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多文化共生の視点をもった「グローバル市民」を育てる 先進のコースを展開
経済学部でスタートした「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム」に続き、昨春は人文学部、社会学部で新しいグローバルコースが始動。グローバル市民育成に向けて教学環境の整備に取り組む武蔵大学の狙いと展望を山嵜哲哉学長に伺うとともに、「グローバル・データサイエンスコース」の概要を社会学部の垂見裕子教授および針原素子准教授にインタビューした。
世界標準のカリキュラムで大学が大きく変わる
近代日本を代表する実業家・政治家である根津嘉一郎(初代)が1922年に創立した、わが国初の私立七年制高等学校である旧制武蔵高等学校をルーツとする武蔵大学。その最大の特徴は、旧制高等学校時代から受け継ぐゼミナール(ゼミ)を軸とした少人数教育にある。
「本学の教育は『自ら調べ自ら考える』力をもち、『心を開いて対話』し、『世界に思いをめぐらし、身近な場所で実践』できるグローバル市民の育成を目標としています。この目標を達成する場として何より有効だと考えているのが、本学伝統の『ゼミ』なのです」
山嵜哲哉学長がそう説明するように、武蔵大学では毎年、400以上の個性的で幅広い分野からなるゼミを開講。学生は1年次から全員がゼミに所属し、教員や仲間と議論を重ね、専門の学修を深めるとともに、自主性や課題解決力、コミュニケーションスキルなどを育む。
なかでも産学連携のもと、経済・人文・社会学部の学生がチームとなり、企業から与えられる課題に取り組む「三学部横断型ゼミナール・プロジェクト」では、異なる専門性や価値観に触れ、実社会で必要となる多様な視点を身につけることができる。ゼミの舞台は教室の中にとどまらない。国内外でのフィールドワークや他大学との合同ゼミなど、学外で課題と向き合う機会もある。
日本初、ロンドン大学の学位が取れる「PDP」
こうした中、グローバル化・ボーダレス化により激動する社会を見据え設置されたのが、国内で初となる「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」だ。これは経済学部の入学生のうち、語学の成績などで選考した35名程度を対象とした国際的プログラム。1年次の4〜7月の間、授業や海外英語研修により英語力を徹底的に鍛え、IELTSでスコア5.5以上を取得した上で、9月からロンドン大学のIFP(基礎教育プログラム)を履修する。
この期末試験に合格すると、2年次の9月からBSc in Economicsand Management(国際経済経営学士号)取得に向けたプログラムの履修が可能となり、毎年の試験に合格すればロンドン大学の経済経営学士号を取得することができる。
「本学が導入しているPDPでは、国内にいながら世界標準の教育をすべて英語で学ぶことができます。ロンドン大学のBScProgramme は現在、180カ国以上、5万4000人が学ぶ世界共通のプログラムです。国内で受講できるので、コストも海外留学に比べてはるかに安い。『ゼミの武蔵』で知られるように、小規模で丁寧な教育を旨とする本学に適した教育システムであると判断しました」
ロンドン大学はノーベル賞受賞者を多数輩出し、欧米のトップエリートが学ぶ名門校なので、高度な英語力が求められる。そのため、入学直後の4〜5月に集中的な英語の授業を行い、6月からフィリピンのセブ島で6週間にわたる海外英語研修を受講する。
海外大学院進学希望者にはロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の行うサマースクールへの留学に奨学金を供与する。
「PDPは大学全体にも大きな相乗効果をもたらしています。ロンドン大学のプログラムを実施することによる英語カリキュラムの蓄積が、日本語カリキュラムも世界標準に変わる契機となります。また、授業がすべて英語で行われ、予習や復習の時間が大幅に増加し、学生たちも『授業時間以外にも勉強する場所がほしい』との声が上がるほど意欲的に取り組んでいます。グループ学習の習慣も根づいており、こうした変化が学内全体に良い影響を与えています」と山嵜学長。
今年4年生となったPDP1期生の進路希望はさまざまだが、英語力を生かせる外資系企業への就職を希望する学生が多い。PDPは卒業後の5月に試験があるため、通年で入社可能な企業の情報を大学で集めている。
人文学部、社会学部のグローバルに特化したコース
さらに、経済学部のPDPに続き、昨春からは人文学部に「グローバル・スタディーズコース(GSC)」、社会学部に「グローバル・データサイエンスコース(GDS)」を設置。グローバル市民育成に向けた先導的な取り組みが全学部でスタートした(GDSの取り組みについては次ページで詳解)。
人文学部のGSCには、どの学科からでも所属できる英語プログラムに加え、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国・朝鮮語の特別プログラムがあり、いずれも半年または1年間の留学を推奨している。
英語プログラムは「国際関係」「文学」「日本研究」の3コースに分かれている。英語による授業の修得単位は全体の約7割が必須で、1年次の第2クオーターには全員参加の「海外短期集中英語学習」を実施している。
1年次に基礎的な科目を丹念に学修することで、従来の3年次の履修内容に2年次から取り組める。また、同じ教員が継続して教えることで学修はよりスムーズになり、テーマごとに関心のある学生が集まるグループスタディによって、学生同士の関係も深めることができる。
さらに、正課外の個人指導「コーチング」や4年次に履修する卒業研究のためのゼミCapstoneProject など、充実した4年間が、学生を飛躍的に成長させる。
グローバルに特化したプログラムの履修や
コースへの所属を確約する一般入試を展開
「PDP」「GSC」「GDS」は、合格すればプログラムの履修や各コースへの所属を確約する入試が設けられている。
▶経済学部PDPは、①全学部統一グローバル型[数学受験]で合格かつ数学の得点が良好な方、②センター方式(前期日程)で経済学科、経営学科に合格された方のうち、国語、英語、数学(「数学Ⅰ・数学A」もしくは「数学Ⅱ・数学B」)の得点が総合的に良好な方、③特別選抜入試(PDPパスポート型)で合格された方、のいずれか。
▶人文学部GSCは、①全学部統一グローバル型で合格された方、②センター方式(前期日程)[英語以外の外国語受験]で合格された方で、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語のいずれかを受験し、一定の得点以上で合格された方、③AO入試(GSC英語4技能判定方式)で合格された方、④帰国生徒対象入試で合格かつ外国語問題[英語選択必須]・英語外部検定試験・面接を通して英語力が高いと判断された方、のいずれか。
▶社会学部GDSは、①全学部統一グローバル型で合格された方、②個別学部併願3科目型[数学受験]で合格かつ数学と英語の得点が一定以上の方、③AO入試(将来計画書方式〈GDS〉)で合格された方、のいずれか。
詳細は大学が発行する入試要項または公式Web サイトを参照のこと。
社会学部グローバル・データサイエンスコース
ビジネスや行政の現場で「ビッグデータ革命」が席巻する中、新しい時代の世界共通語である「データ」と「英語」を修得できる社会学部「グローバル・データサイエンスコース」。その概要と魅力を社会学科の垂見裕子教授とメディア社会学科の針原素子准教授に伺いました。
―「グローバル・データサイエンスコース(GDS)」の特徴は。
針原准教授 コース名が示す通り、「グローバル」と「データサイエンス」両方が学べる欲張りなコースです。ビッグデータ革命と言われるように、世の中に蓄積される情報量はここ数年で飛躍的に増え、あらゆる分野で活用されていますが、同時にデータサイエンティストの不足も指摘されています。元々本学の社会学部は社会調査士の資格が取れるなど、統計や社会調査に関する科目が豊富。その土台の上で、文系でも「データサイエンス」が学べるコースを開設しました。データサイエンスをいわゆる理系の学部ではなく社会学部で学ぶことで、社会に対する幅広く鋭い視点を持ち合わせ、データを活用し価値創造できる人材を育成できると考えています。
垂見教授 GDSの「グローバル」が意味するのは多様な社会で通用する「英語力」と「異文化理解力」。英語コミュニケーション力を備えているからこそ、自分の世界観や選択肢が広まります。一方で、社会学は「あたり前を疑う」学問。異文化体験を通じて自分の社会の〝当たり前〞を疑うとともに、多様な他者が共生する異文化へ飛び込んでいく力も育みます。
針原 その意味で、「グローバル」も「データサイエンス」もこれからの世界を生きていく上での共通言語だと言えます。
―GDSでのカリキュラムの流れを教えてください。
垂見 「グローバル」な部分については、入学2カ月後には全員がオーストラリアで6週間、ホームステイをしながら語学学校で英語漬けの日々を過ごします。異文化に入り込むことで、グローバルな課題の解決に必要な対話力や共感力、調整力などを磨きます。1年後期には「Sociology」の授業を履修し、社会学の理論や概念を英語で学び、英語で議論する力を養います。入学直後に英語力を集中的に高め、異文化体験をすることにより、大学4年間で何をどのように学びたいかをしっかり考えるきっかけにもなります。
―学術交流協定を結んだアサツー ディ・ケイ(ADK)の協力で、リアルマーケットのデータを分析する授業も行っています。
針原 「データサイエンス」に関しては、1年次から、社会調査方法論や統計学の基礎、根拠に基づいて論理的に結論を導く「クリティカル・シンキング」を学びます。2年次の授業で分析するADK の生活者総合調査は、約1万5000人を対象に、価値観や消費・生活行動、メディア接触など1000を超える項目について尋ねたもの。学生自ら問いを立て、得られた結果を解釈し、さらにデータで謎を探る実践力を鍛えます。
―応用科目「GDS実践」の内容をお教えください。
垂見 協定留学や海外ボランティア、企業インターンシップなどの異文化体験・現場体験を行う科目です。海外の学生と議論しながら英語力を最大限に伸ばしたいと思う学生は一年間協定校に留学することを希望しますし、データサイエンスをもっと極めたいと思う学生は例えば市場調査を行っている日本の企業でインターンシップを選択します。学生一人一人が自ら計画し、自ら機会をデザインするというのが特徴です。
針原 これらの科目を通じて世界に目を向け、自ら課題設定を行い、どのようなアプローチでデータ収集・分析を行えばよいのかをクリティカルに考え、英語を使いこなしながらグローバルな課題解決に活かす力を養ってほしいですね。
―予想される卒業後の進路は?
垂見 英語力とデータ分析力という二つのスキルを習得することにより、進路の選択肢は広まると思います。学生には固定観念にとらわれずに、ボーダーレスに進路を考えることを促しています。
針原 マーケティグリサーチを専門とする企業の他、あらゆる分野の企業や行政組織において、データを用いて課題解決を図ることのできる人材が求められています。学生には広い視野で自分の進路を切り開くことを期待しています。
―ありがとうございました。
information
武蔵大学
経済学部 | 経済学科/経営学科/金融学科 |
人文学部 | 英語英米文化学科/ヨーロッパ文化学科/日本・東アジア文化学科 |
社会学部 | 社会学科/メディア社会学科 |
武蔵大学は、東武鉄道や東京地下鉄道(現東京メトロ)など多くの鉄道事業に携わり、政財界で活躍した根津嘉一郎(初代)が1922(大正11)年に創立した、わが国初の私立七年制高等学校である旧制武蔵高等学校がルーツ。その後の学制改革にともない、1949(昭和24)年に武蔵大学となり、創立から100年近くを経た現在は、3学部8学科の文系総合大学へと発展しました。激しく揺れ動く社会環境の中にあって、創立時に掲げられた「建学の三理想」は、いまなお褪せない価値をもち続けています。
「ゼミの武蔵」に代表される伝統の少人数教育を一層強化し、これからの社会を支え、発展させ得る「自立した活力ある人材」を育成しています。
武蔵大学 入試課
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