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いま、龍谷大学が注目されている。志願者数は5年連続増加で、2016年入試でも前年に比べて5%志願者が増えた。
躍進の原動力は新たな学部展開にあるようだ。2年目を迎えた農学部と国際学部に注目した。
【農学部】
サイエンスと心を結ぶ農学をめざす
2015年月、龍谷大学は2学部を新設した。ひとつが瀬田キャンパス(滋賀県大津市)に新設された農学部だ。農学部といえば、地方の国立大に設置されているイメージで、とりわけ近畿圏では数が少ない。若者の間で農業や環境への関心が高まる中、国内で35年ぶりに新設された。
農学部長の末原達郎教授はこう話す。
「大学ではこれまでも、浄土真宗の精神を生かしながら、食にかかわる様々な課題に取り込んできました。しかし、従来の学部構成では、周辺からのアプローチはできても、正面から切り込むことはできませんでした。そこで農学部を新設し、正面から食料の諸課題を解決しようと考えたのです」
学科は4つ設けられており、植物生命科学科、資源生物科学科、食品栄養学科、食料農業システム学科だ。課題解決型の農学を目指している。バイオサイエンスの最先端の技術・知識を学べるだけでなく、農業が果たしている社会的役割、本来的な農学の仕組み、そして「食」についても学べる態勢になっている。食品栄養学科では管理栄養士養成課程も設けている。また、1年生の時から、食と農の倫理教育を行っている点も他大学と異なる点だ。
文理の本格的融合を図る
1、2年次のカリキュラムは自然科学の分野だけでなく、人文社会科学の分野も重視した構成になっている。現代社会に山積する諸問題は、簡単に解決できるものではない。例えば、農学では新しい米の品種が生まれ、それが増産に結びついたとしても、それだけで食糧不足の解決には至らない。流通、運輸の改善が必要だし、解決の過程には社会制度や法律の知識も必要になる。その点、龍谷大学農学部は有利だ。低年次に人文社会科学を含む、幅広い分野の科目が用意され、多彩な教員から学ぶことができるからだ。
また、「食」とりわけ和食の世界について、京都に近い地にキャンパスがあるため、他大学にはないアドバンテージがある。伝統野菜や京料理、さらには一流料理人の技に触れる機会が数多く設けられているのだ。若い学生が一流に触れることで、その感性を大いに磨くことができるのだ。
未来で活躍する人材育成
近年では理系の学部は自らの専門深化を進めるあまり、他領域との連携に消極的な面もある。
末原学部長がこう話す。
「現代社会の要求に対応できる人材を育成していきたいと思います。農業だけできればいいという時代は過ぎ去りました。これからはロジスティックな発想も持った人が求められ、いわば『農業のゼネラリスト』という、新たなスペシャリストが求められており、そういった人材を社会に送り出していきたいと考えています」
農業だけでなく流通も含めた社会イノベーションを起こせば、食糧事情は大きく好転するという。そうなった時には、龍谷大学がプラットホームとして社会に貢献することになる。
卒業生の就職先としては、従来の農学部以上に広い。農業、食品、栄養の分野はもちろんのこと、ロジスティックの知識を習得したことで流通、運輸や商社、金融など幅広い就職先が考えられる。
3年後には、初めて卒業生を輩出する。これまでの常識にとらわれず、卒業生は多方面で活躍しそうだ。
【国際学部】
京都・深草キャンパスで新たなスタート
国際学部は、国際文化学部を発展・改組して2015年4月に新設された。新学部設置に伴い、二つの大きな改革を行った。ひとつは国際文化学科に加えてグローバルスタディーズ学科を増設し、2学科にしたこと。もうひとつは瀬田キャンパスから、京都市中心部の深草キャンパスへ移転したことだ。
国際学部長の久松英二教授がこう話す。
「学部の国際化をよりいっそう進めるために、多くの外国人が訪れ、世界的にも名高い京都市に本拠地を移しました」
この国際都市における多文化共生キャンパスの実現を目指している。
新設のグローバルスタディーズ学科は、コミュニケーション能力と教養を高めることに主眼を置いている。英語能力向上においては、具体的な数値目標が掲げられた。それが「TOEIC730点」で、「卒業要件」になっている。入学当時の平均点は432点だったが、1年も経っていない翌年の1月には610点と180点近くも伸びている。学生の努力と大学の優れた教育システムが合わさって、短期間での急上昇を可能にした。
留学は必修で1年もしくは半年間だ。留学先には世界大学学術ランキング第4位のカリフォルニア大学バークレー校も含まれている。学生は日々、しっかり学び、図書館の利用率も全学トップというほどだ。こういった学生を支える仕組みも充実している。上級生が新入生をサポートする「メンター制度」もそのひとつだ。英語学習や留学先選びなど幅広い相談に応じている。さらに、専任教員もスーパーバイザーとして学生一人ひとりを支援し、きめ細かいフォローを行っている。
国際文化学科は、「世界を学び、日本を知る」をキーワードに、異なる文化間に生じる問題を調整する人材、日本を世界に発信できる人材、多文化共生に貢献できる人材の育成を目標としている。言語が学べるのが特徴だ。
特色ある授業として、年生で学ぶ「国際文化実践プログラム」という、フィールドワーク型の授業がある。短期・長期の留学、国内外の研修を行うが、プログラムの中には、京都の祇園祭の運営に携わるものまで用意されている。
外国人教員は44%を占め、キャンパスで世界の多様性が体感できる環境だ。久松学部長が言う。
「これからの時代はイスラム教、仏教、キリスト教といった異なる宗教間の対話が重要になってくると思います。各地で起こっている紛争を収めるには政治の力だけでなく、宗教の世界でも協力していかないと無理だと思います。本学科の教育・研究の一環として、こういった面でも国際貢献していきたいと思います」
こういった動きは、アメリカやオーストラリアの宗教研究者たちからも注目されているという。
期待される進路
グローバルスタディーズ学科の卒業生は、国連やNGOなどの機関、グローバル企業などが主な活躍場所になると思われる。国際文化学科は、グローバル企業はもちろんのこと、国内企業でも国際部門の担当者、観光分野での活躍も考えられよう。
両学部とも新しいコンセプトで新設された学部・学科だ。これからの世の中の変化に十分対応していける人材の育成に、大きな期待が寄せられている。