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閉塞感が漂う日本の成長戦略の担い手として、IT関連のデジタル人材及び食料や環境問題に取り組むグリーン人材が注目されている。これら人材育成のために、文部科学省は「大学・高専機能強化支援事業」を展開し学部や学科の充実を進めているほどだ。こうした支援を受けるまでもなく、1966年の開学以来、先見の明を持ってグリーン人材の養成を続けてきたのが拓殖大学北海道短期大学だ。
取材・文 井沢 秀(大学通信)
田中英彦(たなか ひでひこ)学長
北海道大学農学部卒業。博士(農学)。外資系農薬会社勤務を経て、道立農業試験場(現道総研)研究員に。水稲栽培技術を専門とし、作物学・育種学・生産環境農学分野において30年以上の研究実績をもつ。本学勤務8年目。趣味はそば・うどん打ち、ダンス、ギターなど。
人間の体は自分が食べたものからできており、農学は人間が生きていくためになくてはならない学問。農学を学ぶ意義について、田中英彦学長は、こう話す。
「様々な微生物が有機物を分解してできた養分で植物が育ちます。エネルギーと物質の循環が人間はもちろん世界を支えているということです。地球という環境の中で、多様な生物がいて人間が成り立っていることを実感するのが農学であり、微生物の世界から、全世界を見るグローバルな視点で物事を考えることができる学問と言えます」
食物の生産はもちろん、地球規模の環境問題を解決し持続可能な社会を構築するために、農学が果たす役割は年々大きくなっている。そうした中、フロンティアの地である北海道の発展のために開学した拓殖大学北海道短期大学は、キャンパス所在地の北海道深川市との連携をベースとして、「農・食・地域振興」に関する知識や技能、実践力、人間的な魅力を存分に活かして、世界で活躍できる「共創人材」の育成を目指している。
広大な全道一の実験・実習農場で農学の基礎を学ぶ
農学ビジネス学科の教育の特徴は、世界的な課題に取り組むために、農業の基本を座学と実習で学んだ上で、学生の関心や進路に応じて「農」「食」「地域」の各プログラムを自由に選択できること。
まずは、農学の本質を知るために不可欠な実習の特徴について、田中学長に聞いてみよう。
「本学の際立つ強みは、4haという広大な面積の土地に石狩川が運んだ栄養分に富んだ土壌を有する、全道一と言える実験・実習農場をもつことです。実際に土に触れて育てた美味しい作物を味わう感動が体験できる。本物に触れながら農学を学ぶことができる大学なのです」
地力が高い広大な実験・実習農場を有するキャンパスにおいて少人数教育が行われる。これほど贅沢な教育・研究環境を他大学に求めることはできないだろう。
新しい時代の農業人に求められる「実践力」を養成する、農・食・地域それぞれのプログラムの特徴について見ていこう。
まず「農」プログラムは、全道一の農場を活用した、水稲・畑作・野菜・花卉など約100種類の作物の育成を通して、環境配慮型の基礎的な農業技術を学ぶ。あわせて、スマート農業に不可欠な農作業の自動化やデータの活用など、先端技術についても学ぶ。
拓殖大学北海道短期大学は、スマート農業に不可欠なドローン技術の獲得に向けたドローンプロジェクトに力を入れており、農業用ドローンの実演や小型ドローンの操縦体験、ドローンライセンスの取得などを推進している。ちなみにドローンサッカー部は、2023年の北海道ドローンサッカー大会で優勝する強豪だ。
「食」プログラムは食品加工の基礎、商品開発やフードシステムについて学ぶ。西洋料理のシェフによる団体「司厨士協会」が担当する食文化や食育に関する授業である「世界の食と文化」や企業と連携した商品開発プロジェクト。実験・実習農場で収穫された酒造好適米を使って醸造を体験する「日本酒製造実習」など、実践的かつユニークな学びが用意されている。
「地域」プログラムは、「フィールドワーク論」や地域におけるPBL(課題解決型学習)を通して実践的に学ぶ「地域プロジェクト」など、地域データの調査・分析手法を身に付け、これからの地域社会の在り方を考える科目が配置されている。
地域との連携をとおして「共創人材」を育成
拓殖大学北海道短期大学は、共創人材育成のフィールドとして、地域との連携を重視している。代表的な取り組みを見ていこう。
1992年に同窓会から寄贈されたログハウスを活用した「北短ログハウスプロジェクト」は、学内農場で収穫された農作物の販売や稲藁を使ったしめ縄作り体験会など地域住民と交流するもの。学内外の様々な人との関わりのなかで、コミュニケーション能力が身に付く教育効果がある。
「企業コラボレーション」は地域の企業と一緒に特産品を開発し販売する。生産から加工・販売という流れを一貫して学べるのは、農業系短期大学ならではと言えよう。
拓殖大学北海道短期大学は、「専門性」(知識・技術)と「人間力」(主体性・創造性)を身に付ける「全人教育」と「地域社会の創造」を目指している。こうした教育環境で育った学生に対する社会の評価は高い。就職率は100%を続けており、就職先は、就農、公務員、農業系企業など多岐に渡る。
就職以外に4年制大学に編入する学生も多い。農業系大学では、帯広畜産大や弘前大、島根大などの国立大や私立の酪農学園大など。拓殖大学の国際学部など、社会科学系大学への編入の道も用意されている。
広大なキャンパスで少人数教育が展開される拓殖大学北海道短期大学。最後に田中学長にメッセージを頂いた。
「小規模大学のメリットを活かした一人ひとりに応じた指導を通じて、人間力を高める様々な活動ができるのが拓殖大学北海道短期大学です。農や食に関心のある高校生の皆さん、広大な北海道で農業を基礎から学んでみませんか?本学には地力豊かな農場があり、他所では得られない多くの感動が得られると思います。まずは、オープンキャンパスで本学の魅力を体験してください」