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9学部31学科で1万9000人にも及ぶ学生が学ぶ、西日本屈指の私立総合大学である福岡大学。同学は現在、学生、教職員、卒業生、キャンパス、そして地域社会が一体となって連動・拍動する「明るく闊達な大学」づくりに向けて、さまざまな取り組みを進めている。そのなかの1つでもあるキャリア教育・支援について、キャリアセンター長であり法学部教授の蓑輪靖博氏に話を伺った。
取材 雫 純平(大学通信)
文 松本守永(ウィルベリーズ)
―福岡大学におけるキャリア教育・支援に関して、キャリアセンターが行う取り組みの特徴を教えてください。
まず挙げられるのが、企業や自治体と連携した「課題解決型プログラム」への注力です。同プログラムでは、企業や自治体が抱えている実際の課題をテーマに、学生が解決策の立案に取り組みます。学生はグループで情報収集や分析、ディスカッションを行い、チームとしての考えをまとめていきます。そしてプログラムの最終段階でプレゼンテーションを行い、企業や自治体から講評をいただきます。
プログラムを通して学生は、実際の仕事の進め方や社会人の仕事に対する姿勢をリアルに感じ取ることができ、また、自身のアイデアなどが評価されることで大きな自信を得ています。
2つ目は、高大連携です。2022年度から始まった取り組みで、近隣地域の高校生と本学学生が参加しています。福岡市内の水族館「マリンワールド海の中道」およびLINE FUKUOKAと連携し、「これからの水族館の在り方・地域との関わり方について」というテーマで、課題解決型プログラムに取り組みました。高校生との協働から新たな発想や刺激を得られることはもちろん、“先輩”として規範を示したり指導役を務めたりすることは、高大連携プログラムならではの魅力と言えます。
課題解決型プログラムに注力。東京を視野に入れた支援も展開
3つ目は、地元九州地区への就職支援を強化しつつも、関東地区をはじめとする全国・世界を視野に入れたキャリア支援を行っていることです。例えば、東京での就職を希望する学生中心に企業訪問などを行う「就活キャンプin東京」を実施しています。
ポイントは、必ずしも東京での就職だけを支援のゴールに位置付けていない点です。福岡は九州・アジアの玄関口として、日本の首都東京やアジア各国と九州各地の橋渡しの役割を担っています。そこでは、福岡および九州を理解し、なおかつ東京や諸外国のことも理解した人材が不可欠で、その育成は本学の重要な務めだと考えています。
―福岡大学にはさまざまな「ならでは」と言える点があります。それらがキャリア教育・支援に役立っている場面はあるでしょうか。
約27万人に上る卒業生のネットワークは心強い存在です。おかげで、就職活動でOB・OG訪問を活発に行えたり、キャリア教育プログラムの中で本学卒業生の経営者に講師を務めたりしていただけています。
9学部が1つのキャンパスに集約されていることも重要なポイントです。「学部の外」での学びは、キャリアを考える上で非常に大きな意味を持ちます。共通教育科目やサークル活動などで他学部の学生と共に学んだり活動したりすることは、自身のキャリアや生き方を考える上で大きな刺激となり、社会で求められる力を着実に養ってくれるでしょう。
数多くの卒業生が社会で活躍していることは本学に対する信頼や期待へとつながり、私たちはそれに応えることは重要な務めだと考えています。キャリア教育・支援も時代の先を見据えた取り組みに常にチャレンジする必要があります。高大連携をはじめとした新たなプログラムもその一例です。その結果、さらに信頼と期待が寄せられる。そういったサイクルが生まれるのも本学ならではかもしれません。
―キャリア支援において、どのような点を重視されているのでしょうか。
学生との距離の近さを大切にしています。具体的には個別面談を重視し、1人ひとりの状況に合わせた支援を行っています。コロナ禍以降はオンラインの面談も併用し、従来以上に個人に寄り添う支援に注力しています。本学キャリアセンターは、ベテランから若手まで、スタッフの顔ぶれは多彩です。そのため、学生はさまざまなアドバイスに触れることができます。キャリアセンター職員には本学卒業生もいて、福大生の気質や福大生を取り巻く状況をよく理解した支援ができるというのも、距離が近い支援の一例です。このような取り組みの推進により、年間の学生相談件数は約3000件から約1万4000件にまで増加し、学生から頼られるキャリアセンターになってきたと自負しています。
近年は学生本人への支援に加え、保護者の方への情報提供やご相談への対応にも力を入れています。コロナ禍以降は父母向けの説明会・質疑応答会をオンラインで実施しています。
就職活動の早期化が進展。質の高いキャリア支援が重要に
―コロナ禍をはじめとして先行きの見通せない社会状況ではありますが、就職を取り巻く情勢に変化はあるでしょうか。
求人と内定の状況については、コロナ前に戻ってきたと考えています。本学に寄せられる求人数と本学を訪問いただく企業数の両方が、今年は増加しました。9月末時点での内定率は、昨年からは1割ほど上昇。これらは本学だけでなく、全国的な情勢だと分析しています。
また、就職活動の早期化が一段と進んでいます。早くから活動し、流れに乗った学生は志望企業で内定を得るケースが比較的多いです。
このような状況の中では、従来にも増して質の高い支援が必要です。そこで、キャリア支援を行う部署と資格の取得支援を行う部署を統合し、現在のキャリアセンターに再編しました。将来の職業や働き方を見据えた上で、キャリアと資格をより密接に連動させて考える支援を行っています。
社会の先行きが不透明とあって、公務員に人気が集まっていますが、公務員という仕事や働き方への十分な理解なしに就職を決めてしまうと、「こんなはずではなかった」というギャップに悩むことになりかねません。そこで、自治体職員に対して直接、仕事内容や求められる力を聞く機会を設ける「自治体ワークラボ」というプログラムを開始しました。これもまた、情勢に応じたキャリア支援の取り組みです。
―高校の先生方や高校生の皆さんへメッセージをお願いします。
大学を卒業する時点では進路を明確に決めなければいけませんが、進路決定は1人では悩んでしまうことやうまくいかないことも少なくありません。ならば、「進路を決めやすい大学」は、学生にとっての「良い大学」の1つの基準と言えるのではないでしょうか。それはまた、キャリアセンターなどが行っているキャリア教育・支援の充実が、高校生にとっての大学選びの視点の1つとなってもいいという意味であると、私は考えています。私たちは、学生1人ひとりが充実したキャリアを歩めるように全力でお手伝いします。ぜひ、大学選びにおいて本学キャリアセンターの取り組みに注目してください。