逆境からの復活劇。2021年度秋季2部リーグで優勝し、1部昇格が決定!~ ホッケー部女子 ~

逆境からの復活劇。2021年度秋季2部リーグで優勝し、1部昇格が決定!~ ホッケー部女子 ~

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学習院大学ホッケー部女子は1996年に創部。2021年度は25年目という節目の年となりました。しかし、人数不足で公式戦に出場できないというかつてない苦境に立ち、関東学生ホッケーリーグで2018年度秋季リーグ以来守ってきた1部から2部へと自動降格してしまいました。そこから1年生を中心に多くの新入部員を迎え入れ、2021年の秋季リーグで奮起。見事に2部優勝と1部昇格を果たしました。大黒柱としてチームを支えた主将の島津さんと、2022年度に主将となる小林さんにお話を聞きました。

島津 由海子さん(2021年度 主将)法学部法学科4年:前列中央左
学習院女子中学校・高校(東京都)では陸上競技部に所属。大学から始めたホッケーではセンターハーフとして活躍し、国体選手にも選出。卒業後は金融機関に就職します。
小林 可奈梨さん(2022年度 主将)経済学部経済学科3年:前列左から2番目
金城学院中学校・高校(愛知県)では硬式テニス部に所属し、中学時代には全国大会にも出場。島津さんと同様に大学でホッケーを始め、ポジションはライトインサイドです。

現在の部員は全員が未経験からホッケーに挑戦

――まずは、お二人の入部のきっかけから教えてください。

島津:私は体験会で味わったホッケーの楽しさと、チームの雰囲気に惹かれて入部を決めました。人数がそこまで多くないため、1年生から4年生まで全員が団結して勝利を目指す一体感が魅力でした。中学高校で打ち込んだ陸上競技は自分自身が頑張れば成り立ちますが、ホッケーはチームスポーツ。仲間と協力して戦うことの難しさを感じつつも学ぶことが多く、人間的にも成長できたと思います。特に4年次には主将となり、どうやって仲間を鼓舞して動かすのか、どうやってチーム内でコミュニケーションを取り、仲間と一緒に目標へと突き進むのかをとことん考えました。

小林:私も体験会でホッケーの楽しさを知って入部しました。中学高校ではテニス部に所属し、ダブルスや団体戦もありましたが、あくまでも個人競技。自分のレベルアップを何よりも重視してきました。仲間と技術面でアドバイスし合うことはありましたが、周囲に気を配るとしてもダブルスでのペアくらいでした。でも、11人で試合をするホッケー部では、常にチーム全体に気を配り、積極的にコミュニケーションを取らないとチームとして機能しません。カギになるのは心と心、メンタル面での支え合いです。ホッケー部では、選手である以前に、人と人との信頼関係の大切さを実感しています。

――技術的に苦労した点はありましたか?

島津:テニスやソフトボールなど、ホッケーのスティックのように道具を振ってボールに当てる競技の経験者は上達が早いと思いますが、多くの人はなかなかボールに当たりません。当たっても強く打てなかったり、パスを受けようにもボールが止まらないんです。体験会は楽しかったのですが、当然難しさも感じました。ただ、それは誰もが通る道。現在の部員は全員が初心者としてホッケーを始めましたし、上級生も1年生が感じる難しさを実体験を通して理解しているからこそ、乗り越えるための的確なアドバイスができます。それに体験会は何回でも参加できるので、少しずつでも着実に「できた!」という喜びを感じていけるんです。

小林:そうやって参加していくことで、チームの雰囲気の良さも感じてもらえると思います。私が入部して本当によかったと思うのは、試合で勝つ喜びはもちろんのこと、学年を越えてかけがえのない仲間と出会えたことです。私は地元の愛知から上京して不安もあった中、ホッケー部の仲間の存在が力になりました。特に島津さんは何でも話せる存在。部活動での技術面やメンタル面のほか、勉強のことからプライベートなことまで、何から何まで相談しました。授業の空き時間などに自主練に付き合ってもらったことも多く、感謝しかありません。

2部優勝、1部昇格に挑んだ2021年

――2021年度は部員集めから大変だったと聞きました。

島津:2021年度は、4月の時点で公式戦に必要な部員数に達しておらず、春のリーグ戦は2部に自動降格してしまいました。しかも、人数が足りないので創部以来初のオープン参加。試合ではOGに助っ人として出場してもらいました。だからこそ、まずはなんとしてでも部員を増やそうと、新歓係の小林さんを中心に全員で部員集めに奔走しました。

――そこからどのようにチームづくりを進めたのですか?

島津:おかげで多くの1年生が入部してくれて、その時点で立てられる一番高い目標として、秋のリーグ戦での2部優勝と1部昇格を掲げました。とはいえ、初心者の1年生にも戦力として試合に出てもらうためには、少しでも上級生との技術の差を埋めなければいけません。そこでまず4月から6月にかけては、徹底的に基礎を身につけてもらおうと、パスを出したり受けたりする練習を繰り返しました。その際、ただ機械的に取り組むのではなく、自分が失敗しやすいポイントやクセなど、一人ひとりが技術的な課題を意識しながら、練習の質を高めることを重視しました。

小林:一方で、2年生以上も1年生への指導を通じて基礎を再確認しました。そして、人数不足で試合形式の練習ができなかった分、オープン参加ではありましたが、春のリーグ戦をフル活用して実戦経験を積みました。1年生が本格的にチームに合流することを見越して、技術面でも戦術面でもしっかりと1年生に教えられるように準備しました。

島津:こうして7月から8月にかけて1年生が上級生に合流し、全学年で実戦を想定した練習ができるようになっていきました。ただ、そのためには戦術の理解も大切ですので、監督がつくってくれた資料をもとに、じっくりと時間をかけて試合におけるセオリーの理解にも励んでもらいました。

――そして、秋のリーグ戦が始まったのですね?

島津:秋のリーグ戦は9月にスタートします。もちろん勝ちたいという気持ちは強かったのですが、決して準備万端とはいえず、チームとしては発達途上といわざるをえませんでした。実際に、初戦の成城大学戦は引き分けに終わり、あらためてチームの課題を痛感しました。2部優勝と1部昇格を目指しているのに、「このままではマズい…、どうしよう…」という空気にもなりました。一方で、試合にはホッケーを初めて約半年の選手が4人出場したのですが、彼女たちの成長を感じられたのも確か。技術的にも精神的にも急成長を遂げた姿に勇気づけられたほどです。

こうして第2戦目の横浜市立大学戦では、自分たちが思い描いた試合運びができてゴールラッシュ。6対0で2021年度の公式戦初勝利を挙げることができました。かといって、優勝決定戦と入れ替え戦への進出を左右する第3戦目の防衛大学校戦に向けて、確固たる自信を持てたわけではなく、実際に試合は60分間では決着がつかず、SO(シュートアウト)戦というサッカーのPK戦と同じ方式で辛勝。なんとか2部優勝と1部昇格を目指せる土俵に上がることができました。

2021年12月5日。1部昇格を懸けた運命の上智大学戦

小林:防衛大学校戦に勝利して迎えた秋季リーグの最終戦は、2部リーグを無敗で勝ち上がってきた津田塾大学との優勝決定戦です。試合は点の取り合いの末、5対3で勝利。一つ目の目標であった2部での優勝が決まりました。でも、もちろんこれで終わりではなく、いよいよ次は1部昇格のための運命の一戦、1部8位の上智大学との入れ替え戦です。

島津:挑戦者として臨む上智大学戦に向けて、私は自分が点を取らなければ勝てないという思いが強く、チャンスになれば迷わずシュートを打とうと心に決めていました。そして、第1クォーターの8分に、ゴール前での混戦から欲しかった先制点をゲット。1点取ると勢いに乗れるチームだけに、いい流れのまま取れるだけ追加点を取ろうと考えました。しかし、さすがの上智大学。1部で鍛えられた攻撃力を前に学習院が反則を犯し、セットプレーから同点弾を許してしまいました。

それでも決して気持ちが切れることはなく、次の1点を取った方が勝つとの思いで、果敢にゴールを目指しました。危ないシーンもあった一方、相手のゴール近くに斬り込んで得点するチャンスもありました。ただ、上智大学の守りも堅く、決め切ることができずに我慢比べ。気持ちと気持ちがぶつかり合う、一進一退の攻防が続きました。

小林:私もチャンスがあれば自分でゴールを決めたいと思いましたが、なかなかシュートチャンスまでは持ち込めませんでした。それでも特に焦ることもなく、普段どおりコミュニケーションを取りながら、試合を進めることができました。それは島津さんも同じで、ハーフタイムでもいつものように冷静。得点チャンスを広げるためのポジショニングの指示などを出してくれました。

島津:かつては私自身も、1部の下位チームとして2部の上位校との入れ替え戦に出場したことがありました。ですから、1部の座を守るために必死になって勝ちにくる上智大学の選手の気持ちも想像できました。私と同じように上智大学の4年生にとっては大学生活で最後の試合ですし、プレー中には気迫を感じました。でも、私たちも負けるわけにはいかなかったんです。

――60分では決着がつかなかった?

島津:結局第4クォーターまで膠着状態が続き、SO戦で勝敗を決めることになりました。泣いても笑ってもこれが最後。5人ずつシュートを打ち、ゴールが多かった方が勝ちです。

小林:全員で円陣を組み、先攻は学習院。1人目の島津さんが落ち着いてゴールを決めてくれました。続いては上智大学のシュート。対する学習院のキーパーは、フィールドプレーヤーからキーパーにコンバートした3年生です。キーパーとしての経験は1年に満たないものの、とても研究熱心で頼れるキーパーです。

続く2人目が私だったのですが、相手のキーパーに弾かれてしまいました。ここまでのいい流れが変わってしまわないかという不安も頭をよぎりましたが、続く上智大学の2人目のシュートもキーパーが防いでくれたんです。

島津:キーパーは60分間、体を張って最少失点に抑え、SO戦でも大活躍でした。学習院は3人目もゴールを決めたのに対して、彼女は3人連続で上智大学のゴールを防ぎ2対0。

こうなると、学習院の4人目が決めれば、その瞬間に3対0となって勝利が決まります。シュートを打つのは2年生。大学入学早々、コロナ禍でのイレギュラーな授業や部活動を余儀なくされながら、がむしゃらに練習してきた後輩です。自らのシュートで1部昇格を決め、2022年につなげてほしい。そんな祈るような思いでした。

涙が物語るチームの一体感

―― 勝利の瞬間のことは覚えていますか?

小林:「これは現実?」「本当に勝ったの?」と、放心状態の一歩手前。わけもわからず涙がこぼれました。

島津:1年生でも嬉し涙を流していた光景が印象深いですね。それだけ頑張った証だと思いますし、1年生から4年生まで、勝ちたいという気持ちはみんな同じだったんだと実感できました。学年が違えばモチベーションや勝ちへの思いに差が出ても仕方ないとも思いますが、私たちは心をひとつにできたんだと、あらためて誇らしく感じました。部員不足の春に入部してくれて、秋のリーグ戦に向けて必死に食らいついてきてくれた1年生に対して、ときには厳しい言葉もかけましたが、今では「ありがとう」のひと言に尽きます。

また、1部に復帰して恩返しがしたいと思っていた監督やコーチから、逆に「ありがとう」と言っていただけたことも、ただただ嬉しかったですね。そして、OGに支えてもらえたからこその1部昇格。もうすぐ私もOGになりますが、苦しかった2021年度のチームを支え、2022年度にはチームの中心になる2年生や3年生をはじめ、卒業後も現役生のために力を尽くしていこうと思っています。

ちなみに、試合後には上智大学の選手とも「おつかれさま」と握手をしました。公式戦や練習試合で何度も対戦し、グラウンド外でも親しく過ごしてきた仲間として、一生忘れることはないと思います。

――最後に小林さんから2022年度に向けた意気込みを聞かせてください。

小林:まずは島津さん、おつかれさまでした!ありがとうございました! 2022年度は私が主将となって1部リーグを戦います。2021年度に島津さんのもとで1年生が急速にレベルアップできたチームづくりのノウハウも活かしながら、仲間同士で足りない部分を補完し合い、助け合って戦えるチームにしたいと思います。そのために、今まで以上に学年を越えて積極的に思ったことを言い合えるチームカラーを目指します。練習でもミーティングでも、普段から活発に意見を出し合っていければ、試合中のスムーズな意思疎通にもつながると思います。

これを読んでくれた新入生のみなさんは、ホッケーの知識や経験がないと不安かもしれませんが、現在の部員は全員が未経験からスタートしています。上級生は大切な後輩のためにあの手この手で全力でサポートしますので、少しでも興味を持ってくれたら、ぜひ飛び込んできてほしいです。後悔させませんから!!

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