走って、パスして、ぶつかって。体を張ります、チームのために。~学習院大学ラグビー部~

走って、パスして、ぶつかって。体を張ります、チームのために。~学習院大学ラグビー部~

学習院大学輔仁会ラグビー部は、創部80年を超える伝統があり、現在は関東大学対抗戦Bグループに所属。Aグループとの入れ替え戦出場を目標に、日々厳しい練習を続けています。学習院中等科と高等科、そして学習院大学の3つのラグビー部によって構成されるGRS(Gakushuin Rugby Society)の一組織であり、多くの卒業生が多角的にサポートしている点も大きな特徴です。2023年度の主将である田﨑さんと副務の渋谷さん、マネージャーの井上さんの3名に活動内容やチームの魅力をお聞きしました。

左:渋谷 大翔さん(2023年度副務)国際社会科学部国際社会科学科3年 埼玉県・私立川越東高等学校出身
中央:田﨑 開さん(2023年度主将)経済学部経済学科4年 東京都・私立学習院高等科出身
右:井上 陽子さん(2023年度広報・グラウンドトレーナー)学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科4年 神奈川県・私立清泉女学院高等学校出身

大学ラグビーで実力を試す

まずは3人の入部のきっかけから教えてください。

渋谷:私は高校からラグビーを始め、3年次には“花園”と呼ばれている全国大会に高校として初出場を果たしました。コロナ禍で活動が制限された中でも、仲間と励まし合って素晴らしい経験ができたことが、大学でもラグビーを続けようと考えた何よりの原動力になりました。大学入学時には既に高校時代の先輩3人がラグビー部にいて入りやすかったですし、もちろん、さらに上のレベルを目指したい気持ちもありました。また、スポーツ推薦のない学習院大学では、大学からラグビーを始める学生もいると聞いたため、高校からラグビーを始めた私が伝えられることもあるのではないかとも考えました。

田﨑:私は学習院中等科でラグビーを始め、中学時代には関東大会に出場しました。大学では、渋谷くんのように全国大会の経験者もいる環境で、伝統のある関東大学対抗戦にチャレンジしたいと考えました。多少は自分の力も通用するのではないかという期待もありましたが、当初はスキル、スピード、パワーすべてにおいてレベルの高さを痛感しました。圧倒されましたし、試合に出られず悔しい思いもしました。ただ、他大学よりも部員数が少ないこともあって、経験豊富な先輩方から親身に指導してもらえましたし、人数が少ないからこそチャンスがめぐってきやすかったことも確か。そのチャンスを無駄にしないように必死にくらいついてきました。

井上:私は高校時代の委員会活動で副委員長を務め、誰かのサポートをするやりがいを感じたことがきっかけです。“支える役割”に適性アリと感じたため、大学では運動部のマネージャーに挑戦しようと思い、ラグビー部“一択”で決めました。歴史の古い部活動ですが、女子大からラグビー部のマネージャーになった初めてのケースでした。選手と同じ熱量で勝利に貢献し、感動を共有したいと思っています。

もはや家族。少人数ゆえの連帯感と結束力

部の特徴や雰囲気を教えてください。

田﨑:大きな特徴は人数が少ないことです。所属している対抗戦Bグループの他大学は、少なくとも50人はいますが、学習院大学は約30人。15人ずつ2チームに分けて、やっと紅白戦ができる程度です。自ずと個々の部との関わりは深くなりますし、部員同士の信頼関係や連帯感、結束力も強固になります。お互いがリスペクトし合い、規律を守り、失敗を恐れることなくチームのために体を張り続けられるメンバーばかりです。

井上:住んでいる地域によって“神奈川会”や“千葉会”といったコミュニティができて、学年の壁を越えて食事会を開いたりもします。ちなみに女子のプレーヤーも2人いて、1人は女子大の学生です。1人はマネージャーとしての入部も考えたようですが、2人とも小さい頃からラグビーを続けてきたこともあり、ボールに触れていられるプレーヤーを選びました。女子にもマネージャー以外の選択肢があることは、新入生にもぜひ知ってもらいたいですね。

渋谷:女子のプレーヤーも安全で無理のない範囲で入れる練習には入りますね。一方で、マネージャー希望の男子学生もウェルカムですし、分析班や会計係、トレーナーなど、部にはさまざまな役割があります。また、プレーヤーは初心者もいますし、小柄でも足が速い人、体が大きい人、ボールを蹴るのが得意な人など、一人ひとりの強みや個性を活かせることがラグビーの魅力ですので、ぜひ“トライ”してほしいですね。

部の雰囲気を物語るエピソードとしては、私は留学が必須の国際社会科学部なのですが、2年次の後期にカナダ留学があった際、練習後で疲れているにもかかわらず、成田空港まで同期10人が見送りに来てくれたことはうれしかったですね。コロナ禍では学生同士のつながりが希薄になるといった話も聞かれましたが、部活をとおしてかけがえのない仲間ができました。週6で練習があるのでほぼ一緒にいますし、もはや家族ですね。

その仲間とともにめざす2023年度の目標を教えてください。

田﨑:2023年度は、チームスローガンとして「AGGRESSIVE」を掲げています。目標は、対抗戦Bグループの上位2チームに入り、Aグループとの入れ替え戦に出場することです。そのためには全7戦のうち最低でも6勝する必要があり、AGGRESSIVEでなければ勝てないという強い思いがあります。また、近年では2019年と2021年に入れ替え戦の一歩手前の3位になり、そのときのチーム総得点が200点でした。それよりも上に行くためにも、全7戦で合計250点取ることを目指しています。1試合あたりでは5つのトライとキックで35点が必要になる計算です。簡単ではないからこそ、攻撃的なラグビーをしなければいけないんです。

1日5kgのお米を食べて、当たり負けしない体に

マネージャーの役割も教えてください。

井上:マネージャーは9人いて、私は練習メニューのタイム管理などを行うグラウンドトレーナーと広報を担当しています。多いとも思われがちですが、以前は10人以上いましたし、近年では非常に少ないです。現在は9名がメディカルトレーナー、グラウンドトレーナー、コンディショニングトレーナーという3つのグループに分かれていますが、グループの垣根を越えてオールマイティに動けるマネージャーを増やそうと後輩の育成に力を入れています。例えば、テーピングの巻き方などは先輩から代々引き継がれてきているほか、プロのトレーナーさんから指導していただく機会も設けています。また、マネージャーは、常日頃からプレーヤーの声を聞いて、改善できる部分を見つけて実行していこうと考えています。練習用具やテーピングといった備品の在庫管理にしても、かつては専用の用紙で保管と管理をしていましたが、最近ではスプレッドシートで管理するなど、小さなことでもマネージャー間で意見を出し合って効率化を進めるようにしています。なお、プレーヤーはフィジカル面の強化を重視しているため、練習時間中に補食用のお米を炊いておくような“仕事”もあります。

田﨑:これまでは体の大きさがひとつの課題だったため、筋トレメニューの設定や食事の管理などにも力を入れていて、2023年度は例年よりもフィジカル面が向上しています。そうやって当たり負けしない体になり、自信を持ってプレーできている選手が増えましたね。

渋谷:ほとんどの部員は食べることが大好きですし、私なんかは1日に5kg以上のお米を食べることを目標にしているほどです。

井上:また、マネージャーとして強く感じているのは、OBの存在のありがたみです。部の予算も限られている中で、OB会費に支えられている部分は大きいですね。

渋谷:OBの方々には本当にお世話になっていて、部員と一緒に練習に加わってくれることもあります。今年の夏休みには、ラグビーの聖地である長野県の菅平高原で10泊11日の合宿を行ったのですが、遠く九州から来てくれたOBもいて、15対15での試合形式の練習をすることができました。

田﨑:東京サントリーサンゴリアスのラグビー選手で、U20日本代表や7人制ラグビーの日本代表に選ばれた経験もあるOBの江見翔太さんがコーチに来てくれることもあります。また、OBからのサポートは就職活動でも心強くて、OB訪問などをとおして、業界を深く知ることができました。おかげで第一志望だった金融系企業から内定をいただくことができました。

井上:歴史が長いので、それだけOBも多いですし、学生へのサポートが手厚いんですよね。私はハウスメーカーから内定をいただきましたが、お客様のサポートをする仕事ですので、やりがいをもって取り組んできたマネージャーの経験や考え方を活かしたいと思っています。

部員の声や経験を活かすチームづくり

高校時代との違いや、入部して成長を感じるポイントを教えてください。

渋谷:プレーの面では、高校までは教わるばかりでしたが、今では自分が指示を出す場面もあって、コミュニケーション能力やリーダーシップが養われたと思います。また、高校時代は監督が練習メニューを決めて、練習試合もセッティングしてくれましたが、大学ではあくまでも学生主体。合宿の手配や現地での活動内容まで、すべて学生が主導します。人数が少ない分、1年生から4年生まで全員で部の運営に携わるため、一人が果たすべき役割は少なくないかもしれません。ただ、グラウンド外でも“ワンチーム”として協力することで、こなせる仕事量が着実に増えてきた点に我ながら成長を感じています。

“ワンチーム”という言葉が出ました。どうすれば“ひとつ”になれるのでしょうか。

田﨑:チームワークは、コミュニケーションあってこそだと思います。同じ目標があっても、誰かが自己中心的に突っ走ってしまえば規律が乱れ、その目標は達成されません。意思の疎通を図り、共通認識を持つためには、コミュニケーションこそが一番重要な要素だと思いますので、主将としてはとりわけ下級生とのコミュニケーションを大事にしています。自分よりも実績のある後輩もいますし、中学や高校時代に高いレベルでラグビーをしてきた経験に学び、チームに反映させたいと思っています。個人の技術面からチームとしての戦術面、そして日々の練習方法についても、学年に関係なくアドバイスを求め、みんなで意見を出し合ってチームの強化を進めています。例えば、ある学生がスプリント力を高めるために外部でトレーニングを受けたのですが、その内容を部に還元してくれて、多くの部員が効率的な走り方に改善できたこともありました。個人的にも、部員と対話を重ねることでコミュニケーション能力が磨かれてきましたし、戦術面でも引き出しが増えたことで、試合中の指示出しなど、頭の回転が速くなった実感がありますね。

意見を出しやすい風通しのよさを感じます。

渋谷:学生主体だからこそですし、学生一人ひとりが主体的に考えることでチームが成り立っているように思います。私も高校時代に取り組んでいた基礎練習の内容を部内で紹介して、「渋谷メニュー」として日々の練習メニューに取り入れてもらいました。高校時代のチームはパスを出す、もらう、ボールを持って走る、当たる、タックルするといった基礎練習をとても重視していて、私自身も基礎が盤石なチームほど上に行けると考えていたんです。学習院大学のラグビー部は強豪校出身者ばかりではないからこそ、しっかりと基礎を身につけることが肝心なんです。

目白のワンキャンパスで、のびのびとラグビーができる

最後に2024年度の新入生に向けたメッセージをお願いします。

井上:学習院大学のラグビー部では、OBが各地の高校にリクルートをかけてくれているので、学習院大学への進学が決まったラグビー経験者には、監督さんや顧問の先生から連絡が行くかもしれません。渋谷くんのように、高校時代の先輩が学習院大学でもラグビー部に入っている場合もありますし、まずは練習に参加して雰囲気の良さを感じてもらった上で、入部を決めてもらえたらうれしいですね。

渋谷:そうなったらもう入部するしかありませんけどね。さて、私は2023年度が副務でしたので、最終学年になる2024年度は主務になると思います。プレーの面では主軸としてチームを引っ張りながら、主務としてチーム運営にも全力を注ぎ、さらによりよいチームづくりに励む覚悟です。新入生の力も借りながらチームを盛り上げていこうと思いますので、ぜひ一緒にいっぱいお米を食べましょう。

田﨑:ワンキャンパスで学業から部活動までできる学習院大学は恵まれていますし、すぐに切り替えて練習ができます。部員も“やさしいやつ”しかいません。のびのびとラグビーができる環境ですので、未経験でも興味を持ってくれたらうれしいですね。学習院大学ラグビー部をよろしくお願いします!

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