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時代が変わっても、教育への情熱は変わらない
自らの力で未来を切り拓いていく女性へ
1900年代初頭、世の中が大きく移り変わる日本で、津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学の3女子大学は、新たな時代の担い手となる女性のための教育を志して開学した。
創立者・津田梅子の意思を引き継ぎ、今という時代の要請を取り入れ、女子高等教育をさらに充実・発展させるために「変革を担う、女性であること」をモットーに掲げる津田塾大学。
リベラルアーツ教育によって、他者と共に「人間としていかに生きるか」を自ら考え、その実現のために行動する女性を育てる東京女子大学。
創立者・成瀬仁蔵の教育理念を集約した三綱領「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」をもとに、文理融合の環境の中で、新しい明日を共に創る女性を育成する日本女子大学。
100年以上の歴史の中で社会に即した変革を続けながらも、教育によって新たな未来をつくりあげていこうという情熱は変わらない。
今回は授業を通じて、各大学の抱く教育への想いと、大学での学びに向かう高校生へのメッセージを届ける。
■津田塾大学
身近な国の歴史を学ぶことで異なる「場所」と「時代」に基づく世の中への新たな視点を手に入れる
津田塾大学学芸学部国際関係学科は、語学力を基盤に、政治、経済、法学、外交、歴史、文化、社会構造といった多角的なアプローチで、国際社会の課題に挑む力を身につけることを目指す。世界中の幅広い国と地域にわたる授業のなかで、日本をふくむ東アジアの国々を、歴史から読み解く「東アジア研究」(中国現代史)を紹介する。
授業名:東アジア研究(中国現代史)
担当:学芸学部 国際関係学科 准教授
関 智英 先生
「東アジア研究」ってどんな授業?
中国を中心に、日本や台湾など東アジア諸地域を総合的に学ぶ授業ですが、何年に何王朝が誕生〜と年代順に起きたできごとを辿る高等学校までの授業とは少し異なっています。基本は、今の日本で生きる私たちを起点に、タイムマシンに乗って日本、中国、香港……を行き来するように、今の東アジア社会がつくられた背景を探っていくようなイメージです。
例えば、日本のテレビで「時代劇」といえば江戸時代を舞台にした作品がまずは想起されますが、中国や韓国も同じで、中国では清代、韓国では李王朝が主な舞台です。なぜならば、この時代に現代に直接つながる生活や社会様式の基本ができたためです。私たちが古来の「伝統」だと思っている風俗・習慣の多くは近世以降につくられたものなのです。そうした視点で、東アジアの近五百年を辿ります。
歴史は過去のできごとですが、現在との繫がりを意識すると、一気に身近になり、見え方も変わってくるのです。
授業を通じて学生に学んでほしいことは?
東アジアの諸地域は、日本とも近く歴史的にも深い関わりがあります。そうした地域やそこに生きる人々の来歴を知ることで、今の日本に生きる学生たちに、異なる視角を持ってもらい、そこから世界を広げてほしいと思っています。
現在は膨大な情報に簡単にアクセスできる時代です。スマホを通して情報がどんどん流れ込んでくる。でも、そんなふうに受け身で得た情報は、表面的であったり断片的であったりして、必ずしも正確とはいえないものがたくさんあります。不正確な情報をもとに、知らない間に偏見や先入観を持ってしまっていないかを省みる姿勢を身につけてほしいですね。
歴史には常に「偽史」が紛れる危険があり、授業でも一次史料(同時代に作成された公文書や日記等)に基づく検証の重要性を繰り返し伝えています。偽情報(フェイク)が生まれる理由や背景についても学んでいくことで、今の時代に必要なメディアリテラシーを培うことができると思います。
津田塾大学の魅力は?
新しいお札の肖像画として話題にもなっていますが、本学は創立者・津田梅子が女子高等教育の普及のために1900年に開校した女子英学塾にルーツを持つ大学です。多くの女性リーダーを輩出してきた歴史があり、今も真面目で勉強熱心な学生が集まっています。
また小平キャンパスは、自然豊かな環境で落ち着いて学べることも大きな魅力だと思います。もちろん最初は都会の喧騒にあこがれる学生もいるようです。でも、入学してしばらくすると環境に馴染み、卒業後、社会に出てから「実はすばらしい環境で学んでいたことに気づきました!」とまで言ってくれる。自慢のキャンパスです。
高校生の皆さんへ一言!
私は小学生の時に、テレビで清朝最後の皇帝を描いた映画『ラストエンペラー』を観て中国史に興味を持ち、戦時中に満洲にいた祖父から当時の話を聞いて胸おどらせていました。それが現在の中国史の研究者という仕事に直結したわけではありませんが、一つのきっかけから興味が広がり、好奇心の赴くままに知りたいことを掘り下げていく楽しさは、学問の醍醐味であり本質だと思います。
大学進学を目指す高校生の皆さんにも、そんなふうに学びに没頭できる大学生活を送ってほしい。そのために、自分が好きなことや興味を持って取り組めることを、ぜひ高校生のうちに探してみてください。
■東京女子大学
人文・社会・自然科学などを横断する新たなカリキュラムで大学ならではの自由な学びを展開
東京女子大学で2024年度から全学共通カリキュラムとしてスタートした『知のかけはし科目』は、異なる専門分野の教員2名が1つの科目を担当する新たな授業の取り組みだ。人文学・社会学を中心とした人文社会横断型26科目と、自然科学・数学・情報理学分野を含む自然科学包含型9科目が順次開講され、学生は合わせて4科目の単位を履修する。自然科学包含型B「国際関係と科学」を担当する安藤耕司先生と西村もも子先生に話を聞いた。
授業名: 知のかけはし科目 自然科学包含型B「国際関係と科学」
担当:現代教養学部 数理科学科 情報数理科学専攻
安藤耕司 教授
現代教養学部 国際社会学科 国際関係専攻
西村もも子 准教授
「国際関係と科学」ってどんな授業?
安藤 『知のかけはし科目』は異なる専門分野の教員2名が、関心のあるテーマをもとにペアを組んで授業を行います。私の専門は化学で、西村先生の専門は国際政治学ですので、気候変動や化学兵器といった国際的な問題解決にかかわるテーマを一緒に考えていこうと、「国際関係と科学」が誕生しました。
西村 授業では、テーマごとに安藤先生と私がそれぞれの専門分野からアプローチします。たとえば「化学兵器」がテーマの回は安藤先生が化学兵器のしくみについて解説し、私は戦争と平和や国同士の安全保障について解説。お互いに補い合いながら、多角的に「化学兵器」を学んでいき、化学兵器の問題にどう取り組んでいけばいいのかを共に考えていきます。
安藤 明確に答えがあるわけではなく、私たち教員も考えていくべき課題について意見を出し合っている状態なので、もしかするとやや戸惑っている学生もいるかもしれません。
西村 考査前なので学生がどこまで理解してくれているかはまだわかりませんが、グループディスカッションなどを見ていると、いろいろな意見が出ているようで今後が楽しみです。
授業を通じて学生に学んでほしいことは?
西村 「知のかけはし科目」は専門知識を学ぶというよりも、異なる観点や考え方を共有し、学びの視野を広げることを目的としています。今回の私たちの授業はたまたま受講者全員が文系の学生なのですが、安藤先生に対しては普段の国際政治学の授業では出ないような質問が出ていることが興味深いです。
安藤 例えば「化学兵器を無効化するような薬品はつくれないのか」といった質問ですね。兵器による被害をなくしたいという観点からも、自然科学の知見が求められるのだと実感しました。学生自身も現代社会の課題を解決するためには、いくつもの専門分野の学びを融合させていくことが必要なのだと感じていてくれればいいですね。
西村 分野にとらわれることなく自分の抱いた疑問や考えを、学生が発言しやすい授業になっていることは嬉しいですね。
安藤 1年次から学問領域を超えた対話や議論を経験していくことで、専門性と高い教養を身につける本学のリベラルアーツ教育へとつなげていきたいです。
東京女子大学の魅力は?
西村 自分の好きなことに夢中になって取り組む学生がたくさんいますね。こじんまりとしているので、学生同士もお互いつながりあっていて、好きなことを一緒に楽しめる仲間と出会える。卒業してからも、いつでも帰れる家のような、安心感や居心地のよさを感じます。
安藤 教員との距離も近いですね。目が行き届いている環境の中でしっかりと学び、社会人としての基礎も身につけられるようになっている。だから就職率もよいのだと思います。
高校生の皆さんへ一言!
安藤 自然科学はこの世界がどのように成り立っているのかを探求する学問です。なかでも化学は、物質が示すさまざまな性質を生かして、私たちの生活を豊かにしています。なぜ石鹸が汚れを落とせるのかという疑問から、化学への学びは始まります。身のまわりのいろいろなことに興味を持って、そこにあるおもしろさに目を留めてほしいですね。
西村 学生が卒論のテーマを決める時に、高校生活の体験から興味を持ったという話がよくあります。たとえば、課外授業の農業体験が開発途上国の農業支援研究につながる。ですから、高校生活における一つ一つの経験を大切に過ごしてください。それらの経験が、皆さんの将来をつくっています。
■日本女子大学
「食」ですべての人のWell-Beingに貢献するために、基礎力から応用・実践力、総合力を身につけた「食」の専門家を養成
日本女子大学は2025年4月、75年の歴史がある家政学部食物学科を基とする食科学部を開設する。生活者視点で科学的に「食」を探求する食科学科と、医科学視点で栄養学を深く学び管理栄養士を目指す栄養学科の2学科で構成。食科学部栄養学科でも開講予定の「給食経営管理論」「給食経営管理実習」について、担当の松月弘恵先生にお話を聞いた。
授業名:給食経営管理論・給食経営管理実習
担当:食科学部 栄養学科
松月弘恵 教授
「給食経営管理論」「給食経営管理実習」ってどんな授業?
皆さんの多くは学校給食を経験したことがあるでしょう。「給食経営管理」とは、多くの人々のために特定の施設で食事を調理し提供する給食について、献立の立案から運営と経営管理まで幅広く学ぶ授業です。まず、「給食経営管理論」では実務論を学び、その後「給食経営管理実習」で予算や衛生管理を行いながら、栄養バランスの取れた100食以上の食事を調理し、マネジメント手法を学びます。
さらに臨地実習において、企業の社員食堂や学校などの実践現場で学びを深めます。
私の研究室では、2022年度から産学連携として、株式会社クボタ筑波工場の皆さまとともに、「スマートミール(健康づくりに役立つ、栄養バランスのとれた食事)」の基準を満たしたメニューの開発と栄養情報の提供に取り組んでいます。
最初は工場内での認知度が低く、完売できないメニューもありましたが、社員の方々にアンケートを実施し、料理の改善と周知活動を行うことで、人気が高まりました。具体的には、テーマ曲や動画をつくったり、「推し活」のようなグッズでPRしたりと、学生ならではのアイデアで認知度を高め、利用者が増えていきました。
さらに、これらの活動を通して企業に評価されることにより、約三千人の大規模調査を行い、学会発表や卒業研究にも展開しました。
授業を通じて学生に学んでほしいことは?
創立者・成瀬仁蔵が掲げた「三綱領」でいえば『信念徹底』=目標を掲げてブレないこと、『自発創生』=メニュー開発、『共同奉仕』=チームでの協働を学ぶことでしょうか。食科学部では「『食』ですべての人のWell-Beingに貢献する」ことを目指しています。私自身、病院などさまざまな施設で管理栄養士として働いてきた経験から、栄養やおいしさだけではなく、誰かと食卓を囲むことで感じる幸福感などの「食」が持つ力を信じています。
学生に総合的に「食」を学んでもらうため、都内の農家の方のご協力を得て、学生が畑で野菜を収穫し、その野菜を給食に利用しています。地産地消を体験して、食べる人だけではなく、生産者など食に関わるすべての人に寄り添い、SDGsも視野に入れてほしいと思います。食を通じて社会を考えることも大切です。
給食経営管理には、栄養管理、衛生管理が欠かせませんが、私の授業では、加えて自動化・デジタル化による省力・効率も重視しています。経営的な側面だけでなく、今後ますます少子化が進み、調理のための人手が足りなくなる社会を見越してのことです。「食」は社会やライフスタイルの変化とともに刻々と変化しています。身につけた総合的な食の知識とスキルを生かして、食で新たな世界を開くパイオニアを目指してください。
日本女子大学の魅力は?
伝統ある大学で先輩たちが培ってきた研究成果や、地域・行政・研究機関・企業とのつながりなどの財産を活用しながら、学べる環境であることです。
そして、東京で学ぶことは、時代の最先端の刺激を受けるとともに、多彩で豊かな文化や芸術に触れることができることも、人生におけるメリットです。
高校生の皆さんへ一言!
チャレンジ精神をもってあらゆることに挑んでいってほしいと思います。もっている可能性に自分で天井を決めてしまう必要はありません。高校生の皆さんには無限の可能性があります。自分を信じて、やりたいことに向けて踏み出してください。