「学びをつなぐ」教育力養成をめざし文教大学教育学部が生まれ変わる

「学びをつなぐ」教育力養成をめざし文教大学教育学部が生まれ変わる

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文教大学は1969年に私立大学で初めての教員養成を目的とする教育学部を開設した。以来、50年間で10000人以上の教員を輩出するなど、日本の教育界をリードし続けている。 2020年、文教大学は教育学部を再編する。目的は、「0歳から18歳までの教育のつなぎ」という日本の教育の重要課題に応えることだ。このことについて、石川洋子教授、浅野信彦准教授と、卒業生で現在は江東区立みどり幼稚園に勤める中村なつ美さんに聞いた。


学びのつながりを実現する4つの専修

―2020年に教育学部がリニューアルされます。変更点を教えてください。

石川 今までは学校教育課程と心理教育課程という2つの課程に分かれていたのですが、このうちの心理教育課程が発達教育課程に変わります。従来の心理教育課程は児童心理教育コースと幼児心理教育コースという2コース制でしたが、新しくできる発達教育課程は特別支援教育専修、初等連携教育専修、児童心理教育専修、幼児心理教育専修の4つの専修から構成されます。

浅野 幼児教育から小学校教育、そして中学校・高等学校教育へと続く学びについて、カリキュラムのつながりを理解し、子どもの主体性を引き出す教育を実践できる教員の養成が期待されています。また、子どもたちの発達や興味・関心は本当に多様ですから、1人ひとりの違いに対応し、適切な指導ができるような教員の養成が今回の改組のコンセプトです。

中村 私の勤める江東区では、幼稚園、保育所、小学校、中学校が協議会を設け、互いに授業を見学に行く機会があります。幼稚園の教育現場で働く私の立場からも、学びが接続されることの大切さを実感しています。

幼稚園・小学校間の 接続とは

―中学校・高校間の接続や高校・大学間の接続はよく話題に上がりますが、幼稚園・小学校間の接続という課題もあるのですね。

浅野 実は、平成元年の小学校の学習指導要領で生活科という教科が創設されたときに、既に幼児教育と小学校の教育の接続という課題はあったのです。それから30年ほどの研究と実践の積み重ねを経て、今回、新しい学習指導要領で、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として10の方向目標が示され、幼・小接続の重要性がより強調されたという流れがあります。

中村 小学校を見学して印象深かったことがあります。幼稚園で子どもたちが意見を出し合うときには、みんなの前に出て発表をするようにしていました。でも、小学校では自分の席で発表をしますよね。ですから、他の子が発表をするときは集中して聞くために、一度手を止めて発表する子の方に体を向けるという動きが必要になります。それに気が付いてからは、幼稚園でも小学校と同じように、発表をする子の方に体を向ける動きが発生するように授業時の席の配置を変えました。幼稚園の先生が小学校の教育を知り、小学校の先生が幼稚園の教育を知ることで、教育がよりスムーズになるようなことはたくさんあると思います。

―新しい教育学部では、学びの接続を意識させるためにどのような取り組みをしますか。

石川 初等連携教育専修では幼稚園と小学校の両方で実習を行います。机上の勉強だけでなく、生の子どもたちの姿を見ることで学びの接続を実感として持ってくれればと思います。今後はそのような経験を積んだ学生や卒業生たちとも話し合いながら私たち教授陣も学ばせていただきたいと考えています。 中村 私は再編前の教育学部で学びました。小学校教員をめざす学生と情報交換などしていましたが新しい教育学部では学びの接続を専門的に学ぶことができるのでとても良いことだと思います。

浅野 幼稚園と小学校のカリキュラムの接続について、中村さんの勤める江東区は先進的だと思います。ただ、全国を見れば取り組みが進んでいない地域が多い。まずは文教大学の学生たちに伝えることで、将来は卒業生たちが各地の教育現場に伝えてくれればという思いがあります。

—学びの接続の面以外で、変更点はありますか?

浅野 教育の現場では発達に障がいを抱えたお子さんが増えています。そこで、元々学校教育課程にあった特別支援教育専修を発達教育課程に移しました。専修間では相互に専門の科目がとれるなど、様々な交流がもてるようになっています。発達教育課程の中で特別支援教育関係の科目が充実しますので、今まで以上に視野が広く、現場の課題に対応できる教員が育つことを期待しています。

—新しい教育学部には、どんな高校生に来てほしいですか。

石川 教員や保護者など、多様な人間関係の中に身を置くことになりますので、人と関わることが好きという生徒が向いていると思います。あとは、友達の良さを見つけ、自分のことも変えていけるような柔軟性が大切ですね。

浅野 自分がどんな先生になりたいかをぜひ考えておいてほしいです。教科を教えることが得意な先生になりたいのであれば色々な教科の専修がある学校教育課程を勧めます。子どもが好きで、こんな子どもを育てたいという思いがあるのでしたら発達教育課程があります。多様な専修があるので、きっと自分に合うものを見つけられると思います。

中村 教員をめざす高校生にとって、文教大学には親身になってくださる先生がたくさんいますし、専門的な学びを深められる素晴らしい場所だと思います。4年間を満喫して素敵な教員になってください。

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