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「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択され、国際的な視野を持つ人材の育成に力を入れる法政大学。グローバル教養学部(GIS)4年の長谷部文香さん(東京都立国際高校出身)は、日本国内にいながらすべての授業を英語で学び、国際ボランティア活動や派遣留学などにも積極的に参加してきた。大学が用意する支援制度をフル活用してさまざまな国際交流活動を経験してきた長谷部さんに、これまでの学生生活の様子を聞いた。
取材・文・松平信恭(大学通信)
ビジネス、文学、国際関係……色々な分野を横断的に学びたい
—法政大学のグローバル教養学部(GIS)を選んだ理由は。
全て英語で行われる授業により英語力を向上できることと、リベラルアーツを学ぶ学部であることが決め手でした。
幼少期からアメリカ人の知り合いと接する機会やJICAの青年海外協力隊で活動していた人と話す機会が多く、海外に興味を持つようになりました。高校時代には交換留学で1年間アメリカに行きました。
国際色豊かな環境で学んだことで、大学でもグロ—バルな環境で学びたいと考えるようになりましたし、さまざまなことに興味があったので、ビジネス、文学、国際関係などを分野横断的に幅広く学べるGISはぴったりでした。スーパーグローバル大学(SGU)としてキャンパス内での国際交流活動が盛んなことや、留学制度の充実度も重視して選びました。
—GISの授業はすべて英語で行われます。入学直後に戸惑うことはありませんでしたか。
日常会話とは使う単語などが異なるので、アカデミックな英語には不安がありました。ただ、1年生の基礎のコースでアカデミック・ライティングや英語の論文の読み方を学ぶ授業が必修だったので、英語での論文やレポートの書き方は入学後にしっかり学ぶことができました。こうしたサポート体制は非常に充実しています。
—GISの授業の特徴は。
少人数なので、講義よりもディスカッションスタイルの授業が多いです。印象的だったのは環境に関する授業で、大気汚染や海洋保護、ごみ問題など幅広いテーマを、ディスカッションしながら学びました。外国籍の先生だったので海外の事情なども学べて面白かったです。
—グローバルな課外活動にも積極的に参加しているそうですね。
毎年5月中旬に開催される国際交流のイベントである「法政グローバルデイ」で企画、運営を行ってきました。当日は学生企画や有識者のパネルディスカッションなどが実施されるのですが、私は学内の留学生と交流できる国際交流のブースを担当しました。
その他にも、法政大学に来る派遣留学生の空港での出迎えや、短期語学留学生への日本語授業のサポートなど、学内での国際ボランティア活動にも積極的に参加しました。グローバル教育センターのホームページは常にチェックしていて、興味のある募集があればすぐに応募していました。考え方の異なる外国の人とのコミュニケーションは面白く、そういった人と関わりたいという気持ちを原動力にさまざまな体験ができました。
多様な生活様式や文化を現地住民との交流で実感
—留学についてはいかがですか。
派遣留学制度を利用して、タイのタマサート大学に半年間留学しました。大学では東南アジアの政治、経済、都市化に関する授業や、タイの文化、社会、ダンスについて学ぶ授業を受けました。
なかでもタイ社会に関するグループプロジェクトで、タイのジェンダーに関する調査を行ったのが印象に残っています。タイ人、韓国人、スイス人、ブルガリア人、ドイツ人のメンバーでインタビューなどの調査を行い、最終的にプレゼンを行いました。タイはジェンダーに対して多様な考えを持つ人が多く、私の視野も広がりました。
—大学以外では現地でどのように過ごしていましたか。
法政大学の先輩が立ち上げたタイ日本人学生会のイベントに参加して、スラムの図書館でボランティア活動を行いました。東南アジアについて学んでいたので、宗教や言語による雰囲気の違いを見てみたくて、タイ国内や東南アジア各国を歩き回ることもしました。留学生の友人や大学のバディ制度でペアになったタイ人の学生といろいろな場所に出向いて、現地の人と交流しました。タイは時間のとらえ方が日本と大きく違っていて、ゆとりを持って行動する人が多いのは面白いところでした。
—留学にかかった費用は。
東南アジアを回った旅費を除くと50万円くらいです。現地での授業料負担はありません。アジアへの半期留学なので大学からは奨学金として35万円の給付がありました(※)。奨学金がしっかり出ますし、全世界の協定校から留学先を選べる良い制度だと思います。
—多くの選択肢の中からタイを留学先に選んだのはなぜですか。
高校時代にアメリカへ留学した時に自分がアジア人であることを実感し、アジアに関心を抱くようになりました。だからこそ大学では非英語圏に、できればアジア圏に留学したいと考えていました。
海外といえば英語のイメージが強いですし、私も以前は英語圏の文化に興味を持っていました。でも実際は法政大学にもアジア系の留学生が多く、タイに行ってさまざまな人と関わる中で、多種多様な生活様式や文化を実感しました。世界は多様性であふれていて、英語圏がすべてではないことに気づけたことで、世界が大きく広がったと感じています。
—今後の目標は。
大学で学ぶ中で教育への関心が高まり、いまは小堀真知子准教授の言語教育のゼミで学んでいます。また、並行して教職課程も履修しています。卒業後は一度民間企業で社会経験を積んでから、教員として子どもたちに英語や世界のことを教えたり、青年海外協力隊の教育分野の活動に関わったりするなど、教育の面で世界とつながる活動をしていきたいです。
—法政大学はどんな大学ですか。
やりたいと思ったことができる大学です。私自身、やりたかった国際交流の機会を大学から何度ももらいましたし、国際的な活動をしたい人にはオススメの大学です。
※留学先や留学期間などにより奨学金の支給額は異なる。