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日常生活のあらゆる場面でコンピュータが稼働している現代では、社会における課題解決のために情報を活用することが不可欠だ。岐阜聖徳学園大学の経済情報学部は経済、経営、情報について広く学べる学部で、特に近年は大学を挙げてAI・データサイエンス教育に注力しているという。その取り組みについて、経済情報学部で主に情報分野の教育を担当している髙橋友和教授に話を伺った。
取材・文 雫 純平(大学通信)
興味や希望に応じて3分野を柔軟に学べるカリキュラム
―まずは、経済情報学部のカリキュラムの特徴を教えてください。
本学部は経済・経営・情報の3分野のそれぞれについて豊富な科目を取り揃えており、学生自身の興味や希望する進路に応じて、3分野のどれに重点を置くかを選択できるカリキュラムとなっています。あえて経済情報学科のみの1学科制とし、コース制などは取り入れていませんので、入学時にはまだ自分の興味や希望が明確でない学生であっても、様々な科目を学びながら自分に合った学び方を見つけていけることが大きな特徴です。
―髙橋先生はどのような分野を専門としているのですか。
私は3分野のうちの情報分野を受け持っており、特に画像認識を専門としております。例えば、ドローンのカメラで顔や物体を認識して自動で追いかけるシステムや、顔写真を芸能人のデータベースと照合して誰と似ているかを判定する手法の研究などをしています。もしかしたら文系の生徒にとっては難しいように聞こえてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。最近ではオープンキャンパスの企画や高校内での模擬講義など、高校生に向けての授業を行う機会が増えています。そこでは生徒たちも積極的に参加し、勉強中の姿勢を撮影して猫背を警告してくれるものや、野球部の生徒であれば自分の投球フォームが適正かどうかを診断するものなど、画像認識を用いた実生活で役立つアプリをたくさん考えてくれました。このように理系の知識がなくとも、学生ならではの視点で面白いアプリを考えることが可能です。
文系でも学びやすいAI・データサイエンス教育プログラム
―最近は文系でも情報を扱う学部が増えてきたように感じます。
日常生活の中で家電やパソコン、スマートフォンなどのコンピュータが24時間動き続けている現代では、文理を問わず情報の知識は不可欠です。本学は経済情報学部のほか教育学部、外国語学部、看護学部を設置する、どちらかというと文系寄りの大学ではありますが、本年度より「DX推進センター」を開設するなど、大学を挙げてAIやデータサイエンス教育に注力しているところです。2021年には4学部共通で必修となるMDASH(※)プログラムをスタートさせました。ここでは日常生活やビジネス、教育や看護、福祉の現場など、様々な場面でAIやデータサイエンスを実際に利用していくことを学びます。ツールやソフトを新規に開発するのではなく、既にあるものをどのように活用するかを学ぶことに主眼を置いており、文系の学生でも学びやすい内容となっています。昨年度1年間の実施実績をもって、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」のリテラシーレベルに認定されました。さらに、経済情報学部の希望者向けには、もう一歩進んだ高いレベルで学ぶプログラムを用意しており、こちらは文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の応用基礎レベルに申請予定です。
※MDASH=Approved Program for Mathematics, Data science and AI Smart Higher Education
ゼミでは気軽にVRや3Dプリンタなどが体験できる。
―経済情報学部でDXを学んだ学生は、卒業後にどのような活躍が期待されますか。
DX推進センターもMDASHプログラムも始まったばかりです。本学でそれらを学んだ学生たちがどんな就職をするかは、まだまだこれからというところです。ただ、今は多くの企業がDX人材を求めています。DXを扱う企業に就職するだけではなく、大学で学んだDXの知識・技術を武器として様々な業種の仕事に就いて、活躍してくれることと思います。そのための就職サポートも手厚く用意をしています。
―最後に、全国の高等学校の進路指導教諭へのメッセージをお願いします。
これからの時代を生き抜くためには、積極性と協調性、柔軟性の3つが大切だと考えています。興味のあることを見つけたら失敗を恐れずにチャレンジできるような積極性。社会に出ていろいろな人と協力しながら課題を解決できる協調性。変化が激しい時代に対応できる柔軟性。本学に入学した学生には、この3つの力を伸ばすような指導を心がけています。