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卒業生5000人以上の大規模大学で実就職率No.1という実績を誇る関西学院大学。その強さに迫るシリーズの最終回である今回のテーマは、「理工学部SGUインターナショナルプログラム」をはじめとした理系におけるグローバル人材の育成プログラム。9学科を擁する理工学部は、質の高い研究とそれを支える充実した環境が社会から高い評価を受けている。そして近年力を入れているのが、海外留学プログラムをはじめとしたグローバル人材の育成だ。理工学部ではどのような取り組みが展開され、学生たちをどのような成長に導いているのか。自身の研究室でも海外からの留学生を受け入れ、多国籍な学びの場を実現している藤原明比古教授に伺った
理工学部における理系グローバル人材の育成
留学先では理系トピックを用いて英語を学習
関西学院における理系グローバル人材育成の取り組みは、大きく分けて3つあります。1つ目は、学生を海外へ送り出すプログラム。夏休みや春休みに実施される短期留学のことです。2つ目は学生を理工学部のある神戸三田キャンパスで鍛えるプログラムで、英語教育のプログラムのことです。
この2つは、「理工学部SGUインターナショナルプログラム」と呼ばれています。そして3つ目は、学生を海外から迎え入れるプログラムです。アジアの学生に日本人学生との科学・文化交流を通して兵庫県の先端科学技術や教育、文化に対する理解を深めてもらうことを目的としており、日本科学技術振興機構が企画する「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」に採択されている取り組みです。
特長的なのは、プログラムの内容が理工学部での学びにマッチするように独自開発されていることです。例えば学生を海外に送り出すプログラムでは、現地の海で生息生物の観察や採取といった実験を行うものがあります。また、カリフォルニアで実施される語学研修では、「English for Technology Program」という理系トピックを用いながら英語を学ぶことができます。さらに、現地のラボやハイテク産業の見学ツアーも組み込まれています。
神戸三田キャンパスで行っている英語教育プログラムでは、理系のために独自作成した教材を使用。高度な学術論文を読んだり国際学会で発表するための英語力を養います。英語教育は専攻分野別に少人数で週3回実施されており、ネイティブ教員の比率が高いことも特長です。
理系学生が参加しやすい期間・内容に設定
このようなプログラムが開発された経緯ですが、もともとSGU(スーパーグローバル大学)というのは国の施策で、大学におけるグローバル人材の育成に向けた教育を加速させようという狙いがありました。関西学院大学もSGUに採択され、さまざまな取り組みを行っていました。
また、2014年に関西学院大学が創立125周年を迎えた際、「Be a World Citizen」というスローガンが掲げられ、グローバル人材の育成はさらに加速しました。こういった流れのなかで理工学部もプログラムを開発していったのですが、課題も浮かび上がりました。それは、理系の学生にとって長期の留学は非常にハードルが高いというものです。
大学における理系の学びは、文系以上に1年次から学年ごとに積み上げていくスタイルになっています。科目間の連続性が強く、途中を飛ばしてしまうことが難しい。そのため、半年や1年といった長期にわたって大学から離れることはなかなかできないのです。そこで開発したのが、春休みや夏休みを使った留学プログラムです。
現在実施しているものでは、短いもので約1週間、長いもので約4週間となっています。この結果、大学での学びを継続させながら海外を体験したいという2つの目標を両立させることが可能になっています。
学内にいながらにしてグローバルな環境を体験
アジア各国から学生を受け入れる「さくらサイエンスプラン」も、本学の学生にとって大きな成長の機会になっています。本学理工学部は、研究設備の充実ぶりに定評があります。また、兵庫県はスーパーコンピューター「京」を擁する理化学研究所や世界最高性能の大型放射光施設「SPring-8」など、先端的な研究施設が集積しています。それらの環境を求めて、本学理工学部には多数の外国人学生が在籍しています。
その結果、研究室によっては“公用語”が英語になっているのです。日常会話はもちろん英語ですし、発表なども英語で行っています。英語の授業を担当する教員にネイティブが多いこともあいまって、学部全体が「英語を使わざるを得ない環境」だと言えます。
また、外国人学生のなかに敬虔なイスラム教徒もおり、1日複数回の礼拝や断食など、特有の文化にのっとって生活している学生もいます。そういった学生と日常的に接することで、異文化を理解し、多様性を身につけることができます。
これらは、社会に出て働くようになるとごく一般的なことになるはずです。さくらサイエンスプランのおかげで、在学中から社会人生活を疑似体験できるのです。このことは、学生を採用する企業にとっても大きな魅力になっていると思います。
さくらサイエンスプランは次世代を担う若者の交流を促進する場という側面も持っています。ここで活躍するのが海外プログラムに参加した学生たちです。本学学生は外国人学生が日本に滞在する期間中、キャンパス内や日本を案内するなど“おもてなし役”を務めます。このことで、海外で身につけた語学力を帰国後も継続して磨くことができます。
また、慣れない海外で学ぶという苦労を知っているからこそ、外国人学生をサポートするという流れが自然発生的にできています。国という垣根を越えて困っている人、苦労している人を支えるというのは、まさに本学が目指す「Be a World Citizen」だと思います。
企業から評価の高い「アウェイチャレンジ」
留学経験は、就職に関しても学生を後押しする大きな強みになっていると思います。研究室からの推薦で就職が決まるようにイメージされがちな理系の学生ですが、近年は文系学生と同様にしっかりとした自己分析や自己PRが求められるようになっています。その点、理工学部SGUインターナショナルプログラムで学んだ経験は格好のPR材料になります。
本プログラムでは語学はもちろんのこと、異文化への理解、多様性や柔軟性、困難にチャレンジする精神など、さまざまな力を養うことができます。本学では留学をはじめとした国際的な活動、所属する学部以外での学び、ボランティア活動など社会を舞台とした学びといった「アウェイチャレンジ」を推奨しています。
アウェイチャレンジは「人間の幅」を広げる活動とも言えます。そういった経験は、社会人になったときに大きな力になるはず。企業からもその点を評価いただいているように思います。
進路については、本学理工学部では約4割の学生が大学院に進学します。この割合を更に引き上げたいと考えています。企業が求めるのは、課題を自ら見つけ、目標を設定してそこに到達する道のりを自分で組み立てることができる人材です。
この力をつけるためには、学部での研究活動に加えて2年間の大学院での活動が役立ちます。卒業生の入社後の配属などをみていても、研究職や開発職に就く確率は大学院を修了した学生のほうが高いように思います。企業からのニーズに応えるという意味と、学生が希望する職業に就くことができるという両方の意味から、大学院への進学を後押ししていきたいと考えています。
静かな環境で研究に打ち込むことができる神戸三田キャンパス
理工学部は郊外型の神戸三田キャンパスにあります。周辺も含めて静かな環境で、ゆったりと学ぶことができるキャンパスは、集中して研究に打ち込むにはもってこいの場所だと言えます。教職員と学生の距離が近く、研究や進路のことなど、何でも気軽に相談できるのも特色ですが、校舎をはじめとしたキャンパスのつくりは西宮上ケ原キャンパスと変わりません。
そして何より、スクールモットーである“Mastery for Service”をしっかりと共有しています。学生も教職員も、誰もが「社会に貢献するために、自分を成長させていこう」という意識を持っているのです。この精神にのっとって社会で活躍している先輩の実績が「関西学院大学の卒業生なら大丈夫」という企業からの評価につながり、高い就職率につながっているという本学ならではの現象は、理工学部にも当てはまっています。
今後は、私たち理工学部教員と進路支援を専門に行うキャリアセンターとの連携を、より密接にしていきたいです。企業が求める人材像や推薦の状況などをしっかりと共有し、それらを反映した学びへと落とし込んでいく考えです。また、教員同士や職員同士での海外の大学との交流をさらに深めていき、それを足がかりにして新たな留学プログラムを開発していこうと考えています。
学生インタビュー①
約1週間の留学で英語力は確実にアップ。勉強へのモチベーションも高まった
理工学部 先進エネルギーナノ工学科 4年
見方尚輝さん(関西学院大学大学院進学予定)
将来は多国籍企業で研究職に就くことを目指しています。となると、仕事に英語は必須。学生のうちに海外を経験し、英語力を磨いたり異文化と触れ合っておきたいという思いから理工学部SGUインターナショナルプログラムに参加しました。
私が参加したのは、インドネシア・ジャワ島でサンゴ礁の生態を観察するプログラムです。2年生のときに参加しました。留学に興味はあったもののどこで情報を集めたらいいかわからなかった私にとって、学内でプログラムが用意されていることはとても便利で良かったです。理系ならではの興味をかき立ててくれるプログラムの内容や、休学せずに気軽に参加できる期間や実施時期の設定もありがたかったです。
プログラムへ参加することで得た一番の成果は、英語力が伸びたことです。約1週間、英語漬けで生活することによる効果は抜群でした。「もっと英語を使いこなせるようになりたい」というモチベーションも高まり、帰国後には本格的にTOEICに取り組むようになりました。勉強法も、それまでの文法中心から、リスニングに力を入れるようになりました。リスニングを磨くことで、もっと英語でのコミュニケーションが図れるようになりたいと思ったからです。
神戸三田キャンパスでは、キャンパス内をごく普通に外国人が歩いています。私が所属する研究室にも外国人留学生が在籍しています。ですから、大学にいながらにして英語を使う機会が非常に多く、グローバル感覚も養われます。
大学全体がスクールモットーである“Mastery for Service”を共有していて、先生方も常に、「どうやって社会に貢献していくか」を考えさせてくれます。おかげで、非常に充実した学生生活を送ることができています。卒業後は、大学院への進学が決まっています。2年間、研究に打ち込みながら英語力もさらに磨いていき、目標へと前進していきたいです。
学生インタビュー②
自分からコミュニケーションを図っていく積極性が身についた
理工学部 生命医化学科 4年
菊池瞳子さん(民間企業内定)
理工学部での英語の授業は、ネイティブ教員が指導するものが非常に多いです。英語力が追いつかずに苦労することもあるのですが、「もっと話せるようになりたい」「英語ができるようになりたい」という意欲も高めてくれます。そんな思いが積み重なり、2年生の夏休みにアメリカのカリフォルニア大学デイビス校で約4週間学ぶプログラムに参加しました。
プログラムでは、理系のトピックについてディスカッションをしたり、街で聞き取り調査をしてポスター発表を行ったりしました。意見を聞いたり伝えたりする場面が多いので、「もっと相手のことを理解したい」「もっと自分の思いを伝えたい」という気持ちが自然に高まります。それが、「もっと英語を頑張ろう!」というモチベーションにつながりました。
留学の前後では、英語だけでなく、人との関わり方に大きな変化があったように思います。留学中には、「初対面の人ともどんどん話す」「つたない英語でも、ためらわずに自分の考えを伝える」という体験をしました。その結果、誰に対しても自分から積極的にコミュニケーションを取るようになったのです。このことは、就職活動でずいぶんと役立ったように思います。
私は卒業後、新薬開発の治験業務に就く予定です。就職活動では、大学からのサポートがとてもありがたかったです。特にキャリアセンターの個人面談では、アドバイスをもらえたことはもちろんですが、話を聞いてもらうというそのこと自体が、心の支えになっていたように思います。大阪で会社説明会や面接があったとき、空き時間ができたら大阪梅田キャンパスに立ち寄っていました。職員の方やたまたまそこにいた関学生と情報交換をしたり、何気ないおしゃべりをしたり。日常のキャンパスの外に「ほっとできる場所」があることが、とても心強かったです。
私は、「人の役に立ちたい」という思いから、医療分野の学びに取り組むことができる生命医化学科に入学しました。関西学院大学での4年間を経て、目指していた分野の仕事に就くことができました。「よく頑張った!」と自分をほめてあげられる、大満足の学生生活でした。