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学習院大学水上スキー部は50年以上の歴史があり、2021年度の部員は男女合計で20名でした。水上スキーはレジャーのイメージを持たれがちですが、同部では競技としての水上スキーに取り組み、「スラローム」「トリック」「ジャンプ」という3種目の技を磨いています。全員が初心者からスタートし、練習は週3回。日本一を目標に掲げ、過去にはインカレでの優勝実績もあります。近年も多くの学生が全国大会で健闘し、学習院父母会課外活動等優秀賞・奨励賞などを受賞しています。今回は、2022年度の主将を務める寒河江さんのほか、雨宮さん、保土田さんにお話を聞きました。
「水上を滑る」という未知の感覚
――まずはみなさんの入部のきっかけを教えてください。
寒河江:私は中学高校では野球部でしたが、大学では全く新しいことに挑戦したいと考えていました。新歓期間にはサークルか部活動かで迷いながらも、水上スキー部の先輩に声をかけられて体験会に参加。”水上を滑る”という初めての感覚を知り、今までにない楽しさを感じました。華麗に滑る先輩方を見て「カッコいい!」しか言葉が出ず、憧れも抱きましたし。そして、決め手になったのは「日本一を目指せる」という言葉。自分も上達して日本一になりたいと思いました。
雨宮:私は高校までサッカー部でした。真面目に取り組んできたつもりですが、競技人口は多いですし、プロになるとか全国優勝するというのは、なかなか想像しにくい。ならば、惰性的にサッカーを続けるよりも、新たな一歩を踏み出そうと考えました。そこでまずは体験会に参加。日本一を目指す過程で、人間的にも成長していける期待感を覚え、入部を決めました。
保土田:私は中学高校の6年間、水泳部でアーティスティックスイミングに打ち込みました。ただ、正直なところ不完全燃焼。大学ではサークルではなく部活動に所属して、大きな目標に向かって頑張りたいと考えました。そんなとき、日本一という目標が決して夢物語ではないと感じられたのが水上スキー部でした。ただ、コロナ禍のため春先には体験会が開催されず、夏の終わり頃にようやく体験会に参加して正式に入部しました。
――初心者でも滑れるものですか?
寒河江:スケボーやスノボの経験はありましたが、水上スキーは全くの別物でした。当然、最初は苦戦しましたが、全員が初心者なのでスタートラインは同じ。未経験であることは何のマイナス要素でもありませんし、体験会では上級生が水中で支えてくれて、その日のうちに滑れるようになりました。それがとても嬉しかったので、自分が上級生になってからも、体験会では「できないままでは帰さない」をモットーにしています。
保土田:水上で立つにはバランス感覚が必要ですし、それ以前の水中での待機姿勢も独特ですが、ウェットスーツとライフジャケットを着るので沈みませんし、泳ぎに自信がなくても何も問題はありません。
雨宮:練習を重ねていくと体幹が鍛えられて、普段は使わない筋力がついていきます。正面からだとわかりにくいですが、特に背中の筋肉が鍛えられます。それだけ使うということです。
陸でできないことは水上でもできない
――普段の練習について教えてください。
寒河江:練習は週に3回、江戸川と手賀沼のどちらかで行います。各自がその週のどの3日間で練習したいのか希望を出し、全員分の練習日を調整します。練習場は朝8時から夕方5時まで使えるので、時間割に応じて授業前の午前中か授業後の午後に練習します。
学生ですので、あくまでも授業が優先です。練習中は陸で待機している時間もあるので、いかにその時間を有効活用するかが肝心です。例えば、水上と同じようにロープを持ち、水上での姿勢を再現する練習などをします。「水上だけでは上達しない」「陸でできないことは水上でもできない」という意識での陸上トレーニング、通称”陸トレ”が重要です。
雨宮:水上を滑るための陸トレなので、想像力を働かせます。「それは水上ではできないよね」という動きを練習しても非効率。気持ちは常に水上です。なお1年生は、まずはトリックの板をはいて基礎を身につけます。上級生やコーチの指導を受けながら、初心者用のプログラムに沿って技術を磨きます。
寒河江:また、1年生には湖川限定の二級小型船舶操縦士免許も取得してもらっています。練習時に選手を引っ張るためのボートを部で所有しており、その運転も部員がするからです。そして、このボートの運転もそうですし、仲間が滑る様子を録画するのもみんな部員。練習には部員同士の協力が不可欠です。自分のためだけではなく、仲間のためにも日頃から努力を怠らず、仲間が好成績を残せばともに喜ぶ。結果が振るわなければ自然と自分も悔しい気持ちになる。そんな一体感のあるチームです。
――そうやって絆を深めながら上達していくのですね。
寒河江:他大学の選手から刺激を受けて、技術の向上につながることもあります。例えば、インカレの期間中は他大学と同じ宿泊施設で過ごすことが多く、ライバルと顔なじみになります。そこからさらに親しくなって情報交換することもあり、学べることも多いんです。それも水上スキー部の魅力です。ほかにも、オフシーズンとなる1月から3月の間に海外で経験を積み、レベルアップする部員もいます。
雨宮:そうですね。私は1年次の冬に約1か月間、水上スキーの本場であるアメリカのフロリダ州に行ってきました。現地では当時の世界チャンピオンに教わることができて、貴重な経験になりました。
保土田:私は2年次に初めて生でインカレを見て、「ここで勝つんだ」と、あらためて決意しました。普段から練習で先輩方の技術は見ていたものの、いつも以上にかっこよさを感じましたし、これからも頑張ってついていこうと思えました。
寒河江:私にとっても上級生の存在は大きかったですね。技術面では、原因がわからないスランプの兆候があったときに、的確なアドバイスをもらえたことや、メンタル面でも、なかなか周囲に言い出せず、自分で抱え込んでしまった悩みに気づいて、とことん寄り添ってくれたことがありました。先輩方には何度となく救われてきたので、次は私が後輩のために、そしてチームのために力を尽くしていきたいと思っています。
目指すは「全日本水上スキー選手権大会」男女総合優勝
―― 学業と部活動の両立のために意識していることはありますか?
雨宮:気合いとメリハリです。やるときはやる、休むときはしっかり休むことが大切だと思います。
保土田:私は部活動以外でも自分が好きなことをして、リフレッシュする時間をつくっています。あとは、睡眠の時間もしっかりと確保することですね。
寒河江:大切なのは、目標から逆算してやるべきことを整理して、着実にこなしていく計画性だと思います。その感覚を体で覚えて、うまく噛み合っていくと学生生活全体の充実感が高まります。また、主将として意識しているのは、「凡事徹底」です。「当たり前のことを当たり前にこなしていくことが大切なのだ」と、中学時代の野球部の監督に教わった言葉です。その難しさを痛感しながらも、みんなで”当たり前”を積み上げることで成長して、日本一をつかみ取りたいんです。
―― 日本一に向けた決意は固いですね。
寒河江:目指すは全日本水上スキー選手権大会での男女総合優勝です。ここ数年は優勝から遠ざかっていますが、「昔は強かったけど今は…」といわれたくないですし、なんとかして周りを見返したいですね。
雨宮:2021年度は卒業生の方々が今まで以上に手厚くサポートしてくれて、技術面でもメンタル面でも成長できたので、恩返しのためにも日本一になりたいですね。
寒河江:細かな技術も、優勝するためのメンタル管理も、実戦を想定した練習方法も、経験豊富な卒業生のアドバイスがとても役立ちます。現役の部員が考えるだけでは限界もあるので、自分にはない視点で、自分では気づけない課題を洗い出してもらいたいんです。貪欲に助言を求めて日々の活動で実践していきたいですし、何でも気軽に聞ける環境をつくりたいと思っています。さまざまなアドバイスをいただくかもしれませんが、それに優先順位を考えたり、自分なりに消化していくことが大事なんだと思います。
―― では最後に、新入生へのメッセージをお願いします。
保土田:全力で何かに熱中したい人や、「日本一」という言葉に少しでも心が動かされる人にはオススメです。日本一を目指す経験なんて、そうそうできるものではないと思います。内実を知らないと”キラキラ”したイメージや、ときには”チャラチャラ”したイメージさえ抱かれますが、実際にはとてつもなく早起きの日もあれば、地味な作業が続くこともあります。その中で、日本一に向かって本気で努力する経験自体にも価値があると思うので、少しでも興味があればぜひ入部してほしいですね。
雨宮:大学生活を送っていく際に、自分一人で努力し続けることは、そう簡単なことではないと思います。やりたいことが見つかっていなければなおさらです。その点、水上スキー部は、意欲的で熱意に満ちた上級生や仲間ばかり。周りに押し上げられて、一緒になって熱中できるんです。そうやって変われたのが、まさに私。「頑張りたい!」「優勝したい!」という強い気持ちを持てるようになったのは、水上スキー部に入ったからこそです。
寒河江:大学で何か新しいことに挑戦したい人や、大学で何をしようか迷っている人、もちろん水上スキーに興味がある人も、みなさんとりあえず体験会に来てみてください。絶対に楽しませるんで、期待してください!