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教育大学として長い歴史を持つ岐阜聖徳学園大学は、2015年に看護学部を設置した。19年春に卒業した1期生に続いて、20年春に卒業した2期生も看護師国家試験合格率100%を達成。しかも、2期生は保健師国家試験も合格率100%だった。さらに養護教諭採用試験合格者もいるなど、1期生を上回る実績だ。学部開設から早速結果を出している岐阜聖徳学園大学看護学部。その教育について、専任講師の小平由美子先生に聞いた。
1期生から2年連続で看護師国家試験合格率100%を達成
−1期生に続き、2期生も看護師国家試験合格率100%達成したこと、まずはおめでとうございます。国家試験合格率を高めるための取り組みについて教えてください。
ありがとうございます。基本的な教育方針は、1期生から現在まで大きく変えていません。学生一人ひとりに合わせて、全員合格に向けた丁寧な個別対応を重視しています。1年次から国家試験対策の専門委員会で検討した後、担任教員やゼミの教員がアドバイザーとして学生をしっかりと指導します。各学生の個人成績や自己学習状況などを全て表、グラフにして可視化し、学習の達成度を学部全体で把握しながらフォローしています。
−2年連続で高い成果を出していますが、1期生と2期生では何か異なる点はありましたか?
2期生は看護師国家試験のほかに、保健師国家試験も合格率100%を達成しました。また、養護教諭採用試験の合格者もいるなど、1期生からさらに一歩進んだ成果を挙げることができたと思っています。
ただし、2期生が1期生に比べて特別優れていたということではありません。2期生と1期生の大きな違いは、先輩の存在の有無です。2期生が4年生になった19年5月に、社会人となった1期生を大学に招いての講話会を初めて実施しました。これ以降2期生のモチベーションが目に見えて上がり、成績も大きく伸びていきました。こういった講話会は優秀な学生の体験談に終始してしまいがちですが、勉強が思うように進まず伸び悩んだ時期がある学生に、どのように打開し、国家試験合格に辿りついたかということを意図的に多く話してもらったことも効果があったように思います。
教員養成系大学として50年近い歴史を持つ岐阜聖徳学園大学の強み
−4年生は国家試験対策だけではなく、就職活動もあります。こちらの対策はどのように行っていますか?
かつては4年制の大学を出た看護師であれば無条件で就職できた時代もありましたが、今は競争が厳しくなってきています。履歴書や小論文・面接など、きちんと準備しておかなければなりません。看護学部は新しい学部ですが、本学は幸いにして教員養成系大学として50年近い歴史があります。就職試験や公務員試験、教員採用試験対策のノウハウが十分にありますので、一般的なキャリア教育については大学の就職課にお任せしています。おかげさまで我々看護学部の教員陣は専門教育や医療施設への就職に特化したキャリア教育に力を入れることができ、これも本学の強みの1つだと思います。
−実習については、どのような特徴がありますか。
本学では1年生の前期というとても早い時期に実習が始まります。この時期はまだ看護技術が身についていませんので、患者さんとのコミュニケーションを経験するための実習となります。近年はコミュニケーションを苦手とする学生も多いですから、学内でロールプレイングなどの準備をしっかりと行ったうえで実習に向かわせています。
2年生になると、看護技術を用いた本格的な実習が始まります。いよいよ実際の臨床で医療者の一人として活動するわけですから、その前に本学の就職委員会によるマナー講座などを受講します。このように、専門知識や技能と併せて、コミュニケーションや社会人としてのマナーなどを重視している点が本学の実習の特徴といえるかもしれません。
−コロナ禍においての実習はどのように行っていますか。
実習先は医療施設が主ですので、やはりコロナ禍の影響は大きかったです。20年の前期は、病院での実習が全くできませんでした。この間、グループワークや課題などをリモートで行いながら、学内の実習室と模擬患者を活用した実習を行いました。また、やはり実際の臨床で働く医療者の声を聞くことも大切ですので、従来の実習先の協力を得て、医療者にリモートで実習に参加してもらうこともありました。今後も情勢がどう変化するか分かりませんが、他大学と情報共有をしながら教育の質を下げないよう工夫をしていきます。
−看護師の国家資格は短大や専門学校でも取得することができます。大学で学んだ場合とどのような違いがありますか?
大学は看護学という学問を体系的に学ぶことで、ケアに至る思考過程を体得する場だと考えています。医療は日々変化しますから、指示されたことを正しくできるだけでは不十分です。些細なミスが大きな事故に直結する仕事だからこそ、看護師をめざすのであればぜひ大学で思考力を身につけてほしいと思います。
一方、短大や専門学校は技術の修得にかなりの時間を割いています。新卒ながら高い技術をもっていて、即戦力として活躍する人もいるでしょう。4年制大学の卒業生たちには、就職後3年間は焦らずに頑張ってほしいと伝えています。3年間医療現場で働いていれば技術面では自然と追いつきます。それよりも、大学で身につけた思考力は必ず医療者としての強みになるはずです。
−最後に高校の進路指導の先生へメッセージをお願いします。
人の命を預かる仕事ですので、「合格できそうだから」「資格がとれるから」という安易な気持ちで来てほしくないというのが本音です。一方で、高校時代の成績などはさほど問いません。教科科目が苦手で伸び悩んだとしても、本人のやる気さえあれば大学で学び直して立派な医療者になることができるのです。「看護学を本気で学びたい、医療者として頑張りたい」という強い気持ちのある受験生を歓迎します。