昭和女子大学が新設する総合情報学部※と国際日本学科で育成する次世代のデジタル人材、インバウンド活用・観光人材に求められる力とは—星野リゾート代表との特別鼎談

昭和女子大学が新設する総合情報学部※と国際日本学科で育成する次世代のデジタル人材、インバウンド活用・観光人材に求められる力とは—星野リゾート代表との特別鼎談

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昭和女子大学では、2026年度の「総合情報学部」新設に向けた準備が進んでいます。その目的は、女性デジタル人材の新境地を開拓し、デジタル革新が加速する社会で活躍できる人材を育成することです。また、2025年度には「国際学部」の刷新に伴い、観光など日本のインバウンド産業を担う人材を育成する「国際日本学科」が新設予定です。

では、実際の社会では、デジタル人材やインバウンド活用・観光人材にどのような力が求められているのでしょうか。日本のリゾート観光を牽引する企業であり、近年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進の取り組みでも注目を浴びている星野リゾートの代表・星野佳路氏にご協力をいただいて、坂東眞理子総長と金尾朗学長との特別鼎談を開催しました。

※仮称/設置構想中 掲載の内容は変更となる可能性があります。
 

星野リゾート代表
星野 佳路

慶應義塾大学経済学部を卒業後、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院で修士課程を修了。帰国後、1991 年に星野温泉(現星野リゾート) 社長(現代表)に就任。以後、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心に、国内外で72施設を運営(2024年9月時点)。

昭和女子大学 総長
坂東 眞理子

東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。 内閣広報室参事官、総理府男女共同参画室長、埼玉県副知事などを経て、1998年オーストラリア・ブリスベンで女性初の総領事に就任。 その後、内閣府初代男女共同参画局長を務めたのち退官、2003年昭和女子大学着任、2007年学長就任。2014年理事長、2016年総長就任。

昭和女子大学 学長
金尾 朗

東京大学卒業後、同大学院で博士(工学)を取得。 1992年昭和女子大学着任、 2023年学長就任。専門は建築計画・都市計画。環境デザイン学科では建築のデザイン教育とともにデザイン・プロデュースを担当。近年は新潟県村上市の竹燈籠祭りへの参加など、まちづくり関連の活動を行う。

女性デジタル人材の新境地開拓を目指す

(編集部) 星野リゾートといえば、斬新なアイデアを次々に打ち出して日本のリゾート観光を牽引する企業として有名です。その一方で、近年はIT開発の内製化を急速に進められていて、DX推進・デジタル化の取り組みにおいても大変注目されています。

星野 私が社内のDXに着手したのは1991年、星野温泉(現星野リゾート)の社長(現代表)に就任したのと同時期です。当時は宿の予約を月ごとのボードに鉛筆で書き込んで管理していたのですから、隔世の感がありますね。あれから30年以上が経って、その間、DXは単に業務の効率化ということだけでなく、社員の意識やお客様とのコミュニケーションをはじめ、さまざまな面に変化をもたらしました。

金尾 本学が2026年春に開設を予定している総合情報学部は、まさにそのデジタル革新が進む社会で活躍できる力を養う学部です。

星野 なぜ今、そのような学部をつくろうと考えられたのですか。

金尾 現代の情報社会に必要な学びとして、文系・理系を問わず、データサイエンス教育の重要性が増しているのはご承知の通りです。本学でも2021年度から一般教養科目にデータサイエンス科目群を設け、2022年度には「データサイエンス副専攻プログラム」を全学で導入し、多くの学生が履修しています。そこで、より専門的にその分野を学べる場として、総合情報学部の設置構想を進めるに至りました。本学には建築や健康について学べる学部はありますが、本格的な理系学部は初となります。

坂東 総合情報学部では、女子総合大学として本学がこれまでに複数の学部で蓄積してきたリソースと、デジタル分野の学びを融合させ、独自の情報教育を展開する想定です。この学部で育成したいのは、高度なデジタルスキルを持つ生粋の技術者というよりも、身近な生活分野にテクノロジーを取り入れる方法を考えることができる人、テクノロジーと社会の橋渡し役として、新たなデータ分析方法やデータ活用方法の社会実装を担う人材を育成していく方針です。

星野 橋渡し役ですか。社内DXを進めるにあたっては、現場とエンジニアを結ぶ存在の必要性を私も常々感じています。

金尾 学部のカリキュラムを編成する過程では、データとデジタル技術の活用において先端を走る企業数社と議論をし有用なアドバイスを多く頂いたことで、新しい学部の真に必要な人材育成の方向性をつかみました。

デジタル技術がなければ達成できなかった変革

星野 先ほど、宿泊予約をボードに書いて管理していた時代の話をしました。1991年のことです。当時の宿の予約は、宿への電話と旅行代理店の集客によって予約が成り立っていました。ただ、代理店に支払う手数料は安くありません。当然のことながら会社の利益にも影響してきます。そのため、どうすればお客様に直接予約をしていただけるのか、ずっと模索していました。そうするうちに1997年にインターネット・ショッピングモールの楽天市場が誕生し、2000年代に入ると宿泊予約サイトのじゃらんnetや楽天トラベルが登場し、インターネットを通して商品やサービスを購入することが当たり前になってきました。

坂東 星野代表は社会のデジタル化とともにキャリアを歩んでこられたのですね。

星野 はい。DXやテクノロジーの進化を、ビジネスの現場で体験・実感し続けてこられたのは幸運だったと思います。30年以上前から直接予約の必要性を感じ、自社の予約システム開発に資金も時間も投資して、自社ホームページでの直接予約に注力していたことが結果的に収益増収に結びつきました。今や予約の7割が直接予約で、その殆どがスマートフォン経由です。また、コロナ禍から早期に業績回復を遂げる大きな要因にもなりました。

金尾 オンライン直接予約というDX化がビジネス躍進のカギになったということですか。

星野 はい。それによってお客様とのコミュニケーションも変わりました。たとえば、星野リゾートでは1994年に顧客満足度調査を始めたのですが、当初はお客様がチェックアウトなさる際にアンケート用紙をお渡しし、そこに記入していただいた回答を手作業で集計していたのです。それがオンライン直接予約に変わるとお客様のメールアドレスがわかるので、メールでアンケートをとれるようになって、回答を自動集計する仕組みも作りやすくなりました。アンケートは30項目ぐらいあります。現在は分析ツールを独自に開発し、回答はそのツールで自動的に集計できるようになっています。

坂東 顧客満足度調査の結果は、経営にどのように活かされているのですか。

星野 すべての結果を全社員に公開し、4,600人の社員全員が「滞在全体」「チェックイン」「食事」「客室」など分野ごとの項目から自分の知りたい項目を検索できるようになっています。この仕組みを作ったことで社員に顧客満足度を公開するスピードが劇的に速くなり、業務の見直しやサービスを改善するための活動にすぐにトライできるようになりました。一例を挙げますと、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」では夏になるとその地域ならではの味が楽しめるかき氷を各施設で提供していました。その満足度がどれくらいなのか、社員はリアルタイムで調査結果にアクセスできるので、結果に応じてもう少し種類を増やしてみようとか、思い切ってかき氷はやめてみようとか、各現場の最前線でお客様の対応にあたるスタッフが自分たちで考えて、即実行に移し、効果をデータで確認できるような環境を創出できたのです。

金尾 現場の自律性が高まったということですね。

星野 おっしゃる通りです。顧客満足度というデータを全社員と共有し、活用することによって社員の自律的な働き方が促進され、マネジメント層が意思決定に関与しなくてはいけない部分がずいぶんと減りました。

坂東 スピード感もすごいですね。大切なのは、「顧客の声を聴く」ということですね。

星野 はい、お客様の声というのは強い力を持っています。マネージャーや総支配人の意見には反論していた料理人も、お客様の声に対しては非常に真摯に対応し、自分の仕事を劇的に進化させています。お造りの食材の組み合わせを見直すために満足度のデータをみながらテストを繰り返し、定番のマグロと地元の魚の最適なバランスを見極めることができました。こうした社員一人ひとりの意識の変化を目の当たりにして、「データが人の働き方を変える」ということを実感しました。これは、デジタル技術がなければ達成できなかった大きな変革だと思います。

現場とエンジニアを結ぶ人材の重要性

坂東 「データが人の働き方を変える」、非常に印象的なお言葉です。DXというと、今まで人間が担ってきた作業を自動化する、短時間で処理できるようにするといった効率化、省力化の面がフォーカスされることが多い印象ですが、それは一つの側面であって、星野代表のお話を聴いていて最も興味深いのは、DXが「人の働き方や仕事の中身を変革するための有効なツール」であるということです。

星野 DXの本質はそこにあると思います。とくに人の働き方の変化、進化は大きいですね。

坂東 資源小国と言われて久しい日本ですが、人こそ日本の資源です。今、日本人の人口は15年連続で減少していて日本は人口減少時代まっただ中にあります。その中で、私たち一人ひとりの「質」がさらに問われるようになってきています。人間の質といってもさまざまな考え方があると思います。偏差値が高く、すぐ問題点を指摘できるもの一つの能力です。仕事の場面であれば、言われたことを言われたとおりやれる力ではなく、「世の中のどこに新しい可能性があるのか、どのようなニーズが埋もれているのか」という変革のヒントを自ら発見し、それを具体化したり改善したりするための策を提案できる力が今後は重要になると思います。そのための有効なツールがデジタル技術なのですね。

星野 私は90年代からDX化に取り組んできて、そこに必要な力は3つだと考えています。一つはデータ分析、二つめはコンピュータサイエンスやプログラミング、そして三つめは現場力です。

金尾 総合情報学部には、「データサイエンス学科」と「デジタルイノベーション学科」の2学科があります。データサイエンス学科では数学と統計学の基礎を固めたうえで、星野代表が一つめに挙げられたデータ分析手法「データアナリティクス」を学びます。この学科で育成したいのは、データを分析するだけでなく、分析結果から将来起こりうる事象を予測し、必要な対策を社会に発信できる人材です。

デジタルイノベーション学科では、二つめに挙げられたコンピュータサイエンスの知識やプログラミングの技術を、Webサイト制作やアプリ開発などを通して学びます。この学科では、身につけた知識・スキルを駆使して新しい商品やサービスを提案するなど、ビジネスの変革を主導できる人材を育成したいと考えています。

坂東 データサイエンスやAIの分野で最先端を走っている方たちというのは、一握りの人にしか理解できない非常に高度で複雑な研究、活動を行っておられます。総合情報学部の学生にはその列に加わるのではなく、最先端を行く人たちが創り出した技術を社会に実装し、仕事や暮らしに役立てられる力を身につけてほしいのです。デジタル分野の最先端を社会に向けて翻訳する力、といってもいいかもしれません。ですから、たとえばIT業界でよく使われる言葉に「要求定義*」という専門用語がありますが、実際にそれを仕事の現場で行う際には、「こういうことはできないでしょうか」「こちらの方法でやってみませんか」と、みんなにわかる言葉で伝えられる力が重要だと思います。やりたいことを整理してきちんと仕様書にするような仕事ができる人材を育てたいと思います。

*システム開発の目的やニーズ、要件を定義すること

星野 技術者の人たちと話していると、専門用語が多くて違う言語で会話をしているような気持ちになることがあります。いろいろと困り事も起きてきます。そんなとき、現場とエンジニアを結ぶ存在が必要だなと感じるのです。

坂東 困り事とは具体的にはどのようなことですか。

星野 たとえばエンジニアだけでDX化が進むと、技術の話が先行してしまうのです。DXとは本来、顧客満足度の向上などという目的がまずあって、それを実現するために技術を活用しましょうという話ですよね。その順序が逆転して、最新のデジタル技術を導入すること自体が目的化してしまうのです。

坂東 こんなに素晴らしい技術があるのだから使うべきだというのが目的になって、本来何を目的としていたか二の次になってしまうわけですね。

星野 はい。それからもう一つ、DX化する際には、今までのやり方を変えることが大事です。今やっていることを単にデジタルに置き換えるだけでは、無駄な作業も改善すべき点もそのまま引き継がれることになってDX化の意味がありません。そこで現場とエンジニアを結ぶ存在がいないと、単に現状をデジタルに置き換えるだけで終わってしまう可能性があります。そのため現場とエンジニアの両方のことが理解できて、間に立ってプロジェクトを推進していく人材が必要です。このように現場とエンジニアの間を結ぶ人材が圧倒的に不足しています。

DX化が進む3領域の専門知識も学ぶ

坂東 デジタル技術に関する知識・スキルを持ったうえで、現場の問題点を把握し、IT部門と現場の橋渡し役になれるような人材ということですね。まさに総合情報学部が育てたい人材と合致します。

星野 橋渡し役について、現在星野リゾートではその役割を現場出身のスタッフが担っています。私たちはプロダクトオーナーと呼んでいますが、現場とエンジニアの間に立つ仕事には、両方の知識を持っていることに加えて、先ほど坂東総長がおっしゃった、「みんなにわかる言葉で伝える」というコミュニケーション力も重要です。その力があるスタッフはエンジニアから頼られていますし、現場から見ても変革に結びつく提案ができています。

坂東 ほかにはどのような力が必要でしょうか。

星野 データ分析に不可欠な、統計学などの知識を身につけているといいと思います。知識がないままデータを見ても、それが何を示しているのか本質を理解できないことがあるのです。データに疑問を感じたとき、統計上の処理の問題でそうなっているのか、真の顧客ニーズなのか、統計学の知識がベースにあると判断しやすくなります。

金尾 データ分析スキルは、これからの社会で万人に必要なスキルであると私たちも認識しています。そのため、分析のことを中心に学ぶのはデータサイエンス学科ですが、デジタルイノベーション学科でも統計学やデータサイエンス科目は必修としています。

星野 デジタル分野の土台となる知識・スキルは、どちらの学科でも身につけられるということですね。先ほどお話しした三つの力のうち、三つめの現場力については、私は社会に出てから身につければいいと考えています。社員一人ひとりの現場力を高めることについては私たちも自信があります。しかし、データ分析やコンピュータサイエンスを教える機能は社内にはありません。そのため、そこは大学でしっかり学んできていただきたい。今後、DXによる競争力向上を目指す企業はますます増えていくでしょうから、デジタルの知識・スキルを持つ人は社会に出てから強いと思います。

金尾 その知識・スキルを社会実装できる力を養うために、2学科共通の学びとして、DX化が進む領域の専門知識を学ぶ「ドメイン知識」というものも設けています。ドメインはビジネス、心理、健康の3つで、ビジネスの分野であれば経営学やマーケティング、人材開発などに関する知識、心のケアや健康管理などの分野であれば心理学や健康科学領域の知識を学びます。それによってデジタルとビジネスの両方に強くなり、各領域で求められるソリューションの提案などができる力が育つと考えています。

坂東 学んだ知識・スキルを実践する場として、「プロジェクト型学修」も想定しています。これは本学の教育の特色の一つであり、全学部で推進しているものです。この総合情報学部でも、企業の方々とともに現実の課題解決に取り組む機会を設けたいと考えています。学生の新しい発想と企業の方の豊富な経験が融合し、協創を実現できるのではないかと期待しています。

星野 1期生が卒業する5年後に、専門性と創造性を備えたデジタル人材が総合情報学部から出てくることを楽しみにしています。その頃には世の中は物凄く変わっていて、ますますこうした能力が重要になっているはずです。

国際日本学科の学びの柱「インバウンド活用、ジャパンスタディーズ、地域創生」

坂東 本学のもう一つの改革である、国際学部のリニューアルについてお話しさせてください。国際学部では2025年度から、既存する英語コミュニケーション学科を「国際教養学科」と「国際日本学科」に再編し、「国際学科」を含めた3学科体制に移行します。

星野 「英語」というワードが学科名からなくなるのですね。英語はコミュニケーションのツールであって、実際に重要なのは「英語を使って何をするか、何が提案できるか」という中身ですから。

坂東 星野代表は豊富な海外経験をお持ちですが、星野リゾートの施設運営においては、西洋のサービスとは異なる「日本のおもてなし」を落とし込むということを大事にされています。そこで、先ほどお伝えした3学科の中でも、2025年度に新設する国際日本学科についてお話しさせていただけますか。

星野 「日本のカルチャーを、もっと世界へ」というのが国際日本学科のコンセプトなのですね。

坂東 はい。学科の学びの柱の一つは、「ジャパンスタディーズ」です。日本文化と社会についての基礎知識、国際的側面、今日的課題などを学ぶ専門領域で、主要テーマは海外交流史、マンガ・アニメーション、世界のなかの日本文化、ものづくり文化などです。

星野 日本文化を再発見する学びですね。

坂東 グローバル社会では、たとえ海外や外資系企業で働いていなくても、日本にいながら外国の人と一緒に仕事をしたり、日常的に接したりすることが当たり前になっています。そのとき、自分の国の歴史や社会の特徴、生活様式を知っていることが非常に重要で、なおかつ、それを異なる文化の人々に伝える力が必要だと思うのです。そのような、「日本を理解し、発信する力」を身につけた人材を国際日本学科では育成したいと考えています。さらに、そのような人材の活躍が期待される分野の一つとして、観光・地域創生について、深く学ぶカリキュラムを設置しています。

観光人材に不可欠な目利きの力、コンテンツに変換する力

星野 観光を各地域で競争力のある事業にするためには、その地域の文化、自然、食といった地域特有の素材を、観光資源や旅の魅力に変えていく必要があります。もともと地域には素晴らしい素材がたくさんあるのですが、地元の方々はそれが魅力になるとは思っていない場合も多い。そこを観光コンテンツに変換することが、観光人材に求められる能力です。

坂東 日本文化や地域の文化に通じているだけでなく、まだ気づかれていない魅力を見過ごさない、目利きの力が大切なのですね。

星野 はい。たとえば「星野リゾート・トマム」では、スキー用ゴンドラを活用して雲海観賞を提案したところ、オフシーズンの利用が増加しました。トマムならではの自然現象が新しい観光資源になったのです。これは観光人材の仕事の功績です。また、青森県十和田市の奥入瀬渓流には300種類以上もの苔が生息していますが、その苔は日本だけでなく世界中から観光客を集めています。苔がこれほどの観光資源になるとは誰が想像したでしょうか。星野リゾートでは、世界の観光客が訪れる意味を作り出せるような現地のクリエーターを一生懸命に育成しています。

坂東 最近、外国人旅行者が人気のある観光地に集中していることが問題になっていますが、他にも日本人でも十分に知らない宝が各地にまだまだ埋もれています。こういう埋もれた宝の価値をわかる人達に日本に来てほしいです。また、地元の人達と一緒にいろんなアクティビティを体験できるような新しいインバウンドの形もあるのではないでしょうか。そういった日本の良さを見出したり魅力を作り出したりして、それをきちんと伝えることができる人材を国際日本学科では育てたいと思っています。

星野 地域の魅力をキャッチする目利きの力をつけるためには、自分で旅をすることも大切です。実際にその土地に行って過ごしてみて、初めて土地の魅力や地元の人たちの日常が見えてきます。今後はインバウンド需要がますます拡大していくでしょうから、海外の人たちが日本をどう見ているのかを知るために、海外を旅する体験も重要だと思います。

坂東 国際日本学科では、基本的に2年次前期にボストンへ留学をします。現地には「昭和ボストン」という1988年に本学が設置した海外キャンパスがありまして、国際的な視点から日本について学ぶ国際日本学科独自のカリキュラムを用意しています。

星野 ボストン留学のほかに、地方で学ぶ経験もあるとさらに面白くなるのではないでしょうか。地方での経験は、観光人材として活躍するための一つの要素だと思います。「日本のカルチャーを、もっと世界に」といったとき、もしかすると世界の都市と肩を並べる東京よりも、地方のほうが日本のカルチャーを感じられるかもしれません。ボストンと日本の地方、どちらも経験することでかなり視野が広がるのではないでしょうか。

金尾 国内外での長期インターンシップのほかに、地方で地域創生活動に関わるプログラムも用意しています。地方でも海外でも、自分が今まで生活してきた世界の外に出るという経験は学生を大きく成長させます。地域から海外まで幅広い経験を糧に、自分なりの視点を開拓して、日本の観光などのインバウンド活用やそれによる地域創生を牽引することができる人材を育成したいと考えています。 

星野 人は、常に成長できる環境に自分の身を置くことが大切だと思います。大学時代ももちろんそうですが、人生は4年間だけの勝負ではありません。大学を卒業して就職したあとも、まだまだ人生は続きます。そして、自分の能力を高める環境に身を置いた年数が、その人の最終的な到達点を決めるのではないでしょうか。この場所は自分が成長できる環境かどうかということを大切に、大学も就職先も選択してほしいと思います。

坂東 一人ひとりの「成長したい」気持ちに応えることができる大学であり続けるために、本学ではさまざまな経験の場を用意しています。そこで自分の可能性を広げて、未来を切り拓くと同時に、「社会を支える力」を持つ女性に成長してくれることを願っています。

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