農業から環境まで幅広い「実学教育」を展開

農業から環境まで幅広い「実学教育」を展開

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1933年、雪印メグミルクの母体となる北海道酪農義塾を創設し、のちの酪農学園大学を築いた黒澤酉蔵。酉蔵が唱えた建学の精神「健土健民」を受け継ぎ、現在に至るまで実学教育のDNAが引き継がれている。

酪農学園大学のキャンパス(135ha)の特長と言えばまずその広さである。札幌から電車で約13分の近さにあるキャンパスはディズニーランド、ディズニシー、USJがすっぽりと入る。キャンパスには牛舎、附属動物医療センター、食品加工のための実習室など農業教育に必要な施設が配置されている。学生の5割は本州出身者。特に獣医に関しては8割が本州出身者で全国各地に同じ志を持った友だちができる。学内には路線バスが通り交通の便も良い。また「学生寮(男女)」が完備され、周囲は自然豊かで静寂な環境が整っており自分を見つめ直すことができる。

一、全国の大学で初めてドローンを使った農作物の生育調査を実施

6枚羽の大型ドローン。

環境共生学類では全国の大学で初めてドローン(当時は無人小型機と呼んでいた)を導入し、牧草や畑作地帯で生育データを収集し、農業分野に対する活用方法を研究している。広い畑の生育状況を空から赤外線デジタルカメラを使って植物が反射する光の波長を解析。短時間でデータを収集することができる。

キャンパスは住宅密集地域外であるためドローンの飛行が可能。学生が実際に操縦をマスターすることができる環境が整っているため、社会に出た時、即戦力となりうる。

二、東アジア初米国デジタルグローブ社と提携し人工衛星画像を活用

ドローンばかりではない。2016年には東アジアの大学で初めてニュース映像などで知られる米国デジタルグローブ社の解像度の高い人工衛星画像を無償で利用することが可能になった。

さらに人工衛星を利用した衛星利用測位(GPS)を使った野生動物の行動解析研究も盛ん。ヒグマやエゾシカに代表される野生動物による農業被害は北海道だけではなく全国の自治体が頭を抱える問題。エゾシカの首にGPS首輪を装着し行動データを大学のサーバーに集約し行動を調べる。集められたデータを地図上に表示し、ハンターはエゾシカが集中している場所をピンポイントで探し出して駆除することが可能。装着する首輪の小型化も日々研究されており、動物ばかりではなく人間の行動解析など公共分野での活用も期待される。

野付風蓮道立自然公園走古丹において冬を越すエゾシカ。

三、大学オリジナルワインの醸造

食と健康学類では、地元の農産物を使い、微生物のもつ機能を活用して食品を製造する研究を行っており、2015年度から、発酵学を学ぶ学生への教育、発酵現象の研究を目的として、学内で育てたブドウや酵母を使ったワイン作りに向けて試験醸造を開始した。

2016年度にはオリジナルワイン第1号が完成し、包括連携協定に基づき北海道ワイン株式会社より販売した。

2019酪農学園大学ワイン。ワインラベルの文字やイラストは学生のオリジナルデザイン。

現在は本学学生による「酪農学園大学オリジナルワインプロジェクト」(通称:ROWP)が、主体となって取り組んでいる。昨年度からは、砂川市に農園を持つOBの農場を共同管理したり、ワインラベルの文字やイラストも学生のオリジナルデザインへと一新したり、新たな品種のブドウを植栽したり、学生たちの活動は年々規模が拡大している。大学で栽培されたブドウを100%使ったオリジナルワインの醸造を目指し、まい進を続けている。

四、診療の数の多さが現場に強い獣医師を作る

キャンパス内に設置されている附属動物医療センターの総診療件数は、年間3万件以上(2018年度)。

犬や猫などの伴侶動物は約2万件で、酪農王国・北海道らしく牛や馬などの生産動物は約1万件にも上る。医療センターには、CTやMRIなど最新設備が配置され、幅広い動物診療を体験しながら獣医臨床分野教育と学術研究を実施している。また、施設規模は日本国内の獣医師養成大学の中で最大規模を誇る。ここは、動物診療はもとより、動物の疾病予防・健康増進等の指導、獣医師の卒業後教育、地域社会の動物愛護運動の啓発・協力などに積極的に取り組む獣医療の拠点となっている。

附属動物医療センターの伴侶動物エリアにて、処置室で対応する獣医学類の学生。

五、家畜人工授精師の資格が取得できる動物看護師になれる

酪農学園大学の獣医保健看護学類では、動物看護系の学科として全国で唯一、家畜(牛)人工授精師の資格が取得できる。ペットの診療補助・栄養指導だけでなく、牛の授精業務、繁殖検査補助、手術の助手といった業務を行う事で仕事の幅も増え、安定した収入を得ることができるようになる。これもキャンパス内で180頭余りの牛を飼育している酪農学園大学ならではの実践的な学びの特長である。

酪農生産ステーションにて、講義を受ける獣医保健看護学類の学生。

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