「投げる×取る×走る×跳ぶ」”究極”の競技で全国大会出場をめざす。~学習院大学フライングディスク愛好会~

「投げる×取る×走る×跳ぶ」”究極”の競技で全国大会出場をめざす。~学習院大学フライングディスク愛好会~

学習院大学のフライングディスク愛好会は、フライングディスクを使って得点を競うアルティメット競技に取り組む運動部の公認団体です。2017年設立と歴史は浅いものの着実に部員数が増え、2022年度は男女合計で約50名。全国大会出場を目指して、日々練習に励んでいます。2022年度に男子チームでキャプテンを務めた柴田さんと、同じく女子チームでキャプテンを務めた真貝さんに、チームの雰囲気やアルティメットの魅力をお聞きました。

写真左:柴田 侑哉さん(2022年度男子キャプテン)
法学部政治学科3年 東京都立町田高等学校出身
写真右:真貝 香子さん(2022年度女子キャプテン)
文学部心理学科3年 新潟県立新潟高等学校出身

様々な大会出場のチャンスがあり、他大学・社会人との交流も盛ん

写真提供:一般社団法人日本フライングディスク協会

――まずは入部のきっかけと、チームの雰囲気を教えてください。

柴田:私は高校まで部活動は野球部でしたが、体育の授業でアルティメットを知り、大学では新たな競技に挑戦しようと思い入部しました。

コロナの流行真っただ中での入学だったため、初めて体験会に参加したのは夏休みでした。その分いくつもの団体の紹介動画などを見ながら、じっくり検討して入部しました。部員はみんな未経験からのスタートで、運動歴はバラエティー豊かですが、誰もが意欲的です。

今では部員数も増え、活発に意見交換しながら、勝ちにこだわって高度な戦術にもチャレンジしています。2022年秋に行われた全日本選手権の関東予選では、前年の成績を上回ることができず、全員が涙するほどの悔しい結果になりましたが、チームとしてのレベルは着実に上がってきています。

真貝:私は高校まではテニス部で、アルティメットの経験もなければ、競技の存在すら知らなかったのですが、初めて目にしたときに競技としてのおもしろさを感じました。

また活動が週3回ということで、勉強やアルバイトとも両立できる点も魅力でした。チームの雰囲気は、楽しくてあたたか。学年の壁を越えて、びっくりするくらいみんな仲が良くて協調性が高いです。人間関係に苦労したことは一度もありません。

全員が「全国大会に出る」という同じ目標に向かって意識を高く持ち、前向きに本気で取り組んでいます。女子チームには、運動部での経験がゼロで高校時代は料理部だった部員もいますが、今ではバリバリ走り回っています。

柴田:体育会系といってもイケイケな雰囲気ではないですし、普段は落ち着いていて礼儀正しく、でもいざ練習や試合になると熱く盛り上がる点がチームの特色ですね。

――入部して意外だったことはありますか?

柴田:試合は人工芝のグラウンドで行うこともあれば、土のグラウンドやビーチでも行います。試合中のルールも特徴的で、例えばどちらかのチームが納得できないプレーがあったときには、話し合いで解決する「セルフジャッジ」があります。さらに、1分間話し合っても解決できなければ、そのプレーのひとつ前のプレーに戻って再開する「ワンバック」というルールです。こうしたルールのおかげで、お互いに納得の上で進めていけますし、過去のプレーを振り返ってみて「納得できない」と感じることも全くありません。

真貝:まだまだマイナーなスポーツなので、専用のアイテムがないことでしょうか。サッカー用のスパイクを履き、野球のバッティンググローブをつけてプレーします。スポーツ用品店であれこれ買い揃えようとすると、周囲から見れば一貫性のない買い物になりますし、たいていはレジで「プレゼント用ですか?」と聞かれます。

――どのような大会に出場しているのですか?

柴田:まず日本フライングディスク協会主催の公設大会として、新人戦や秋の全日本大学アルティメット大会、春の全日本アルティメット選手権大会があります。その他、年に複数回ある私設大会にも参加できます。公設大会は男女別でのエントリーですが、私設大会の中には男女の混成チームで出場する大会もあります。練習も基本的に男女別ですが、隣で練習していますし、交流は盛んです。

真貝:男子チームから戦術面での具体的なアドバイスをもらうこともありますし、プレーを見て研究し、女子チームの戦術に活かす方法を考えることも少なくありません。

ちなみに私は、学外での活動にも積極的に参加してきました。例えば、学生でも社会人でも年齢不問で自由に参加できる練習会に参加することで、交流の輪を広げることもできました。

キャプテンになりたての頃、自分の実力では後輩を指導しきれないと思い、まずは自分がスキルアップするために参加したことがきっかけでした。また、他大学との交流も盛んで、合同練習をする機会もあります。本気でアルティメットに取り組む仲間同士の交流の輪を広げ、楽しみながらレベルアップできることも魅力ですね。

時間を忘れるほど練習に”のめりこむ”

――普段の練習内容を教えてください。

真貝:まずは基本的な動きであるパスの練習を短い距離から初めて、徐々に距離を長くしていきます。その後、試合を想定したフォーメーションの練習に移行します。平日は授業後で練習時間が短いので、各自が一番したい内容を考えて練習するようにしています。体幹トレーニングやランニングなど、基礎体力に関わる部分は個々の自主練習に任せています。

柴田:練習場所は北千住の河川敷で、休日は長いときで9時から15時くらいまで練習します。気づいたらもう15時近くということがほとんどですね。ただ、全体での練習が終わってもグランドに残り、パスの精度を高めようとひたすら投げる練習をするメンバーもいます。決して強制はしないのですが、誰かのやる気は周囲にも広がりますし、チーム全体の士気の高まりを感じます。

真貝:女子は長くて14時くらいまでですが、同じようにあっという間に時間が過ぎます。基本動作を繰り返し練習したり、試合形式の実践的な練習を増やしたりと、毎回練習メニューは工夫しています。

柴田:入部直後は別メニューで投げる練習に重点を置き、徐々に全体練習に加わっていく流れです。ディスクを遠くに投げられるようになると、それだけでも気分爽快ですし、正確にコントロールして投げたディスクを仲間がキャッチしてくれるとうれしいものです。

真貝:みんな未経験からのスタートなので、練習すればするほど上達していきます。自分の成長を実感できることもモチベーションになりますね。

――学生生活とのバランスは取れていますか?

柴田:私は週3回の練習に加えて、アルバイトも週に3回しています。練習もアルバイトもこなしながら、しっかりと勉強時間も確保できていますので、十分に両立可能だと思います。また、授業優先で就職活動にもしっかりと臨む方針のため、3年生は毎年秋に行われる「全日本大学アルティメット選手権大会」を最後に「仮引退」となります。ただし、内定獲得などでひと段落すれば、再びあたたかく迎え入れるチームです。私も仮引退した身ではありますが、就活に支障をきたさない範囲で、練習には参加し続けていこうと思っています。

真貝:私も12月に”新人戦”に出場して、その後は就活に重点を置きつつも、部活は続けたいと思っています。ちなみに新人戦は1・2年生向けの大会ですが、「アルティメット歴が2年以内」というルールもあって、私はコロナ禍で始めたのが遅かったため、滑り込みで出場できるんです。学業との両立という点では、「上手になりたい」「そのために練習したい」「だから早く課題を終わらせよう」と、学業への集中力も高まったので、両立を超えた相乗効果が生まれましたね。

仲間との信頼と瞬時の判断力から、得点力が発揮される

――どんな点に難しさや、やりがいを感じますか?

真貝:試合で攻撃する場面では、パスを出す側にもキャッチする側にも、相手チームのディフェンスがマンツーマンでついています。パスをつなぐためには、仲間の走力なども考えてキャッチしやすい場所に正確に投げることはもちろんのこと、いかにディフェンスをかわして投げられるかがカギになります。

一方で、パスを受け取る側は、仲間が投げるディスクの飛距離や正確性を考えた上で、相手ディフェンスを振り切って仲間の投げやすい場所に走り、パスを受け取らなければいけない難しさがあります。要は、お互いがお互いを想ってプレーするスポーツだということです。

柴田:その点、いつも一緒に練習していれば、お互いのクセもわかってきて、例えばパスを受け取る側は仲間が投げるディスクの距離感や軌道を予測できるようになります。パスを出す側は、ディフェンスをよけて厳しい体勢から投げる場面もありますが、練習でしたことのない投げ方をしても、ディスクは正確に投げられませんので、練習あるのみ。繰り返し練習することで正確性が高まるのは、アルティメットもほかのスポーツも同じです。常に実戦を想定して、ディスクに影響を与える風向きにも注意しながら練習することが肝心ですね。

――ポジションはどうやって決めるのですか?

柴田:まずは本人の意欲を尊重して、希望のポジションに挑戦してもらいます。その上で、上級生が適性を見きわめて、ポジション変更を打診することもあります。

ただ、アルティメットは全員がパスを受け、その瞬間にパスを出す役割に変わるスポーツですので、全員が全ポジションの役割や動きを把握する必要があります。仲間がパスを出しやすい場所に走り、仲間がパスを受け取りやすい場所に投げる繰り返しです。

真貝:それがアルティメットを「アルティメット」と呼ぶ由縁ですね。「投げる、取る、走る、跳ぶ」の4技能すべてを駆使する「究極の」、つまり英語で”Ultimate”なスポーツだからです。ただ、もちろんフィールド内では大きく分けて3つのポジションがあり、それぞれに主な役割があります。私は効果的にパスを回すための司令塔のようなポジションで、全体の動きを見ながら、ときにはアイコンタクトで戦術を展開させていくポジションです。

柴田:一方で私は、背の高さと走力を活かして最後にディスクをキャッチして得点するポジションです。まさに司令塔からのアイコンタクトを読み取って、「こっちに投げたいんだな」と瞬時に判断して走り出し、ディスクをキャッチします。そんな阿吽の呼吸を生むためには、日々の練習とコミュニケーションが重要です。全員が意欲的で熱意に溢れていて仲も良い私たちなら、今後さらにレベルアップしていけると確信しています。

「百聞は一”験”に如かず」です!

――では最後に受験生へのメッセージをお願いします。

柴田:男女ともにチームとしての目標は、出場実績のない全国大会に駒を進めることです。惜しいところまで進んでも、あと1勝の壁を感じており、壁を越えたときの喜びをともに味わえれば最高ですね。

真貝:ものすごく遠い目標だとは思っていませんが、もちろん簡単なことではありません。強豪校も含めて経験者は少ないので、いかに成長していけるかが課題ですね。最初は好奇心だけでも大歓迎ですので、ぜひ一度体験して、チームの本気度やあたたかい雰囲気、そしてアルティメットの魅力を知ってほしいと思います。「百聞は一”験”に如かず」だと思いますので、まずはぜひ体験会に参加してみてください!

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