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“Mastery for Service(奉仕のための練達)”のスクールモットーのもと、創造的かつ有能な世界市民の育成に取り組んでいる関西学院大学。キャリア支援の充実ぶりもよく知られており、2019年度は卒業生5,000人以上の大学において実就職率で1位を達成した。さらに進化・充実した体制で臨んでいた2020年度だが、コロナ禍は例外なく同学にも降り掛かった。かつて誰も経験したことがない状況のなか、どのように学生の支援に取り組み、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代をどう見据えているのか。キャリアセンターの森 隆史センター長と、職員の西本 優 氏に話をうかがった。
関西学院大学の就職支援
―関西学院大学のキャリア支援の特徴を教えてください
森 最初に、私たちの大方針をお話しさせてください。4月以降、学生も職員もキャンパスへの立ち入りが制限され、対面での学生支援が事実上不可能になりました。このとき私たちは、「体は離れていても心は学生とともにある。何よりも学生の不安に寄り添おう」という大方針を掲げました。異例ずくめの今年度のキャリア支援において、すべての取り組みはこの方針に基づいて判断・実施しています。
本学キャリア支援の特徴の1つ目は、個人面談です。面談の内容が充実していることはもちろんなのですが、私からは、面談に携わる職員の体制を特徴として挙げたいと思います。
まず、面談はキャリアセンター職員やキャリアカウンセラーが担当します。その内容や様子をもとに気になる学生には連絡をしたり、学生がキャリアセンターを訪れた際に声をかけたりしています。つまり、1人の学生に対して複数の職員がさまざまな角度からアプローチをする体制になっているのです。これにより、1人では見落としていた学生の不安や要望を拾い上げ、支援することが可能となっています。
キャリアセンターには、カウンセラー陣のまとめ役となる職員が配置されています。この職員を中心にしてカウンセラーチームの研修などが行われており、「関西学院大学のキャリア支援とは」という基本方針を共有します。この仕組みがカウンセリングの質の担保につながっているのです。
学生と職員の距離の近さも特徴です。私自身、キャリア科目の授業を受け持っており、教員として学生と向き合っています。学内の至るところで「学生のアイデアをカタチにする」取り組みが行われ、その舞台裏では職員がさまざまなサポートを行っています。学生が職員を身近に感じ、「支援してくれる人」として信頼を寄せてくれていることは、キャリアセンターのみならず本学の特徴であると言えます。
―コロナ禍における就職支援について教えてください。
森 対面による支援が行えなくなったタイミングで、キャリアセンターの全職員に携帯電話を配布し、学生からの相談に対応できる体制を取りました。「10分電話相談」などと呼ばれている仕組みで、冒頭に掲げた大方針を具現化したものです。
西本 2020年度の就職支援は、2019年度から準備を進めていました。それが、年度が改まって「いよいよスタート」という4月時点でのコロナ禍です。ゼロベースで見直さざるを得ませんでした。「対面での支援ができない」「適切な時期に適切な情報の発信は絶対に必要」という状況のなか、大いに役立ったのが2019年度中に立ち上げていた2つのオンライン支援です。
まず1つ目は、19年11月にスタートした「KGキャリアチャンネル」です。動画を用いたオンデマンドやライブによる情報発信のプラットフォームがあるおかげで、ガイダンスをはじめとした就職支援のイベントをオンライン上で開催することができました。
もう1つはWeb個人面談です。こちらは19年夏からスタートしていた取り組みで、今年の4月以降には支援の主軸になりました。
「KGキャリアチャンネル」のオンデマンド配信は、「いつでも、どこでも利用できる」という強みがあります。これは一昨年から導入された「KGキャリアChatbot(以下、チャットボット)」による相談も同様です。気になることがすぐに解決できるうえ、気軽に利用できるので、これまではキャリアセンターに足を運ぶことがなかった学生の利用促進につながりました。配信される動画には、「キャリアセンターの職員に気軽に相談できるように親しみを持ってもらいたい」という思いから、職員自身が出演しているものも多いです。これらの工夫が2019年度中に行われていたことが、コロナ禍以降のWeb個人面談や各種オンライン支援の利用促進につながったように思います。
―コロナ禍で、学生の就職状況に変化はありましたでしょうか。
西本 社会全体での傾向としては、就職活動期間が短くなってしまい、企業研究や自己分析が不十分になり、その結果としてミスマッチが増えているという傾向が言われています。しかし本学に限っては、その傾向はないように思います。その理由として、コロナ禍以前から学生が自分自身や将来のことをしっかりと考える意識付けができていた点があげられます。業界によっては、2021年卒の新卒採用を打ち切った企業もあります。そういった企業を目指していた学生に対しては、「なぜその業界を目指していたのか」「同じ目標をかなえられる他の業界・企業はないのか」といった視点からも面談を行い、夢を実現できる進路決定を支援しています。
内定状況については、4月時点では例年と変わりませんでした。それ以降はコロナ禍の影響が直撃し、7月時点での内定率は昨年より15ポイントほど下がっています。ただ、今年は企業も採用活動を後ろ倒しにしている傾向があります。12月頃には例年と変わらない内定率になるだろうとも言われています。学生に対してはそういった企業の動きを伝えながら、「とりあえず内定がもらえたらいい」という就職活動ではなく、「満足のいく就職活動」を行ってもらうことがキャリアセンターの役割だと考えています。
―2019年度実就職率は卒業生5000人以上の大学で1位になりました。その理由について教えてください。
西本 本学では早期からの進路把握に力を入れています。これには、「困っている学生にこそ支援を」という方針が背景にあります。早い段階から進路の状況を把握し、決まっていない人には連絡を取って支援を行うことが、全国1位となった要因の一つではないでしょうか。参考までに2019年度の場合、最終的に連絡が取れなかった学生は約5000人のうち22人だけでした。
森 卒業生の協力も大きな要因です。本学の卒業生はさまざまな業界で活躍してくれていますが、そのうちのおよそ1万人が在学生の就職活動に協力してくれています。具体的には、在学生からの相談に乗ることに同意し、相談を受けた卒業生は、自身の仕事や業界のことや、「働く」ということ、学生時代の過ごし方など、親身になって対応してくれます。在学生はその姿に刺激を受け、「こんな先輩になりたい」という思いを胸に社会へと羽ばたいていくはずです。結果、「今度は自分も後輩のために」といって協力してくれる人が増える。これが本学ならではの強みです。高い就職率は、卒業生の母校愛に支えられているとも言えます。
―不況下の就職にも強いことが関西学院大学の特徴だと思います。その理由について教えてください。
西本 在学中に本学のスクールモットー〝Mastery for Service(奉仕のための練達)”をしっかりと理解し、体現するような学生生活を送っている、あるいは卒業後にも体現していきたいと考えている。そんな学生がたくさん在籍してくれていると感じています。これは言い換えれば、具体的なキャリアビジョンを描けているという意味です。そのことが、企業に選ばれる人材となっている要因ではないでしょうか。
森 先ほども少しお話ししましたが、学生と教職員との距離の近さがここでも好影響を及ぼしていると思います。教職員、すなわち「大人」が自分の声に耳を傾け、思いを受け止めてくれる場面を、本学の学生は在学中に数多く経験します。このことは自己肯定感につながります。自己肯定感とは「人や環境のせいにしない」という姿勢を育み、自分の頭で考え、自分で行動する力を養います。不況下など、社会情勢が厳しいとき、変化するときに、このような素養は不可欠です。それが、「不況時に強い」という評価につながっているように思います。
―就職支援において次々と新たな取り組みを行っている、その原動力は何でしょうか。
西本 キャリアセンターにとって、「先読み」をすることは極めて重要な仕事と感じています。先読みを怠ると数年後に手痛いしっぺ返しを受けると、危機感をもって取り組んでいます。
その理由はまず、就職活動の本番とも言える3・4年次は「アウトプット」の時期だからです。「アウトプット」には、材料の「インプット」が不可欠です。つまり、1・2年次に何をしてきたかが3・4年次の成果を左右するのです。そこで本学では低学年次の支援に力を入れ、学生がさまざまなチャレンジができるような環境の整備に取り組んでいます。
学生の活動や生活を見つめながら、「彼ら・彼女らが就職活動をするときはどんな状況になっているだろうか?」と考えることも大切にしています。例えば近年は、多くの学生が海外留学をするようになりました。彼ら・彼女らはいずれ、時差をまたぎながら就職活動をするようになるかもしれません。となると、キャリアセンターの対応時間を日本時間の日中だけにしておくと不都合が生じるかもしれない。このような発想から窓口での対応方法を見直すことが、今回のコロナ禍にあたっての柔軟な取り組みに役立ちました。
森 キャリア支援が単に就職だけをゴールに据えているのではなく、「教育」と位置付けられていることも大きな要因だと思います。私が受け持つキャリアゼミでは例年、卒業生とともにグループワークに取り組んでいます。それが今年はコロナ禍の影響で開催が困難に。そこで、オンラインで実施することにしました。さらに、オンラインであれば場所の制約はないのですから、ボストンとロシアにいる卒業生にも参加してもらいました。コロナ禍は確かにたくさんのことを不可能にしてしまいました。でも、「やり方次第でできる」「コロナ禍だから気付けた」ということもたくさんあります。そのことを「キャリア支援」という枠組みの中で示すことができたのです。これがまさに「教育」だと思います。
―22年度以降はコロナの影響が、より顕著に就職活動に出始めると推測されます。キャリアセンターとしてどのような対応をしていくのか、教えてください。
西本 まず言えることは、誰も経験したことのないコロナ禍における就職活動に取り組んでいる、現4年生・3年生の支援に全力で取り組んでいくということです。そのうえで注力したいのは、情報収集です。企業へのヒヤリングはもちろんのこと、コロナ禍で就職活動を行った現4年生の声を可能な限り集めたいです。
そうやって集めた情報を学生に適切に届けること、特に就職活動が本格化した現3年生に届けることが重要な取り組みです。例えば夏休みのインターンシップは、対面からオンラインに形式こそ変えたものの、開催数は前年度並みでした。この情報は、7月の段階で「KGキャリアチャンネル」を使って発信しました。このときは「緊急ガイダンス」と銘打って、コロナ禍になって以来初めてのリアルタイム配信を行いました。「オンライン就活」は今後も増えていくと予測されるので、学生がその流れにしっかりと対応できるよう、支援していくことがキャリアセンターとしての重要な課題です。
森 企業とのパイプを従来以上に強固なものにしていきたいです。オンライン会議の広まりのおかげで、いままでよりも企業を“訪問”しやすい環境が整いました。これを追い風にして、積極的に情報交換を進めていきたいです。私は企業で働いていた経験も長いので、「企業側の事情を理解した人がキャリア支援を行っている」ということも伝えていきたいです。
―関西学院大学の良さについて教えてください。
西本 スクールモットーである“Mastery for Service”に尽きます。学生の活動はもちろんのこと、提供する学びや各種の学生支援なども、ここに向かって軸がぶれていないことがすべてです。
森 私は「自由な校風」をあげたいと思います。自由には自律が大切です。自律は成長を促します。教職員はこのことをよく理解しているので、学生の意思を最大限に優先します。
―最後に、メッセージをお願いします。
西本 コロナ禍において、できなくなってしまったことは確かにたくさんあります。でも、別の方法で実現したり、違った目標に目を向けることは可能です。こういうときだからこそ、世界を広げられるチャンスがたくさんあるのです。そして、それができるのが関西学院大学です。自分で考え、自分で動くことができる環境が整った本学で、ぜひ一緒に学びましょう。
森 世の中を変えたいと思っている人、世の中に貢献したいと思っている人が、在学生や卒業生にはたくさんいます。同じような思いを持った人は、ぜひ、私たち関西学院大学の仲間になりませんか。お待ちしています!
キャリアとは…
キャリアゼミを受け持ち、学生にキャリア教育を行う森センター長に「キャリアとは?」をうかがった。
夢や目標を掲げて、そこに向かって前進していく、設定した途中の目標をクリアしていく―。これは「目標達成型キャリア形成」と言われます。素晴らしいキャリア形成の方法なのですが、必ずしもみんなが明確な夢を描けるわけではありません。そんな人は、目の前のことに一生懸命取り組んでください。すると誰かが評価してくれ、次の課題へと導いてくれます。そこでまた、一生懸命頑張るのです。これを「展開型キャリア形成」と言います。きっと、気がつけば素晴らしい場所へあなたはたどり着いていることでしょう。キャリアには2つの形成方法があり、自分にあった方法で歩んでいい。ぜひ、そのことを心に留めておいてください。
学生インタビュー
全力で取り組んだ経験は、必ず役に立つときが来る!
理工学研究科M2年化学専攻
自動車部品メーカー内定
田邉陽子さん
仕事を通して社会に貢献したいという思いと、女性が活躍している会社で働きたいという思いを軸にして就職活動を行いました。自動車部品は、「それがなければクルマは動かない」とも言える重要な製品です。クルマは現代社会に不可欠なもの。そこに携われることや、そういった大切な製品に熱い思いを寄せている社員の姿に触れたことから、就職を決めました。
就職活動にあたっては、キャリアセンターが開催するガイダンスに参加したことがとても役立ちました。「今、すべきこと」がクリアになり、適切な時期に適切な活動を行うことができました。個人面談でエントリーシートや面接の相談に乗ってもらったこともとても助かりました。いつも親切・丁寧に対応してくれ、的確なアドバイスをしてくれたキャリアセンターは、関西学院大学のおすすめポイントの1つです。
コロナの影響を受けたのは、面接がマスク必須になって表情がわかりにくくなったことです。以前は表情でなんとなく伝えられていたことが、言葉ではっきりと伝えなければいけないようになりました。その対策としても、個人面談が役に立ちました。
私は学部と大学院を通じて、研究に打ち込んできました。パン屋さんでのアルバイトを5年間続けましたし、4歳から始めたピアノを学生になっても続けました。このような学生生活から学んだのは、「全力で取り組んだ経験は、必ず何かの形で役に立つ」ということです。就職活動で自信をもって自分のことを語ることができたのは、これらの経験のおかげです。高校時代や今後の学生時代に、ぜひみなさんも、何かに全力を注いでみてください。
すべてを自分で決められる。だから成長できる
商学部4年
食品メーカー内定
松本 拓さん
学生時代に頑張ったのは、ゼミ活動と母校の野球部でのコーチとしての活動、そしてスーパーでのアルバイトです。ゼミでは会計学を学びながら、簿記の資格を取得。学生コーチでは、選手や周囲のスタッフと協力し、信頼を得るという経験を積むことができました。スーパーでのアルバイトでは、食が私たちの生活にどれだけ深く結びついているのかを実感。ここでの経験が、食品メーカーへの就職につながりました。
就職活動にあたっては、「何かあればキャリアセンターへ」というほどお世話になりました。特に印象的だったのは個人面談でのエントリーシートの相談と面接指導です。最初は漠然としていた志望動機や自己PRについて、カウンセラーの方は「具体的にはどんなことがあったの?」「そのときどう思ったの?」などと、踏み込んでたずねてくれました。それに答えていくことで、私のなかでぼんやりとしていた思いがはっきりとした言葉になっていったのです。それが結果として、面接で自信をもって受け答えできることにつながったように思います。
コロナ禍が深刻化して以降、キャリアセンターに足を運ぶことができなくなりました。このとき支えになったのが「10分電話相談」です。気になることや不安なことを気軽に相談でき、アドバイスをもらえました。そして、時間をかけてゆっくり相談したいときはWeb個人面談を利用。気がつけば、コロナ以前と変わらないようなサポートを受けることができていました。
私は、“Mastery for Service”というスクールモットーと、「輝く自由」という関西学院大学の精神が大好きです。この2つは、「すべてを自分で決めることができる」という関西学院大学の魅力の根本だと思います。自分にできること、自分がすべきことを自分で考え、行動できるのです。この環境で学ぶことができて、本当に良かったです。