学生、卒業生、教職員。すべての人に浸透したスクールモットーが、変化のときにこそ力を発揮-関西学院大学

学生、卒業生、教職員。すべての人に浸透したスクールモットーが、変化のときにこそ力を発揮-関西学院大学

卒業生5000人以上の大規模大学において、実就職率全国1位という高い実績を残した関西学院大学。早期からのキャリア教育に加え、動画による情報発信、AIを用いた相談への回答システムなど、コロナ禍以前からさまざまな施策で納得の就職をサポートしてきた。誰もが経験したことのない状況のなかで成果を上げた2020年度の取り組みについて、キャリアセンターの森隆史センター長と岡本佳子キャリア支援課課長に話を聞いた。

―実就職ランキングが全国1位となりました。その要因をどのように分析されているでしょうか。

 なんと言っても、最大の要因は学生の頑張りです。関西学院大学では、留学や他学部での学び、企業や地域社会での学びなどに挑戦する「ダブルチャレンジ制度」を導入するなど、学生個々が学内外でさまざまな経験を積むことができます。そのなかではときに困難にぶつかり、それを乗り越えるという経験をします。この経験がスクールモットーである「Mastery for Service(奉仕のための練達)」とつながり、成長意欲や社会貢献の精神を育んでいくのです。こういった学生の姿勢に対して企業から高い評価をいただいていることが、就職実績につながっていると考えています。

さらに、職員の支援が高い実績の一因であったことも確かです。私がセンター長に就任したのが、2020年の4月1日です。就任前から未曾有の状況が予測されていたとはいえ、まさに手探りの状況からのスタートとなりました。そのようななかで掲げたのが、「学生を最優先しよう」「1人ひとりの学生の不安に寄り添おう」という方針でした。

岡本 この方針を踏まえ、私たちキャリア支援課では、学生への個別アプローチに注力しました。本学ではキャリアガイダンスやセミナーを行うごとに、参加した学生にアンケートを行っています。ここで不安な気持ちを書いてくれた学生や、質問を寄せてくれた学生に対して、必ず電話をすることにしたのです。電話した回数は、昨年度の1年間で約3万回に上りました。電話で話したうえで、オンラインや対面での個別面談を設定し、さらにじっくりと話し合ったというケースも多いです。

 個々の学生と信頼関係を築けたかは、進路把握率にも現れます。本学の場合、昨年度は5903人の学部卒業生のうち、進路が把握できないのはわずか33人でした。

(左)岡本佳子キャリア支援課課長(右)森隆史センター長

―コロナ禍において、どのような就職支援の取り組みが行われたのでしょうか。

岡本 コロナ禍以前から導入を進めていた、デジタル技術を用いた支援が力を発揮しました。まず動画配信を行う「KGキャリアチャンネル」では、キャリアガイダンスのライブ配信やオンデマンド配信などを行いました。インターンシップやU・Iターンなど、テーマを絞ったコンテンツも配信し、その数は100を越えます。

2018年7月に導入した「KGチャットボット」は、AIが学生からの質問に自動回答するシステムです。約1万8000通りの質問に対応しており、回答率は約90%と非常に精度も高いです。

 企業側の動きとしては、面接や会社説明会をオンラインで行うケースが増えました。そこで、キャリアセンター内に学生向けのテレワークルームを設けました。授業の合間に面接を受ける学生が主に利用したのですが、便利だと好評でした。

岡本 本学は、「後輩のために力になりたい」と言ってくれる卒業生が多いことも特徴です。例年、たくさんの卒業生が学内での説明会などに登壇してくれました。とはいえ、遠隔地の卒業生が関西まで足を運ぶとなると、やはり簡単なことではありません。それが、オンラインミーティングなどが一般化したことにより、卒業生とのオンライン相談会が開催できるようになったのです。学生時代にSR(内定した4年生が後輩をサポートするStudent Reporters)として活躍した方が、卒業してもまた協力してくれて大変心強いです。

―今後のキャリアセンターの展望をお教えください。

岡本 今後の取り組みに関しては、ガイダンスやKGキャリアチャンネルなど、1つひとつのコンテンツのクオリティ向上が重要だと考えています。採用の早期化に対してイベントのスケジュールはどうあるべきなのか、それに向けていつ、どのような情報を発信すべきなのか。そういった議論を常に行っています。私たちの目標は学生に納得の就職活動をしてもらうことであり、ひいては充実した学生生活を送ってもらうことです。そのために、私たち自身は何ができるかをいつも考えています。

 「今の社会で必要なもの」は、すぐに役に立たなくなるという側面を持ちます。大学教育とは、「いつの時代も必要なもの」を提供すべきだと考えます。それはすなわち、リベラルアーツです。私たちはキャリアという側面からリベラルアーツのコンテンツをさらに充実させ、質の高いプログラムを提供していきます。

また、学生が足を運びやすいキャリアセンターにするためには、職員が明るく情熱をもって働くことができる場所であることも大切だと考えています。幸いにもすでにキャリアセンターの職員は、さまざまな取り組みを自らの意思で考案し、実践してくれています。職員もまた、「Mastery for Service」の体現者なのです。この環境をさらに充実したものにしていきたいです。

―高校の先生方と高校生へメッセージをお願いします。

 関西学院大学は性別や年齢、国籍、価値観など、あらゆる背景を越え、誰もが主役になることができる大学です。私たち職員の役割は、みなさんが主役に躍り出られるよう、背中を押すことです。さまざまなプログラム、さまざまなサポートを用意してお待ちしていますので、ぜひ、本学でともに学びましょう。

岡本 関西学院大学は現在では3つのキャンパスを持ち、理系4学部も含めた14学部を有する、多様性に満ちた大学になっています。そこではきっと、みなさんの可能性を開花させてくれる学びや活動、そして友人や教職員に出会えるはずです。今、目標が明確な人はもちろんのこと、まだ目標が定まらず漠然と進学を考えている人にも本学を選んでもらいたいです。みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

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