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文系4学部が1つのキャンパスで学ぶ成城大学は、全人教育と少人数教育で有名だ。今回は特に経済学部の学びに注目。自由度の高いカリキュラムや、3年間必修のゼミナールなど、学びの特色について経済学部長の小宮路雅博教授にお話を伺った。
経済学部の2つの学科、経済学科、経営学科の学びの具体的な内容については、各学科の中田真佐男教授と増川純一教授からお話を伺った。
Interview 1
経済学部長 小宮路雅博教授
幼稚園から大学まで1つのキャンパスで学ぶ環境
世田谷区成城という街は、新宿から電車でわずか15分の場所にある。この街は閑静な住宅街であると同時に、学校法人成城学園の所在する学園都市という顔もある。成城大学のキャンパスの立地について、経済学部長の小宮路雅博教授は、こう話す。
「成城の街は、はじめに成城学園ができ、通学のための駅ができ、成城という地名がつく、という順番で発展してきました。そうした経緯からか、伝統的に街と学園が一体となるイメージがあります。静かな落ち着いた雰囲気でありながらターミナル駅からのアクセスも良い、この成城の街で4年間学問に打ち込めることは、学生にとってはとても良い大学生活となるのではないでしょうか」
成城学園は幼稚園から大学・大学院まですべてが1つの敷地内に集積している、国内でも珍しい環境だ。大学の4学部11学科の学生が一堂に集うことで、学部の枠を超えた多彩な学びが可能になっている。特に、学園全体として「国際教育」「理数系教育」「情操・教養教育」を教育改革の3本の柱として示しており、それらに関連する科目を全学共通教育科目に多く用意している。
国際教育については、SIEP(成城国際教育プログラム)があり、短期語学研修や地域研究など海外留学の準備となる科目を受講できる。理数系教育については、文系大学ながらいち早くデータサイエンス科目群を整備したことで注目を浴びた。情操・教養教育面では、現代社会の問題解決につながる様々な教養科目を設けているほか、成城の街に関する科目群などユニークなものも多い。
「学生の個性を伸ばすうえで、全員が同じことを等しく学ぶ必要性は全くないと考えています。経済学部では自由設計科目という制度を設けているため、ある程度は専門にとらわれず学生自身の判断で履修科目を選択することができるようになっています。学生の数だけ履修の仕方があるといえる、自由度の高いカリキュラムです」(小宮路教授)
他にも、経済学科と経営学科の枠を超えた学びが可能であることや、医療経済学など他大学ではあまり見られない科目を設置していること、人気の高いマーケティング科目は専任教員の数も多く、充実していることなどがカリキュラムの特徴だ。学生たちの選択肢を広げ、自由な学び方に一役買っている。
2年次からゼミが必修 少人数・双方向の学び
学習・研究の軸となるのは、2年次から始まるゼミナールだ。学生全員がいずれかのゼミナールに所属し、3年間同一教員のもとで体系的に学びを深めている。その活動領域は広く、企業や研究機関と連携した実践的なものや、成城の街に出てフィールドワークを行うものなど、個性あるゼミナールが用意されている。社会イノベーション学部と合同で行うディベート大会や、他大学を交えて研究発表会を行うインターゼミナールなど、経済学部の枠を超えたイベントや交流機会も用意されている。成城大学の学びとゼミナールの関連について、小宮路教授は、こう話す。
「今でこそ少人数・双方向のアクティブ・ラーニングは多くの大学で取り入れていますが、本学は建学の早期から取り組んでいます。大学自体がもともと小規模ですし、普段から教員と学生の距離がとても近いですから、大学の雰囲気とアクティブ・ラーニングの親和性が高いのかもしれませんね」
ゼミナール以外でも、アクティブ・ラーニングの要素を取り入れている科目は多い。必修科目など、経済学部の学生全員が受講する科目についても、同じ講義を複数用意してクラスサイズを小さくするなど、一方通行的な大人数講義となることを避け、学習効率を高める仕組みができている。
コロナ禍においても学生の安全と学ぶ機会を確保
2020年10月現在、新型コロナウイルス感染症は未だに世界で猛威を振るい、大学にも大きな影響を与えている。大学で学ぶ機会は守られているのか、気にしている受験生も多いのではないだろうか。最後に、コロナ禍における成城大学の対応について、小宮路教授に聞いた。
「前期授業はゼミも含め、全て遠隔で実施しました。遠隔授業に対応するためのパソコンやルータなどの機器を希望学生全員に無償で貸し出したほか、図書館文献や資料の自宅への郵送サービスや、経済的に困窮する学生のための応急奨学金の大幅拡充などの対策を行っています。成城学園の同窓会が立ち上がり、学生支援を継続するためのクラウドファンディングも実施しました。今後のことは不透明でなかなか見通せませんが、学生の安全と学ぶ機会の両方を確保するため、我々も最大限の努力をして参ります」
Interview 2
経済学部経済学科主任 中田真佐男教授
―経済学科の特徴を教えてください。
中田 経済学を学びの中心に据えたうえで、近接分野の科目も幅広く履修できることが特徴です。語学や数理系の必修科目を除くと、卒業に必要な単位の最大で約3分の1まで法学部や経営学科の科目で充当できます。例えば、金融のエキスパートを目指す学生は、経済学科の金融論に加え、金融商品取引法などの法律系科目や、企業会計論などの会計系科目を履修することで、より多角的な分析視野を身につけられるのです。
―中田先生のゼミナールではどのようなことを研究しているのですか。
中田 テーマは「決済のキャッシュレス化の進展が経済・社会に及ぼす影響」です。ポイント還元事業などの政府の後押しもあり、日本でもようやくキャッシュレス決済が浸透してきました。ただ、忘れてならないのは、日本では災害(地震・豪雨)が多発しているという事実です。電源と通信網が遮断されればキャッシュレス決済は機能できませんよね。加えて、コロナ禍では、支払時における客・店員の感染リスクにも関心が高まっています。こうした問題意識のもと、ゼミナールの学生とともに、災害やパンデミックに強いキャッシュレス決済のあり方を提言できればと思っています。
実は、紙よりもプラスチックや金属のほうがよりウイルスの残存期間が長いという研究も発表されています。だとすれば、現金がクレジットカードよりも感染リスクが高いとは直ちには言えませんよね? 学生たちには、常に「エビデンス」をベースに議論するように伝えています。
―高等学校の進路指導の先生へメッセージをお願いします。
中田 学生と教員の距離の近さを強みとして、送り出してくださった学生1人ひとりをきめ細かくサポートし、社会をリードするビジネス・パーソンへとしっかり育成していきます。規模はコンパクトですが、多様なバックボーンを持つ学生が1つのキャンパスに集まりますので、互いが良い刺激を受けながら学べることも本学の大きな魅力です。
Interview 3
経済学部経営学科 データサイエンス教育研究センター長 増川純一教授
―経営学科の特徴を教えてください。
増川 経済学と経営学の違いを聞かれることがよくあります。一つの見方として、経済学は分析の枠組みがきちんと決められている一方で研究対象は限定されません。それに対し、経営学は組織のマネジメントという決められた領域について自由な手法で研究できる学問だと思っています。経営学には歴史、金融、会計、情報などいろいろな要素がありますが、本学科ではそれらをバランスよく学べるよう構成されたカリキュラムを用意しています。
―増川先生のゼミナールではどのようなことを研究しているのですか。
増川 テーマは「大規模社会経済データの分析と応用」です。大規模社会経済データは、ビッグデータとも呼ばれています。分かりやすくいうと、表計算ソフトでも開けないような非常に大きいデータのことです。プロスポーツに関するデータ、SNSの書き込みに関するデータ、楽曲の売り上げに関するデータなど、世の中にはたくさんのデータが溢れており、誰でも容易にアクセスできるものもたくさんあります。学生たちは各自の興味に応じてデータを集め、分析をしています。ビッグデータは一目見ただけでは何を示しているのか全く分かりませんが、分析していくうちにその性質が徐々に見えてくるところに面白さがあると感じています。
データサイエンスを扱える人材を求めている企業は多くあります。人材発掘のために自社データを提供してコンテストなどを開催している企業も多く、私のゼミナールの学生も積極的に参加しています。時には高い評価をいただくこともあり、学生達の自信につながっています。
―高等学校の進路指導の先生へメッセージをお願いします。
増川 経営学は自由な手法をとれる学問です。既成の学問の枠組みにとらわれないような、好奇心が強くてアクティブな学生にこそ経営学を学んでもらいたいです。コロナ禍で社会が大きく動揺していますが、そんな社会の動きに軽やかに反応できるような人材を育てられるのが経営学の強さだと思います。