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学習院大学硬式野球部は1889(明治22)年創部。現在は東都大学野球連盟の3部リーグに所属し、選手・スタッフ合計68名が一丸となって「3部優勝・2部昇格」をめざしています。2022年度春季3部リーグでは、すべての対戦相手から勝ち点を奪う”完全優勝”を果たしたものの、2部昇格に挑んだ入替戦で敗れ3部残留となりました。そこで今回は、春季リーグ戦でチームをけん引し、ベストナインにも選ばれた赤尾主将、山下副主将、若林副主将の3名に、チームの魅力や2部昇格に挑むラストシーズンに向けた意気込みなどをお聞きしました。
自由度が高いからこそ、考える力が向上する
――まずは入部の決め手と、入部当時の率直な印象を聞かせてください。
赤尾:私は高校野球の最後の大会でベンチ入りはできたものの、レギュラーとして試合に出ることができず、その悔しさが大学でも硬式野球を続けようと思った原点です。「見返してやるぞ!」という思いが原動力になりました。
山下:私は自主性と文武両道を重んじるチームカラーに魅力を感じました。しっかり勉強もしながら野球にも打ち込める環境でレベルアップしたいと思いました。
若林:自分も野球は絶対に続けようと思っていましたし、既に入部していた高校時代の先輩から学生主体のチームだと聞き、自分もここで切磋琢磨して「神宮球場で野球がしたい」と入部を決意しました。
赤尾:正直なところ「学習院なら1年生からレギュラー狙える」くらいのレベルを想定していたのですが、先輩方も同期の仲間も強豪校出身者が多くて、しかもレギュラーだった選手も多かったので驚きました。ただ、それが自分にとっては良い刺激になりました。
若林:部員の性格や雰囲気は十人十色で個性豊かなチームですが、いざグラウンドに立てば「3部優勝・2部昇格」という一つの目標に向かう一体感があります。入部当初も全員が本気で取り組む姿が印象的でしたね。
――入部してどんな変化がありましたか?
赤尾:高校まではネガティブな言い方をすれば、自主性というよりある程度固定されたプレースタイルが求められていたように思います。もちろん技術的に大きく成長させてもらったのですが、押しつけられたように感じていたのも確かです。しかし今では、上達するために何をすべきかを常に自分で考えるようになりました。また、風通しのいいチームなので、学年の壁を越えてアドバイスし合う時間も多いですし、学生同士で高め合う雰囲気に満ち溢れたチームカラーが魅力です。
例えば、チームメイトが走塁面で意識しているポイントを話してくれたことがあり、それ以来、自分も”帰塁”やスライディングの方法など、ちょっとした動きでも一つひとつのプレーを大切にするようになりました。
若林:私はチームメイトとのコミュニケーションをとおして、かつては数をこなすことを重視しがちだった素振りでの意識が変わりました。素振りの段階からストライクゾーンを9つのコースに分けて、各コースに応じたスイングをするような、細かい動作への意識が高まりました。周りも貪欲にレベルアップをめざす部員ばかりですし、そんな部員同士が本音で意見を出し合うことがチーム力の向上につながっていると感じます。
山下:高校まではチームの方針に染まるだけで、指導を受けることが当たり前のような感覚もありましたよね。もちろんその中で技術的にも人間的にも成長できた部分は大きいのですが、このチームは自由度が高いからこそ、自分たちが主体的に活動方針や具体的な練習内容などを考えますし、一人ひとりの考える力自体も高まっていくのだと思います。
コロナ禍でも発揮された個々の主体性
――入部してどんな変化がありましたか?
赤尾:2年生のときにはリーグ戦が1シーズン中止となってしまい、チームとして実戦経験を積めない苦しい1年間になりました。その分、個人のレベルアップのための時間が増えたので、体づくりやフォームの見直しなどを行いました。
山下:できることが限られていた中で、私はフィジカル面での成長をテーマにしました。体が細かったので、ちょうどいい筋トレ期間になりましたね。ただ、私はキャッチャーなのでピッチャーとのコミュニケーションが不可欠。対面で会う機会が減ったので、リーグ戦の再開に向けて、LINEでも何でも情報交換は欠かさないようにしました。
若林:コロナ禍では全体練習が制限されてしまって、個人練習だけではモチベーションを維持する難しさも感じました。それでも、日頃から自分で考えて行動できるのがこのチームの強みですし、私は学習院大学野球部のOBが運営している「ディーエーアカデミー」という学外の野球教室に参加しました。
「もっと強い打球を打てるようになりたい」「飛距離も伸ばしたい」という要望に対して、最先端の映像解析技術を用いた指導をしていただきました。おかげで体の使い方が変わり、その成果が今春の優勝にもつながったと思います。
――では、今年のチームについて教えてください。
赤尾:私は入部当初から、同期には自己主張が強い選手が少ないと感じていて、自分たちが最上級生になったら誰が主将になるのかを考えてきました。こうしてたどりついたのが、「誰かに任せるくらいなら自分がチームを引っ張っていきたい」という思い。今はただ「3部優勝・2部昇格」を自分の代で実現させたい一心です。
山下:ちなみに、実は私も主将に立候補しました。キャッチャーとして試合中は選手たちに指示を出す立場にありますし、学年が上がるにつれて責任感も強くなり、「自分がやるべきだ」とも思っていました。ただ、最終的に赤尾が主将になったことはベストだと思っています。
赤尾:私は自分が積極的に声を出して、明るいムードでチームを引っ張っていきたくて、それにみんながついてきてくれている感覚です。ときには山下と若林の2人の副主将がチームの雰囲気を引き締めてくれるので、私は自由にやらせてもらっていますね。
若林:確かに緩むこともあるので締めるべきときは締めますが、そもそも学年関係なく仲がいいチームですし、1年生から4年生まで野球を楽しみながら上達していこうとするチームカラーは今後も守っていきたいですね。
敗戦に学び、ラストチャンスにかける
――秋のラストシーズンに向けた意気込みを聞かせてください。
赤尾:私たちは2年連続で春季3部リーグでの優勝を果たしましたが、いずれも入替戦では負けてしまいました。特に今年は自分が思っていた以上のボールが来て打ち崩すことができず、昨年以上に2部との差を痛感しました。またリーグ戦にしても、3戦目までもつれたときや、リーグ終盤になると疲れが抜けきらないことが多く、自分でもキレの悪さを感じるほどパフォーマンスが低下してしまいました。
ですから、秋に向けては基本に戻って走り込みを行い、初戦から最終戦まで失速しないための体力強化を重視しています。その上で、春に優勝したことで対戦相手も何らかの対策をしてくると思うので、いかに攻略していくかがカギですね。
山下:入替戦ではみんな打てずに負けてしまったので、個人的にもチームとしても打力アップが課題ですね。あとは、キャッチャー目線だと、2部のバッターは甘く入ったボールを打ち損じることが少ないです。3部なら空振りやファールになるボールでも、2部だと強打されてしまいます。
とはいえ、レベルの高いバッターへの攻め方で学べたことは多いですし、入替戦での負けも貴重な経験になりました。落ち着いてピッチャーの強みを引き出すリードができるようになっていますし、なんとしても3部で優勝して2部昇格を実現させたいですね。
若林:確かに2部との差は感じましたが、再び2部に挑戦するためには、まずは気を引き締めて目の前の3部リーグで着実に結果を出し続ける必要がありますし、怪我に注意しながら、今まで以上に活発にコミュニケーションを重ねて、個人としてもチームとしてもレベルアップしていきたいと思います。
赤尾:今のままでは2部のチームに勝てないことがわかったので、チームスローガンである「まだまだの気持ち」を大切にして、これまで以上に緊張感を持って秋季リーグに臨みます。主将としても1人のプレイヤーとしても、チームのために何をすべきかを考えていますし、スタッフを含めた全員がそう思えるチームでありたいですね。
「最高の青春時代」が待っている
―― 最後に、あらためて部の魅力をアピールしてください。
赤尾:私は小学校3年生から小中高大とずっと野球を続けてきて、今が一番野球を楽しめています。厳しく管理された環境で”やらされている”野球ではなく、自発的、自主的、前向きに取り組むことでレベルアップできることもわかったので、「野球が上手くなりたい」という意欲のある方はぜひ入部してほしいです。
山下:自由な時間が多いので、勉強も部活動もプライベートも充実させたい人にも良い環境だと思います。アルバイトもほぼ全員がしていて、私はオンラインで中学生の家庭教師をしています。これは文武両道をモットーとする野球教室の運営企業が展開するサービスのひとつで、運営側からは「野球の話もしてあげて」と言われています。こうした野球に関連したアルバイトもあるので、ぜひ入部して先輩に聞いてみてください。
若林:本当に野球も勉強もアルバイトも全力で取り組める環境なので、10年後、20年後に学生時代を振り返ったときに、「最高の青春時代だった」と周囲に話す自分を想像できます。それくらい学生生活を謳歌できますので、ぜひ硬式野球部に入って、全力で野球に打ち込む楽しさを感じてほしいですね。
なお、選手の募集に関してはキャンパス内での勧誘活動などは行っていないので、現在の高校球児も、最後の夏が終わって次の目標に向かっている受験生も、まずは部のホームページやSNSをチェックしてみてください。
山下:年明けの一般受験を経て入部する選手もいますが、推薦で年内に合格が決まった高校生は早い段階から練習を見学したり、チームとコミュニケーションを取ることができます。気軽に、でも本気で全力で来てほしいですね。
赤尾:私たち3人は2022年度の秋季リーグがラストシーズンとなりますが、これを読んでくれた球児が学習院大学でもうひと花咲かせるもよし、才能を開花させて飛躍するもよし、思う存分に野球を楽しみながら戦国東都を盛り上げてくれることを期待しています。
(赤尾 光さん)
2022年度春季リーグでは打率.404で首位打者に輝いたほか、三振が少ない確実性の高い打撃で3部優勝に貢献。最高殊勲選手(MVP)にも選ばれました。
(山下陸空さん)
高校時代は千葉・成田高校の4番バッターとして、夏の県大会で準優勝。甲子園にはあと一歩でしたが、バッティングでの勝負強さは大学でも存分に発揮されています。
(若林拓さん)
2022年度春季リーグでは打点と本塁打の”2冠王”。体のキレとパンチ力で、キャンパス内にある硬式野球場の外野ネットに突き刺さる強烈な打球を飛ばします。