学習院大学 国際社会科学部│伝統の少人数教育で取り組む、丁寧なグローバル人材づくり

学習院大学 国際社会科学部│伝統の少人数教育で取り組む、丁寧なグローバル人材づくり

学習院大学で2016年に新設された国際社会科学部では来春第1期生の卒業が控えているが、就職活動では早くも高い実績を上げつつあるという声が聞こえてきた。グローバル系の学部が人気を集めるなか、国際的なビジネスの場で必要な実践力を養うという同学部の学びとはどのようなものなのか、いま改めてその詳細に迫りたい。

TEXT:ユニヴプレス編集部

グローバル系学部、どんな特色で選ぶ?

グローバル社会が到来し、押し寄せる国際化の波に適応可能な人材の育成が急務となっている。問題を発見し解決する能力、国際経済・社会に関する幅広い見識、そして高いコミュニケーション能力。こうした素養をもつ人材の育成に向けて、多くの大学機関が積極的に国際系の学部・学科の設置に尽力してきた。この動きの始まりは2000年ごろに遡るものであり、編集部でもそういった学部や教育観は数多く取り上げてきた。

今回紹介する学習院大学・国際社会科学部は、2016年の設立であり、国内のグローバル系学部で生じた様々な不具合が解消され、ある意味練りに練られたグローバル系学部の最終進化形と言っていいだろう。そうした状況のなかで、学習院大学はどのような特色をうち出してきたのだろうか。

グローバル系学部は帰国子女仕様も多い!?

まず、グローバル系学部と切っても切り離せないのが語学力だ。第2、第3外国語の選択肢の幅もさることながら、何はともあれ英語力は必須。留学の必修化や、ネイティブによりオールイングリッシュで行われる授業が盛りだくさん、という大学は多い。

ところが、学生に求める英語水準の “スタートライン” が高すぎる大学もしばしば見受けられる。明らかに帰国子女レベルの英語力がないと授業についていけず、「ここの授業は “純ジャパ” の学生にはキツイ」というリアルな声が聞かれる大学もある。

もちろん最終的にはそのレベルに達することが目標なのは言うまでもないが、英語が得意な子がせっかく合格を勝ち取っても、高校までに身につく英語の素養と帰国子女との落差に気づいて、入学後に自信を喪失、するだけではなく向学心まで失ってしまうという事例は珍しくない。

“普通の学生”を丁寧な英語教育でグローバル人材へ

学習院大学 国際社会科学部では単に英語を話せるようにするためではなく、社会科学を学び、国際的なビジネスの場で活躍する“手段”としての英語教育に重きを置いている。入学時に十分な英語力がある学生ばかりではないことを考慮し、きちんと「読む・書く・話す・聞く」の4技能の習得に十分時間をかけて、難易度を徐々に高めていくカリキュラム構成になっているのが特徴的だ。

社会科学分野の授業は日本語で学ぶところからスタートし、2年目以降は英語による授業で専門性を深めていく。つまり帰国子女ではない“普通”の大学生を、“丁寧”な英語教育で伸ばしてくれるのだ。

「日本の高校までの英語教育では、英語そのものを“学ぶ”ことが重視されますが、国際社会科学部の英語教育は、英語を“使う”ことに重きを置いています。1年次のうちは月曜から金曜まで4技能を鍛える授業が6コマあります。いずれも1クラス20人の少人数制で課題もそれなりに多いので、毎日かなり英語を“使う”ことになるのではないでしょうか。

また “Moodle(ムードル)”というオンラインの授業管理システムを使用して、スライドやワークシートの取得、課題提出などもオンラインで行うので、学生の学習状況をこちらも細かく把握することができます」(入江恵教授)

また同学部では4週間以上の海外研修が必須とされているが、大学や学部が研修先を用意するのではなく、学生自らが探すというやり方が採られているのも特徴的だ。ひとりひとりが「どこの国のどの大学で何を学ぶか」を自分で考えて決断し、保護者や大学側に説明・申請する。

学生の自己決定と自主性を重視するこの方針も、将来に向けたリーダーシップや課題設定・解決能力の形成に、大きく寄与している。時にこうした厳しい経験を積むことで学生は飛躍的に成長し、視野を大きく広げて帰国するのだと入江教授は言う。

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ビジネスに必要な専門分野を英語で学ぶ

もちろん英語によるコミュニケーション能力はグローバル人材としての最低限の条件であり、そこにさまざまな専門分野の深い見識を持つことが期待される。独自の見識やデータ分析にもとづいて論理を構成し、課題発見・問題解決ができる能力は、国際的なビジネスの現場でもっとも強く求められる素養と言える。

学習院大学 国際社会科学部では、専門分野の教育と英語教育を3年次から統合することを目標に、1年次は日本語で専門分野の学びを提供。そして上述の通り英語力を同時進行で伸ばしながら2年次に社会科学と英語教育をブリッジ科目と呼ばれる橋渡しする授業でドッキングさせていき、3年次から高度な英語を使った専門教育を実施する。

英語教育と専門教育ともに段階を踏むカリキュラム構成としているため、学生も戸惑うことなく高度な内容を英語で学ぶ授業に移行していけるのだ。

専門教育は法学・経済学・経営学・地域研究・社会学の5つの社会科学分野から、マーケティング、ミクロ経済学、国際開発論ーーなど幅広い学びを提供する。

企業ニーズも高いこれらの専門知識をしっかりと身につけることは、グローバルビジネスで活躍するための素地の形成にもつながっており、2019年夏現在、同学部の第1期生の就職活動状況はまだ集計段階にあるものの、「外資系企業やIT、コンサルティングファームなどを中心に早くも高い実績をあげています(入江恵教授)。

学習院ブランドに対する圧倒的期待感

学習院大学が学部を新設するのは、実に52年ぶりのこと。少子化による総受験人口の縮小や、定員厳格化の影響を受けながらも、かなり高い水準で受験者数をキープしている。これはグローバル系学部に対する人気の高まりだけではなく、受験生や保護者からの学習院ブランドに対する信頼感によってもたらされた部分も大きいだろう。

長い歴史と伝統が生んだ品格ある校風で知られており、きめ細かい少人数教育や面倒見の良さには古くから定評がある。また「目白駅徒歩30秒」という都内の大学でも屈指の好アクセスの立地にありながら、自然豊かで(広い森があり、水辺があり、そこに鳥たちも集う)緑あふれるキャンパスというのはなかなか他大学では比肩するものがない好環境だ。

 

都内の一等地から30秒という立地にも関わらず大きな森、水辺、そこに集う様々な生物も集まる充実した環境

使える英語力と高い専門分野の学びが身につく、丁寧な教育と段階的なカリキュラム。満を持して学習院大学が独自コンセプトで輩出するグローバル人材の活躍の様子は、近い将来さまざまな国際ビジネスの現場から届いてくることだろう。

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