外国語はドリブル技術
外国語学部で「個の突破力」に磨きをかける―拓殖大外国語学部

外国語はドリブル技術<br>外国語学部で「個の突破力」に磨きをかける―拓殖大外国語学部

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拓殖大学に外国語学部が設立されたのは今から約40年前。日本企業の海外進出を語学プラスαで支える人材を育成してきた。その後、日本と海外との関わりは、物流と人流のアウトバウンドとインバウンドの比率、アニメ・観光などの日本ブームの文化交流、通訳・翻訳ツールの普及など、多くの点で徐々に変化しつつある。この変化を慎重に観察、分析し、ツール=ドリブルとしての語学の可能性を常に追求し続けているのが、外国語学部だ。

取材・文 浜名 純      
構成 石塚祐次(大学通信)

教育上の最大の贅沢=能力別の少人数教育と「オリジナル」の留学

外国語学部 学部長 塩崎 智教授

―はじめに拓殖大学外国語学部の構成とその特色についてお聞かせください。また、カリキュラムの特徴についてもお教えください。

外国語学部には、英米語学科、中国語学科、スペイン語学科、国際日本語学科の4学科があります。

英米語学科での学びは、高校まで学んできた教科書英語とも、大学受験の英語とも違います。一言でいえば、五感と頭脳を駆使した、バーチャルではなくリアルな英語を学びます。例を挙げれば、「敬語表現」のような、状況に合った英語の使い分けの能力などがあります。

中国語学科は、拓殖大学建学時から約100年間にわたって積み上げてきた独自の中国語教育を実践しています。スペイン語学科では、4億人規模の言語の使い手として、ヨーロッパや中南米などの世界で活躍する人材を養成します。いずれも大学で初めて学ぶ言語ですから、どの学生もスタートラインは同じです。

国際日本語学科は2023年度に初めての卒業生を送り出す、新しい学科です。留学生と日本人が半数ずつで、日本語による異文化コミュニケーションを体得し、国際人として、世界で大人気の日本の魅力を発信できるような学びを行っています。日本語教師や国語教師養成の学科でもあります。

他学部との違いは、何といっても、能力に合ったクラス編成の少人数教育です。少人数教育は、ただ、クラスの人数が少ないということではありません。例えば、英米語学科では近年、学生に二極化が見られます。入学前から非常に英語力の高いグループと、英語は好きだけど、高校時代は部活などで十分英語の勉強ができていなかった、これから、どんどん英語のスキルを伸ばしたいというグループです。このため英語力に応じたクラス編成を徹底し、それぞれのペースに合った英語力の成長を考えています。

少人数教育による効果は、授業に限ったものではなく、授業外でも学生に対する注意が行き届きます。外国語学部ならではの「ファミリー感」がこれによって醸成されています。最近は学生のタイプも多様化しており、学生の満足度を高めるためには少人数教育は欠かせません。

カリキュラムは、英米語学科では2年次の終わりまでに、中国語学科とスペイン語学科では3年次の終わりまでに、4技能プラス文法をバランスよく学びます。3年生ではグローバル社会が必要とする英語の論文、記事を読む力、専攻言語でのプレゼン能力、レポート力を特訓、3・4年生はゼミで、ビジネス、異文化コミュニケーション、言語学、外国語教育、メデイアなどの専門分野を磨きます。

どの学科の学生も副専攻コースを2年生から取ることができます。英米語、中国語、スペイン語の各学科の科目を多めに履修することができ、卒業時にはコース終了証明書が発行されます。

また、語学力以外に、グローバルな目線での情報収集力、自動翻訳・通訳活用力、論理力、複眼的な思考力、異文化コミュニケーション能力が養われます。高校時代は理系でも、論理力などの素地をアドバンテージに外国語学部で力を伸ばしている学生は多数いますので大歓迎です。

―外国語学部では学生全員が4年間で最低1回海外留学をすることを目標に掲げています。そのためのサポートなどについてお教えください。

コロナ禍では、日本は本当に鎖国状態で、今でもそのトラウマを引きずっています。拓殖大学外国語学部も、オンライン留学などでピンチをしのいできましたが、2022年度の後期から、本格的な留学再開に動き出しました。

本学の留学制度は、大学主催の1か月、半年、1年の3種類の留学があります。世界中の提携先の学校に多くの学生を派遣してきました。半年、1年留学は、大学からの援助があります。1年間留学目的で休学すると、年間授業料5万円で済むという、ハイ・コスパの留学もあります。

外国語学部で特筆されるのは、提携校以外の大学も外部のエージェントに委ねることなく、現地に教員が自らの足で赴き、その目で確かめて、開拓していることです。これにより、それぞれの学生に合ったハイ・クオリティな留学先を提供することができます。

留学では、自分が何のために語学を専攻しているかを自分に問いかけ、その答えを見つけて欲しいと思います。また、日本で人目を気にしてできないことを体験してもらいたい。そして、その国の人に成りきる、という気概で種々の体験をしてほしいですね。語学はあくまでツールですが、それを使って現地でボランティア活動をしてくれればとも願っています。留学先でそうした体験をした学生は幸い、自信をもって帰ってきています。

総合大学の学びで「死角」無し

―他大学の外国語系学部や外国語の単科大学と比べ、拓殖大学の外国語学部の魅力とは何か、お聞かせください。

まさに総合大学の中の外国語学部であるということです。いろいろな学部がありますが、他学部との交流で、外国語学部の学生の新たな可能性を引き出し、スキルを修得させることが可能です。具体的には工学部とのコラボでIT人材育成を模索しています(次項で詳述)

また、外国語学習は山登りのようなものです。登り切った高さによって見晴らしが異なるように外国語学習も同じです。エベレストを目指す人もいれば、高尾山が好きな人もいます。拓大の外国語学部にもこのような考えが底流としてあるのです。つまり、ゴールは各学生によって異なっていいと考えています。全員がバイリンガルになる必要はありません。それぞれの学生の目標に応じて、外国語の能力を伸ばします。途中で「ギア・チェンジ」も可能で「挫折」はありえません。

ただし「大学での専門」として外国語を学んだというプライドを持てる学びはしてほしいし、そのための環境が整っているのが拓大の外国語学部です。そして、大学を出た後も「学び直したい」「学びを継続したい」と卒業生に思ってもらえるような教育を実践しています。

さらに、言及しておかなければならないのが、入学時(入口)と卒業時(出口)についてです。拓大の外国語学部は入学した時の偏差値ではなく、出る時の偏差値で勝負します。卒業後、東京外国語大学やオーストラリアの大学院に進学する学生もいます。また、拓大外国語学部は、年内合格者の入学前教育にも力を入れています。大学生活は実質4年半という学生も、たくさんいることになります。

 

工学部とのコラボと英語力強化で「専攻言語×IT×英語」のトリプル人材を育成

―「外国語×IT人材の育成」を視野に入れ、工学部とのコラボを模索しているとお聞きしています。どのような取り組みでしょうか。

近年、本当に外国語学部の卒業生の仕事としてIT関係が増えてきたというのが実感です。それも単なるIT企業ではなく、海外に拠点を持っていたり、海外とビジネスをしているIT企業が就職の主流となっています。いわゆる外資系企業はその典型です。

こうしたことを踏まえ、総合大学としての強みを発揮して工学部とのコラボを考えているというわけです。工学部と外国語学部の学生が、それぞれの授業(限られた科目ですが)を互いに履修できるようにしたいと思っています。例えば、工学部の情報関係の授業を外国語学部の学生が履修する。一方で、「留学したいので英語を勉強したい」という工学部の学生に、外国語学部の授業を受けてもらうという「授業交換」を実施しようというものです。すでに、アメリカ留学を希望する工学部の学生に授業を提供しました。

いろいろな形態がありますが、外国語学部で副専攻としてITのコースを用意するとか、情報専門の教員を確保し、ゼミを担当してもらうということなども考えています。

学部内のコラボとしては、2023年度(来年度)から、中国語学科やスペイン語学科の学生が履修する英語を強化します。どちらも実際のビジネスでは英語が必要になってきますので、4年間に渡って英米語学科の英語科目を履修できるのは大きな強みです。目標は就活開始までにTOEIC600以上です。

ボーダーレスの就職先―業界、職種、企業の国籍などダイバーシティが誇り

―卒業生の進路についてもお聞かせください。

これまで伝統的に航空、旅行、ホテルや小学校英語も含めた教職の道へ進む卒業生が多かったのですが、先ほども少し触れたように、この数年、特にコロナ感染以降はITや国際物流の分野にシフトしているといえましょう。大学4年間で大きく成長した拓大の外国語学部の学生の就職先は、ダズン(グローバル番組配信イギリス企業)、ユニクロ(社内英語企業)、東映(世界に日本の映画を配給)、日本IBMなどが名を連ねています。

もちろん、卒業生が入る会社で一緒に働く同僚には、当然他大学の出身者がたくさんいます。

同僚のレベルにかかわらず、専攻言語を活かした個の突破力を発揮して、外国語学部の学生は、グローバル・フィールドで「ドリブラー」として活躍しています。

最高の「通訳・翻訳ツール」の養成―AIに使われるのではなく、AIを使える人材

―外国語学部の今後の展望についてお聞かせください。

2025年度から新しいカリキュラムが始まります。まだ計画段階ですが、就職力をさらにアップさせるために、あらゆるビジネス・シーンで必要となる英語を、全学科で必修科目にして、TOEIC650以上を目指す、などの改革を検討中です。それに先立ち、2023年度から英語科目はTOEICを意識した授業をスタートします。そして、総合大学のメリットを生かして「IT・英語・専攻言語」の3つの高い技能力をもった学生を養成していく所存です。

近年、自動翻訳、自動通訳などの進化は目覚ましいものがありますが、人間こそ「生きた最高の翻訳ツール」なのです。拓大の外国語学部はその「生きた最高の通訳・翻訳ツール」である学生の育成を目指します。

高校で部活動に注いだエネルギーを、大学でぜひ外国語に!

―最後に受験生へのメッセージをお願いします。

日本では昔から「就職のために大学で学ぶ」という考え方があり、近年はそれがさらに進んでいます。ただ台湾の留学生に聞いたところ、「学部選びと就職は関係ない」と言っていましたが、今や日本でもその傾向が強くなり、どの学部からでもあらゆる業界に就職できる時代になりました。これはとても素晴らしいことです。

ぜひ自分のやりたいことを大学で思いっきり学んでください。「国際人」「グローバルスタンダード」「国際理解」「異文化コミュニケーション」「インバウンドビジネス」「海外勤務」といったキーワードに心を動かされた人は、ぜひ拓大の外国語学部で山登りに挑戦してみてください。きっと他とは違った「見晴らし」が広がっているはずです。

今まで、印象に残った学生の多くは、次のようなタイプでした。「大学に入ったら、高校まで運動に注いでいたエネルギーを外国語に向けたいと思っていた。卒業したら、語学力+外国語学部で養った複眼思考を駆使したアイデア力で、組織の未来を切り拓きたい。日本人はサッカーでも仕事でも、ゴール前でパス回しばかりしている印象がある。自分の個人技で組織の突破口を切り拓きたい!」

「キャンパス内の部活、サークル、人間関係、それからアルバイトで大学4年間を終わらせたくない! コロナのせいか、もともと心配性の日本は、心配ばかりで夢がない! 海外で人目を気にせず、かたっぱしからトライして、自分が持っている力を見つけたい!」

チームワークは大事ですが、そこに拘泥するあまり「個の突破力」が日本ではあまり目にすることがありません。大人もそうですが、多くの若者が周りを気にしながら生きています。外国語学部は、外国語というドリブル技術をツールとして、チームを活性化させる人材を育てたいと考えています。

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