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4年制大学全入時代にあって、なんだか存在感が薄まりつつある短期大学。
しかしそんななか、毎年日本各地から学生を集めているのが、北海道にある拓殖大学北海道短期大学だ。
多くの地元大学・短大、専門学校と天秤にかけて選ばれるその秘密とはーー?
取材:東久世 克樹(ユニヴプレス編集部)
「4年制大学への編入支援」にフォーカス!
いまや短大は斜陽の時代だ。在学期間・専門性・授業料……その適度な “ほどほど感” で、短大はもともと進学の選択肢が少なく、地元志向が強い地方の女子学生の受け皿として機能してきた。しかし、時は流れて大学全入時代が到来。誰もが4年制大学に入学しやすくなった影響もあって、短大への進学率は全国的に減ってきている。こうした事情を背景に4年制大学に転換したり、なかには学生の募集停止に踏み切る短大まで出てきた。
そんななか、「4年制大学への編入実績100%」という驚きの数字を打ち出しているのが拓殖大学北海道短期大学だ。ほかの多くの短大が注力している「資格取得支援」「就職支援」という従来のコンテンツはもちろん、ここでは「4年制大学への進学支援」という “新サービス“ を打ち出して、その実績が年々上がってきているのだとか。なぜ短大から4年制大学を目指すのか? そして大学全入時代における、これからの短大の存在価値とは? 同短大の事例を通して、あらためて考えてみたい。
短大から編入~難関大へとグレードアップするための秘策
まずは拓殖大学北海道短期大学の編入実績について、もう少し詳しく見てみよう。
「いちばん進学率の高い農学ビジネス学科・地域振興ビジネスコースでは、全学年のうち約8割の学生が4年制大学に編入していますね」と話すのは、拓殖大学北海道短期大学 学務学生課長の内山直紀さん。
つまりここでは、学科によっては進学しないほうが少数派ーーという、短大としてはかなりめずらしい校風なのだ。
その進学先に目を向けると、母体を同じくする拓殖大学には希望者の100%が学長推薦編入を果たしているほか、首都圏の東京経済大学をはじめ、北は北海学園大学から南は沖縄国際大学などの有名私立大学、さらには環境農学コースからは、新潟大学や弘前大学や島根大学など国公立大学の名前まであがっている。
一般入試でもハードルが高い大学が編入実績に名を連ねているというのは、正直言ってかなり意外だった。
こう言っては失礼かもしれないが、学歴としては大きくステップアップした印象さえある。
もっとも多くの学生が進学を希望する拓殖大学へは学長推薦による3年次編入が可能だが、進学先は商学部・政経学部・国際学部の3学部といずれも人気の高い学部ばかり。しかも拓殖大学は定員厳格化の影響で近年は難易度が上がっているため、「拓大進学率100%」のインパクトはかなり強烈だ。
拓殖大学以外の進学先では、ほかに提携校および指定校大学への推薦編入という選択肢も存在する。そしてその他の大学に一般編入を希望する学生に対しては、対策講座や小論文のアドバイスのほか、面接指導など予備校なみの充実したサポートが用意されているそうだ。こうした手厚い支援体制を背景に、学生たちの学習意欲は軒並み高いと内山さんは話す。その点では「進学」という同じ目的をもつ仲間に恵まれやすいので、個々のモチベーションを維持するうえでずいぶん心強いと言えるのではないだろうか。
必要だったのは、遅れを取り戻す2年の準備期間
「だったら、最初から4年制大学に行けばいいのに」ーーきっと、多くの“合理的”な人はそう感じるはずだ。でも、そこに拓殖大学北海道短期大学が支持されている理由があるのではないだろうか。入学定員厳正化、大学入試改革等大学受験を取り巻く環境は厳しくなる一方だ。さらに受験までに成績を十分に伸ばすことができなかった、やりたいこともなく進路を決められないまま高3を迎えてしまった、という高校生は実際多い。ほかにも短大や専門学校はいいけど4年制大学は無理、など経済的な事情を抱えた学生もいるだろう。それなのに彼らは受験というレールの上で、ゆっくり立ち止まって考えることを許されない。その時点の学力で合格可能な大学・短大に進学する、或いは専門学校へ・・・と型にはめられ進路を決定させられてしまう。
果たして無理矢理時間で区切って進路を決めさせることが未来ある高校生にとってよいことなのだろうか。
「生徒さんは、ご家庭ごとにいろんな事情を抱えていると思います。だからうちでは2年後の就職も応援するのと同様に、4年制大学への編入も全力で支援したいと考えているのです」(内山さん)
さまざまな事情で進むべき方向に迷っている学生の思いをすくい上げ、2年間の準備期間と必要なサポートを提供したいーーそしてそんな「居場所」があることが、どれほど悩める学生を勇気づけ、前向きにさせてくれることだろう。人生で進むべき方向をじっくりと考える。編入に向けて学業に専念する。授業の傍らでアルバイトに励んで学費を貯める。何に打ち込むにしてもこの短大で過ごせる2年間は、その後の人生で飛躍するための貴重な助走期間となるはずだ。
豊かな自然と好アクセスが両立、心身共に充実する
そんな編入支援体制に魅力を感じる学生は多く、同短期大学では全国各地遠くは沖縄、ときには海外からも志願者が集まるという。とはいえ、所在地は北海道深川市。控えめに言って北海道内でも知名度の低い都市にあるという立地条件は、ちょっと心理的なハードルが高い。
「確かに札幌、函館、旭川は知ってるけど深川ってどこ? って感じですよね(笑)。深川市は自然豊かな米どころで人口2万人の小さな街ですが、意外とアクセスがいいんです。札幌までは電車で1時間圏内なので、買い物にも道内の観光にも利便がいいんですよ。受験生本人や保護者の方にはキャンパスの雰囲気や学生・教職員の日常のありのままの様子をみていただきますが、学校見学に来られたみなさんは、ほぼ100%入学を希望されますね」(内山さん)
北海道では札幌に次ぐ中核都市である旭川までは、深川駅を起点にして電車で19分と近く、旭川駅前にはビジネス街と繁華街、そして大規模なショッピングモールも備わっている。学業や思索に向いた静かで自然豊かな環境(つまり物価や家賃も安い)をベースに、ちょっと足を伸ばせば便利で賑やかな都会にアクセスできるという環境は、“いいとこ取り” で学生生活にはバランスがちょうどいいのかもしれない。
「道外からいらっしゃる学生さんも多いので、時にはアパート先の案内まで我が子のように面倒を見てますね。それに本学に興味があるという受験生がいれば、私も含めて教職員が全国どこへでも説明しにいきますよ。うちの人間は、基本的にみんな世話焼きなんです(笑)。」(内山さん)
事実、内山さんは北海道から沖縄まで学校説明に出向いているんだとか。手厚い編入サポートと、暮らしやすい生活環境。いずれも拓殖大学北海道短大の魅力には違いないが、じつは最大の魅力は大らかであたたかい“中の人”の存在なのかもしれない。
内山直紀氏は北海道男子らしく多趣味。大型バイクによるツーリング、キャンプ、ガーデニング、家庭菜園・・・最近はウクレレに親しむ。「アロハマインドは北海道もハワイも通じるところを感じますね(笑)」