独自プログラムで次世代型地域人材を育成
多様な学びの提供で地域の知の架け橋にー札幌大学

独自プログラムで次世代型地域人材を育成<br>多様な学びの提供で地域の知の架け橋にー札幌大学

構成 東久世克樹(大学通信)

今秋から新たな全専攻横断型教育プログラムをスタートする札幌大学。地域色を反映した独創的な学び、そして近年積極的に進めている他大学や高校・自治体との連携の内容に迫る。

プレアホール
大講義室
中講義室
ホワイエ

独自の全専攻横断型教育プログラムを開始

札幌大学は、学群制を早くから導入し、学部の枠を超えた学際的な学びを提供している大学の一つだ。すべての学生は「地域共創学群」に所属し、9つの分野(経済学、経営学、法学、英語、ロシア語、歴史文化、日本語・日本文化、スポーツ文化、リベラルアーツ)から自分の興味・関心や将来の目標などに合わせて専攻分野外からも授業を選択することができる。そして今年の秋学期より、新たな全専攻横断型教育プログラム「サツダイ:みらい志向プログラム」がスタートする。これは変化の激しい現代社会を力強く生き抜けるよう、実践的なスキルと知識を身に付けることを目的としたものだ。

1つめの「データサイエンス『魁(さきがけ)』プログラム」は、注目度の高い「データサイエンス」を軸に、「数理・統計学」「経営」などの科目群からバランスよく履修できるよう設計されている。昨年にはサツドラホールディングスと協定を締結、同社の教育事業担当者による実学に近いデータサイエンス教育を行うことで、 時代に対応した人材育成が期待されている。

2つめの「ビジネス創生『食・観光』プログラム」は、北海道での新たな「稼ぎ方」の創出をテーマに掲げている。「食・観光」「アウトドア」「農業・SDGs」といった地域色を反映した新しい学びのスタイルは、農業・観光分野での起業などを考えている学生には注目の内容だ。

3つめの「アイヌ文化スペシャリスト養成プログラム『asir(アシリ)』」は、単に文化や歴史の学びにとどまらず、アイヌ工芸作家を招いて伝統の木彫りや刺繍などの実技も取り入れ、それを四年制大学で初めて単位化した注目のプログラムだ。制作だけではなく販売のノウハウについても学び、産業として成り立たせるところまで視野に入れている。文化継承と実践的な学びを両立した稀有なプログラムだ。

どのプログラムも地域性や時代性を強く反映した内容で、その独自性から「サツダイでなければできない学び」と在学生だけでなく道内・道外の受験生からも注目を集めている。

 
みらい志向プログラムの詳細についてはHPより

サツダイ:みらい志向プログラム

道内外の大学・高校や自治体との連携を強化

そして札幌大学がいま積極的に進めているのが道内外の大学・高校との連携だ。既に協定締結済みの鹿児島国際大学に加えて、今年は長野県・松本大学を入れた3大学間で学生の交流をスタート。地域ごとの特色や差異を学び合い、共有した知見を地域創生や地域課題への取り組みに活用しようという試みだ。意外なところでは、東京の神田女学園中学校高等学校も提携校のひとつ。同校が注力する探究学習に北海道の学びを提供するなど、さまざまな交流を行っていく。また北海道むかわ町と北海道鵡川高校とは、自治体・高校・大学の3者で協定を結んでいる。高校生には札幌大学の学びを提供して探究学習に貢献する一方で、同大学の学生は街づくりのフィールドワークをむかわ町で行う予定だ。この取り組みは「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の目標に基づいて内閣府に提案し、委託事業にも選定されている。

さらにこの秋には全道の高校生の探究学習の成果発表の場を作ろうと、「HOKKAIDOハイスクールQUEST」を実施予定だ。これは部活動の大会やコンクールのように、高校生が探究活動における日々の取り組みの成果をプレゼンテーションし、広く社会にアピールする機会を作ろうと企画したもの。その会場には、昨秋完成した同大学の新キャンパスのプレアホールを開放する。参加する高校生はゲストからのフィードバックコメントや関係者からさまざまなアドバイスが受けられるため、知的探求心を深めるとともに多面的な視点や思考を養うことができるのだ。また本企画では高校生だけでなく、高校教員を対象にした探究学習の特別プログラムも実施予定だ。

独創的な新プログラムで地域を支える次世代の人材育成にとどまらず、道内外の高校生・教員など幅広い層に学びを提供する札幌大学。もはや大学の枠を超え、地域の知の架け橋としての大きな役割が期待されている。

連携事業の詳細についてはHPより
札幌大学の連携事業

神田女学園中学校高等学校との高大連携
むかわ町と北海道鵡川高等学校との包括連携協定式
サツドラホールディングス株式会社との包括連携協定

ユニヴプレスMAGカテゴリの最新記事