全学的な文理融合教育を強化し、専門知と総合知を兼ね備えたグローバル人材を育成ー武蔵大学

全学的な文理融合教育を強化し、専門知と総合知を兼ね備えたグローバル人材を育成ー武蔵大学

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学園創立100周年を迎えた2022年4月に国際教養学部が始動

高橋徳行学長
慶應義塾大学経済学部卒業後、米国バブソン大学経営大学院にて経営学修士課程修了(MBA)。国民生活金融公庫総合研究所で主席研究員を務めた後、2003年に武蔵大学経済学部経営学科教授となり、経済学部長、武蔵大学副学長を経て新学長に就任。専門はアントレプレナーシップ。

少人数制のゼミナール教育を重視する「ゼミの武蔵」としての伝統を守りながら、近年はグローバル教育にも力を注いできた武蔵大学。学園創立から100周年を迎えた2022年4月に国際教養学部を新設し、4学部体制となった。また、全学的な文理融合教育を推進する拠点として、リベラルアーツ&サイエンス教育センターを開設し、各学部でも新カリキュラムをスタートさせた。本稿では、新学長に就任した高橋徳行教授に、コロナ禍での学生対応や、新学部ほか教学面での展開について伺った。

コロナ禍での授業運営が積極的なICT活用の契機に

―まず、コロナ禍での対応について概況をお聞かせください。

2020年度は、新学期のスタート時期を遅らせ、学生のパソコン保有状況や通信環境の実態把握を行いました。オンライン授業に向けた貸し出し用のパソコンをはじめ、備品調達等による学習環境の整備が急務でした。また、学生にはオンライン授業支援特別奨学金として一律5万円を給付し、家計急変のあった学生を対象とする奨学金の給付額を引き上げたほか、人数制限を撤廃しました。

2021年度も授業期間の半分くらいが原則オンライン授業となりましたが、今年度は、本学の特色である少人数制のゼミや演習型の授業を対面方式に戻し、履修生が150名以上になる講義科目に限ってオンデマンド型の授業にしています。ただし、双方向性は重視しており、学生から質問があれば迅速に回答することを徹底し、授業内容に関する質問以外にも「オンラインご意見箱」を設けて、教職員が一体となって対応しています。

また、ゼミ合宿などの活動は届け出制とした上で、従来の形態へと少しずつ戻している段階です。卒業生が就職活動をサポートする「武蔵しごと塾」もコロナ禍で本学の職員が対応するかたちで実施しましたが、2022年度からは本来の姿に戻す方向で検討中です。

―コロナ禍で得られたものはありますか。

ICTを活用した授業展開の可能性です。感染状況が落ち着いたあとも、教育効果が保たれるのであれば、大人数向けの講義科目の一部はオンデマンド型を継続しても問題ないのではと考えています。また、オンラインを活用すれば、遠方のゲストスピーカーに登壇してもらうことも可能です。

ゼミや演習型の授業では、対面で参加する学生とオンラインで参加する学生が混在するハイフレックス型の授業も行っていました。この形式を今後も継続すれば、就職活動中の学生がキャンパス外からアクセスすることも可能です。ICTの活用をコロナ禍の一時的な措置と捉えるのではなく、有効なものは発展的に継続していきたいと考えています。

新たな風をもたらす国際教養学部

―4月に始動した国際教養学部についてお聞かせください。

国際教養学部国際教養学科には、経済経営学専攻とグローバルスタディーズ専攻があります。本学部は既存の学部で実績のあった2つのコースプログラムがベースになっていますので、きちんと調べてくれた受験生は、入学後の学びをイメージしやすかったと思います。

まず、経済経営学専攻には、ロンドン大学の学位を取得できる経済学部のパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)を、また、グローバルスタディーズ専攻には、人文学部にあったグローバル・スタディーズコース(英語プログラム)をそれぞれ移設しました。

初めての2022年度入試では、他学部よりも学内併願の受験生が少なく、特にグローバルスタディーズ専攻では単願の受験生も多く、他大学の国際系学部との併願という今までにないパターンが見られました。

また、各学部の新入生代表が「宣誓」を行う入学式では、形式的な内容になりがちなところを、国際教養学部の1期生は自分の言葉で堂々と宣誓文を読み上げました。入学式ひとつとっても変化が生まれており、今後もキャンパスに新たな風を起こしてくれると期待しています。

―ロンドン大学の学位取得者が過去最高の10名を記録したそうですね。

PDPでのロンドン大学の学位取得者は、1期生で2名、2期生で4名と推移し、3期生では10名と一気に増加しました。さらに新学部への移設によって、入学定員は55名ですのでPDPに挑戦する1学年あたりの学生数が50名程度になることも期待できます。したがって、ロンドン大学の学位取得者は今後も増加するものと思われます。

教授方法の見直しも随時行っています。PDP開始初年度に会計学や経済学の科目合格者が少なかった反省をもとに、教員が改善策を打ち出しました。また、当初は英語力を重視する意識が強かったのですが、PDPでは経済学や統計学などにも取り組むため、数学的素養が必要です。そこで、国際教養学部経済経営学専攻では数学を入試科目に加えました。

国際教養学部の学生には意欲の高さが窺えますし、高い目標を持つ仲間が集い、切磋琢磨する熱意を感じています。実際、授業がない日もラーニングコモンズなどで熱心に勉強に励む光景が見られます。大学としては、日曜日は施設を開放しない選択肢もありましたが、学生のために開放することにしました。学生たちの熱意が大学を動かしたのです。

グローバルな視点に加え文理融合的な視点を養う

新棟11号館に設置されたラーニングコモンズ

―他学部の動向についてもお聞かせください。

経済学部では、2つのグローバル科目がスタートしました。1つ目の「海外インターンシップ」は、アジアを中心とした各国の現地企業でマーケティング活動などを実践する就業体験プログラムです。低学年を主な対象とし、語学力に不安がある学生も参加できる内容にしています。2つ目の「グローバル企業研究」は、大手に限らずグローバルに展開する中堅企業にもご協力いただき、顧客ニーズの把握や戦略策定といった企業の課題にチームで取り組みます。

人文学部では、アジアの言語や文化を専門的に学びながら英語の学習意欲が高い学生や、欧米を研究しながら中国語などにも関心が高い学生が、各外国語の総合的な運用能力を高める「グローバル・チャレンジ」と、地域別のローカルな学びに加えて、より俯瞰的かつグローバルな視点で物事を捉える力を養う「グローバル・ヒューマニティーズ」というプログラムを新設しました。

社会学部ではすでに5年間の実績がある「グローバル・データサイエンスコース」を強化し、時代が求めるデータサイエンス・スキルを身につけるとともに、グローバルなコミュニケーション力を磨きます。

なお、こうしたグローバル教育の全学的な方向性として、今後はアジア圏の協定校や留学生を増やすなど、欧米のみならずアジアにも目を向け、活躍できる学生を育てたいという意識で取り組みを進めています。

―全学的に進める新たな取り組みなどはございますか。

本学の第四次中期計画での基幹事業の拠点として、「リベラルアーツ&サイエンス教育センター」を今年4月に設立しました。同センターがめざすのは、学生が文理融合的なスキルを獲得することです。近年、社会では広い視野で物事を考察できる学生が求められています。本学には自然科学を専門とする教員が複数名おりますので、今後はさらに全学生が履修できる理系科目を充実させていきます。

また、学生の幅広い興味に応えるため、経済学や社会学、歴史学などの基礎を学ぶ科目について、全学生が履修しやすい環境を整えます。社会の課題解決には、一つの学問領域から得た知見だけでは不十分であり、特定の分野にとらわれない総合的な教養を身につけていることが必要です。所属学科で「専門知」を高めつつ、専門知を集結させて課題解決に導くための「総合知」を形成することが重要なのです。そして、総合知を持った人材が結集すれば、多様な問題提起が行われ、自ずと議論も深まっていくものです。「他者と協働する力」は本学の教育の基本目標にも掲げており、学生には自分と専門が異なる他者との学び合いを大切にしてほしいと考えています。

文理融合的な分野を横断する総合知は、他者と意見を交換し、刺激し合うことによって育まれるものでもあります。今後は、グローバル教育やゼミでの取り組みに加えて、リベラルアーツ&サイエンス教育センターを中心とした、学びの新機軸を打ち出していく方針です。

知れば知るほど好きになる大学

―大学通信の「進路指導教諭が勧める大学ランキング」では、「面倒見の良い大学」が12年連続、「小規模だが評価できる大学」が5年連続でそれぞれ首都圏1位を記録しています。

ゼミをはじめ、少人数制を重視する本学のさまざまな仕組みそのものが面倒見の良さを高めていると思います。キャリア支援では、3年次に「全員面談」を行い、コロナ禍ではオンラインでの対応になりましたが、大学専属のキャリアカウンセラーが的確にサポートすることで、就職率は90%台後半の高い水準を維持しています。学生数に適したサポート体制の整備を重んじるからこそ、自ずと面倒見の良い状況を生み出せるのです。加えて、先にも述べた「武蔵しごと塾」や内定を獲得した4年生が就活生を支援する「就活サポーター」など、頼りになる卒業生や先輩を身近に感じられるのも本学の強みだと思います。

また「指導教授制」や「オフィスアワー」など、学生が気軽に教員に相談できる環境も整えています。教員との距離の近さを実感しやすいというのも、本学の良いところだと思います。

受験生の窓口として1号館に新設されたアドミッションセンター

―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

武蔵学園として100周年を迎えた今、次の100年に向けてはダイバーシティへの取り組みも強化します。本学の多様性を尊重する姿勢や面倒見の良さは、受験生に対しても同様です。また、最新設備を誇る新校舎や歴史を感じる大講堂、校門から続く並木道など、ワンキャンパスに多くの魅力が詰まっており、“知れば知るほど好きになる大学”だと思っています。

今年4月には、1号館に「アドミッションセンター」もオープンしましたので、ぜひ一度本学に足を運んでいただき、学生と教職員、先輩・後輩の距離が近い、アットホームな雰囲気を肌で感じてほしいと思います。

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