青山学院大学が新たに設置する「コミュニティ人間科学部」とは?|青山学院大学

青山学院大学が新たに設置する「コミュニティ人間科学部」とは?|青山学院大学

青山学院大学が新たに設置する「コミュニティ人間科学部」とは?

鈴木眞理教授
鈴木眞理教授

「英語の青山」の伝統のもと、グローバル人材の育成に高い実績を持つ青山学院大学。2019年4月、その青学が国内の地域社会に貢献できる人材を創出すべく「コミュニティ人間科学部 ※」を新設する。コミュニティ人間科学部とは、どのような学びを提供する学部なのか、開設準備室室長の鈴木眞理教授に話を伺った。

※2019年4月開設


地域コミュニティ形成に貢献できる人材を

―まず、学部新設までの経緯について教えてください。

本学のスクール・モットーは「地の塩、世の光」。塩のように目立たずとも人々に欠かせない存在として、社会に希望の光を与える人材を輩出してきました。社会貢献を当然のこととして捉えている本学では、国際貢献やグローバルに活躍するための教育プログラムとして、1982年に国際政治経済学部を、2015年には地球社会共生学部を開設しました。そして、これからは日本国内に視点を戻し、高齢化や過疎化、教育、産業や環境といった地域社会が日常的に抱える課題に貢献できる人材の養成を目指そうと、コミュニティ人間科学部を開設することになりました。

―学部名もユニークです。

実は「コミュニティ」という言葉は、「地域の人々が自発的かつ自律的に活動し、地域社会をつくり上げていく」ことを目標とした概念でもあります。そうした地域の人々に貢献することはもちろんですが、「コミュニティを〝つくる人〞を育てたい」という思いも込めて命名しました。
昨今、地方の大学では地域系学部が増えていますが、多くは産業を意識したものです。本学部はそうした学部とは異なります。まず、「地域=地方」とは考えていません。地方、都会、自分の身のまわり、どんな地域や社会においても対応できる人を育てたいと考えています。

―新学部を相模原キャンパスに開設するメリットを教えてください。

相模原キャンパス
相模原キャンパス

都会でも地方でもない、絶妙なフィールドにあるのが相模原キャンパスです。政令指定都市のため近隣の自治体との連携も容易であり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ今後連携を深めたい企業や団体が拠点を置いていることも魅力です。

―学びの特徴について教えてください。

本学部では、教育学と社会学を合わせた学びを提供します。地域の歴史や人に対する理解を深め、関連する社会制度を学習した上で、それらを活用するための方法論やコミュニケーションの技法を学びます。強調したいのは、ただ単に行動するのではなく「考えて行動する」人をつくる学部だということです。

―全国各地での実習など、実体験を通した学びも特徴です。

まず少人数教育を重視し、1年次から演習(ゼミ)を実施します。必修の「研究理解科目」も少人数で行い、1年次から研究方法論やデータ収集・統計調査方法などをしっかり修得していきます。3年次からの演習は約10名で行い、「地域実習2」はさらに約8名のグループに分かれて実施します。
この「地域実習2」は、自治体・独立行政法人・公共団体・NPO法人・企業などと提携し、現地で実習を行うものです。子育て協働プロジェクトや企業の社会貢献活動など、さまざまな実習プログラムを用意しています。さらには地方の大学と連携し、各大学の教員に実習先での指導をしてもらうことも視野に入れています。なお、「地域実習2」の前には2年次の「調査実習1」で事前学習をみっちり行います。自ら選んだ実習先の地域を調べて理解しておくことは、実習中の学習効果をより高めてくれるからです。

地域の多様な人々と「協力する力・作法」を養う

―5つの専門領域について教えてください。

「子ども・若者活動支援プログラム」「女性活動支援プログラム」「コミュニティ活動支援プログラム」「コミュニティ資源継承プログラム」「コミュニティ創生計画プログラム」の5つがあり、学生はこの中から重点的に学ぶ領域を選択します。地域社会では実に多様な人々が活動しています。その多様性を分解して学習対象としたものが、この5つの専門領域です。
例えば、子どもや女性、高齢者や障がい者などは社会的弱者と見られがちですが、こうした人々が主体的に活動していくための環境を整えられる人材を育てることが私たちの目標です。そのためには歴史や社会制度、心理学的側面などからこうした人々を理解し、彼らが能動的・自発的にコミュニティを形源が地域でどのような役割を発揮するかまで考え、保存・継承するための方法を学びます。

教育の特色

―4年間の学びから、学生はどのような力を身につけられるのでしょうか。

学生に身につけてもらいたいのは「協力する力・作法」です。成する存在になるにはどうすればよいか、具体的に考える姿勢が求められます。
また「コミュニティ資源継承プログラム」では、図書館や博物館などで地域の文化資源を発掘し、継承できる人材を育成します。単に司書や学芸員の資格を取得するのではなく、その資社会で必ず求められる力であり、あらゆる社会貢献活動に欠かせないものだからです。
例えば「地域実習2」の無人島体験では、子どもたちに接するだけでなく、主催するNPO法人のスタッフと密に連携して「協力して行動する体験」を積むことになります。女性・若者・高齢者など、地域の人々と接する機会もあるでしょう。プログラムごとに連携する相手を変え、時にはリーダーとなり、時にはフォロワーとなりながら、皆で何かをつくり上げる経験を積極的に積んでもらいたいですね。

―卒業後の想定される進路はどのようなものでしょうか。

卒業後の進路については、地方公務員やNPOの職員、地銀や信金などの金融機関、一般企業、図書館司書や学芸員などを想定しています。その先に目指すのは、仕事には関連していなくとも、それぞれの地域に基盤を置いて町内会やボランティア、学校との地域連携など、さまざまな場で地域社会に向き合える人材です。

―受験生に向けてメッセージをお願いします。

新設学部には、学生と教職員が一体となって歩みをともにし、自分たちで学部の風土をつくり上げていく面白さがあります。社会的な問題に関心がある人、明日の自分をよりよくしたいと思う人、社会に出ても学び続けたい人。多様なバックグラウンドを持つ人に入学していただけるとうれしいですね。

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