたんだけれども、皆さんに自分のモデルになるような先輩を見つけてもらえたら、と思っていたんです。

石野 大学では高校よりも専門的な学びができると聞いていて、それが私は逆にちょっと怖いなと思っていたんですが、先輩のキラキラとした学びを見て希望が持てました。

専門につながる〝学び直し〟

青木 研究室について調べてみませんかとも勧めたんですが、いかがでしたか。

宮沢 高校でやってきたことを生かせる研究室があったり、逆にAIやデータベースはまだ触れていない分野なので、幅広い研究のジャンルがあって選びがいがあると思いました。

青木 石野さんは脳科学にデータサイエンスを取り入れた小島(正巳)研究室も調べたんですよね。そうやって大学の研究室で何をするのかを、高校生の時にイメージしてもらいたいと思ったんです。一足飛びに研究室活動ができるわけではなく、必要な学びを積み重ねていかないといけない。そのためのモチベーションにしてほしいのです。

石野 研究室を調べている時に、先ほど言った研究室体験プロジェクトを見つけたんです。

青木 何の研究をしているんですか。

石野 初歩として細胞の培養をしています。実験の授業ではやらないところまで深くできているので、とても楽しいです。

宮沢 僕は中学、高校でとてつもない量の知識を学ばされてきたので、今の大学の授業範囲には正直、物足りない気はします。その分、課外活動で新しい刺激をもらうことができています。

青木 2人はすでに専門的に学びたいことを持っているようですが、そうでない人も含めて、数学や物理の知識など基本的な科目の学び直しも必要だと思っています。

石野 今(1年生)はまだ高校の授業と同じことをしていると言っている人が周りには多いですね。私は高校で物理を選択しなかったので、物理を学べる機会としては数理教育は良い機会だなと思っています。

青木 そこの学び直しが、専門的にやりたいことにつながっていけばいいなと思っています。専門分野の元になっている数理知識を身につけることで、大学での学びがより能動的になるのではないでしょうか。

先輩や同級生と知り合える

青木 「先輩との座談会」では先輩たちとディスカッションをしましたね。何か気づきがありましたか。

石野 最初はみんな黙っていたんですが、先輩が何でも聞いていいよって言ってくださったので、本当に何でも聞いたんです。一人暮らしはどうですかとか、パソコンにマウスは要りますかとか。私は本当に大学が怖かったので、その怖さが半減しました。座談会で同じグループだった子と入学式の後に話せたりとか、人間関係の場が座談会で広がったので、すごくいい経験だったと思います。

青木 実は24年度から入学予定者を対象にした「先取り科目」履修の範囲を数理系の基礎科目に加えて専門科目に広げ、高校3年生から授業を受けられるようにしたいと考えています。前倒しで単位が取れれば、1年生の時に〝空き時間〟が生まれますよね。その時間を自分のやりたい学びに充ててほしいと思っているんです。

宮沢 そうしたらプラスアルファで別のプロジェクトを入れたり、研究室見学に行くこともできるし、とてもいいと思います。

石野 もし私だったら、今は1週間に一度しか研究室に行けてないのを、もう1日増やすかもしれません。

青木 もっと広がりを持って考えていて、1年生で2年生以降に習う科目(上位科目)を履修できるルールはすでに整えてあるので、そういう先取り履修の仕組みを進めていきたい。入学教育を単に高校から大学へスムーズに移行するためのものだけとは捉えていないんです。やりたいことを考えたり、学びを振り返ってみたりして大学の中でも成長できる、そんなシステム作りを一生懸命考えています。

「とりあえず、やってみる」

青木 最後に1年前を思い出して、今の高校生に対して〝こんなことをやってみたら〟というアドバイスはありますか?

石野 おっしゃっていた専門教育の先取り授業が、私もとてもいいなと思っています。大学入学後の勉強の加減というか、単位を取るにはこのくらい頑張らないといけないといった練習にもなると思います。

宮沢 高校生のうちは興味があったらやるだけやってみよう、というスタンスでいいと思います。僕は小学校の時に父親にマイコンを与えられて、とりあえずやってみるというところからプログラミングを始めました。だから目の前にパソコンがあったら触ってみればいい。とりあえずやってみる姿勢が結局、大学での学びにつながっていくのかなと思います。

青木 私たちはどうしても「授業」とか「単位」に意識が向きがちなんだけれども、プログラミングに限らず、例えば先輩と一緒に何かちょっとやってみませんか―といった取り組みがあってもいいなと思いました。

お二人とも、今日はありがとうございました。

安心の“第一歩”のために KIT入学教育って何だ!?

KIT入学教育は高校在学中から大学で行われる授業を〝先取り受講〟できるなど、入学後の学びや生活をスムーズにスタートさせるためのユニークな高大接続プログラムだ。具体的には「授業体験」「ステップアップ講座」「直前集中講座」の3本柱で構成されている。すべてオンライン形式で実施される。

KITでの学びでは「集団で共働し課題解決にあたる行動力やチームワーク力」「構想したものを説明し、賛同を得る説明力や表現力」「技術者倫理に則り自己を律し継続して課題解決にあたる自己啓発力」「AIを用いた情報収集力や課題解決力」が身につく。その能力をベースにそれぞれの専門力を育んでいく。そういった学びのプロセスの一端を「入学教育」で経験し、大学での成長、社会人としての活躍につなげる目的がある。

KIT授業体験

高校1〜3年生を対象にオンデマンド配信で行われる。大学1年次に行われる授業や各学科の専門基礎分野の授業を受講することで、大学での学び、専門的な学びに一足早く触れ、体感することができる。航空システム工学科の「ドローン工学概論」やロボティクス学科の「AIロボット入門」、情報工学科の「プログラミング入門」など、全12学科の特徴的な授業と教養科目が用意されている。参加費は無料で、受験志望者だけでなく、工学に興味のある高校生は誰でも受けられる。

KITステップアップ講座

入試合格者を対象に、合格通知とともに参加が案内される。先輩の在学生やクラスメートになる同期生との交流を通して、キャンパスライフの始め方や入学後の学びについて触れ、大学でどのように成長していけるかをイメージしていく。リアルタイム配信あるいはオンデマンド配信を通じて受講する。

先輩学生が大学入学後の成長過程をプレゼンテーションし、新入生にとって学びの"モデルケース"にしてもらう「KITステークホルダー交流会」▽入学する学科の先輩学生が、自分の志望動機や新入生だった頃の不安を含め、大学生活や教育研究活動のエピソードをざっくばらんに語ってくれる「先輩との座談会、施設紹介」▽やりたい研究や就きたい職業など、進路を選ぶために必要となる科目履修やプログラムについて具体的に知り、自分のキャリア形成をイメージする「キャリアデザイン講座、専門紹介」がある。

これらの講座で、自身の強み、自己の学ぶ目的、自分の将来像に気づき、大学での学修の方向を深く考えていく。さらに目的志向型入学(AO入学)、推薦試験A・B、専門高校特別選抜の合格者を対象にした入学前課題について在学生が解説を行う「基礎学力解説講座」が用意されている。

KIT直前集中講座

入学予定者を対象に、入学前の3月にオンデマンド配信で実施される。授業などで使用するパソコンやソフト、学内ネットワークの使い方を知り、入学に備えておく「ICT入門」「文章の書き方講座」がある。自己の学び方を考えたうえで、初見や不得意な学びにチャレンジしていく意欲を高める。

また入学予定者には、入学前に数理系の基礎科目、専門科目をオンデマンド配信で受講できる「先取り科目」履修の仕組みも用意されている。受講科目の単位認定は入学後に行われる。

1年生お二人に聞きました!

宮沢友歌みやざわゆうたさん

工学部情報工学科1年
長野県立松本工業高等学校出身
目的志向型入学(AO入学)

石野真帆いしのまほさん

バイオ・化学部応用バイオ学科1年
新潟県立高田北城高等学校出身
一般試験A

Q.金沢工業大を選んだ理由は?

宮沢 高校で大学紹介を聞く機会が多かったんですが、ここの大学はとりわけ熱かったというか、熱い思いで授業をしてくれるんだな、熱い思いで研究を行えるんだなと感じたので選びました。入学教育でのお話でも、全員に将来のビジョンを持って大学生活を送りなさいとずっと言われてきたし、大学を「人生の夏休み」にしないでほしいという思いが伝わってきます。

石野 私は高校の理科の先生になることを目指しています。そのためには高校で選択しなかった物理を学ぶ必要があります。この大学を調べていたら、初歩的なところから物理を教えてくださる数理工教育研究センターという施設があったり、先生方のサポートが行き届いていることを知り、選びました。

Q.高校の学びと大学の学びはどこが違いますか?

宮沢 僕は工業高校出身なので大きな違いはないんですけど、同じ専門でも高校では広く浅く、3年間で全体を網羅するという授業が多かったのが、大学ではぐっと細かく区画分けして、それをちょっとずつと掘り下げていくといった方法で、専門をマスターするという授業になっていくのかなと思います。

石野 大学は高校より 能動的に自分から学んでいっているという感じがします。授業の内容も高校よりは深いところまで学べるので、バイオに興味を持って入ってきた私には、すごく楽しい時間だなと感じます。

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