4年間で大きく伸びる教育とは―聖学院大学

4年間で大きく伸びる教育とは―聖学院大学

「一人を愛し、一人を育む。」をタグラインに掲げる聖学院大学では、その言葉通り学生一人ひとりに寄り添う教育を実施している。その結果として4年間で大きく成長する学生が多く、「面倒見が良い大学」という評価()につながっている。
では、具体的にどのような教育を行っているのだろうか。教員と学生の両方の視点から知るために、副学長で人文学部児童学科の小池茂子教授と、4年生で小池教授のゼミに所属する堀勇輝さんに聞いてみた。

「面倒見」とは学生を見守り、不安を取り除くこと

――まず、堀さんが聖学院大学に進学を決めた理由を教えてください。

 大学選びの段階では、将来の進路として小学校教諭を希望していました。教員免許を取得できる大学を探していているとき、高校にちょうど聖学院大学を卒業した先生がいらっしゃって、この大学を紹介していただきました。面倒見が良い大学であるということをその先生から聞いていましたし、実際にオープンキャンパスに来た時に先輩方にとても親切に接していただき、雰囲気が気に入ったので最終的に進学先として決定しました。

小池 本学は小規模な大学で、教員と学生の距離が近いことが大きな特徴です。特に入学直後はどの学生も不安だらけですから、約10人の学生に対しアドバイザーとなる教員を1人配置し、学習面から生活面まで、些細なことでも相談できる体制を整えています。ただし、手取り足取り教えるようなことはしません。つまずきそうなポイントでそれとなくアドバイスをするなど、学生を見守り、不安を取り除く形で成長を支援することが本当の面倒見の良さだと考えています。

資格取得に留まらない確固たる人間観を養う教養教育

――聖学院大学での児童学科の学びには、どのような特徴がありますか?

小池 キリスト教主義の大学ならではの充実した教養教育が特徴でしょうか。人間を育てることを学ぶ学科ですから、単に専門知識・技能や資格の取得を目指す場となってしまってはいけません。児童学科が独自に設けている「言葉の基礎」という科目をはじめ、人文学部で歴史や哲学、文学などを学び、身に着けた教養を土台にしっかりとした人間観を養ってほしいという思いがあります。

 大学での学びは、私にとっても人生を変えるきっかけになりました。元々「子どもが好き」という気持ちだけで小学校教諭を夢見ていたのですが、大学で幅広い科目を学び、実習などを経験していくうちに、好きという気持ちだけで小学校教諭の仕事を続けるのは難しいことに気付きました。自分を見つめ直し、強い芯を持って取り組める仕事を探し直して、最終的には民間企業で働く道を選びました。

小池 堀さんは教育実習の成績もとても良かったのですが、教員よりももっと自分に合った道を見つけたわけですね。途中で方向転換することは決して悪いことではありません。就職者数や合格率といった数字に囚われず、学生みんながそれぞれ納得の行く進路を選べるような指導をしています。

――小池教授のゼミではどのような研究をしているのですか?

小池 私は児童学科の教員ではありますが、研究内容としては、生涯学習・成人教育学を専門分野としています。学習とは大人になるための準備ではなく、生涯に渡って自分自身を築いていくために必要なものです。保育者や教員をめざす学生に対しては、子どもたちだけでなく保護者もまた完全な存在ではありませんから、そこへのサポートも忘れないでほしいということを伝えています。

 私の研究テーマは、不登校児に対しての学校以外の居場所作りについてです。生涯学習を専門とする小池先生のもと、学校教育だけに留まらず、社会の中にある教育力のことを広く学びながらの研究でした。その成果といえるかは分かりませんが、ちょっとした日常会話ひとつをとっても相手の立場を思いやって考える癖がついたなど、自分自身の成長を実感しています。

家族のように仲の良いゼミ

――小池教授と堀さんの間のエピソードをお聞かせください。

小池 堀さんの学年はゼミ生が2人しかいませんでしたので、とても濃い人間関係を作れましたね(笑)。

すごくまじめに研究に取り組んでくれましたし、他の学生がつまずいてしまった時にはそっと手を差し伸べるような姿を何度も見ています。「人間を理解する」、「他者を思いやるこころを育てる」といった、児童学科のめざす教育理念を体現したような学生でしたね。本人の素養もあったと思いますが、大学の4年間でこういった資質を伸ばして巣立っていく姿を見て嬉しく思います。

 私は長野で行ったゼミ合宿のことを一番に思い出します。普段のゼミで読み終わらなかった本を読み、史跡巡りなどをしたのですが、2人のゼミ生と小池先生の3人だけですので、どこに行っても家族旅行に間違えられてしまいました(笑)。

少人数で仲が良くて、本当に居心地が良かったです。大学の4年間はもちろん大変なこともありましたが、ゼミが楽しかったから頑張れたのかもしれないですね。

――最後に、高等学校の進路指導教諭に向けてメッセージをお願いします。

 聖学院大学には、完璧な学生はそんなにいません。どこかで自分の短所を分かっているような学生が多くて、それぞれが頑張っています。例え中学高校であまり上手くいっていなくても、大学では勉強を頑張って社会で活躍したいという気持ちを持っている、そんな受験生にこそ勧めたい大学です。

小池 本学科は児童学科ということで将来就きたい職業を明確にして入学する学生が多いのですが、決して資格取得だけをめざすわけではありません。人間全体やそれを取り巻く社会についてしっかりと学ぶことで、子どもたちを温かく見守り、支えられるような人を育む学科であることを、ぜひ知っていただきたいと思っています。

*大学通信では毎年、全国の約2000進学校にアンケートを行い、様々な観点ごとに進路指導教諭オススメの大学を聞いて集計している。聖学院大学は「面倒見が良い大学」の項目で毎年上位にランクイン。2020年調査では全国29位、関東・甲信越地区(東京除く)で2位だった。

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