筋力アップで人間力アップ。筋繊維が紡ぐやりがいモリモリのキャンパスライフ。~ウェイトトレーニング部~

筋力アップで人間力アップ。筋繊維が紡ぐやりがいモリモリのキャンパスライフ。~ウェイトトレーニング部~

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学習院大学ウエイトトレーニング部の原点は、1965年に設立した「ウエイトトレーニング同好会」。当時使用していたのは、1964年の東京オリンピックで使われたバーベルやプレートだったといいます。その後、2015年に部へと昇格し、2021 年度の部員は約15名。過去には世界大会での上位入賞者も輩出してきた”強豪”運動部でありながら、個々のペースで活動でき、さまざまな目的意識を持ってトレーニングに励んでいける自由度の高さも魅力です。しかし、その実態は謎が多いのも事実。そこで、2021年度主将の石井芳輝さんに日々の活動内容や魅力を聞きました。

石井芳輝さん(2021年度 主将)国際社会科学部国際社会科学科3年
神奈川大学附属高校(神奈川県)では水球部に所属。現在は、ウエイトリフティングの選手として活躍しています。

個人競技でも仲間の存在が励みになる

――入部のきっかけから教えてください。

高校生の頃は水球部に所属していましたが、大学では新しいスポーツに挑戦したいと考え、新歓期間に部室を訪れました。高校時代から筋トレが楽しいと感じていたことと、歳の差を感じさせない気さくな先輩方ばかりで馴染みやすいと感じたことから入部を決めました。なかでも、世界大会への出場経験のある3学年上の先輩の存在が背中を押してくれました。

――普段の活動内容を教えてください。

大学のトレーニングルームを使い、週に1回、月に4回ほどのペースで合同練習をしています。そのほか、授業の空き時間などに各自でトレーニングを行うなど個人での練習が大部分で、部活動とは別にジムに通う部員もいます。私の場合、練習頻度は学内外合わせて週に5日ほど。これは多い方で、週に2日3日のトレーニングで成果を出す部員もいますので、入部後に自分に合うトレーニング方法やペースを見つけていけばいいと思います。

なお、個人練習が中心ですので、自分で考え、自分に厳しくトレーニングしていく必要があり、当然ながらやる気がある人ほど成長します。ただ、もちろん全体練習にもメリットがあります。トレーニング内容や大会出場などを強制することは一切ありませんが、周囲の目があることで、部員同士が高め合うことができるんです。

――みなさんは何を目標に、何をモチベーションにしているのでしょうか。

私はパワーリフティングの選手として活動する一方で、ボディビルの大会をめざす学生もいます。ただ、実のところは、純粋に筋トレを楽しみたいという学生がほとんど。本音をいえば大会にも挑戦してほしいですが、あくまでも個々の判断に任せています。

年間行事としては、関東学生パワーリフティング選手権大会が春と秋にあり、秋には関東学生ボディビル選手権大会も行われ、いずれも上位大会として全国大会が開催されます。部内で同じ競技に取り組む仲間や卒業生からアドバイスを受けることもできるため、部に所属していることが個人の成績によい影響を及ぼすことは確かだと思います。

自分に最適なスタイルを探究していく奥深さ

――初心者でもついていけますか?

ほとんどの部員が初心者で始めますし、入部後はトレーニングの基礎から教えますので、何の心配もいりません。もちろん無理はさせませんし、ケガをした際の対処方法なども部でノウハウを蓄積しています。

ただ、トレーニングを進めていくと、腕の長さなどの骨格や、筋肉がつきやすいかどうかといった体質によって、個人差は出てきます。パワーリフティングの大会でも、腕が短ければ持ち上げる距離が短くなり有利とされていますが、そういった体格の差を超えることもトレーニングのモチベーションになっています。

――そのための工夫などもあるんですよね?

例えば、腕の長さや筋肉の付き方によって、最大限に筋力を活かせるグリップの位置、つまりバーベルのどこを握るべきかが変わってきます。先輩や仲間のアドバイスを参考にして、自分で試行錯誤したりしながらベストなポジションを見つけられれば、持ち上げられる重量は増えていきます。

なお、練習ではまずはバーベル1本からスタートし、徐々に重りを増やしていきます。パワーリフティングは、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトという3種目の合計重量で競いますが、私が1日の練習で取り組むのは主に2種目。ウォーミングアップの後、2種目で1セットとして、これを4セット行います。その後、ダンベルなどを使う補助トレーニングでは、3種目すべての動きを取り入れます。細かい話ですが、私は練習でも大会でも足袋を履きます。ソールが薄く、特にデッドリフトで床面からバーベル引き上げる高さを低くできるからです。足袋だと、ベンチプレスでも踏ん張りやすくなります。

自粛期間での”勉強”が好成績につながった

第109回関東学生パワーリフティング選手権大会 デッドリフト

―― これまでに参加した大会での結果や感想を教えてください。

私がお世話になった先輩からいわれたのは「記録は度外視してもいいから、やるからにはまずは一度大会に出てみることが大事」ということです。その先輩から直接指導を受けながらトレーニングを重ね、1年次の秋には大会に出場しました。大会に出たことで自分の”現在地”を知ることができましたし、強い選手の存在が大きな刺激になりました。観客や他の選手などがいることで適度な緊張感が生まれ、まさに”パワーがみなぎる”ような感覚を味わうこともできました。

第109回関東学生パワーリフティング選手権大会 スクワット

ただ、その後はなかなか記録が伸びず、部活動とは別に、地元にあるウエイトリフティング専門のジムにも入会しました。幅広い年代の方々との情報交換のなかで、さまざまな気づきもあったのですが、そんな矢先にコロナ禍に突入し、学校のトレーニングルームも学外のジムも閉鎖が相次ぎました。練習ができない状況に焦りは大きくなりましたが、パワーリフティングの本場であるアメリカから専門書を入手して読み進めることで、普段とは別の角度からトレーニングを見つめ直すこともできました。こうして自粛期間がいい充電期間となり、2年次には関東学生パワーリフティング選手権大会で準優勝。この大会で出場資格を得た全日本学生パワーリフティング大会は、残念ながらコロナ禍で中止になってしまいましたが、3年生となった今年は全日本ベンチプレス選手権大会で3位になれたので、着実に成果が出ています。

食べ物に味があること自体に感動!

――日常的に心がけていることはありますか?

大切なのは大会当日から逆算して練習を重ねていく計画力と行動力だと思います。私はこれまで「できなかったらどうしよう」と考えがちでしたが、だからこそ何でもまずは行動してみることを大切にしています。この心がけは、勉強や就職活動などにも活かされており、この部に入ってよかったと心底思います。

また、大会で求められるのは一瞬の集中力。その瞬間のためにトレーニングを重ねます。そうやって自己ベストを更新していくということは、過去の自分に勝つということ。誰かに勝つというよりも、記録を伸ばすことで自分の成長を実感できることが大きな喜びになります。

――食事面の管理も重要なイメージがあります。

栄養面での管理は徹底しており、ほぼ毎日、鶏の胸肉を茹でて食べています。料理は好きなので、弁当にして学校に持ってくることもあります。また、プロテインはトレーニングの直前ではなく、毎回の食事に取り入れています。長いスパンで体づくりの計画を立てているので、規則正しい食生活とプロテインの摂取を心がけています。

ただし、その分、友達と食事に行ってハイカロリーな料理を食べると、どうしても罪悪感を覚えます。とはいえ、そう頻繁でなければそこまで影響はありませんし、ボディビルをしている知人はお菓子が大好き。要は、しっかりと量をコントロールしながらトレーニングすればいいのだと思います。

それに、私の大会前の勝負飯は純粋に自分が好きなもの。例えばハンバーガーなどです。普段からあまり味のしないものばかりを食べているので、食べ物に味があること自体に感動するレベルです。

“気は優しいが力持ち”な部員一同、お待ちしています

――今後の目標を教えてください。

関東学生パワーリフティング選手権大会で上位に入り、その後の全日本学生パワーリフティング選手権大会で3位以内に入ることが目標です。具体的な数値では、3種類のトータルで600kgに届かせること。あと65kgです。

そのために、2021年7月からは本場アメリカのコーチからオンラインで指導を受けています。ビデオチャットやメール、SNSなどを使い、1日に摂取する炭水化物やタンパク質、脂質の量なども指示されます。英語でのコミュニケーションには不安もありましたが、コーチも配慮してくれますし、英語自体は好きですし、ここでも「まずはやってみよう!」と一歩を踏み出しました。

――最後に、新入生へのメッセージをお願いします。

部員は黙々と淡々とトレーニングに励んでいますが、実は後輩思い、仲間思いの熱いハートを持った人ばかりです。パワーリフティングやボディビルといった競技に興味がなくても、純粋にトレーニングに興味があれば、気軽に連絡してみてください。特に勧誘活動などはしていないのですが、一緒に頑張っていける人であれば男女問わず大歓迎です。一緒に筋トレしましょう!

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